平成22年度談話会 第1回目 (通算 第397回目)

開 催 日: 2010年6月26日(土)14:00〜17:00
司会;関口建次(聖路加国際病院)
会場:聖路加国際病院 旧館5階 研修室A

【演題1】「肝臓癌に対する陽子線治療」
筑波大学放射線腫瘍科 橋本孝之 先生
 筑波大学陽子線医学利用研究センターでは1983年から陽子線治療の臨床研究を開始し、2001年からは附属病院に隣接した新施設で治療を継続している。これまでに2000例以上の治療を行い、そのうち約1/3の症例が肝臓癌(原発性・転移性を含む)に対するものであり、低侵襲かつ高い局所制御率(約90%)が得られている。自験例のうち苦労した症例、興味深い症例、現在施行中の臨床試験(Vp3以上の門脈腫瘍栓を伴う原発性肝細胞癌に対する陽子線治療を用いた臨床第U相試験、再発肝癌症例に対する陽子線照射と局所免疫補助療法の実施)などについて紹介する。  

【演題2】「頭頚部IMRT後に晩期粘膜潰瘍を生じた症例報告」
国立がん研究センター中央病院放射線治療科 村上直也 先生
実臨床で困った症例として、中咽頭癌の術後照射にIMRTを行った患者が照射後3カ月目に皮弁部に潰瘍を形成したという一例を経験したのでその臨床経過を報告し、その成因について考察を加える。

【演題3】「ペースメーカー(PM)埋め込み症例に対する全乳房照射施行経験」
聖路加国際病院放射線腫瘍科 中村直樹 先生
 症例は73歳女性。III度房室ブロックに対し左胸壁上部にペースメーカー(PM)が留置されている。左乳癌(C領域)に対し左乳房部分切除+センチネルリンパ節生検が施行され、左全乳房照射を依頼された。PM埋め込み症例への対応に関して、当科での対応を示しつつ、開場で議論したい。

【講演】「私の放射線治療の過去、現在、未来」 東海大学放射線治療科 国枝悦夫 先生