学習障害
あ る警備員は、複数の職務を担当しており、記憶に障害があった。 環境整備として、一度に担当する職務を一つだけにした。 この患者は書面による指示を読むことにも困難があった。 環境整備として、指示を読むときには、一人で読むのではなく、周りの人が注意を促すようにした。
ある警察官は、学習障害患者で、表現的書字障害であると診断されていた。 環境整備として、試験を受ける際に時間の延長を認められた。 試験中に辞書を使用することも認められた。
ある短大生は、失読症、失算症、記憶障害があり、テキストを読んだり課題を完成させることが困難であった。 環境整備のため、Arkenstone Readingソフトつきのコンピュータを貸し出した。 このコンピュータには音声出力装置とスキャナがついたものであった。 コンピュータとソフトウェアは卒業後に返却された。
ある裁断工は学習障害患者で、細かな寸法を測ることが困難だった。 財布にちょうど入る大きさの、分数の一覧をカードを作った。 このカードと、正しい分数を見分けるための定規を使って、一覧にされている分数と実際の寸法を比較することができるようになった。
あるプログラマーは、学習障害があり、文字の読み取り、計算、綴りなどに障害があった。 手順の概要の図解を用意して支援を行った。 この患者は視覚的な識別力に障害があり、「耳で覚える」タイプだったので、読み上げ補助者と「復唱」テープも用意した。
ある書類管理担当の事務員は、学習障害患者で、分野分けしたり書類を探したりすることが困難であった。 視覚的に気を散らす要因を避けるため、座席を変更した。 この事務所では、タスクシーケンスを採用していた。 書見台、色つきの付箋、白熱光の照明なども導入した。
ある学習障害患者の学生は、ノートを取ることが困難であった。 家に帰ってから自分のペースでノートを取れるよう、テープレコーダを用意した。 環境整備の費用は、テープレコーダの購入費60ドルである。
ある事務員兼受付係は、学習障害患者で、原稿を見ながらのタイピングが困難であった。 行を飛ばさないように、自動の「ラインガイド」を用意した。 環境整備の費用は、原稿押さえとラインガイド、および照明とカーソル拡大ソフトの購入費256ドルであった。
あ る電子部品修理専門学校の生徒は、学習障害患者で、読字が困難であった。 テープレコーダを用意した。 教科書をテープに吹き込んだものを用意し、地元の学校で「非常時における読字能力」という講義も受講した。
あ るキーパンチャーは失読症患者で、電話番号情報を入力していた。 口頭による電話番号の確認や見直しのための時間延長などによって環境整備をした。
あ る青少年事務局員は、失読症患者で、ケースワーカー業務に支障があった。 口述筆記機器、週に一度の上司との打ち合わせ、ケースワークガイドラインなどを用意した。
あ る育児補助員は、学習障害があり、読字能力が低かった。 童話の内容や、童話を話して聞かせるときの手振りを教えるためのビデオを用意した。 患者は、このビデオを見て練習をした。
あ る事務員は、電話応対、パンフレット配布、顧客への応接、質問への回答などの業務に、通常よりも時間がかかった。 二週間の日程でジョブコーチを手配し、その後も再訓練の必要に応じて指導を受けた。
あ る皿洗い係は、学習障害患者であり、多くの職務を受け持っていた。 図と文字による担当職務 (特に時間の余裕がないもの) のリストを利用して、仕事を忘れないよう支援した。 リストの利用は、計画性や効率の向上にも貢献した。
あ る切断工は、学習障害患者で、計算や順序だてた思考が困難であり、フォームシートから部品を切り抜くことを職務としていた。 計算目盛りつきのポケットサイズカードを用意し、フォームシートの切断を支援した。
あ る記録係の事務員は、学習障害とてんかんがあり、書類に関する苦情を受け付けたり、請求された書類を見つけ出したり、書類を整頓したりすることを職務とし ていた。 ジョブコーチを手配し、さまざまな角度から再訓練を行った。
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