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3月21日

公立深谷病院の民設民営化問題:企業団の経営移譲再公募、2法人応募−−石巻 /宮城
 経営難から今月末で解散する石巻市の「公立深谷病院企業団」の経営移譲先の再公募が17日締め切られ、県内外の二つの医療法人が応募した。企業団は18日、両法人から提出された関係書類を審査。週明け早々にも移譲先を決め、協定書調印に向けた作業に入る。
 企業団は当初、4月からの民設民営による診療継続を条件に移譲先を公募。2法人の応募があったが、いずれも条件が折り合わず交渉が決裂したため再公募していた。同病院では、4月以降の診療継続が困難となったことから、入院患者約30人を転・退院させ、外来患者の診療も23日で停止する。
(毎日新聞)

違法性 割れる判断、東北大医学部寄付金訴訟
 東北大医学部が医師を派遣している地方病院から寄付金を受け取っていた問題で、地方自治体に寄付金返還請求を求める三つの訴訟の判決が仙台、山形地裁で相次いで出された。ただ、判決内容はまっぷたつ。寄付金の背景にある地方病院の医師不足などの問題には必ずしも踏み込んでいない。いずれも控訴されており、仙台高裁での判断が注目される。(杉本崇)

 ■山形地裁 法律逃れを否定

 ■仙台地裁 返還請求を命令

 「原告の請求を棄却する」。6日に山形地裁であった米沢市立病院の寄付金返還請求訴訟の判決。原告の市民オンブズマン山形県会議の佐藤欣哉弁護士は「先にあった仙台地裁の判決との違いにあぜんとした」。
(朝日新聞)

院長ら書類送検の産婦人科 来月から出産扱わず(愛知)
 豊橋市の産婦人科医院で昨年10月、助産行為が禁止されている看護師らが、妊婦の内診などを行っていたとして、院長ら3人が保健師助産師看護師法違反(助産師業務の制限)の疑いで書類送検された事件で、同医院は4月から出産の医療業務の取りやめを決めた。
(読売新聞)

スクランブル:広大医療供給プロジェクト 条件付きで医師を優先配置 /広島
 医師不足や都市部への偏在といった医療を巡る課題について、広島大と県内の主要な総合病院が、適正化に向けた協議を始めた。同大側は1月に、状況が深刻な産科婦人科について優先的に医師を配置する条件を提示。小児科などについても、地域事情などを考慮しながら、医師の集約化や効果的な配置を調整していくという。
(毎日新聞)

福山市民病院 産科の危機まず知って(広島)
 すべて医師不足から始まっている。各地で起きる産科の問題だ。長期的には医師の養成、当面は仕事をしやすい環境づくりと、産科の集約化しか手はない。
 医師の産科離れは十年以上前から。当直や呼び出しが日常の過酷な勤務。待遇は他科と横並び。訴訟になるかもしれない重圧。全国の大学病院や関連病院の常勤医師は二年余りで8%減った。
 限られた数の医師で、安心して出産できる態勢を整える現実策が集約化である。現場で奮闘する医師をこのまま燃え尽きさせてはいけない。
 「無事に生まれて、ありがとうとも言われない。使命感がぷつりと切れそうになる」。ある産科勤務医の嘆きだ。出産のリスク、医師の窮状を理解しよう。医療が崩壊して困るのは私たちである。
(中国新聞)

3月20日

新人看護師 技術低下…「注射1人で出来ない」8割
 新人看護師の看護技術低下が深刻化している。日本看護協会の調査では、人工呼吸、心臓マッサージ、止血など救急救命術や注射などを「1人でできる卒業生が20%未満」という看護学校が半分を超えた。
 新人看護師による医療事故も少なくない。事態を重く見た厚生労働省の検討会は来週、病院実習を大幅に増やすなど、看護教育カリキュラムの10年ぶりの見直しを議論する。
 基礎的な看護技術80項目のうち、人工呼吸、心臓マッサージ、止血、注射など16項目について、「1人でできる学生が20%未満」と答えた学校が過半数に達した。
 技術力低下の原因となっているのは、病院実習内容の不十分さだ。
 病院での実習は、3年課程の場合、1035時間以上の履修が義務付けられているが、「病院が事故を恐れ、患者を対象とした実習をなかなかさせてくれない」(山口美代子・横浜市病院協会看護専門学校副学校長)という実態がある。また病院実習の際に付き添って指導する専門教員について、68・6%の看護学校が確保に問題を抱えるとしている。
(読売新聞)

外国人労働者の在留資格、要件緩和を・経団連が提言
 日本経団連は外国人労働者の受け入れ拡大を求める提言をまとめた。企業の国際競争力を高める観点から、エンジニアなど高い専門知識や技術を持つ外国の人材の在留資格要件を緩和するよう政府に要請する。企業側の法令順守体制や自治体による生活支援も強化し、外国人の円滑な受け入れを目指す。
(日経新聞)

「休日に寝だめ」は逆効果=平日差大きいほど不眠、抑うつ−働く人の睡眠調査
 普段の寝不足、休日に補えません−。休みの日に遅くまで寝ている人ほど、不眠や抑うつを訴える割合の高いことが17日、働く人を対象とする内村直尚久留米大助教授(精
 調査は昨年12月、首都圏の35〜59歳の勤労者約9000人を対象にインターネットで実施、約6000人から有効回答を得た。
 それによると、平均睡眠時間は平日6.1時間、休日7.3時間。休日の起床時間が平日より2時間未満遅い人が不眠を自覚する割合は25.9%なのに対し、2〜3時間で29.4%、3時間以上で33.3%と、平日との差が大きいほど不眠の人が多かった。
 抑うつ経験も、2時間未満4.3%、2〜3時間5.2%、3時間以上6.2%となった。
(時事通信)

休止状態の3階病床 介護療養活用へ 香住病院(兵庫)
 兵庫県の香美町は、不良債務の累計が本年度末で五億円近くに上るとみられる公立香住総合病院(同町香住区若松)の経営改善策として、休止状態が続いている同病院の三階を二〇〇八年度から介護療養病床として活用し、〇九年度にも老人保健施設へ移行する方針を決めた。
 同病院の常勤医師は大学の派遣医引き揚げなどで年々減少し、〇七年度から五人となる。医師不足が入院患者の減少を招くなど経営を圧迫する要因の一つとなっており、不良債務は〇五年度末の累計で三億三千百万円、〇六年度末で五億円近くに膨らむ見通し。これに伴い町は新年度予算案で、一般会計から公立香住総合病院事業企業会計への繰出金に、前年比22・3%(約六千四百万円)増の三億五千万円を計上している。
(日本海新聞)

周産期センター医師退職で休止 日鋼記念病院 室蘭(北海道)
 【室蘭】日鋼記念病院(室蘭、勝賀瀬貴院長)が四月以降、切迫早産など危険度の高い出産が可能な、西胆振唯一の「地域周産期母子医療センター」機能を休止することが十六日、分かった。一人しかいない産婦人科常勤医が、三月末で退職するため。
 同病院産婦人科は、旭川医大の医師引き揚げにより、四人いた常勤医が昨年四月に二人に減少。さらに昨年十月から一人態勢が続いていた。
(北海道新聞)

患者の利便性を向上へ(北海道)
 【標茶】標茶町立病院(齋藤國雄院長)は4月から、院内の土足化や外来受付時間の延長など、これまで以上に患者らの利便性が高まる取り組みを始める。同病院では「地元はもとより、川上郡(標茶・弟子屈)内の唯一の産婦人科設置病院としても大いに利用してほしい」と呼び掛けている。
(釧路新聞)

麻酔科医「過失なかった」/大野病院事件
 大熊町の県立大野病院で2004(平成16)年12月、帝王切開で出産した女性=当時(29)=が死亡した医療事件で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた産婦人科医加藤克彦被告(39)=同町下野上=の第3回公判は16日、福島地裁(大沢広裁判長)で開かれた。検察側証人の尋問が行われ、手術に加わった麻酔科医と助産師の2人が証言した。麻酔科医は「手術ミスはなかった」とし検察側証人にもかかわらず、前回証言者と同様に弁護側主張に沿う発言をする一方、助産師は手術前から不安を持っていたことを述べた。
 弁護側からの尋問に、麻酔科医は「血管やほかの臓器の損傷はなく、(被告に)過失はなかったと思う」と証言。「専門外だが、はがした方が止血できると思う。クーパー(手術用はさみ)の使用も違和感はなかった」と弁護側主張に沿う発言をした。
 助産師は「福島医大でも前置胎盤で大量出血を招いて大変だったことを聞いていた」とした上で「産婦人科医が加藤被告一人の大野病院で手術するのは不安だった」と証言した。
(福島民友新聞)

八戸市民病院と県病に自治医大卒医師を配置(青森)
 青森県は新年度から、特に不足する産婦人科と麻酔科の医師確保対策として、自治医科大学を卒業し県内に勤務する医師のうち、両科を希望する人に限り、研修後は先行して専門の診療科で勤務できるようにする。従来はへき地の診療所勤務などに限られていたが、医師不足解消のため、配置方針を変更した。既に両科に各一人が名乗りを上げ、十五日に内示した新年度の人事異動では、八戸市立市民病院の麻酔科と県立中央病院の産婦人科(総合周産期母子医療センター)への配置が決まった。
(デーリー東北)

佐野市民病院、4月から常勤医2人の可能性(栃木)
 深刻な医師不足に悩む佐野市民病院(二百五十八床)の常勤医が四月以降、現在より六人減り二人になる恐れがあることが十六日、分かった。佐野市は同日の記者会見で新院長内定と、新院長も含め常勤医二人の確保を明らかにしたが、市関係者は下野新聞社の取材に「現在の常勤医八人すべてに退職の意向がある」という。医師確保に追われる市は会見で四月以降の診療体制について明言できず、市民病院問題は混迷の度合いを深めるばかりだ。
(下野新聞)

3月19日

事件番号 平成16年(行ウ)第517号
事 件 名 労働者災害補償不支給決定取消請求事件(中原利郎先生の過労死労災認定の東京地裁判決)



道産科医会 来月から「退職医バンク」創設へ 登録求め、病院に紹介(北海道)
 北海道産婦人科医会(兼元敏隆会長)は四月から、定年退職するなどして一線を退いた医師を医療機関に紹介する「エルダードクター」事業を始める。全道的に産婦人科医不足が深刻化する中、人材の有効活用を図る狙い。十八日の代議員会で正式決定する。産婦人科医に限った退職医師の人材バンクは全国的にも珍しいという。
(北海道新聞)

鹿屋市医師会:夜間急病センター設置を 署名2万5000人添え市に要望 /鹿児島
 時間外救急患者の激増で当番医師が過酷な勤務を強いられ、十分な医療を確保できなくなっているとして、鹿屋市医師会(池田徹会長、約120人)は15日、同市に対し、公設公営の「夜間急病センター」(仮称)の設置を求める要望書を2万5282人の賛同署名を添えて提出した。
 池田会長によると、医師会は77年から行政の委託を受け、開業医が輪番制で午後6時から翌日午前9時までの夜間救急に対応。しかし、05年度の総受診者数が約1万8000人に達し、99年度の約1・8倍に激増。恒常的な医師不足もあり、当番医師の中には36時間連続勤務もあるという。
(毎日新聞)

重複診療、IT活用し解消・諮問会議が医療費削減計画
 政府の経済財政諮問会議は16日、2011年度までの5年間で医療費効率化策を集中的に進めることで一致した。IT(情報技術)を活用して無駄な診療などを減らす。6月に策定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込む方向だ。厚生労働省と民間議員が提案した効率化策がほぼ重なった。ただ厚労省は民間議員が求めている個別の施策ごとの数値目標に難色を示し、今後は計画の実効性を高めるための目標設定や具体策などが焦点になる。
(日経新聞)

佐野市民病院の次期院長内定 休院危機回避(栃木)
 現在の門脇淳院長が定年退職で四月以降空席が埋まらない懸念が強まっていた佐野市民病院(二百五十八床)の次期院長が十四日までに、事実上決まった。複数の県内医療関係者らが明らかにした。都内に本部を置く医療法人理事長の紹介で、四月から市職員として契約する段取りという。院長不在による休院の危機はひとまず回避し、さらなる常勤医確保の足がかりとなる可能性はあるが、どれだけ医師を呼び込めるかは流動的で、運営難解消の見込みはなお立っていない。
(下野新聞)

県フライトナースに8人認定(青森)
 県は十六日、救急患者を運ぶヘリコプターに看護師が搭乗して応急処置を行う「フライトナース」として、県内の看護師八人を初めて認定した。
 医師も同乗する「ドクターヘリ」と違い、フライトナースは無線などで医師の指示を受けながら医療を行うのが特徴で、全国初の試み。
 県医療薬務課によると、ドクターヘリは専用ヘリの購入などに費用がかかる上、医師不足に悩む本県では派遣できる医師は少ない。このため県警ヘリや県防災ヘリを兼用し、看護師だけが患者の元に急行する仕組みにした。
(東奥日報)

袋井市民病院:2病棟来月閉鎖、稼働は7病棟に 看護業務を効率化 /静岡
 袋井市は15日、袋井市民病院の2病棟を4月から閉鎖、稼働病棟数を現在の9病棟から7病棟にすると発表した。医師不足などに伴い入院患者数が減り、看護業務の効率化を図るためと説明している。
 閉鎖されるのは4階東病棟と5階南病棟。同病院の入院患者数は約230人(2月の1日当たり平均数)。同病院では3月末で5人の常勤医師が退職。産婦人科では常勤医師が不在となり入院と出産業務を中止。外来診療だけを受け付ける。このほか検診車業務を新年度から中止する。
 原田英之市長は2月議会の一般質問で「診療科は違うが全体で5人分の補充はできる」と答弁。4月から常勤医師数が36人になることを明らかにした。
(毎日新聞)

