職務内容記述書の作成は、多くの事業主が考えた問題です。当初、一部の事業主は長期的で複雑なプロセスだと考えたために気後れした場合もありました。けれども、職務分析や職務内容記述書のサンプル、および米国労働省のキャリア・ワンストップ(Career Onestop from the U.S. Department of Labor)のようなオンライン情報源などの積極的な手段を用いて、見識ある事業主は自らの事業について貴重な情報を入手することができます。この刊行物は関連する背景情報に焦点をあてたものであり、その中には、職務内容記述書の作成における1990年成立のADA(米国障害者法)の役割、職務内容記述書の作成方法、記述書作成を支援するキャリア・ワンストップの特徴が記載されています。
背景
職務内容記述書とはどういうものか?
職務内容記述書は、一般的に次のような6つの主な構成要素から成っています: 1)基本的な職務機能; 2)知識と批判的能力; 3)肉体的強靭性; 4)環境要因; 5)職業安全衛生法(OSH Act); 6)職務または責任を明確にする上で必要となる解説資料。
事業主は職務内容記述書を使用するべきか?
職務内容記述書の使用如何については、一般的に事業主の選択や資産などの色々な要素によります。 事業主は、関連する規定や基準、会社と業界の規模とタイプ、雇用慣習、ならびに現在の従業員に目をむけるべきです。
1. 関連する規定
事業主は、職務内容記述書の作成についての方針を左右する組織規定またはその他の規定があるかどうか疑問をもつことがあります。 連邦および州の要求事項は存在しているかもしれませんが、ADAの第I編が事業主に職務内容記述書を完備させようと命じているかどうか事業主は関心を持っています。 ADAの執行機関である雇用均等委員会(Equal Employment Opportunity Commission-EEOC)から:
ADAは、事業主に職務内容記述書を作成し、保持させることは要望していません。 求職者への広告募集や面接をする前に準備する書面による職務内容記述書は、その他の関連した要素と並んで(基本的機能を判断する上での)証拠として見なされるでしょう。 しかしながら、職務内容記述書はその他の関連する証拠よりも大きなウエイトが与えられているわけではありません。
ADAは、仕事の内容、性質、または職務の確立および変更をしようとする事業主の能力を制限することはありません。 仕事のあり方や仕事を実行する上で必要な職務は何かを確立するのは事業主の専門分野です。 ADAは、仕事に対して障害資格をもった従業員がその基本的職務(EEOC, 1992)に対して評価されることを単に要望しています。
ガイダンスは同時に、仕事の基本的な職務を特定することで利用されています。 ある職務機能がなぜ基本的と考えられるのか、いくつかの理由があります:
a. ポストは職務を遂行するために存在しています。 例えば、文書を校正するために雇われた人がいます。 正確に校正する能力は基本的な職機能務です。なぜなら、これが、このポストの存在している理由だからです。
b. その職務を遂行できる従業員が限られた人数しかいない、またはその職務が複数の人で行われている場合があります。 例えば、非常に忙しい事務所に3人の従業員しかいなくて、それぞれが多くの異なった仕事を行わねばならない場合、文書係が電話に出ることは基本的な職務ということになります。
c. 職務が高度に専門化されており、そのポストにいる人は専門知識、またはその職務を遂行する能力で雇われています。 例えば、会社は日本で事業を拡大しようと願っています。 新しい営業のポストのために、会社は、営業経験に加え日本語で流暢にやりとりできる人材を必要としています。 日本語で流暢に意思疎通できることがその仕事の基本的な職務になります (EEOC, 1992)。
EEOCによりますと、ある職務機能が基本的であるかどうか判断する上で、いくつかの種類の根拠が考えられます。 このリストは包括的でありませんし、このリストに記載されてない要素も根拠として同様に重要かもしれません。 検討されるべき根拠は以下に盛り込んでいます:
a. 事業主の判断。 例えば、事業主がタイピストに1分間に75ワードを正確にタイプできるように要望した場合、事業主は、その程度の速度と正確度が仕事にとって「基本的要素」であること、あるいはそれより低い正確さと速度は不適切であることを示さなければならない、ということはありません。 同様に、ホテルが客室係に1日に16室を徹底的に清掃するよう要請する場合、この基準を「基本的要素」として必ず正当化しなければならない、ということはありません。しかしながら、いずれの場合も、障害を持つ人がそのような基準で不適当とみなされるのであれば、事業主は、その要求はたんなる名目上の要求ではなく、かつ差別的な理由で設定されたものでもなく、現実に従業員にそのレベルを要求していることを示す準備はしておくべきでしょう。
