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日本皮膚病理組織学会事務局

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3. あどばんすとな皮膚病理医に憧れて

藤田靖幸 先生
北海道大学病院皮膚科

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 この原稿を書かせて頂いている私の立場で言うと怒られそうですが、私は皮膚に限らず病理学が苦手なのです。

 学生時代の病理実習では、接眼レンズを覗くと10分で車酔いのような感覚になって具合が悪くなる始末でした。ですので、皮膚科には皮膚病理という分野が存在し、皮膚科医自身が顕微鏡をのぞいて診断を下すことが重要である、ということを入局宣言後に初めて知り、軽くショックを受けたことを今でも覚えています。

 しかし、実際に皮膚科医として働き始めると、皮膚病理を修めた先輩方がHEスライド1枚から様々な所見を見いだし、臨床症状だけでは導き出せない鑑別診断を次々と繰り出す姿を見て、ほのかな憧れを抱くようになりました。

 その後顕微鏡酔いを少しずつ克服し、専門医を取得し、教室内で病理係を拝命する時点になっても、なお自分の中で昔憧れた皮膚病理医の先輩方のレベルに近づけないことに、焦りと無力さを感じておりました。そんな折に目に飛び込んできたのが、中級者を対象とした日本皮膚病理組織学会の新しい取り組み、「皮膚病理あどばんすと」でした。これは、まさに私のような中途半端な人間がステップアップするためにある! と直感し、早速受講を申し込みました。

 バーチャルスライドを用いて、使い慣れた自分のPCの上で好きな部分を観察しながら、その分野での第一人者の先生方から気さくに指導を頂く形式で、まさに個別指導に近い実習を受けることができます。限られた時間の中で最大限の効果をあげるため、テーマは絞られていますが、その分一つのことを濃密に考察する時間が与えられ、非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。

 皮膚科は、目の前の皮疹の中から特徴的な病変を見つけ出し、鑑別診断を考えて正解へたどり着くのが醍醐味だと思います。皮膚病理も全く同じで、スライドからいかに多くの情報と経験知を引き出せるかがポイントの一つだと思います。この少数精鋭の講習は、教科書~専門医試験レベルの皮膚科医が、それを超えた「あどばんすと」な皮膚病理医になるための、大きなヒントを与えてくれることでしょう(私もそのレベルになれるよう、努力を続けたいと思います)。