緊急事態にどう対処 福山市民病院産婦人科休診 (広島)
 出産に伴う救急医療の地域拠点である福山市民病院(蔵王町)産婦人科の四月休診が七日、決まったのを受け、広島県東部の開業医や受診者の間には不安が広がった。
 県東部の産婦人科の救急医療は当面、国立病院機構福山医療センター(沖野上町)を中心とした態勢となる。市は、市医師会など県東部の医療関係者と緊急会合を開き、具体策を協議する。
(中国新聞)

産婦人科、6病院に医師集約 過疎地派遣を支援 道が計画案(北海道)
 産婦人科の医師不足が深刻化している問題で、道は十五日までに、釧路赤十字病院や帯広厚生病院など六病院を「連携強化病院」として六人以上の産婦人科医を配置し、近隣の医療過疎地に派遣することなどを柱とした集約化計画の骨子案をまとめた。今夏までに計画を策定する。
 六病院はほかに市立札幌病院、函館中央病院、旭川厚生病院、北見赤十字病院で、いずれも高度医療を行う「総合周産期母子医療センター」に指定、認定されている。このうち、昨年十二月現在で六人以上の産婦人科医が在籍しているのは三病院で、残る三病院は旭川や帯広など都市部の病院から勤務医を集め、六人以上を確保する考えだ。
 また、小児科については、基本的には道内を二十一に分けた医療圏ごとに、入院、救急医療が可能な連携強化病院と、外来診療のみを行う病院に分け、集約化を進めることを柱にした計画の策定を進めている。
(北海道新聞)

3月18日

ここにも「格差」 医療費払えず死亡、2年間で29人
 国民健康保険(国保)の保険料滞納者や無保険者らで、保険証がなく医療費を払えないなどの理由から受診が遅れた末に死亡した人が、平成17年1月から19年2月にかけ16府県で少なくとも29人いたことが15日、全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。多くは年金生活の高齢者やリストラ、事業不振、倒産などに遭った低所得者といい、「格差社会」の一端を示すデータとされる。
(産経新聞)

東京都職員共済組合青山病院の閉院についてのお知らせ
東京都職員共済組合では、平成20年3月31日をもって青山病院を閉院することを決定いたしました。

亀山医療センター:内科医、3減の2人に 来月以降、入院患者受け入れず /三重
 亀山市立医療センターの内科で、常勤医師が退職などのため5人から2人に減る。内科では4月以降、外来初診の日を減らし、原則として新規の入院患者受け入れを断るなどの緊急措置をとる。
 緊急措置の内容は、▽現在、平日に毎日行っている初診を週1〜2回に限定する。なお、再診の予約は従来通り▽特別な事情がある場合を除き、入院患者を受け入れない▽透析の新規患者を原則として受け入れず、夜間の治療時間を廃止する▽救急については原則として対応しない−−などの措置をとる。医師が確保できるまで続ける。
(毎日新聞)

より多くの日本人医師と歯科医が当地に来ることを歓迎;カウ厚相(シンガポール)
 カウ・ブーワン厚相は14日夜、アダム・ロードにあるシンガポール日本人会会館で催されたシンガポール日本人会再発足50周年記念祝賀会に招かれて出席し、祝辞を述べた。
 数年前から教師をつけて日本語を勉強してきているというカウ厚相は、冒頭日本語で短いスピーチをおこない、万雷の拍手を受けた。そのあと引き続きおこなった英語の挨拶の中で、カウ厚相はより多くの日本人医師と日本人歯科医師がシンガポールで医療に従事することを歓迎すると述べ、注目された。
 シンガポール政府は、急成長を遂げている医療観光業(メディカル・ツーリズム)に力を入れている。同相発言はこれを念頭に置いたものだ。
 「私の日本とのおつきあいは、通産省事務次官時代に始まった。シンガポールと日本は両国通産省の協力、努力のもと、自由貿易協定の締結に至った。この協定の下、両国間の投資と貿易が増大した。また同様にこの協定の下で、シンガポール政府は日本人医師と日本人歯科医に日本人会クリニックを含む当地の医療機関で医療サービスが提供できるように図っている。日本人コミュニティーはその恩恵を享受している。現在、シンガポールで働いている日本人医師は17人、日本人歯科医師は8人いる。
 私は、より多くの日本人医師と日本人歯科医がシンガポールに来て働くことを歓迎する。そうなれば、東南アジア各国在住の日本人患者がシンガポールに来て日本人医師と日本人歯科医から治療を受けられるからだ。当地の日本人ドクターから、業務拡大中と聞き嬉しく思っている。つまり、それだけそうしたニーズがあるということだからである」。
(星日報:シンガポールの日本語新聞)

深刻化する小児、産科医不足 島根県が集約化方針
 島根県が十四日、県内で限られた医療機関に小児科、産科の医師を集中し診療機能を充実させる「集約化・重点化」の必要性があるとの方針を、松江市内であった県医療審議会で示した。小児、産科医の不足が深刻化しているが、同県が集約化の方針を打ち出したのは初めて。
(山陰中央新報)

助産所「安全確保に限界」 妊婦死亡も、産科医会調査
 日本産婦人科医会が、2005年に助産所から高度医療施設に妊婦が緊急搬送された全国の計247事例を調べたところ、妊婦1人と新生児4人が死亡するなど、深刻な結果に至った例が含まれていることが15日分かった。
 分析した久保隆彦・国立成育医療センター産科医長は「助産所が本来、正常な出産だけを補助する場であることを考えればこの数は多い」と指摘。すべての出産にはリスクが伴うため「医療機関と切り離された助産所での安全確保には限界がある。病院内の設置が望ましい」と話している。
 調査には、全国の総合周産期母子医療センターや大学病院など地域の中核施設475カ所が、経験した緊急搬送例について回答。死亡例以外では母親1人に後遺症がみられたほか、長期入院が必要になったのが母親22人、新生児が36人いたことも分かった。
(東京新聞)

3月15日付・よみうり寸評
 「医師の欠員や過密な勤務などが原因で、うつ病にかかり、自殺に及んだ」――こう判断して、東京地裁は44歳の小児科医の自殺を〈労災〉と認定した◆東京・立正佼成会付属佼成病院の小児科医・中原利郎さんが勤務先の病院から飛び降り自殺したのは1999年8月。労災を認めない新宿労基署を相手取り、妻が提訴した◆判決は、月8回もの当直勤務が象徴する過密勤務を「精神疾患を発症させる危険の高いもの」と判断した。医師の労働には肉体、頭脳の両面から求められるものが厳しい◆そのうえ患者の気持ちを気遣う。加えて中原さんは小児科部長代行として医師の欠員補充にまで頭を悩ました。ストレスは察するに余りある◆きのうの勝訴まで7年余。〈過労自殺〉の認定は、労基署、病院ばかりではなく、広く医療行政への警鐘だ。「1か月休みなしの勤務医が27%」「9割が医師不足を実感している」――つい先日の調査でもこんなデータがある◆医師の不幸はその医師の不幸にとどまらない。小児科医のピンチは即、子供たちの健康の危機に直結する。
(読売新聞)

中医協 リハビリ日数制限緩和を答申
 医療保険が適用されるリハビリテーションに最大180日の日数制限が設けられている問題で、厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)は14日、急性心筋梗塞(こうそく)や進行性の筋委縮性側索硬化症(ALS)などを新たに制限の対象外とする見直し案を答申した。新基準は4月から適用される。
 答申では、制限日数を超えても医療保険を受けられる新たな疾患に(1)急性心筋梗塞(こうそく)、狭心症、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患の3疾患(2)これ以外で医師が必要と診断した疾患(3)先天性や進行性の筋委縮性側索硬化症(ALS)など、神経・筋疾患−を追加。さらに、介護保険の対象外の若者世代や、介護保険で適切なリハビリが受けられないと判断されたケースについても、制限日数後でも医療保険を利用できるよう改めた。
(産経新聞)

「産科医集約化は困難」秋田県医療対策協体制検討部会
 秋田県地域医療対策協議会の産科医療体制検討部会(部会長・田中俊誠秋田大医学部教授)は14日までに、県内の産科医を拠点病院に集約化することは困難だとする報告書案をまとめた。当面は医療機関の連携を強め、秋田市や県北、県南にある中核病院で危険性の伴う母子に対応。医師確保に努め、将来は地域の拠点病院で産科医5人以上の体制整備を目指すとしている。
 当面の対策として、既存の医療圏を超えた連携強化を図る。いずれも新年度から運用を始める秋田赤十字病院(秋田市)の総合周産期母子医療センター、平鹿組合総合病院(横手市)と大館市立総合病院にある地域周産期母子医療センターで、ハイリスク妊婦や異常分娩(ぶんべん)、異常新生児、胎児異常などに対応する。
(河北新報)

小児科医自殺は「労災」・東京地裁「激務でうつ」認定
 立正佼成会付属佼成病院(東京・中野)の小児科医、中原利郎さん(当時44)が自殺したのは過労が原因として、妻(50)が新宿労働基準監督署に遺族補償給付の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が14日、東京地裁であった。佐村浩之裁判長は「仕事のストレスでうつ病になり自殺した」と労災と認め、不支給処分を取り消した。医師の自殺を労災を認めた判決は二例目という。
 判決によると、中原さんは1999年2月に同病院小児科部長代行に就任。同僚の医師の相次ぐ退職で、月8回の泊まり勤務など激務を強いられた。管理職としての精神的負担も重なり、同8月、病院の屋上から飛び降り自殺した。妻は2001年9月、労災保険法に基づく遺族補償給付を請求したが、新宿労基署は労災と認めなかった。
 佐村裁判長は判決理由で、宿直勤務体制は疲労回復できる睡眠時間を確保するのは困難で月八回の宿直は「相当なストレス要因となった」と指摘。全国的な小児科医師不足の中で補充医師の確保もままならず、「管理職として特に心理的負荷がかかった」と述べた。
(日経新聞)

3月17日

医療費定額制:入院日数短縮も再入院が倍増 影響に長短
 厚生労働省は14日、1日の医療費を定額とするDPC(入院費包括払い)を試行・準備している731カ所の病院について、06年7〜12月に退院した約85万人の追跡調査結果(中間報告)をまとめた。03年度から試行している82病院は、06年の平均入院日数が02年の20.37日から16.83日に減るなど入院日数は短縮したが、「治癒」した患者の割合は12.51%から4.84%に落ち込み、長短両面の影響が表れた。
(毎日新聞)

産婦人科診療休止のお知らせ(北海道旭川赤十字病院)
 当院では旭川医科大学より産婦人科医の派遣を受けて診療を行っておりましたが、この春から医師派遣を受けることが出来なくなりました。この為、当院としましても独自に医師確保に努めてまいりましたが、残念ながら確保することが出来ず、やむなく下記のスケジュールにて産婦人科診療を縮小・休止することに致しました。御理解の程、お願い致します。4月1日より産婦人科での入院治療・手術・出産を休止します。

へき地勤務の義務化を検討=医師不足問題で日医対策委
 深刻化する医師不足問題について、日本医師会は14日、地域医療対策委員会がまとめた中間答申の内容を公表した。臨床研修終了後の一定期間内に、「へき地や医師不足地域での勤務の義務化を考慮する」ことを提言しており、論議を呼びそうだ。
 義務化については、厚生労働省が昨年検討しようとしたが、日医などの反対で頓挫した経緯がある。会見した内田健夫常任理事は「あくまで委員会の中間答申であり、日医として方針を決めたわけではない。今後、会員の意見を聞きながら検討を続ける」としている。
(時事通信)

小児科医自殺、労災と認定 東京地裁判決
 東京都中野区の総合病院に勤務していた小児科医の中原利郎さん=当時(44)=が1999年に自殺したのは過労が原因として、妻のり子さん(50)が労災と認めなかった新宿労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は14日、自殺を労災と認め処分を取り消した。
 佐村浩之裁判長は「宿直が多かった上、小児科医が不足している状況下で医師2人が退職を表明した。管理職として心理的負荷がかかり、遅くとも自殺の約2カ月前にはうつ病になっていた。自殺と業務には因果関係がある」と判断した。
 判決によると、利郎さんは87年から総合病院に勤務。人員削減などで当初6人いた小児科の常勤医師が3人となり、99年2月に小児科部長代行に就任後、過重労働に拍車が掛かった。月に宿直勤務を8回したり出勤日数が月29日に達したりしたことから、精神的に不安定となり、同年8月、総合病院の屋上から飛び降り自殺した。
(東京新聞)

自殺した小児科医の労災認める判決
 東京の病院に勤めていた小児科医の自殺をめぐり、医師の妻が「労災と認めないのは不当だ」と訴えていた裁判で、東京地裁は、労災を認める判決を言い渡しました。
 この裁判は、8年前、東京の病院で小児科医だった中原利郎さん(当時44)が自殺したことをめぐり、妻の、のり子さん(50)が「夫が月6回の宿直勤務など過重な労働が原因でうつ病になった」として、新宿労働基準監督署に対し、労災と認めなかった処分の取り消しを求めているものです。
 14日の裁判で東京地裁は、「宿直勤務では深い睡眠を確保することは難しく、ストレスとなった」とした上で、うつ病は病院での勤務が原因だったとして、労災を認める判決を言い渡しました。
(TBS)

東京地方裁判所での行政裁判で勝訴した故中原利郎医師の勤務内容
 佼成病院小児科では,平成8年4月から,小児科単科で24時間365日の当直勤務を開始することとなり,6人の常勤小児科医でこれを担当していた。
 平成11年3月以降は大変な激務となり,故中原は,同年3月には8回,同年4月には6回(一般の小児科医平均の約1・7倍)の当直を受け持たざるを得なかった。当直の日は,通常勤務から連続して24時間以上勤務することになる場合がほとんどで,そのまま翌日の通常勤務まで担当して32時間以上の連続勤務となる場合も多かった。

4月、県立大野病院に常勤の小児科医を配置(福島)
 県は、大熊町の県立大野病院に常勤の小児科医を配置し、4月中旬にも診療を開始する。県の公募で関西の病院に勤務する男性医師(55)から応募があり、13日までに県職員としての採用が決まった。当面は平日の外来診療のみを行う。双葉郡では昨年4月から小児科常勤医の不在が続いており、地元の母親らからは安どの声が上がっている。
 県によると、男性医師を4月1日付で採用する。院内体制を整え、4月中旬から月―金曜日の外来診療のみを行う。1人勤務のため入院治療や夜間救急については当面見合わせる。
(福島放送)