b. 求職者への広告募集や面接をする前に準備すべき書面による職務内容記述書。 事業主が書面による職務内容記述書を使用する場合、ADAは、それらが基本的な職務内容記述書に限定されること、または、「基本的職務」が特定されることを要求することはいたしません。 しかしながら、事業主が基本的職務の根拠として職務内容記述書を使用したい場合、仕事の目的を達成する上で事業主が重要だと確信しているこれらの規定を何らかの方法で特定すべきです。
c. 職務遂行に費やされる時間。 例えば、従業員がその時間のほとんど、または大部分を一台の機械の操作に費やす場合、この機械を操作することが基本的職務だとする根拠になります。
d. 係る仕事に就いている者に職務の遂行を要求しないことからくる結果。 頻度の少ない職務も、しばしば基本的である可能性があります。理由は、それが遂行されない場合、重大な結果になるからです。 例えば、航空会社のパイロットは飛行機を着陸させるのに飛行の数分しか費やしません。しかし飛行機を着陸させることは基本的な職務であり、パイロットがこの職務を遂行できなかった場合、極めて重大な結果になります。
e. 団体協約の条件。 特定の仕事を遂行する上での職務が団体協約に記載されている場合、その協約の条件に基本的職務の根拠を規定することができます。 しかしながら、職位記述書がそうであるように、協約はその他の根拠、例えばこのような仕事に携わっている人々が実際に行っている職務と一緒に検討されるものになります。
f. 以前ある仕事をやり遂げた者の実務経験と現在同様の仕事をしている者の実務経験。 前者の実務経験と後者の経験を比較することで、現実に行われている職務の実質的な根拠が見て取れます。 実際に行われている仕事からこうした職務の重要な根拠が得られることから、事業主はそうした従業員らに助言を求め、彼らの作業を観察して基本的な職務を確認すべきです。
作業の種類および範囲ならびに事業主の組織面での体制などその他の関連した要素は、職務が基本的なものかどうかを判断する要因となる可能性があります。 例えば、ある特定の製造工場は断続的に同社製品の大量発注を受けています。 これらの発注は非常に厳しい期限付きで応じることになります。 この期限に間に合わせるために、各々の生産労働者は異なった要件で色々の異なった仕事をこなすことが必要になります。 その工場では、こうした仕事のすべてが生産労働者にとって基本的な職務となります。 しかしながら、継続的に発注を受ける別の工場では、アッセンブリーライン工程を編成することが最も効果的であることが分かっており、そこで各々の生産労働者は繰り返し一種類の主な仕事を行うことになります。 この工場では、たった一つの仕事が生産労働者の仕事の唯一の基本的職務なのかもしれません(EEOC, 1992)。
事業主は同時に、州の障害者法(state disability)や連邦および州の安全衛生法(federal and state safety and health laws)のような彼らに当てはまるその他の規則があるかどうか調査すべきです。 例えば、OSH Actの規則を遵守するためには、人体の体液、生物因子、実験用化学物質、または雑音、アスベスト、ならびに発癌物質のような有害物への露出、またはいかなる取り扱いも記録されなければなりません。
2. 組織と業界の規模と形式
組織の規模は、職務内容記述書を作成する上で考慮すべき事柄です。 小規模組織には、作成工程に向ける時間と資産は少なくてよいかもしれません。 しかしながら、しかしながら、そのような事業主は肩書きがほとんど無く、実際の記述書を書く時間を必要としません。 これに反して、大きな組織では多数の部署と肩書きをもつことが少なくありません。 大規模組織の事業主は、複数の部署部門どうし、および組織全体の職務を標準化する必要がある場合、すでに存在している職務内容記述書によって恩恵を受けることになります。 さらに、事業主によっては、彼らの産業に特有の極めてユニークな肩書きを創出すべきだとする一方、複数の事務職や管理職を置く組織のように実によく似た多くの肩書きを持とうとする事業主もいます。
3. 雇用慣習
多くの求職者は、職務内容記述書を有用な選別手段として考えています。 書面による職務内容記述書で仕事に対する期待および要求項目を伝えることは、能力があって関心のある応募者を引き付けます。 職務内容記述書で使われている言葉遣いが不適当であれば、差別的または不適切な言いまわしが浮き彫りになり、それは求職者が別の職場に応募するような指標を示すことになります。例えば、事業主は身体障害者のような特定の集団をいたずらに選別して除くような基準を列挙することは避けなければなりません。 それにひきかえ、適切な礼儀作法を伴った丁重な口調で書かれた記述であれば、応募する求職者に希望を与えることになります。
