術前顎矯正・・・Hotz床、NAM法について

Hotz型口蓋床の開始

Dr.Suzuki 着任後:こども病院でHotz床の導入

90年代後半、昭和大学形成外科では口蓋床の装着が施行されていました。Dr.Suzukiは、94年頃から口蓋裂児の哺乳運動について興味をもち、赤ちゃんの哺乳時に超音波エコー装置で、舌の運動を可視化するなどの検討を行っていました。

口蓋床によって、哺乳するときの赤ちゃんの舌運動は、正常児と似たパターンに変化することも判っていましたので、
  1. 哺乳運動の改善
  2. 術前顎矯正効果


を目的として、こども病院でもHotz型口蓋床を使い始めました。

当初の顎矯正の効果

口蓋床を3ヶ月半施行したときの、顎形態の治療効果です。
左上の、生まれたばかりの時には大きく開大していた顎の形態が改善して、裂の幅も狭くなってきます。


NAM法の臨床応用・・・2005年から


NAM法では、途中から図のような鼻の形態改善を目標に「鼻ステント」をとりつけます。

鼻を持ち上げておくために、矯正用のシリコンゴムを使って、頬に止めるように工夫しています。

NAMの原法の口蓋床です

画像は特殊処理してあり、外国人の方です


術前顎矯正として2005年からは、NAMも用いています。NAMとはnasoalveolar moldingの意味で、訳せば鼻と歯槽のモールド法ということです。モールドというのは、型に入れて作る、とか、かたどるという意味合いです。

NAMのオリジナル法を開発した米国ニューヨーク大学の矯正歯科医グレイソン先生と、
形成外科医のコート・カッティング先生が2009年来日されて、日本口蓋裂学会にて講演をされました。

NAMの主たる目的は、唇裂に伴う鼻の変形の術前矯正にあると、いっていました。

NAMの強力な顎矯正効果


 こども病院でNAM法による術前顎矯正を施行した場合の、石膏モデルです。
画像、ホッツ床の場合とくらべて判るように、装着して早期から顎形態の改善効果があります。
上段のモデル、わずかに10日間で、顎裂がよっていることがみて判ります。そして、最後の手術直前の裂幅がとても狭いことに、気づかれるでしょう。