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日本皮膚病理組織学会事務局

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2.皮膚病理が好きになる

清水宏先生
北海道大学皮膚科教授


 私は医学部の学生時代、顕微鏡が本当に嫌いだった。神経解剖実習の時、嫌というほど病理スライドを顕微鏡で見せられ、訳もわからずスケッチをとらされたら、本当に頭が痛くなって吐き気がした。

 医者になったら、顕微鏡なんて、絶対に見なくてもすむような職業に就きたいと心から願ったものだ。しかし医学部6年生の時に、アマゾン川流域の医療を見学に行って、そこで激しい臨床を呈する皮膚病をたくさん見たことがきっかけで皮膚科医になった。皮膚科の診療には、皮膚生検と病理診断が必要不可欠だと間もなく悟った。

 慶應大学皮膚科入局後、何かのめぐり合わせで、皮膚病理係に任命された。皮膚病理係の仕事は、自分ですべての皮膚病理標本を見るばかりでなく、後輩の研修医に皮膚病理の基礎を教え、また毎週のカンファレンスで研修医が供覧する病理スライドの指導をしなければならない。教えるためには勉強する必要があり、必要に迫られているうちに、いつの間にか自然に皮膚病理診断能力がついて、病理スライドを見ることが楽しくなった。自分で見てわからない皮膚病理スライドは、誰が見ても難しいはずだという自信もついてきた。

 教授になった今でも、皮膚病理の大切さを伝えるために、毎週のカンファレンスの前に10人用ディスカッション顕微鏡を使って、研修医に皮膚病理を教えている。一切の臨床情報抜きで病理標本だけを見て、何が読み取れるかということを述べていく方式だ。皮膚病理を好きになれば、皮膚科医としての喜びと自信が増していくことを後輩に伝えていきたい。