実証に基づく臨床心理学と心理療法の科学化

「臨床心理学」という言葉が世界で初めて使われたのは、1896年に開催された米国心理学会の総会でした。それから100年以上が経過し、科学の発展とともに臨床心理学の国際的な動向は大きく変わりました。

 信頼性と妥当性を備えたアセスメントツールが数多く作成され、特定の問題にどの心理療法が有効であるかが緻密な統制研究によって明らかにされてきました。こうした研究成果によって、効果が実証された心理療法を患者さんやクライエントさんに提供することが可能となりました。

 一方、わが国の臨床心理学は、国際的な動向から大きな遅れを取りました。健康日本21(第二次)の中でメンタルヘルス対策が重要視されていることからも、臨床心理学の科学性を追求することは喫緊の課題であるといえます。

 当研究室のテーマは、「実証に基づく臨床心理学」であり、心理療法の科学化を目指しています。大学院生の皆さんは先駆的な研究テーマに取り組み、グローバルスタンダードな心理療法(特に、認知行動療法)を学んでいます。

 皆さんも鳴門教育大学で新しい臨床心理学を学んでみませんか。