● 日本疼痛学会について
 日本疼痛学会は昭和54年に発足した「痛みの問題研究会」が発展し、昭和59年に日本疼痛学会と名称変更され現在に至っています。年1回の学術集会を開催しており平成26年で第36回となる、日本における疼痛の治療とメカニズムに関する研究を中心テーマとするアカデミックな学会であります。日夜痛みの臨床に関わる臨床医や理学療法士などの医療従事者、及び痛みの基礎研究に取り組む基礎医学者が集まり、痛みを科学的に捉えその研究を推進し、その成果を臨床の場での疼痛の軽減に役立てることを目的としております。現在、900名弱の会員が在籍しており、麻酔科/ペインクリニック、脳外科、整形外科、心療内科、神経内科他多くの臨床医、理学療法士等のリハビリ関係者、看護関係者、そして生理学・薬理学/薬学・解剖学等の基礎医学関係者が中心となり、活発な学会活動を行っています。

 日本疼痛学会 (Japanese Association of the Study of Pain: JASP)は、世界の疼痛研究・疼痛治療のリーダーである国際疼痛学会 (International Association of the Study of Pain: IASP) の日本支部であり、IASPの活動を日本全体に広めていく役割や、また日本の疼痛研究・疼痛治療の成果をIASPを通じて国際的に発表していく役割を持っています。IASPの疼痛治療の基本原則である multidisciplinary treatmentとは、多くの学問領域にわたる集学的疼痛治療のことであり、IASPの支部である日本疼痛学会はまさに多くの学問領域にわたる研究者が集い、臨床的な研究であれ、基礎的な研究であれ、社会医学的な研究であれ、科学的な側面からの疼痛の研究と真摯な議論より、痛みの軽減を通じて人間の福祉に貢献したいと考えています。  2016年9月にはIASP主催の World Congress on Painが横浜で開催されます。日本の疼痛研究者・疼痛治療関係者にとっては待望の日本開催であり、大会の成功はもとより日本における疼痛治療・研究を一層発展させる重要なイベントになることを期待しております。

 日本疼痛学会は今後とも上に述べた疼痛の治療及びメカニズムの研究を積極的に推進して参りますので、多くの疼痛研究者・痛みに関わる臨床医・医療従事者の参加を期待しております。また、日本におけるより良い疼痛治療の政策実現へ向けて情報発信していく所存ですので、ご期待いただきたいと存じます。


日本疼痛学会理事長
兵庫医科大学解剖学神経科学部門 野口 光一