放射線治療およびその周辺の最新のトピックス

開 催 日 :2006年8月8日
1.がん対策基本法と放射線治療
東京大学医学部附属病院 放射線科 中川 恵一先生
東大ではがん放射線治療の充実を求める市民運動に取り組んでいます。 (1)放射線治療の専門医と専門の放射線技師を増やすこと、(2)放射線治療の品質管理の専門家を育成すること、(3)放射線治療の診療報酬の適正化をはかること、(4)科学的で公正ながん治療情報を開示すること、を決議文として署名活動を行いました。約10万人の署名を集め、安部晋三官房長官や文部科学省、厚生労働省に提出し放射線治療の充実についてお願いしました。安部官房長官は先の国会で放射線治療を普及させていく重要性を強調され、放射線治療が進むよう環境作りを進めていく考えを示されています。 先日成立した「がん対策基本法案」においても、放射線治療と緩和ケアの必要性が十分に組み込まれるべく、要望を行ってきました。結果的に、第十四条「国及び地方公共団体は、手術、放射線療法、化学療法その他のがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成を図るために必要な施策を講ずるものとする。」が入りました。また、第十七条では、がん登録に関しても言及されています。

2.Elekta Synergyの薬事取得と新しいIGRT
エレクタ技術営業担当  磯部 徹 様
Synergyでは、治療ビームと垂直方向にKV電圧のX線管球とフラットパネル検出器を装備し、コーンビームCT画像を撮像することができます。得られたCT画像を、治療計画CT画像と重ね合わせることで、位置決め誤差を計算することができます。強度変調放射線治療や定位放射線治療などの高精度照射に最適です。