[カテゴリ:心電図]
これは研修医の先生が発作性上室性頻拍(PSVT)と間違えることがある心電図です。よーく見るとII、III、aVFで下向きの鋸歯状波がかくれているのがわかり、common typeの心房粗動と診断できます。4:1伝導のときはQRSの間の鋸歯状波がはっきりと認識できるので間違えることは少ないですが、2:1の時は要注意です。common typeの時は三尖弁輪を中隔側を上行して自由壁側を下行するリエントリーを形成していることが今はわかっています。F rateは300/minくらいのことが多く4:1伝導の時は心拍数は75/minくらい、2:1の時は150/minくらいになることが多いですが抗不整脈薬の影響でかなりずれることもあります。またいつも2:1、4:1に固定されているとも限らず揺れ動くこともあり、RR間隔がいつも一定しているとは限りません。まれに3:1伝導の心房粗動(これはEbstein ope後の症例)も目にすることがあります。ちなみにこれはuncommon typeですねぇ。右側胸部誘導のST上昇がきになりますがBrugadaでしょうか?