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 小学生にも禁煙教育 すい始めの低年齢化が心配

 子どもがたばこをすうのをふせぐための教育が広がり始めています。すい始めの年齢が下がってきたと心配されているからです。奈良県は、家族といっしょにたばこの害について考えてもらおうと、小学1年生向けの絵本をつくりました。首都圏にはビデオなどの教材を使った授業を定期的に行う小学校もあります。

奈良県がつくった1年生向けの禁煙教育絵本と親向けの副読本


 奈良県がつくった絵本は「グッバイ! 『モクモク』王様」。たばこをやめられなくてなやむ王様や、それを心配するまわりの人たちの禁煙への協力のようすをわかりやすく紹介。「みんな、大きくなっても、絶対にたばこをすわないでね」とよびかける内容です。

 県は去年、県内の中学生を対象に、たばこをすったことがあるかを調べ、約1万5千人が答えました。1年男子の約10パーセントにすった経験があり、そのうち40パーセント近くが、小学4年生までにすっていることがわかりました。

 「できるだけ早い段階で、たばこの害やおそろしさを知ってもらう必要がある。家族みんなで話す材料になれば」と県健康増進課。保護者向けの副読本と合わせて、今月中に県内の公立小学校の1年生約1万3千人に配られる予定です。
 

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絵本は、王様の禁煙を家族で応援するお話で

 この絵本の文章をかいたのは、奈良女子大学教授で医師の高橋裕子さん。たばこをやめたい人が治療をうける「禁煙外来」を担当しています。外来には大人にまじって小学生もやってくるといいます。

 ある8歳の女の子は、お母さんがすったあとの「すいがら」をすい始めたところ、2週間でたばこがやめられなくなりました。どうしてもたばこをすいたくなる「ニコチン依存」の状態です。

 小学生は、家族のたばこがきっかけですい始めたケースがほとんど。高橋さんは「大人はニコチン依存になるまでは何年もかかりますが、成長期の子どもは有害な物質の影響を受けやすく、2週間から3か月くらいでなってしまうことが多い。1本目に手を出さないよう気をつけて」と話しています。 

授業は、子どもが登場する話(写真上)や、たばこの害を調べる実験(写真下)がもりこまれたビデオなどを使って行われます=どちらもビデオ「たばこは体になぜ悪いの?」(共和教育映画社)から
 神奈川県海老名市の海老名小では、3年前から、薬剤師さんが3年生に、たばこの害についての授業をしています。好奇心が強い3、4年生のころに、という理由です。ビデオ「たばこは体になぜ悪いの?」を鑑賞したり、薬剤師さんがたばこの害に関する子どもの質問に答えたりする1時間です。

 ビデオは、お父さんのたばこに興味を持った小学6年のトオルが、軽い気持ちでたばこをすおうとしたところを近所のおじさんに見つかり、そのおじさんから実験を通してたばこの害を教わる内容。見た後には、子どもたちから、たばこをすっている人のとなりにいても害があるのか、などの質問が出るといいます。

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 東京都世田谷区船橋小の養護教諭、野本英子さんは、2時間かけて5年生にたばこの害を教えます。

 火がついたたばこから注射器ですいとったけむりをオレンジ色の試薬にふれさせる実験では、試薬がたちまち、体によくないアルカリ性をしめすあい色にかわります。「3分の2の子どもの保護者がたばこをすっているので、実験を見せるとびっくりします」と野本さんはいいます。

たばこの害って?
 たばこのけむりには、体に害のある物質が、わかっているだけでも200種類以上ふくまれます。すう人がすいこ 主流煙(しゅりゅうえん)と、まわりにいる人がすいこむ副流煙(ふくりゅうえん)があります。副流煙には有害な物質が、主流煙より多くふくまれます。中でも毒性が強いのは、ニコチン、タール、一酸化炭素の3つ。ニコチンや一酸化炭素が体に入ると、血管がちぢむなどして血液の流れが悪くなってやる気がなくなったり、集中しにくくなったりします。ニコチンには、一度すい始めるとなかなかやめられなくなる性質もあります。
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