新日鉄室蘭総合病院産婦人科縮小に、不安の声拡大(北海道)
 室蘭・日鋼記念病院に続き新日鉄室蘭総合病院の産婦人科医も大学病院へ引き揚げられることがこのほど分かったが、同診療科の少ない西胆振全体への波及が大きく、地域住民は「身近な病院で出産ができるの?」との不安が拡大している。一方、市立室蘭総合病院など他医療機関が負担増となる懸念も浮上している。
(室蘭民報)

小児科・産科見送り 病院集約化 県、医療審で報告(静岡)
 県は13日、静岡市内で開かれた県医療審議会(会長・岡田幹夫県医師会長)で、小児科・産科の病院勤務医の不足や偏在への対策として国が求めている病院診療機能の集約化について、県内ではいずれの診療科も実施しない方針を報告した。
 産科については「既に集約化を進めていて、さらに実施する状況にない」、小児科は「緊急措置としての集約化は不要あるいは不可能」が理由。ただ、小児科については「医療資源の重点化が必要な圏域もある」として、圏域内の機能分担や連携体制の検討を継続し、対応策を平成20年度からの県保健医療計画に反映させる。
(静岡新聞)

裁判判決速報!
本日、東京地方裁判所で言い渡された行政裁判の判決は故中原利郎医師の労災認定を認め勝訴いたしました。皆様のご支援に感謝いたします。
(小児科医中原利郎先生の過労死認定を支援する会)

3月16日

労働6法案 格差是正を論戦に 残業代割増率上げ 経済界に不満も
 政府が十三日、労働基準法改正案などを国会に提出したことで、今国会で審議される労働関連六法案が出そろった。ただ、残業代割増率の引き上げやパート労働者の差別待遇禁止は対象が限定されるなど、長時間労働解消や格差是正が本当に実現できるかが今後の論戦の焦点になりそうだ。各法案の概要や、労使の主張の対立点をまとめた。
 労基法改正案では、一部労働者を残業代の支払い対象から外すホワイトカラー・エグゼンプション導入が見送られ、セットの予定だった残業代割増率引き上げが残った。
 厚生労働省などは、割増率引き上げが長時間労働の抑制につながると期待する。しかし、負担増となる経済界には「残業代目当ての長時間労働が増えかねない」などの不満がくすぶる。労働側も、引き上げ対象の「月八十時間超」を「過労死と認定される水準」(連合)などと批判する。
(北海道新聞)

小児科医 中原利郎先生の過労死をめぐる判決日
行政裁判判決日 平成19年3月14日 13時15分 701号法廷
民事裁判判決日 平成19年3月29日 13時10分 631号法廷

産科医の3割「分娩、10年以内にやめる」 学会が県内調査(兵庫)
 全国的に産科医不足が深刻化する中、兵庫県内で分娩を扱う産科医の30%が、今後十年以内に取り扱いをやめる意向であることが十三日、県産科婦人科学会のアンケート調査で分かった。産科医不足の背景については、過酷な勤務や訴訟への懸念があると回答。産婦人科の廃止などに伴い、ここ数年、県内でお産に対応できる医療機関がない市町が増えており、今後さらに空白地が生じる恐れがある。
(神戸新聞)

舞鶴市民病院:委託、白紙に 運営方針、市が再検討へ /京都
 舞鶴市立舞鶴市民病院の民間委託問題で、交渉を進めていた医療法人社団「愛明会明石回生病院」(兵庫県明石市、西垣秀尊理事長)への委託を市が事実上、断念したことが分かった。12日の市議会代表質問の答弁で斎藤彰市長は「赤字が続く経営の現状を立て直すことが急務」と述べ、江守光起前市長が在任中に示した民間委託方針を白紙に戻し、運営方針を再検討する考えを示した。
 市民病院では内科医一斉退職以降、運営が混乱し、市は06年1月、長期療養型病院に再編して民間委託する方針を示していた。昨年12月議会では市民病院に指定管理者制度を導入できるよう条例を改正し、条件整備を進めていた。
(毎日新聞)

弘大の産科医集約進む
 弘前大学医学部産科婦人科学教室が産科医を派遣・紹介している関連病院数は二〇〇六年度、九年前(一九九七年度)に比べ十病院減り、一施設当たりの医師数は平均二・〇人から二・八人に増え、集約化が進んでいることが十二日、同教室の調べで分かった。また、関連病院に勤務する産科医数は十四人減っており、先細る医師を、拠点となる産科施設に集めている状況が浮き彫りとなった。同教室は新年度、深刻な産科医不足に対応するため、さらに集約化を進め、産科の一人勤務体制をなくする方針。
(東奥日報)

江別市立病院 来月、内科に固定医2人 5月に交代医4人(北海道)
 【江別】第一回定例市議会は十二日、一般質問が始まった。市立病院問題をめぐる内科医師確保について、小川公人市長は、四月から二人の「固定医」、五月から四人の「交代医」のめどがついたことを明らかにし、今月中に市民説明会を開く意向を示した。
 小川市長は、病院問題の善後策に関し「内科に道から二人の固定医、社団法人・地域医療振興協会(東京)から四人の(数カ月の期間での)交代医のめどがたち、院内のプロジェクトチームでも課題解決に向けた提案がなされている」と現状を説明した。
(北海道新聞)

腸捻転を風邪と誤診 札幌で女児死亡 2医師書類送検
 札幌市厚別区の会社員三上直也さん(27)の長女紗英ちゃん(4つ)が昨年一月、同区の小児科医院で診察を受けた際、院長の男性医師(50)から、実際は腸捻転(ねんてん)なのに風邪と診断され、回復しないため再び医院を訪れた際も、男性医師(57)に誤診され死亡したとして、道警は十三日、業務上過失致死の疑いで、院長と医師を書類送検した。
 三上さんらによると、長女は昨年一月二十三日夜から腹痛を訴え、回復しないため、翌二十四日午前、家族と同医院を訪れた。診察に当たった院長から、風邪と診断されて帰宅したが、ぐったりした状態となったため、二十五日夕方、再び医院を訪れ、別の男性医師の診察を受けた。この際、エックス線などの検査を受け、医師から「胃腸炎ではないか、風邪の影響もある」と診断され、「命に別条はない。明日来なさい」と言われたという。
 長女は帰宅後、意識がなくなり、心肺停止状態となったため、救急車を呼んで市立札幌病院に搬送したが、二十六日早朝に死亡した。
 道警が長女の遺体を司法解剖した結果、死因は、腸捻転による腹膜炎だった。道警は、診察した医師二人が二回の診察でいずれも誤診したとみて、適切な医療行為を怠ったことから長女を死亡させたと判断した。
(北海道新聞)

看護師67人希望退職 過酷勤務が背景(沖縄)
 看護師不足が深刻化する県立病院の看護師の2006年度退職者数が、04年度以降最も多い計94人に上る見通しであることが12日までに分かった。中でも、自ら希望して辞める普通退職者・中途退職は前年度より24人多い67人に上る。県病院事業局は退職理由について「健康上の理由が最も多い」と説明。退職予定者からは「これ以上働いたら体がボロボロになる」と悲痛な声も聞かれた。医師不足に加え看護師の減員は、配置基準の問題でベッド数など診療体制にも影響し、診療報酬など収入にも直結する深刻な問題だ。
 超勤手当について、県病院事業局職員労働組合は「1人平均月4時間ぐらい。実際は少なくとも20―40時間は残業しているはずだ」と指摘。「書かない側の問題もあるが、能力を問われ書けない雰囲気もあり、引き下がっている部分がある」と話す。
(琉球新報)

労働関係3法案を閣議決定=長時間残業代の引き上げなど
 政府は13日の閣議で、長時間残業の割増賃金を引き上げる労働基準法の一部改正案など、労働関係3法案を決定した。今通常国会に提出、成立を目指す。
 労基法の一部改正案は、長時間労働に歯止めを掛けることを目的に、月80時間超の残業については賃金の割増率を50%以上とすることなどが柱。現行法では時間数にかかわらず25%以上50%以下と定めている。ただ、中小企業については適用を当面猶予する。
(時事通信)

新日鉄室蘭総合病院が、小児科など3科診療体制縮小(北海道)
 新日鉄室蘭総合病院(高橋基夫院長)は大学派遣医師の引き揚げに伴う医師不足のため、小児科、皮膚科が4月から、産婦人科が6月からそれぞれ診療体制を縮小する。小児の救急診療についても外来診療時間内の対応のみとなる。
 小児科は北大の医師引き揚げにより、常勤医2人体制が1人となる。外来診療は月―土曜の午前に限り、月曜午後は乳幼児検診、火曜午後は予防接種。予約制で入院も必要最小限に限定し、救急診療は夜間、休日などの時間外診療は対応できなくなる。
 産婦人科は札医大の医師引き揚げで、常勤医1人と出張医1人(週4日)の2人体制が6月以降は常勤医1人となる。予約制の分べん対応のみとなる。これまで同院での分べん数は年間400―450件あったが、1人体制になったことで大幅な扱い減が予想される。
 産婦人科医の引き揚げは昨年、常勤医4人が1人体制となった日鋼記念病院以来。同院は現在、西胆振で唯一、ハイリスク分べんを扱う地域周産期母子医療センターの機能が休止状態にある。
(室蘭民報)

リハビリ打ち切り、狭心症や心筋梗塞の1割以上・厚労省
 厚生労働省は12日、昨年の診療報酬改定でリハビリテーションの治療日数を原則として「最大180日」に制限したことに関し、実態調査をまとめた。医師が「改善の見込みがある」と判断しながら、上限日数に達したためリハビリを打ち切ったケースが心筋梗塞(こうそく)や狭心症、関節炎などの患者の1割以上にのぼることが明らかになった。
 リハビリ打ち切りを促しかねない制度に批判も出ており、診療報酬のあり方を審議する中央社会保険医療協議会で見直しに乗り出す方針だ。
(日経新聞)

労使交渉、パート処遇改善要求活発
 今春の労使交渉が大詰めを迎えるなか、流通業界を中心に労働組合がパートの処遇改善を要求する動きが広がっている。約1200万人のパートについて、連合は初めて「時給1000円」という具体的な要求目安を設定。組織率が低下を続ける一方の労組は経営側に処遇改善を迫り、パートの取り込みを狙う。
(日経新聞)

3月15日

新日鉄室蘭病院 診療体制縮小へ 小児科、産婦人科など(北海道)
 【室蘭】新日鉄室蘭総合病院は十二日、北大、札医大による医師派遣縮小により、四月から小児科が常勤医一人、皮膚科が出張医一人のみに、六月からは産婦人科も常勤医一人体制になると発表した。同病院は各科の外来診療を制限し、夜間救急や分娩(ぶんべん)の扱い件数も抑制する方針。
 北大が小児科の常勤医一人を引き揚げるほか、皮膚科医を常勤から週二日の出張に変更。札医大は産婦人科への週四日の出張医派遣を中止する。
 同病院は、小児科は新生児への診療を中心にして、それ以外の外来診療を縮小、夜間救急を中止する。産婦人科は一般外来を予約制とし、年間四百件以上に上る分娩の扱い件数も減らす考えだ。
(北海道新聞)

導入の是非が問われるホワイトカラーエグゼンプション--調査では約7割が反対
 ホワイトカラー労働者に対する労働時間の規制について、適用免除する制度である「ホワイトカラーエグゼンプション」。この制度の導入の是非が問われるなか、会社員の労働時間、ホワイトカラーエグゼンプションへの意識、時間の使い方のバランスに対する考え方を調査した。
 一般企業の会社員の労働時間は全体のおよそ4分の3が週40時間を越えて働いており、大半の人にとって残業することが当たり前である現状がうかがえる結果となった。
 業種別にみると、金融、IT関連、製造業では週40時間を越えて働いている人がそれぞれ8割以上に上っている。
 ホワイトカラーエグゼンプションを知っているかという質問に対して、8割以上の人が少なくともその言葉を知っており、話題性の高さが明らかになった。中でも、IT関連企業では7割以上の人がその内容まで理解しており、不規則な勤務体系をとる人が多いゆえか、関心の高さが表れる結果となった。
 また、ホワイトカラーエグゼンプションに対する是非については、長時間労働が一般化する、賃金が抑制されるなどといった懸念から、約7割の人が反対の姿勢を示しており、現状ではホワイトカラーエグゼンプション導入への理解を得るのは難しい状況が明らかになった。
(CNET JAPAN)

県政へのご意見、佐賀県立病院好生館職員の勤務状態について
 研修医ではないのに、研修医扱いとして好生館に派遣されている医師の家族です。
 休みは一日たりともありません。これは職業柄仕方ないとは思えるのですが。一週間のうち家に帰ってこれるのが半分もあればいいほうです。毎晩泊り込んで、寝る暇もなく働きづめです。帰って来た日でも、病院からの電話が殺到し、夜もろくに眠れません。
 やつれた顔を見るたびにいたたまれない気持ちになります。
 当直として働いている日以外は手当ても出ません。超過勤務手当ては皆無です。日々雇用職員としての扱いになっているからとは思いますが、ボーナスもなし、扶養手当もなし、住居手当すらありません。
 給料の収入は一ヶ月で手取り29から30万円くらいですが、実際に働いている時間を考えると、時給に直せば200円足らずです。
 事務員に、月から金曜日までの週5日間、8:30〜17:15の間のみ働いた形として、印鑑を打たされるそうです。
 実際はその何倍も働いているのに・・夜中の0時に呼び出され、朝方10時過ぎまで寝ずに働いても、ただ働きです。土日も終日(ひどいときは24時間)働いても、一円たりとももらえないのです。
(佐賀県統括本部政策監グループ)

