分散分析における多重比較検定の方法

                       


 

いくつかの母集団の平均値が等しいという仮定を検定するのが分散分析、ANOVA(analysis of variance)という。これは次の統計量を計算して得られる。

例えば5つのグループがあれば,母平均の差の検定を5C2=10回繰り返すのは間違いである。有意水準が5%で,2グループ間の比較は5%水準で検定されるが,有意水準5%で検定を10回繰り返すと、有意水準は50%となり誤って仮説を棄却する確率が高くなる。そこで3つ以上の母平均の差の検定のために1元配置の分散分析と多重比較を用いる。

分散分析では次のF値を用いて仮説を検定する。

  F= グループ間の分散(between variance)/ グループ内の分散(within variance)  

ここでF値が有意であるといことは、5つの母集団の平均値がおそらく等しくないということだけを示すが,この段階ではどこに差異があるかを指摘しない。そこで多重比較検定という方法で、どの母集団の平均値が互いに異なるのかを調べることになる。これは俗に分散分析の下位検定とも呼ばれる。

この多重比較検定でよく使われるのは、次の3つ。

 

1 Scheffe (シェフェ)

一組の平均値を比較した場合に、より慎重に有意性を判定する。これは厳しく有意差を求める場合に使う。

 

2 Turkey (テューキー)

多重比較で最も検出力が高く、従って有意差をだしやすいという利点がある。ただし、それぞれのグループのデータ数が同じでなければならない。

 

3 Bonferroni (ボンフェローニ)

この比較法は、4つのグループの組み合わせ、つまり検定を6回繰り返すと、その有意水準αは α < 6回繰り返したときの有意水準 < 6α となるので,一つ一つの比較の有意水準をあらかじめ1/6におさえておくという考え方をとる。

 

以上の3つの多重比較法は、それぞれが棄却域が少しですが違ってでてくる。

棄却域の大きさを示せば次のようになる。  Turkey < Bonferroni < Scheffe

このように有意水準を同じようにαとしても、Turkeyが最も有意差を出しやすく、 Scheffeが有意差を厳しくだすことになる。

 

なお、母集団の正規性が気になるときは母数によらない検定(ノンパラメトリック法)で独立した標本からのデータにはKruskal-Wallisという検定法を用いる。また、標本が対応している場合はFriedmanを使う。