市民病院の再建方法など議論、舞鶴市議会で代表質問(京都)
 京都府舞鶴市議会は12日、代表質問を行い、各会派の代表が経営難の市立舞鶴市民病院の再建方法などについて質問した。市側は、「専門家による検討委員会で新たな方向性を決める」との斎藤彰市長の方針を受けて、民間委託交渉の相手先だった兵庫県の医療法人社団・愛明会が5月をめどに「派遣中の常勤医を引き上げたい」との意向を伝えていることを明らかにした。
(京都新聞)

赤ちゃんポスト:保護責任者遺棄罪に該当しない 長勢法相
 熊本市の慈恵病院が、育児のできない親から新生児を預かる「赤ちゃんポスト」を設置するため、施設変更許可を同市に申請している問題で、長勢甚遠法相は12日の参院予算委員会で、同ポストの利用は「予定されている運用では、生命・身体に危険を生じさせる恐れは認めにくい」として、刑法の保護責任者遺棄罪に該当しない考えを示した。ただ、「具体的な犯罪の成否は事実関係に基づいて捜査機関が判断する」とした。島田智哉子議員(民主)の質問に対し答弁した。
(毎日新聞)

症状改善なくても保険適用 リハビリ制限を緩和、4月にも
 公的医療保険で受けられるリハビリ治療に最高180日の日数制限が導入された問題で、厚生労働省は12日、筋委縮性側索硬化症(ALS)のような神経難病などは症状の改善が見込まれなくても、継続して保険治療を認めるなど、制限を緩和する方針を固めた。これまでは改善が見込まれないと治療を続けられなかったが、患者団体などからの「患者切り捨て」といった批判を受け、方針を転換した。
 リハビリに関する同省の調査で、心筋こうそくなどの心疾患や関節炎などの患者の1割近くが「改善の見込みがある」との医師の判断にもかかわらず打ち切られていたこが判明。早急に救済する必要があると判断した。
(北海道新聞)

現業公務員の給与にメス 中川幹事長「必要なら法改正」
 自民党の中川秀直幹事長は11日、東京都青梅市で講演し、清掃職員や学校給食員など現業の地方公務員の給与が民間事業者よりも割高との指摘が出ていることに関し「必要があれば法改正を含めて徹底的にメスを入れなければならない」と述べた。
 この問題で安倍晋三首相は9日、菅義偉総務相に民間企業との比較など実態を把握し、公表するよう指示している。中川氏は「天下りや年功序列賃金は地方こそが深刻だ」と指摘、統一地方選や参院選の争点に掲げることを重ねて強調した。
(産経新聞)

研修医当直――私の場合
 研修医は積極的に学べる場面に行き,教える側も教育・指導を行い,労働時間・休暇,給与・手当て等についても1人の医師・人間として対処するべきです。体を休めるのはほどほどとし,研修医時代にしか聞けないこと,修得することがたくさんあるのですから,各科の疾患を救急外来や当直で積極的に診ていくべきです。私は現在,研修医を指導する立場になりましたが,“いつでもどんな時でも気軽に聞けて的確に答えが得られる”研修指導医になるべく,日々研修医とともに研鑽を積んでいきたいと思います。
(週刊医学界新聞)

産科医、地域で支援を 青森で公開討論
 青森県内の産科医療の在り方を考えようと、「学ぼう! 考えよう! 青森の産科医療フォーラム」(県、県医師会、県臨床産婦人科医会主催)が11日、青森市内のホテルで開かれ、約100人が出席した。
 弘前大医学部産科婦人科学講座の水沼英樹教授が、県内の産科医療の現状と課題について報告。「青森では産科医の高齢化が進んでいる上、研修医の都会志向が強い」と指摘した。
 その上で(1)産科医の報酬や待遇の改善(2)定期的な研修日の確保(3)定年を迎えた医師の再雇用(4)産科医の集約化(5)救急患者の行政区域外への搬送体制の確立―などの必要性を説いた。
(河北新報)

消えゆく道立診療所 ピーク時47カ所、新年度は9に 利用減、財政難響く(北海道)
 かつて、道内過疎地の地域医療を支えていた道立診療所が消えつつある。ピーク時は道内四十七カ所に上ったが、財政難で次々と廃止され、残る診療所は十一カ所。三月末にはさらに二カ所が閉鎖される。道は利用者減などを理由に地域に理解を求めるが、身近な診療所の存続を求める声は少なくない。無料バスの運行など代替策に苦心するマチを歩いた。
(北海道新聞)

3月14日

スーパーローテート時代の研修医当直事情
 初期臨床研修における当直のあり方 大阪厚生年金病院の場合

 初期臨床研修における当直のあり方 小豆沢病院の場合

 初期臨床研修における当直のあり方 済生会松阪総合病院の場合
(週刊医学界新聞)

スーパーローテート時代の研修医当直事情

研修医当直の現状について全国調査  平成17年度厚労科研事業「医療安全のための教材と教育方法の開発に関する研究」(主任研究者:上原鳴夫・東北大学大学院教授)の中で,著者らは臨床研修の安全管理に関する全国調査を実施した。同調査では全国の臨床研修病院および大学附属病院,計928施設にアンケート調査用紙を郵送し,282施設より回答をいただいた。本稿では東北大学大学院・安井大策の解析をもとに,研修医の当直の現状と指導体制の問題について述べる。

初期研修医の宿直明けの休労時間および連続勤務時間の制限
 宿直明けの休労時間については,有効回答272施設中167施設が取り決めは「ない」と回答していた。「ある」と回答した105施設では,午後休み45施設,全日休み13施設,半日休み5施設,午前休み4施設としているが,「原則として宿直明けは休みであるが守られていない」等,規則はあるが遵守されていない状況がうかがえる回答も多数あった。研修医が宿直明けに休労できない施設は多い。
 1回当たりの連続勤務時間の制限については有効回答273施設中243施設が設けていなかった。連続勤務時間制限を設けていると答えた30施設中,最長連続勤務時間は32時間であった。これは通常勤務の後に宿直をし,宿直明けに8時間勤務をこなす労働条件を意味する。
(週刊医学界新聞)

社説:「仕事と生活の調和」 働き過ぎ是正の契機に
 日本人はよく働くといわれる。実際、戦後の高度経済成長は、がむしゃらに働いた成果といって差し支えないだろう。
 しかし、一定程度の豊かさを手に入れ、さらに、バブル崩壊やその後の長い不況を経て、働き方に変化が生じてきた。
 働くことに重きを置く考えは依然根強いものの、もっと「暮らすこと」を大事にしようという試みも出てきたのである。
 最近、よく見聞きする「ワーク・ライフ・バランス」は、その代表例ととらえることができる。通常、「仕事と生活の調和」と訳され、1990年代に欧米で提唱された。
 男女を問わず、子育てや炊事といった家庭生活はもちろん、趣味や学習、ボランティアなど幅広い活動と仕事を調和させて暮らそうという考え方だ。
(秋田魁新報)

県内13病院で勤務医アンケート(青森)
 「夜間、休日もコンビニ感覚で患者が受診している」「時間外の給与がカットされた」「こんな割に合わない職業はない」−。「金木病院の救急体制を維持する会」が三月一日から、県内十三病院を対象に行っている勤務医アンケートで、こんな切実な声が浮かび上がっている。維持する会事務局の一戸彰晃さんは「勤務医の声に耳を傾け、行政、住民が一緒になって労働環境の改善に努めていくべきだ」と指摘している。
 アンケートは県内の十三の総合病院の勤務医七百四十人に発送。締め切りは三月末だが、既に勤務医の生の声が、ファクスなどで寄せられている。
(東奥日報)

3月13日

「年間4千時間労働、うつで解雇」賠償求め会社を提訴へ
 年間4000時間を超える長時間労働でうつ状態となり解雇されたとして、総合建設コンサルタント「建設技術研究所」(本社・東京)の元男性社員(30)が、損害賠償や未払い賃金など約1300万円の支払いなどを求める訴訟を大阪地裁に近く起こす。長時間労働させたこと自体を違法行為として賠償を求める方針で、企業責任を問う手法としては珍しい。
 長時間労働を巡るこれまでの裁判では、うつの後遺症などを理由に賠償請求する事例が多かった。元社員の代理人の岩城穣弁護士は「後遺症がなくなっても、本人が受けた精神的苦痛は大きい。長時間労働をさせた会社の責任そのものを追及する」としている。
(朝日新聞)

農協系医療機関、特養参入を解禁・自民方針
 自民党は特別養護老人ホームの設置・運営に関する規制を緩和する方針だ。地方自治体や社会福祉法人などに限定している運営主体を農協系医療機関にも認める。地方の農村部を中心に特養への入居を望む待機者が多い現状を踏まえ、受け皿の一つに育てる。議員立法で今国会に関連法の改正案を提出し、2008年からの実施を目指す。
(日経新聞)

「休日保育所」目標の4割・少子化対策達成に黄信号
 政府が2004年度に定めた少子化対策の進ちょく状況が明らかになった。休日に子どもを預かる保育所は2200カ所にまで増やす計画だったが今年度末時点で960にとどまるなど、出産・育児の環境整備で遅れが目立つ。資金や人材不足が主因だが、既存の予算や組織を組み替えることで財源・人員を確保するなど国や自治体の取り組みが遅れていることも影響している。
(日経新聞)

国保滞納が過去最多480万世帯 道内は横ばい21万世帯 06年
 国民健康保険の保険料を滞納した世帯が、二○○六年は四百八十万五千五百八十二世帯と過去最多を更新、加入世帯に占める滞納世帯の割合(滞納率)は、最高の大阪府が24・2%で最低だった富山、島根両県の9・7%の二・五倍となったことが九日、厚生労働省の調査で分かった。
 滞納世帯は前年比で十万四千百七十二世帯増えたが、加入も同四十万四千八百八十三世帯増えて二千五百三十万二千百九世帯になったため、滞納率は全体では19・0%(○五年18・9%)とほぼ横ばいだった。
 道内の加入世帯は前年比二万七千七百三十世帯増え、百十三万七千七百八十九世帯。滞納は同七百八十八世帯減の二十一万五千百九世帯。滞納率は○五年の19・4%から改善されたものの18・9%となり、悪い方から数えて十二番目だった。
(北海道新聞)

助産所、連携医療機関の確保「困難」3割・NPO調べ
 助産所の約3割が4月施行の改正医療法で義務づけられる連携医療機関の確保が難しい状況にあることが、助産師らでつくる特定非営利活動法人(NPO法人)の調査で分かった。連携医療機関は緊急時の優先的な搬送先として指定しなくてはならないが、産科医不足や出産時の医療事故に対する訴訟リスクの高さから連携を拒まれているとみられる。
(日経新聞)

病院改築の方向性示す/北海道羅臼町
 羅臼町議会3月定例会が9日に開会し、脇紀美夫町長は羅臼町国保病院の改築について、規模の縮小や病院改修事業寄付金の目標額を定めることなどを盛り込んだ方向性を示した。一方、課題となっている看護師の補充にめどは立っていない。脇町長ははじめに行政報告の中で病院問題を取り上げ「町民からは入院を制限してでも救急対応を早期に再開してほしいという意見が強い」と説明した。
(釧路新聞)以下参照
看護師確保困難で患者に退院打診 羅臼国保病院 「強制せず」(北海道)
【羅臼】看護師不足のため十日から夜間休日の救急受け付けを停止する根室管内羅臼町国保病院(高橋稔院長、四十八床)が、夜勤看護師を一人しか確保できないとして、三十二人いる入院患者を二十五人程度まで減らすことになり、退院の打診を始めた。町内に他の医療機関はなく、患者家族は行き場がない、と困惑している。 (北海道新聞)

大船渡病院 循環器科、常勤医1人に、救急、入院の対応難しく(宮城)
 大船渡市大船渡町の県立大船渡病院(菅野千治院長)で四月から、現在三人いる循環器科常勤医師が一人となることが分かった。非常勤医師の応援を受ける形で平日午前の外来診療は維持されるが、入院患者の受け入れは原則として行わない方針。併設する救命救急センターに心臓疾患などで搬送された重症患者の受け入れにも影響が及び、医療機能の大幅な縮小が懸念されている。
(東海新報)

彦根市立病院:産婦人科問題 「安心なお産を願う会」、知事に嘆願書 /滋賀
 彦根市立病院の産婦人科で医師不足のため診療制限が設けられる問題で、「彦根市立病院での安心なお産を願う会」のメンバー9人が9日、大津市の県庁を訪れ、集めた約5万3000筆の署名を持参し、嘉田由紀子知事に嘆願書を手渡した。
(毎日新聞)

一斉退職カバー予定の医師2人も退職 国循センターICU
 国立循環器病センター(大阪府吹田市)の外科系集中治療科(ICU)の5人の専門医全員が3月末で一斉に退職する問題で、4月以降ICUをカバーすることになっていた心臓血管外科からも40代のベテラン外科医2人が3月末で退職することが9日、分かった。
 同センターの心臓血管外科は、虚血性心疾患や弁膜症、不整脈疾患の外科治療のほか、慢性心不全患者に対する補助人工心臓の装着や心臓移植などを担当する。循環器病治療の国内最高峰である同センターは、国内で実施された41例の心臓移植のうち半数の21例を手がけている。
 退職する2人の医師は執刀を含め、そうした治療の中心的役割を果たしていた。
 ICU専門医の一斉退職にともない、同センターは外科とICUの分業態勢の見直しを検討。4月以降は、術後患者の管理・集中治療も執刀した外科チームが継続して行うとし、心臓血管外科にはこれまで以上の治療内容と責任を担わせる計画だった。
(産経新聞)

佐久市長が産科対策で広域連携構想(長野)
 佐久市の三浦市長は9日、「高速道を病院の廊下に」とのキャッチフレーズで、医師不足の産科や小児科の救急・重篤患者を上信越道で群馬県の病院に運ぶ広域連携構想を明らかにした。「一病院ですべて対応できる時代ではない」として機能分担も図りたい考えだ。
 構想に重要な救急車の速度制限引き上げを求めて、14日に冬柴国土交通大臣と面談する予定。「山梨県の病院との連携に向け、中部横断道の早期全線建設も求める」としている。
(信濃毎日新聞)

3月12日

京大病院で心臓手術ストップ3カ月 収拾のめど立たず
 京都大医学部付属病院(内山卓院長)で、心臓手術ができない異例の事態が約3カ月続いている。昨春の手術ミスをきっかけに、心臓血管外科と他の診療科との内輪もめが表面化。心臓血管外科を取り仕切る教授が欧米仕込みの手術スタイルを持ち込み、協調を重視する日本のスタイルと合わなかったことが原因といわれる。有名国立大病院で起こった内紛。収拾のめどは立っていない。
 同病院は8日夜、運営方針を決める病院協議会を開いた。記者会見した内山院長は、心臓血管外科に安全管理体制で問題があるとし、(1)他科に比べて手術中のガーゼなどの紛失や患者体内への異物の残存が目立つ(2)再手術の頻度が高い(3)他科や看護部とのコミュニケーション不足がある――などを指摘。安全性が確保されていないとして、手術再開は決められなかった。
(朝日新聞)

医師不足解消に専門チーム 厚労省、都道府県を支援
 医師不足が各地で深刻化する中、厚労省は9日、都道府県の支援に乗り出すため「医師確保等支援チーム」を発足させた。全国を5ブロックに分けて担当者を任命、問題点の把握や助言を行う。とりわけ産科医不足が問題化していることから、地域ごとの出産施設数などを調べるためのアンケートを今月中にも実施する。
 同省などが昨年8月にまとめた「新医師確保総合対策」では、都道府県ごとに自治体担当者や医療関係者らで「地域医療対策会議」を構成し、病院の集約化などを協議することになっている。しかし会議の開催回数にはばらつきがあり、地域によっては必ずしもスムーズに進んでいないのが実情だ。
(東京新聞)

小児科外来を受診される患者さまへ(千葉県亀田メディカルセンター)
平成19年3月31日をもちまして、以下の6名の小児科医師が退職いたします。

 小太刀康夫(部長)、伊藤直香、楠本欽史、小宮山 馨、鈴木久美子、高橋長久

 亀田メディカルセンターといたしましては、小児科医の確保に全力をあげて取り組んでおりますが、残念ながら現状では4月以降の亀田クリニックの小児科診療枠を減らさざるを得ません。
 また、亀田総合病院の救急外来では原則として日曜・祝日の17時以降、および平日の20時以降は小児科医の一次対応が困難となります。その時間帯の救急外来の初期対応は、小児科を経験した家庭医診療科・総合診療科・救命救急科の医師が担当いたします。
亀田メディカルセンター小児科紹介


佐野市民病院の経営問題:市長「存続間違いない」 市民団体、署名簿提出 /栃木
 佐野市の市民団体「市民病院を存続させる会」(小林正義、町田順一両代表)は8日、早期の医師確保、市民の命を守る拠点としての病院存続などを求め、市民6000人分の署名簿を岡部正英市長に提出した。
 これに対し、指定管理者候補の医療法人との交渉を続けている岡部市長は「存続は間違いない」と断言。「あとは医師の確保の問題。何人の医師でスタートできるか、近いうちに確定し、公表できると思う」と述べ、4月以降の医師派遣を前提にした交渉が進展していることを明らかにした。
(毎日新聞)

小田原市立病院、内科などで医師紹介状必要に
4月から診療体制を変更 産婦人科は現行の5人体制を維持(神奈川)

 全国的に医師不足が問題となる中、小田原市立病院(中島麓病院長)では、4月1日から小児科など7つの科で常勤医師を増員し強化を図る新しい診療体制を発表した。不足が心配されている産婦人科についても、現行の5人体制を維持。一方で内科、耳鼻いんこう科での初診は、開業医などからの紹介が必要となる。
(タウンニュース)

病院新築、医師ら反発/小樽市、「第二の夕張?」 危機感(北海道)
 小樽市が「夕張ショック」に揺れている。一般会計の累積赤字が14億円を超す。そこに市立病院が資金不足を補うため夕張市と同じ不適切な会計処理をしていたのが発覚、44億円の不良債務が表面化した。市は一般会計からの繰り入れで不良債務を解消、新たな起債であくまで病院を新築するとしたため、地元の医師や学者らが「財政がさらに悪化する」と反発を強めている。
 「夕張市の財政破綻(はたん)は対岸の火事か」「第二の夕張にならないか」
 小樽市議会では昨年秋以降、市財政の深刻さを指摘する質問が相次ぐ。
 小樽市の一般会計は05年度末の累積赤字が約14億円。06年度予算の累積赤字は22億円を超した。
(朝日新聞)

福野病院 入院業務を休止、常勤医減 外科・整形の診療も(福井県南砺市)
 医師不足が深刻さを増す中、南砺市の市立福野病院(松原)は四月から全病床の業務と一部診療を休止する。一方、公立南砺中央病院(梅野)では、二〇〇七年度から開業医でつくる医師会が当直業務の支援に乗り出すことになり、地域の基幹病院の難局を新しい連携で乗り越える試みが始まる。
(北陸中日新聞)

「医療版事故調」創設へ 届け出義務付け 厚労省試案
 厚生労働省は9日、診療行為の中で起きた不審死(医療関連死)について第三者機関が原因を調べる新たな組織を設置し、届け出を義務付ける試案を公表した。医療版の事故調査委員会とも言える組織で、今後、国民の意見を募るとともに、4月から専門家による検討会をスタートさせ、平成22年度の新制度開始を目指す。
 新組織は解剖医、臨床医、法律家からなる調査・評価委員会と事務局で構成。解剖やカルテの調査、関係者からの聞き取りを行い、医療関連死の原因を究明する。
 調査結果については、評価委員会が評価した上で報告書を医療機関と患者の遺族に提供。事故の再発防止に役立てる。新組織には中立・公平性が求められるため、国や都道府県などの行政機関か、行政機関の中の委員会として設置する方針。
(産経新聞)

医師不足の現状と課題 最新データで解説
 県保険医協会はこのほど、医師不足など最近の医療問題を解説するパンフレットを作製した。写真や図版を多用して「分かりやすい」と好評で、保険医協会の研修や講演会、医療機関での配布用にと、全国から注文が相次いでいるという。
 「医療も命も削られる」がタイトル。深刻な医師不足が生じた背景や、リハビリテーションの日数制限、療養病床の削減など患者への影響が大きい医療問題を解説している。最新のデータを使い、専門外の人にも分かるよう工夫している。
(神戸新聞)

残業代割増率、法に明記・厚労省「月80時間超は50%以上」
 厚生労働省は長時間労働を減らすための残業代割増率の引き上げについて、今通常国会に提出する労働基準法改正案に「月80時間を超える残業に50%以上の割増率」という具体的数値を明記することを決めた。当初は法律には数値を盛り込まず、政省令で定める予定だった。法律に割増率を明記して制度が簡単に変更できないようにする。
 労基法改正案に割増率引き上げのほか、今は原則1日単位でしか取れない有給休暇を年間5日分、一時間単位で取得できる新制度なども盛り込んだ。「両親の介護のために5時間」などと生活に合わせ、柔軟な取得が可能になる。
(日経新聞)

袋井と掛川の市立病院統合構想:袋井市長が議会答弁、判断時期延期か /静岡
 袋井市の原田英之市長は8日、袋井市民病院と掛川市立総合病院の統合問題での市長判断について、「適切な時期に明らかにしたい」と述べた。市議会の一般質問に答えた。同市長は昨年の12月議会で、「今年度中に方向性を示したい」としていたが、判断の時期を遅らせることを示唆した。
 両市の検討委員会は、ともに医師不足などを理由に両病院の統合を提言。袋井市議会の市民病院問題特別委員会は先月、統合案を支持したが、掛川市議会の広域行政問題特別委員会は7日、県や菊川、御前崎、袋井3市と森町を含めて協議を重ねるべきだとする意見をまとめた。
(毎日新聞)

労基法違反:違法時間外労働、幹部ら書類送検−−松阪労基署 /三重
 松阪労働基準監督署は8日、三交タクシー中部(津市乙部)と、同社松阪営業所の営業部長(59)と元営業部長(48)を、労働基準法違反(労働時間超過)の疑いで津地検松阪支部に書類送検した。
 調べでは、同社と両営業部長は昨年4月、労組と1カ月の時間外労働時間を79時間以内とする協定を結んだにもかかわらず、翌5月から10月まで、50代の男性従業員に協定時間を最高約22時間も超える違法な労働をさせた疑い。
(毎日新聞)

現業公務員の給与構造改革を 首相、「割高」指摘受け
 安倍晋三首相は9日の閣議後、国会内で菅義偉総務相と会談し、不透明さが指摘されている清掃職員など現業部門の地方公務員の給与について、実態把握と給与構造の改革を早急に行うよう指示した。
 清掃職員や給食調理員、バス運転手など現業部門の技能労務職員は、一般の地方公務員よりも給与が高く、同種の民間企業と比較しても割高だと指摘されている。また国と地方の公務員給与を比較する「ラスパイレス指数」でも現業部門の給与が対象に含まれず、「地方公務員給与の聖域」(総務省関係者)ともいわれてきた。
(産経新聞)

「医療事故調」の報告公表 医療機関に還元 厚労省試案
 医療中の死亡事故の原因究明を行う医療版「事故調査委員会」設置に向けた厚生労働省の試案が8日、明らかになった。臨床医や弁護士らで構成する調査・評価委員会(仮称)を国か都道府県に設置。聞き取り調査を実施し、臨床経過などを評価したうえで作成する調査報告書は公表する。調査結果を医療機関に還元することで、再発防止を図る狙いだ。4月にも立ち上げる有識者検討会で、医師法改正を含めた制度設計を進める。
 試案では、医療機関に対して死亡事故の届け出の義務化を検討。届け出を受けた調査・評価委員会が、解剖やカルテ調査、関係者の聞き取りなどによって死因を調べ、臨床経過や診療行為などを評価する。作成した調査報告書は、医療機関と遺族に渡すとともに、個人情報は伏せて公表する方針だ。
 報告書で医療機関側の過失責任が指摘された場合には、国が速やかに行政処分を下す仕組みを設けるとともに、報告書を民事訴訟や刑事訴訟に活用する仕組みも検討する。
 このほか、遺族からの申し出を受けて調査を実施することや一定規模以上の死亡事故以外も調査対象とすることなども検討対象とする。
(朝日新聞)

自治体破たんに防止法案、財政指標の公開義務化など
 政府は9日午前の閣議で、自治体の新しい再建法制となる「地方公共団体財政健全化法案」を決定した。
 財政指標の公開を自治体に義務づけており、ホームページなどを通じて住民による監視を可能にして自治体が深刻な財政状況に陥ることを防止する効果が期待されている。夕張市以外にも、実質公債費の割合が高いなど財政状況が悪い自治体は少なくない。
 公開される指標は、普通会計の収支に関する「実質赤字比率」、公営事業会計も合わせた「連結実質赤字比率」、公営企業債なども含め一般財源規模に対する公債費の割合を示す「実質公債費比率」、公社、第3セクターなども加えた実質的負債に関する「将来負担比率」の4種類。現行制度では、財政比率の公表は法律上、義務づけられていない。
(読売新聞)

44道府県で収支硬直化 07年版地方財政白書を決定
 政府は9日、都道府県と市町村の2005年度決算の状況をまとめた「07年版地方財政白書」を閣議決定した。地方税収の伸びが大きい東京、愛知、千葉の3都県では市町村を含め財政状況が改善しているのに対し、それ以外の44道府県と市町村では収支が硬直化し、自治体財政の2極化が浮き彫りになった。
 3都県(市町村含む)では、人件費や借金返済額など義務的な経費の割合を示す「経常収支比率」が04年度に比べ平均で1・7ポイント低下し88・3%。44道府県平均(同)では逆に0・3ポイント上昇して92・1%となり、財政の硬直化が一層進んだ。
 税収は景気拡大に伴い、法人関係税収が全体で前年度より1兆2656億円増えたが、増収の半分近くは3都県で占めた。
(北海道新聞)

3月11日

「赤ちゃんポスト」への見解、厚労省は文書で回答せず
 熊本市の慈恵病院が計画している「赤ちゃんポスト」を巡り、同市が厚生労働省の見解を文書で求めていることについて、同省の辻哲夫次官は8日、「そういうことは考えづらい」と述べ、文書で回答しない方針を明らかにした。
 文書回答については、安倍首相も7日、内閣記者会に対し、「国としてお墨付きを与えることはふさわしくない」と、否定的な考えを示していた。
 辻次官は、8日の記者会見で「法律的には、(設置を)認めない合理的理由はないという見解は変わっていない」とした上で、「文書でどうかというよりも、皆で十分議論をしてこの問題に取り組むことが大切」と述べ、文書回答を求めて、国に判断を委ねようとする姿勢に疑念を呈した。
(読売新聞)

「使い捨て」不満根強く 地域の期待とずれ(兵庫)
 へき地からの流出が深刻化していることが分かった兵庫県養成医師。県が実施したアンケートには「生涯研修計画がない。医師の使い捨てと感じる」「早くやめたもん勝ち、という気風がある」など、現状へのいらだちがつづられ、地域の期待とのずれを示した。県医務課の担当者は「最初は地域医療への志を持っていたはず。残念な結果」と肩を落とす。
 研修に対する不満は以前からあった。最近は都市部の大病院の医師不足もあり、一気に流出が進んだという。
(神戸新聞)

へき地勤務、養成医師の流出が深刻化(兵庫)
 へき地での医療を確保するため、兵庫県が学費を負担して医師を育て、一定期間へき地勤務を義務付ける県養成医師制度で、義務期間が終了した直後、医師が引き続きへき地で勤める定着率が、最近五年は従来の70%前後から45%に急落していることが七日、分かった。養成医師の流出がへき地の医師不足に拍車をかけている格好で、県は養成医師の待遇改善を打ち出した。
(神戸新聞)

雇用・医療が重要/県政世論調査(青森)
 県民が最重要と考える県政の課題は「雇用・経済対策」、次いで「医師不足など医療対策」であることが、東奥日報社が実施した電話世論調査で分かった。これらに関する政策は、三村申吾知事の「評価できる政策」で下位にとどまる一方、「評価できない政策」で上位を占め、県政の現状に対する県民の不満やニーズが浮き彫りになった形だ。三村知事の一期目県政に対する評価については、回答者の66.9%が「評価する」とし、「評価しない」の23.8%、「分からない」の9.3%を大きく上回った。
(東奥日報)

小児科医、適正配置を 県医療連携検討会(沖縄)
 県内の小児医療の集約化と連携の在り方について協議する「県小児医療連携等検討会」の最終会合が7日夜、那覇市のホテルであった。中・北部、宮古、八重山では既に機能が集約されているとした一方、南部の公的病院の機能分担を進めるなどして地域偏在を解消し、県内の小児医療の充実を図るとする報告書案をまとめた。委員からは後期臨床研修医を養成できる医療機関の拡充と、研修後の県内定着を図る必要性が指摘された。報告書は県がとりまとめた上で、今月中に国に提出する。
 離島などの県立病院の勤務実態調査でも、小児科医の勤務時間が全国平均の68・4時間を上回って週平均73時間と、医師が過重労働となっていることから、適切な医師の配置と地域の診療所医師の活用、救急医療の応援体制を図ることが必要とした。
(琉球新報)

吹田事故受け、運輸局・労働局が貸し切りバス業者監査
 近畿運輸局は7日、管内の貸し切りバス業者に対し、4月から大阪労働局と合同で監査を実施することを明らかにした。大阪府吹田市で2月18日に発生したスキーバス衝突事故を受けた措置だ。27人が死傷したこの事故は運転手の過重労働が原因と見られることから、運行状況と労働実態の両面から調査する必要があると判断した。運輸、労働両局の合同監査は全国初。
(読売新聞)医療事故でも厚生局と労働局が調査すべきでは

3月10日

ドクターヘリ、医師不足地で利用急増、06年度報告(愛知)
 ヘリコプターに医師が乗り込み救急患者を運ぶ「ドクターヘリ」について、県内の関係機関が話し合う二〇〇六年度の運航調整委員会・実施部会が七日、名古屋市中村区内のホテルであり、医師不足に悩む地域のヘリ利用が急増している状況などが報告された。
(中日新聞)

医療事故死届け出を義務化、究明組織の素案まとまる
 医療版の事故調査委員会の新設を検討している厚生労働省は、医療事故による死亡事例の届け出の義務化などを盛り込んだ素案をまとめた。
 医療事故死に関し、新組織が一元的に原因究明にあたることを念頭に置いたもので、この素案をたたき台に、来月設置される検討会が本格的な議論をスタートさせ、2010年度の新制度開始を目指す。
 新しい制度は、診療行為中に患者が予期しない形で死亡した事例について、調査組織が解剖や診療録(カルテ)の精査などにより原因を調べる仕組み。
(読売新聞)

県立高田病院 全域懇談会で意見交換、医師不足浮き彫りに(岩手)
 県立高田病院(石木幹人院長)は、五日午後三時から高田町のキャピタルホテル1000で十八年度の全域懇談会を開き、市民と活発に意見交換した。医師確保問題で病院側は、三月で退職する内科医の後任について「十二月までは確保した」と報告したが、整形外科医は週一回の派遣が難しい見通しが示され、改めて医師不足が浮き彫りになった。
 石木院長は、圏域医療の中核となる大船渡病院でも医師不足が深刻化している現状に触れながら「高田病院も三月で内科の医師が退職し、後任の確保が難しい状況となっているが、何とか中央病院から後任の医師が十二月まで確保できた」と報告した。
 また、東北大から週一回派遣されていた整形外科医については「続けることができなくなりそうだ。大船渡病院が充実しない限り、高田病院の充実は難しい」と述べ、医師不足解消の将来展望が描けない状況にあることを説明した。
(東海新報)

弘大医学部学士入学に県内枠検討
 弘前大学医学部は推薦入試だけでなく、三年次に編入する「学士入学」(定員二十人)でも、五人程度の県内枠を設けることを検討している。医師不足に悩む本県での人材確保が狙い。弘大側は今後、文部科学省に意向を説明し、調整を図る。
 弘大医学部には全国から学生が集まるが、卒業後は首都圏をはじめ、国内各地で臨床研修を受けようとする人が多く、県内に定着するのは、地元出身者という傾向がある。
(東奥日報)

市議会も産婦人科医確保要望(広島)
 福山市民病院(福山市蔵王町)が、岡山大病院(岡山市)から産婦人科医師2人の派遣中止を通告されている問題で、福山市議会は6日、派遣継続を求める要望書を岡山大産科婦人科に提出した。要望書は、市民病院が県東部の救急医療拠点であると強調。「産婦人科が閉鎖されると、救急対応の後ろ盾が失われる」として医師の派遣継続を求めている。これまで、羽田皓市長らが派遣中止の撤回を要請してきた。
(中国新聞)

深谷病院23日閉院 全常勤医が辞職の意向 石巻(宮城)
 4月の民営化を前に経営を移譲する医療法人が決まっていない宮城県石巻市の公立深谷病院(162床)の運営企業団は6日までに、23日で診療を停止し、事実上閉院することを決めた。1953年開院の地域医療の拠点が、54年の歴史に終止符を打つ。
 企業団によると、救急患者の受け入れは16日までで、現在約30人いる入院患者は16日までに退院、転院してもらう。外来診療は23日午前で停止する。岡山昭彦企業長(外科)を含め常勤医11人全員が辞職する方向という。
(河北新報)

医療事故:診療科長の地位確認求め地裁申請 京大病院教授
 京都大病院(京都市)の心臓血管外科が「医療安全上の問題」を理由に手術を当面自粛させられている問題で、同科の米田正始(こめだまさし)教授兼診療科長(52)が「手術再開の条件として診療科長を不当に解職される恐れがある」などとして、京大に同科長の地位確認を求める仮処分を6日、京都地裁に申し立てた。
 申立書によると、同科も参加した06年3月の脳死肺移植手術の患者が死亡し、病院は同年12月末、同科に手術全般の停止を事実上命令。米田教授は理由などの説明を求めたが応じられず、今月5日には内山卓病院長名の電子メールで「診療科長の交代は手術再開に最低限必要な条件。その方針で手術再開へ向け準備を進める」と通知された。
(毎日新聞)

3月9日

「医師の待遇改善急げ」、医師不足テーマに講演 城西大伊関助教授(千葉)
 山武地域の医師不足が深刻化する中、東金市台方の県立東金病院で三日、特別講演会「医師不足問題と自治体病院の今後」が開かれ、財政破たんした夕張市立総合病院の経営アドバイザーを務める城西大学経営学部マネジメント総合学科の伊関友伸助教授(45)が持論を展開した。伊関助教授は、崩壊の危機にひんしている全国各地の地域医療の現状を紹介し「今後さらに財政破たんする自治体病院が増える」と指摘。地元・山武地域で進む(仮称)九十九里地域医療センター計画を踏まえ、「新しい病院をつくっても医師は集まらない。まずは今いる医師の待遇を良くして十分な人数を集め、それから建物を考えなければ危険」と力説した。
(千葉日報)

労基署が是正勧告 京北病院看護師の超過勤務(京都)
 京都市右京区の市立京北病院(7科67床)が、救急外来に対応する看護師の宿直回数が多すぎるとして、園部労働基準監督署から文書による指導を受けていたことが、5日の市議会公営企業等予算特別委員会で明らかになった。
 同病院は、看護師の宿直勤務を7日に1回(月4回程度)として労基署に申請。しかし実際には、月6回程度の宿直をこなしている看護師もおり、労基署から先月20日、「許可基準を超えている」として改善指導を受けた。
 同病院の看護師は、嘱託10人を含めて計32人。宿直勤務がある救急外来の看護師は6人だが、宿直を引き受けられない看護師もいるため「基準を満たすには新たに2〜3人の看護師を確保しなければならない」(同病院)という。
(産経新聞)

無過失補償制度の新設検討 首相、産科医不足改善で
 安倍晋三首相は6日午後の参院予算委員会で、産科医の不足問題に関し、背景に「訴訟増加への懸念がある」との認識を表明、産科医へのなり手を増やすため、分娩事故で脳性まひの子どもが生まれた場合に、医師に過失がなくても患者に補償金を支払う「無過失補償制度」の新設を検討する考えを明らかにした。
 柳沢伯夫厚生労働相も、地域の産科医不足について「都道府県の医療対策協議会に公的医療機関も参画し、必要な協力をしてもらう」と述べ、各地の国公立病院が中心的な役割を果たし改善を図っていくとの考えを示した。
(北海道新聞)

夜の“無医村”化 不安(徳島)
 月曜日の午後、診療所のドアが開くと、お年寄りが次々と集まってくる。徳島県那賀町の北川地区。医者がやって来るのは月水金の午後1時間半。平幸代さん(60)が調子の悪いのどをかばうようにつぶやいた。「合併してようなったという話は聞いたことない。人がたくさんいるところだけが便利になるのが民主主義なんやろうか」
(朝日新聞)

医師不足:名古屋市立4病院で13人 看護師も3病院で33人 /愛知
 名古屋市の全5市立病院のうち四つの病院で、13人の医師が不足していることが5日の市議会一般質問で明らかになった。城西病院の皮膚科、守山市民病院の皮膚、泌尿器科は正規の医師がゼロのため、市立大から臨時医師を派遣するなどの対応に迫られている。市では、市立病院と同大医学部の連携による病院への安定的な医師派遣を検討していく。一方、看護師も三つの病院で33人が不足していた。
(毎日新聞)

自治医大卒生を産科に−医師不足で重点配置(香川)
 産科や小児科を中心に医師不足が深刻化している問題で、香川県は五日、来年度から自治医科大(栃木県下野市)の卒業者を積極的に充当する新たな対策を明らかにした。来年度は二年間の卒後研修を終えた女性医師一人が、県立中央病院の産婦人科で勤務。その後も本人の希望や他診療科との均衡に配慮した上で、産科や小児科への重点配置を進める。
(四国新聞)

産婦人科医23・5人不足/県医療検討委04年で試算(沖縄)
 第二回県産科医療連携等検討委員会が五日、那覇市内のホテルで開かれ、深刻な医師不足が続いている産婦人科について、県全体で少なくとも二三・五人が不足している状況であるとの報告案をまとめた。現在も県立北部病院で産科の休止が続いていることなどから、会議では「不足数はあくまで最低の数。それで十分ではない」との指摘が上がった。産婦人科医確保に向け、後期臨床研修の充実や女性医師の勤務環境づくり、県内の医療機関の連携強化の必要性などを確認した。
(沖縄タイムス)

急増する“イチャモン”保護者 無理難題に学校疲弊
 昨年12月に出版された『悲鳴をあげる学校』(旬報社)が、話題を呼んでいる。著者は、平成12年から学校に対する“イチャモン”について研究している大阪大学大学院人間科学研究科の小野田正利教授(51)。「イチャモンの増加で、学校は疲弊しています。ただ学校や保護者を一方的に責めたり、教員を擁護する問題ではありません。イチャモンの本音を読み取り、保護者と学校との正しい関係を築くことが必要です」と訴える。
(産経新聞)病院も同じでは

道立7病院、民営化も 夏めどに見直し案 赤字600億円(北海道)
 道は五日、紋別など七つの道立病院の運営体制を、民営化を視野に抜本的に見直す方針を決めた。七病院の累積赤字が約六百億円に膨らんでおり、今後も収支の好転を望めないことから、道による直営も見直さざるを得ないと判断した。道は、関係する地元との協議を経て、今夏をめどに具体的な見直し案を作成し、二○○八年度から新体制への移行を進めたい考えだ。
 道は○六年二月、七病院の運営体制見直しについて、外部の有識者でつくる「北海道病院事業に関する次期計画検討協議会」(会長・加藤紘之道医師会副会長)に検討を依頼。協議会が分析したところ、七病院の人件費は収益の97・7%に達し、全国自治体病院の平均である55・2%を大きく上回っているなどの赤字体質が判明した。
(北海道新聞)

看護師確保困難で患者に退院打診 羅臼国保病院 「強制せず」(北海道)
 【羅臼】看護師不足のため十日から夜間休日の救急受け付けを停止する根室管内羅臼町国保病院(高橋稔院長、四十八床)が、夜勤看護師を一人しか確保できないとして、三十二人いる入院患者を二十五人程度まで減らすことになり、退院の打診を始めた。町内に他の医療機関はなく、患者家族は行き場がない、と困惑している。
(北海道新聞)

住田町議会 住田病院問題で町長答弁、「診療所化阻止難しい」(岩手)
 住田町議会三月定例会は休会明けの五日、阿部祐一(無)泉田是重(無)菅野長治(共)高橋靖(無)の四議員が登壇して一般質問を行った。この中で、多田欣一町長は平成二十年度に予定されている県立住田病院の診療所化問題について、県内の同規模県立病院が県の改革計画どおり診療所化されていることなどから、「現状のままの病院としての存続は難しいだろう」との見通しを示した。
 町長は同町と同様に住民が反対運動を展開した地域の紫波や花泉などでも県立病院がすでに診療所化され、今年四月からは大迫病院と伊保内病院が診療所化されることになっていることを例に挙げ、住田病院の診療所化を阻止するのは「非常に厳しい状況にある」と語った。
 また、同議員は気仙の基幹病院でもある大船渡病院の医師不足について「今後どのような運動を広域で連携していくのか」と質した。
 町長は大船渡病院への救急患者数が盛岡市の県立中央病院の患者数を上回るなど、医師の激務が勤務医離れを引き起こしている要因ともなっていることを指摘。「今後は利用者も病状に合わせて病院を選ぶなど、医療機関の利用を考えていくことも必要ではないか」と述べた。
(東海新報)

3月8日

鳥取市立病院に病後児保育施設 来年1月オープン
 鳥取市が「病後児保育施設」の設置を計画している。約3100万円かけて市立病院に新しい施設を建設し、来年1月にオープンする計画で、働く母親の負担軽減になると期待されている。市内では2施設目となる。
 病後児保育は、病気の回復期にあり、入院の必要はないが集団生活は無理で、安静が望ましい、と医師の診断を受けた子どもを一時的に預かる施設。
 計画では、同病院敷地内に軽量鉄骨平屋(床面積170平方メートル)の建物を今夏にも着工する予定。保育室2室のほか、乳幼児用の乳児室とほふく室なども設ける。感染症用の隔離室もある。
 看護師1人と保育士2人が常駐し、子どもたちの面倒を見る。開設時間は月曜日から金曜日までの午前8時から夕方6時までの予定で、料金は1日2500円を見込んでいる。
(山陰中央新報)

「在宅」床ずれ12万人…学会推計、老老介護背景に43%重症化
 在宅介護を受けている人の6%が床ずれ(褥瘡(じょくそう))を患い、全国で少なくとも12万人にのぼると推計されることが、日本褥瘡学会(理事長=森口隆彦・川崎医大教授)の調査で明らかになった。
 床ずれを持つ人のうち6割は、寝たきりで全面介助が必要な患者だった。在宅患者の床ずれの実態が明らかになるのは初めて。介護者も高齢である「老老介護」で十分な介護ができないことが背景とみられ、対策が急務となりそうだ。近く同学会で発表される。
(読売新聞)

市民病院長「現体制での救急診療継続は不可能」 伊賀市議会代表質問(三重)
 伊賀市議会は3月5日再開され、会派代表者5人による代表質問が行なわれました。その中で、伊賀地域の医療体制の現状と今後について、松村頼清議員(爽風クラブ)が質問し、これに対して、上野総合市民病院の村山卓院長は「市民病院の現在のスタッフ体制では、今後救急診療を続けていくのは難しい」と答弁しました。
 同病院によると、現在同病院には常勤・非常勤合わせ23人の医師が勤務し、内科医・外科医がそれぞれ1人ずつ交替(整形外科医も要請に応じて加わる)で救急診療にあたっていますが、今年6月末までに内科医3人、整形外科医2人の計5人が三重大学医学部附属病院と名張市立病院に引き揚げる見通しであることから、通常診療にも支障をきたす可能性もあるとしています。
(伊賀タウン情報YOU)

医師確保で三重県立志摩病院産科再開へ
 三重県は5日、医師不足で休止していた県立志摩病院(同県志摩市)の産科の医師が確保できたとして、22日から約5カ月ぶりに再開すると発表した。
 同病院は昨年11月、三重大医学部(津市)から派遣されていた2人の常勤産婦人科医の引きあげとともに産科を休止し、志摩市と南伊勢町の志摩地域では分娩(ぶんべん)施設がなくなっていた。
 着任が決まったのは現在、名古屋市内の病院に勤める田村栄男医師(65)。先月末、三重県の特定非営利活動法人(NPO法人)のドクターバンクを介し、県の職員として年収約2200万円で採用された。
(日刊スポーツ)

臨床婦人科産科
2007年03月発行(Vol.61 No.3)
今月の臨床 周産期医療の崩壊を防ごう
産科医師の勤務状況 平原 史樹・他
(医学書院)

今こそ医師会が救世主に
 具体論で,日医に要望したい.医師の偏在,とりわけ産科医,小児科医の不足が社会的問題になっている.なぜ日医が,この問題でリーダーシップを取ろうとしないのか.みんなが困っている,こういう問題こそ,日医の出番である.地域の中核病院に医師会が音頭をとって医師をプールし,必要に応じて派遣の差配を行う.医師の需給バランス調整を,官僚統制下に置いてはならない.医療の専門家集団が自主独立で行うべきことだ.かつて,この司令塔の役目は大学の医局がやっていた.教授の号令で若い医師はへき地に行かされていた.もう昔の医局制度にもどることはない.今こそ地域の医師会がコントロールタワーとして救世主になるチャンスである.
 同じ専門家集団である弁護士会と医師会の組織運営が,よく比較される.法律上のことはつまびらかでないが,弁護士は地域の弁護士会に所属しないと活動できない.中世のギルドのような強制加入の組織で,高い倫理と帰属意識が支配している.対して医師会は任意加入で自由開業制だ.義務は少なく,権利は多いように見える.どちらの方式がいいのか,日医内部で血のにじむ議論をしたという話を,私は寡聞にして知らない.
(日医ニュース)

七戸、三戸病院整形外科医不在に(青森)
 公立七戸病院(七戸町)と三戸中央病院(三戸町)の整形外科常勤医が四月から不在になる可能性が高いことが四日、分かった。弘前大学医学部が、医師の意向などを踏まえ、両病院の唯一の整形外科常勤医の派遣を行わないことを決めたため。週数日の非常勤派遣が検討されている。七戸町には整形外科の開業医もおらず、七戸病院は「整形外科の患者が増えている中、常勤医不在の影響は少なくない」としている。
(東奥日報)

医師の行政処分に「戒告」新設 新年度から厚労省
 厚生労働省は新年度から、医師や歯科医師に対する行政処分を厳しく見直し、従来の「免許取り消し」と期限を区切った「医業停止」に加え、過失の小さい医療ミスなどに適用する「戒告」を新たに設ける。行政処分はこれまで、一定の刑事責任を問われていることなどが前提だった。今後は処分対象者を広げる一方で、処分を受けた医師がミスを繰り返さないように再教育を義務づける。
 また、処分には調査が必要なため、行政の権限も強化。医師に対する事情聴取やカルテの閲覧、医療機関への立ち入り調査などを強制的にできるようにするほか、調査を拒む医師には50万円以下の罰金を科す。全国8カ所の厚生局・支局に、医師免許を持つ調査専門の職員も配置する予定だ。
(朝日新聞)

JA広島総合病院も妊婦制限(広島)
 廿日市市のJA広島総合病院が2月から、分娩(ぶんべん)の受け入れ制限を始めた。周辺の医療機関が相次いで分娩を取りやめたため、取り扱い数が急増する中、現在12人いる助産師のうち5人が3月末に退職。救急対応の必要な高度医療機関として、リスクの高い妊婦を受け入れる態勢を維持していくため、正常分娩の制限を余儀なくされた。同病院の分娩件数は、昨年12月までの本年度の9カ月間で529件。
(中国新聞)

「魅力ある病院」議論 仙台で地域医療シンポ(宮城)
 東北大大学院医学系研究科主催の地域医療シンポジウムが4日、仙台市内のホテルで開かれた。マグネットホスピタル(磁石のように医師を引きつける魅力ある病院)をテーマに、全国各地の研究者や病院経営者らが事例を踏まえて意見を交わし、県内を中心に医師や自治体職員ら約110人が参加した。
 東北大の伊藤恒敏教授は「人口20万の圏域で病床500前後を備え、医師の教育環境も整備されている病院」と定義を説明。「教育環境を求める若い医師を引きつけられる。医師不足の地域にこそ必要だ」と強調した。
 財政破たんした北海道夕張市の市立総合病院の再建に携わる城西大経営学部の伊関友伸助教授は医師公募プロジェクトを紹介。「ある程度の給料が得られれば、医師は技術向上や理念実現が可能な働きがいのある病院に集まる」と指摘した。
 研修医の視点から全国の臨床研修の実態を調査した昭和大医学部精神医学教室の市村公一氏は「人気のある病院は独自の研修にアイデアを凝らしている。異なる病院が群として医師を集められるよう行政も新たな政策が求められている」と研修医確保対策を示した。
(河北新報)

3月7日

周産期医療の崩壊を防ぐために、倉智博久氏(山形大学教授・産婦人科学)
 産婦人科は過酷な勤務状況に加え,医療事故に伴う高い訴訟リスクから次世代の担い手の数が減少している。そこに2006年,福島県立大野病院の産婦人科医が逮捕・起訴され医療界に大きな衝撃を与えた。そこで,周産期医療の現状と崩壊を防ぐために必要なことは何か,『臨床婦人科産科』誌3月号の特集「周産期医療の崩壊を防ごう」を企画編集した倉智博久氏に聞いた。

――周産期医療を取り巻く環境は大変厳しく,崩壊寸前との声が上がっています。崩壊を防ぐために取り組むべきこととは何でしょうか。
倉智
 それは産婦人科医を増やすことに尽きると思います。ただ増やすためには2つの大きな課題があります。それは激務と訴訟リスクの高さです。周産期医療は時間を問わないため24時間体制を取らねばならず,その結果,当直も多く過酷な勤務となります。訴訟リスクについては,訴訟数は産婦人科が最多ではありません。しかし,医師1人あたりの訴訟数では最も多く,中でも周産期,産科関係が圧倒的です。背景には産科診療に対する皆さんの「母子ともに元気で退院するもの」というイメージがあると思います。

――激務の問題との関連で,リスク的にも産婦人科医の1人診療が難しくなりセンター化が始まっていますね。
倉智
 集約化を進めないとどうにもならない現状があるということを,まずご理解いただきたい。集約化を進め,周産期医療の体制を整えないと産婦人科医がバーンアウトして周産期医療から去ってしまう悪循環が続いてしまいます。産婦人科医が増えれば解決しますが,産婦人科医として独り立ちするには,5年,10年という時間が必要ですから,現状で取り得る対応策は集約化しかないと思います。
(週間医学界新聞)

地域医療に勤務医が声 盛岡で講演会(岩手)
 県医師会(石川育成会長)の勤務医部会と病院部会は3日、盛岡市菜園2丁目の県医師会館で合同講演会を開き、地域医療の課題や医師不足対策などについて理解を深めた。両部会が合同で講演会を開くのは初めて。病院勤務医を取り巻く環境が過酷となる中、地域医療の望ましい姿について現場の医師もかかわった模索が始まった。
 埼玉県・川口市立医療センターの栃木武一副院長は「産科医療の集約・重点化について」と題して講演。産科医不足やそれに伴うお産を扱う病院の集約化について「日本各地でどこでお産をすればいいか社会問題化しており、産科医療は崩壊の危機に直面している」と切迫した状況を説明した。
 産科医療の危機を救うための取り組みとして▽産婦人科勤務医の待遇改善▽女性医師の現場復帰▽定年後の医師の活用―などを挙げ「地域住民に危機を啓発し、地域にあった産科医療体制を考えることが重要だ」と総括した。
(岩手日報)

医師後期研修者数で県内病院明暗(青森)
 二〇〇七年度から県立中央病院(青森市)で「後期研修」を希望している若手医師は八人を数え、〇六年度の一人より大幅にアップしたことが三日、分かった。弘前大学医学部で新たに後期研修を希望しているのは三十二人で前年度並み。最大二十五人の募集枠を設定している八戸市民病院は三人と厳しい状況となった。
(東奥日報)

市民病院に1億円追加支援(岡山)
 笠岡市は、再び経営が悪化している市民病院(同市笠岡)を支援するため、今月中に同病院へ約1億円を追加投入する方針を固めた。6日の市議会定例会に関係補助金を盛り込んだ2006年度一般会計補正予算案を提案する。不良債務の発生防止が主な目的。追加投入をしない場合、支払い能力を超えた借金である不良債務が、今月末時点で約3500万円発生する。市総務部は「経営安定のための緊急的な措置」としている。
(中国新聞)

三田市民病院、ベッド48床削減(兵庫)
 三田市民病院は一日、四月一日からベッド数を四十八床削減し、二百五十二床にすると発表した。看護師を手厚く配置した病院に報酬を加算する「7対1基準」が始まった影響で、看護師の確保が難しくなっており、同病院では「安全で質の高い医療を提供するため」としている。すでに医師不在で腎臓内科の診察や治療が休止することが決まるなど、市の医療環境に深刻な影響を与えている。
(神戸新聞)

過重労働に運転手悲鳴 県内貸し切りバス業界
 県内の貸し切りバス業界で運転手の過重労働が問題化している。規制緩和で事業参入が相次ぎ、業者数は2000年からの5年間で2倍以上増加、採算を取るため人員を切り詰めている業界内の事情が背景にある。大阪で27人が死傷した2月のスキーバス事故は、運転手の過労運転が原因とみられており、県内関係者も「同じ悲劇が起きかねない」と危機感を強める。
(宮崎日日新聞)医師も同様では?

平日の父さん「子との時間、皆無」23% 内閣府調査
 父親の4人に1人が子どもとふれ合う時間がほとんどなく、母親も接触時間が減っていることが3日、内閣府の調査で分かった。勉強や友人関係などの悩みを抱える子どもは増えているのに、それを「知らない」父親は3分の2に達し、家族のコミュニケーション不足が浮き彫りになった。
(朝日新聞)

「ママ医師」復帰に向け研修中 長崎大が支援策
 結婚・出産を機に医療現場を離れた女性医師の復帰支援に、長崎大医学部・歯学部付属病院(長崎市坂本一丁目、江口勝美病院長)が乗り出した。時間的制約の少ない麻酔科医として再起させる医療人養成プログラムを導入し、眠った人材の掘り起こしを進めている。
(長崎新聞)

川崎病院で医師法違反の疑い、眼鏡店員が眼圧検査か
 川崎市川崎区の市立川崎病院の眼科外来で、民間眼鏡店チェーンの店員が20年以上、患者の視力検査を行っていた問題で、川崎市が3日、記者会見し、店員が眼圧検査をした疑いがあることを明らかにした。
 医師法で禁じられている医療行為にあたる可能性があり、市は事実を調査したうえで、同法違反の疑いで刑事告発も検討する。
(読売新聞)

3月6日

妊婦無料健診:07年度以降、5回程度に 厚労省通知
 厚生労働省は市町村に対し、平均2回にとどまっている妊婦への無料の健康診断について、「07年度以降、5回程度に増やすことが望ましい」との見解を通知した。妊婦健診は医療保険の適用外で、母親の平均負担額は約12万円。この軽減をはかり、少子化対策につなげる考えだ。
 政府は07年度予算編成で、地方交付税のうち少子化対策に充てる配分額を06年度の2倍、約700億円に増額した。市町村は交付税を活用し、妊婦に医療機関で使える無料健診券を配っているが、厚労省は市町村に交付税増額分を一部無料健診費に上乗せし、平均2回となっている無料券の配布回数を5回以上とするよう求めた。
 妊婦の健診費用は1回約5000〜1万5000円。出産までには14回程度の健診を受けることが多く、無料の回数が2回だけでは若い夫婦には負担が重い、との指摘が出ていた。
(毎日新聞)

[ツアーバス]「『安全』に影を落とす規制緩和」
 大阪府吹田市で先月半ば、スキー客を乗せた大型バスがコンクリート柱に激突し、乗務員1人が死亡、26人が負傷した。バスは長野県のスキー場から大阪市内に戻る途中だった。
 21歳の運転手は警察の調べに、「今月は1日休んだだけで、睡眠は連日5時間程度しかなく、居眠り運転していた」と供述した。勤務先の長野県のバス会社が当日も徹夜運転させていた。
 長距離や夜間運転で交代の運転手を置くよう定めた国土交通省令や、長時間や連続の勤務を禁じた厚生労働省告示などに違反していた疑いがある。事故の背後に、2000年の道路運送法改正による規制緩和の“影”がのぞく。
(読売新聞)病院も同様では?

医者のタマゴは都会志向?(徳島)
 授業料全額を肩代わりしたうえに月10万円の生活費支給――。県が徳島大学医学部生を対象に新年度から始める「医師修学資金貸与事業」だが、好条件にもかかわらず、応募はなかった。地域医療を担う人材育成が目的の思い切った支援制度だが、条件にある「一定期間の県内勤務」がネックになっているようだ。「県外に出て多くの経験を積みたい」という若い学生たちの意欲が背景になっているとあって、関係者の思いは複雑だ。
(朝日新聞)

岩手県医師会合同講演会
 医師不足を考える会が盛岡で開かれ勤務医を確保するためには、過重な労働をなくすべきだという声が現場の医師から出されました。これは県医師会の勤務医と病院部会が合同で開いたものでおよそ130人の医師が参加しました。講演会では埼玉県にある医療センターの栃木武一副院長が「過重労働によって辞める医師も多くそれが勤務医不足を招いている、待遇面の改善をはからなければならない」と訴えました。また、パネルディスカッションでは現場の医師から人出の多くかかる産婦人科などでは一度現場を離れた医師を再雇用し医師の数を確保するべきだという声も出され、真剣な話しあいが行なわれました。
(岩手放送)

上野桑町の「市小児応急診療所」、6月にも1次救急内科増設(三重)
 伊賀市は、同市上野桑町にある時間外の小児科1次救急施設「市小児応急診療所」に、新たに15歳以上を診る1次救急の内科を増設する方針を固めた。風邪などの軽症患者を集約し、現在、内科、外科など時間外の1次、2次救急を担当する市内の2つの総合病院の重い負担を軽減するのが狙い。早ければ6月にも診察を始める。
(中日新聞)

金沢市立病院:院長に高田教授が就任−−4月1日 /石川
 今月末の金沢市立病院長の退職に伴い、次期院長に高田重男・金沢大大学院教授(57)の就任が決まった。市役所での記者会見で、多額の累積赤字や医師不足による産科、小児科の休診など、病院が抱える問題解消に意欲を示した。就任は4月1日。
 高田教授は「小児科再建はすぐに取りかかりたい。経営改善は有識者会議が検討中だが、すぐにできることもたくさんある」と話した。
(毎日新聞)

75歳以上に「かかりつけ医」 厚労省、新制度を検討
 厚生労働省は2日、75歳以上の高齢者向けに、公的な「かかりつけ医」制度を08年をめどに創設する方向で検討に入った。特定の開業医が患者の心身の状態を普段から把握し、外来診療から在宅ケア、みとりまで対応する。患者が信頼できる医者をもつことで、入院から在宅治療への高齢者医療の転換を促し、医療費を抑制する狙いもある。患者への協力を求めると共に、かかりつけ医に支払う診療報酬を手厚くして普及をはかる考えだ。
(朝日新聞)

医師確保に全力を、長谷川根室市長が市政方針(北海道)
 長谷川俊輔市長は、2日開会の就任以来初の予算議会となる根室市議会第1回定例会で市政方針演説を行い、市立病院問題では、07年度の新築着工を見送る判断を示した中で、旭医大や道内2医育大学への医師派遣に加えて、道外の医育大や民間医師派遣紹介機関の活用を含め「あらゆる手段で医師確保に努め、地域医療を守る」との強い決意を述べた。
(釧路新聞)

3月5日

大阪市職員、市民病院診療費を滞納 6人、計29万8千円
 職員による保育料や市営住宅家賃などの滞納が相次いでいる大阪市は2日、職員6人が市民病院の診療費を1年以上にわたり、計29万8千円を滞納していたことを明らかにした。市は今年1月から調査を開始したが、「職場に電話すると同僚に滞納という個人情報が漏れる恐れがある」(同市健康福祉局)として、それぞれの自宅に電話をかけて督促しているため、約9万6千円を払っていない環境事業局の男性職員(32)とはいまだに連絡もとれていないという。
(朝日新聞)

産科医集約の動き加速 青森 弘前大1人体制廃止打ち出す
 青森県内で、産科休止に追い込まれる病院が相次いでいる。弘前大医学部の産科婦人科学教室が2007年度の人事異動で、医師集約化の方針を打ち出したためだ。地域の拠点病院に産科医を重点的に配置する動きが加速し、医師の激務改善と医療充実への期待が高まる一方、妊婦側の不安や負担が増えるのではないかと懸念する声も広がっている。
 弘前大医学部の産科婦人科学教室は2月26日、新年度の医師派遣について、「産科医を1人にしない方針」(佐藤敬医学部長)を決めた。
(河北新報)

夢の配達 子供1000人に
 重い病気の子どもの願いをかなえる非営利のボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」(東京都千代田区)が1000人目の「夢」を実現させた。
 1000人目は、急性リンパ性白血病で、昨年12月に骨髄移植を受けた東京都昭島市の高校生、守本良平君(16)。先月3日、あこがれのプロのマジシャン、前田知洋さんからマジックを習いたいという夢をかなえ、都内の病院でカードマジックなどの手ほどきを受けた。
 同団体は、米国やカナダ、オーストラリアなど30か国で活動するボランティア団体の日本支部で、1992年に発足。3歳から18歳未満(申し込み時点)で命にかかわる大病を持つ子どもに、生きる力や勇気を持ってもらおうと、「夢」の仲立ち役を務めている。運営費のほとんどは寄付でまかなわれる。
 これまでに同団体がかなえてきた夢は、「ウルトラマングレートと一緒に闘いたい」(ウェルドニッヒ・ホフマン病の5歳男子)、「自分の絵本を出したい」(急性リンパ性白血病の12歳女子)、「米航空宇宙局(NASA)へ行きたい」(筋ジストロフィーの18歳男子)、「イルカに会いたい」(急性骨髄性白血病の8歳女子)など。
(読売新聞)

県立病院未収金、債権回収業者に委託(沖縄)
 県立病院の医療費などの未収金について、知念清病院事業局長は2日午前の県議会予算特別委員会で、民間の債権回収業者に回収を委託したことを明らかにした。2月1日付で委託契約を締結した。照屋守之氏(自民)への答弁。
 知念局長は本年度の未収金が1月末現在で約4億5000万円、これまでの未収金総額が約15億6700万円に上ると説明。「ほぼ同額の未収金が毎年発生している状況で、改善のために回収システムなどいろんな方策を取ってきた」と述べた。
 その上で「今回からは、支払い能力があるのに払わない悪質な者には強制執行をするつもりだ」と強調。「民間の債権回収業者と2月1日付で委託契約を結び、債権回収を始めた」と述べた。
 県病院事業局によると、本年度は試行的に本島内を対象に実施。3年以上経過した未収金を主な対象にするという。結果をみて4月以降、本格的に取り組む考えだ。
(琉球新報)

夕張市立病院のアドバイザーが小樽で講演(北海道)
 「夕張市の財政破綻(はたん)の教訓、教えます」――。多額の不良債務を抱える一方で、新築計画が進む小樽市の市立病院のあり方を問う講演会が3日午後2時から小樽市民センター(同市色内2丁目)で開かれる。講師は夕張市立総合病院の経営アドバイザーを務める長隆氏。夕張市の事例を踏まえ、自治体病院のあり方を説く。
 小樽市の市立病院は新築計画が進む一方で、医師の退職と患者離れが深刻。病院事業会計は資金不足に苦しみ、一般会計から多額の借り入れを続けたが、夕張市と同じく帳簿上、新年度に借り入れ、出納整理期間(4〜5月)に前年度分を返済するのを繰り返してきた。
 道は夕張市の財政破綻を受け、小樽市に是正を求めたため、計44億円の不良債務が表面化した。
 長氏は「医師不足を解消するために多額の資金を投じて病院新築をめざす事例が目立つ」と最近の自治体病院のあり方に疑問を投げかけている。2日に小樽市に入り、市立病院を現地調査。講演はこれを踏まえて、医師不足を生む背景や望ましい地域医療について言及、分析する。
(朝日新聞)

府中市などの保育所委託で偽装請負か 広島労働局調査へ (広島)
 安芸高田市と府中市の市立保育所で、業務委託を受けた会社に雇用された保育士が、会社ではなく、市職員の所長らから直接指示を受けていたことが二日、分かった。広島労働局は、労働者派遣法に触れる「偽装請負」の疑いもあるとして、近く調査に乗り出す方針を決めた。
 委託の場合、受託した会社が仕事の指示や労務管理をしなければならない。会社は「社員に携帯電話を持たせ、その都度指示を出している」と説明するが、安芸高田市の関係者によると、正職員の保育士が産休に入った時などに、担任に「格上げ」していた。その際、業務について所長が直接指示していた、という。
(中国新聞)

「絶対安全な手術」は駄目、病院広告でガイドライン案
 「絶対安全な手術です」「理想的な医療提供現場」は認めません−。4月から病院や診療所の広告規制が緩和されるのを前に、厚労省の検討会は2日、禁止される表現などを例示したガイドライン案をまとめた。最終案をまとめた段階でQ&Aを作成、同省ホームページに掲載する。
 禁止されるのは(1)虚偽広告(2)比較広告(3)誇大広告(4)客観的な事実であることを証明できないもの−など。
 例えば「絶対安全な手術」は医学上あり得ないため「虚偽広告」。「日本有数の実績を誇る病院」は「医療技術などが他の病院より優秀であるとの誤解を与える」ことから「比較広告」。「理想的な医療提供」や、主観的な場合が多い患者の体験談などは「客観的な事実を証明できない」としている。
(京都新聞)

県立北部病院 診療再開の目途立たず(沖縄)
 診療が休止状態にある県立北部病院の産婦人科について、県は、医師の確保が困難として、新年度も再開の目途が立っていないことが明らかになりました。県議会一般質問最終日の1日自民党の岸本恵光議員が県立北部病院の産婦人科問題を取り上げました。
 岸本議員は、産婦人科の診療が休止した後、2年前に防衛省派遣の医務官が着任したものの、分娩や手術態勢が組めずに診療再開の目途が立っていないことを指摘し、診療再開に向けた県の対応を質しました。
 これに対して知念清病院事業局長は、産婦人科の医師が1人では再開できない現状を説明し、「県外の大学病院や民間病院と連携して医師確保に努める」と述べたものの、具体的な対応策を示すことはできませんでした。
(琉球朝日放送)

佐野市民病院の経営問題:管理者候補で市長「交渉、いい方向に」−−市議会 /栃木
 指定管理者制への移行による存続を目指している佐野市民病院問題で、同市の岡部正英市長は28日の3月定例市議会で、管理者候補の医療法人との交渉について「いい方向に向きつつある」との感触を述べた。寺内富士夫議員(市民フォーラム)の一般質問への答弁で明かした。ただ、具体的な交渉状況や見通しについては言及を避けた。
(毎日新聞)

福井総合病院も分べん業務中止(福井)
 福井市の福井総合病院(林正岳院長)は、新生児の経過を観察できる小児科医が不足するとして、一日から分べん業務を中止した。再開のめどは立っていない。同病院は、安全な出産を確保するため県が整備した「周産期医療システム」の中で、他の診療機関からハイリスク出産の母子を受け入れることが可能な「地域周産期母子医療センター」の六病院の一つ。高度な医療態勢を持つ病院の分べん中止は、システム全体にも影響を与えそうだ。
 勝山市の福井社会保険病院が、産婦人科医不足を理由に四月から分べん中止を決めており、奥越地域で唯一の分べん可能な病院がなくなる。小児科医と産婦人科医の不足は全国的に大きな問題となっており、県内でも両科の医師不足が浮き彫りになった。
 同病院は、産婦人科医二人、常勤の小児科医三人の態勢で分べんや母子の検診などを行ってきた。しかし、三月で小児科医二人が退職するが、新たに非常勤の医師一人を確保したのみ。産婦人科医の数は変わらないものの「新生児に万が一の事態があった場合、十分な医療態勢がとれない」(同病院)として、分べん業務の中止を決めた。妊婦検診や婦人科診療は続ける。
(福井新聞)

県医師会がドクターバンク開設(兵庫)
 過疎地などの医師不足対策として、県医師会は一日、研修医や退職した医師などの求職者側と、地域の病院との調整役を担う「ドクターバンク」を、神戸市中央区の県医師会館に開設した。医師の需給バランスを調整し、産科や小児科などの医師不足、開業医の後継者問題にも対応していく。
(神戸新聞)

小児科療時間を延長-橿原市休日夜間診療所 (奈良)
 橿原市は1日、休日夜間応急診療所(同市畝傍町)での小児科の平日夜間診療時間を4月1日から、午前6時までに延長すると発表した。5日開会の3月定例会に改正案を提出する。
 同市の休日夜間応急診療所は医師会や県立医科大の協力で小児科医が一人常駐。診察時間は休日と土曜日については午前6時まで行っていたが、平日は午前零時で終了していた。
(奈良新聞)