ADAによれば、事業主は、応募者に対し条件付の仕事が提供されるまで、障害に関連した質問をしたり、身体検査を行ったりしてはなりません(EEOC, 1995)。 求職者として、または現役の従業員としての一個人は、自分は障害を持っていて環境整備が必要だということを明らかにしたいかもしれませんが、それを開示することが可能なのか、または賢明なやり方なのか確かではありません。 事業主の責任や従業員の権利に関する簡潔で正確な記述を職務内容記述書に盛り込むことで、事業主と障害者との対話プロセスを進めるのに役立つことになります。 障害者が、障害がもとで生じた身体的制約を除けば、基本的職務を遂行する能力がある場合、事業主は合理的な環境整備を施すことで障害者がこうした職務を遂行しうる可能性があるか検討しなければなりません。 その際、事業主は合理的な環境整備として仕事の基本的職務を再分配してはなりません。
4. 現役の従業員
職務内容記述書の作成過程で、仕事の性質が明らかになり、さらに基本的職務の遂行に関する別の方法が見つかることもあります。 業務分析を行うことで、管理者およびスタッフが共に働き、基本的職務および付帯的職務を特定し、簡素化することに勇気づけられるかもしれません。
障害者が適格であるかどうか判断するための基本的職務を特定する中で、事業主は、現在職務が行われている方法ではなく、職務の目的や達成されるべき結果に主眼を置くべきです。 環境整備によって、この障害者に異なった方法で仕事を遂行させることが可能になったり、環境整備が過度の負担を強いることがないようであれば、障害者は職務を遂行する資格があると言えます。 職務が遂行されることは極めて重要であるかもしれませんが、多くの場合、特別な方法で行われることは本質的とはいえません。(EEOC, 1992)。 注: 事業主は業務上の理由で仕事の機能を変更することができます。 「ADAは一般的に、仕事の内容、性質、または職務の確立および変更を行おうとする事業主の能力に制限をかけることはありません」(EEOC, 1996)。
職務内容記述書の策定
職務内容記述書を完成させるいくつかのステップがあります。これらのステップは、業務分析の完備、仕事の基本的な原則および職務の記録、必要な資格の詳細から成ります。。
ステップ1: 業務分析の完備
業務分析とは何でしょうか? 業務分析とは、実際に仕事を行っている従業員の観察、同僚の観察、従業員との面接、ならびに同僚の面接を含む調査過程であります。 追加データとして、仕事を対象とした質問表やチェックリストを使用すること、ならびに仕訳帳に記入させることが収集される場合もあります。職務は、調査員が報告中に参照できるように、ビテオテープ、写真、および/または略図で記録されることが必須になります。業務分析は基本的に、仕事の目的および、職場および作業環境ならびに活動などを含めた仕事設定の構造を決定することが必要です。 一度完成すると、業務分析は、仕事を遂行する上でどのような環境整備が障害者を支援することができるかを判断するのに活かされます。
1. 目的
仕事の存在理由は何でしょうか? その仕事の組織全体の使命に対する特定の貢献を文書で証明すること。
業務の遂行に必要な職務は何か? 通常、10以下の職務が仕事に必要な基本的な活動です。
2. 仕事の設定
A. 職場
職場の物理的配置はどうなっていますか?
就労環境ではどのような機器が使われますか?
中心的な職務が行われる場所はどこですか?
仕事を達成するためにどのような条件が必要ですか? 条件には、環境的なもの(暑さ/寒さ、屋内/屋外、騒音レベル、照明、通気、その他)および社会的なもの(公共の利益に合った仕事、期限が伴う仕事、一人での作業、その他)があります。
職場はアクセス可能ですか?(駐車場、入り口と出口、扉口)
複数、別々、または敷地外の場所で完了させる必要がありますか?
B。 作業環境
作業環境はどのような配置になっていますか?
作業員はどうやって機械や材料を入手もしくは破棄しますか?
作業はどのように組織化されていますか?
C。 活動
その仕事が必要とする生産レベルはどの程度ですか?
望まれる結果は何ですか?
各仕事間の関係は何ですか? 仕事の順序または序列があれば、順番に文書化してください。
仕事を完了するために必要な肉体的および精神的要件は何ですか?
特定の訓練は必要ですか? 必要とされる経験、証明書、ならびに教育に何が必要か記述してください?
どのような安全と品質管理措置が行われているか? 作業場の潜在的な危険と、それらを排除するために講じられる対策を記録すること。
適切に仕事が遂行されない場合、どのようなことが起こりますか?
どの程度の責任が求められますか?
最終結果が達成されない場合、どのようなことが起こりますか?
仕事を完結させるために特定の時間枠がありますか?
ステップ2: 基本原則の記録
事業主は、求人広告や応募者を面接する前に、それぞれの仕事の基本的職務を明確に定義する職務内容記述書を作成しなければなりません。 職務内容記述書は、明確で、簡潔な非技術用語を用い、不必要な言葉は避けるようにしなければなりません。 職務内容記述書は、別の解釈が成り立つ可能性のある言葉ではなく、詳しい説明がなされた単一の意味をもつ言葉に焦点を合わせるべきです。 それぞれの文章は動作動詞から始め、現在時制を使わなくてはなりません。 職務の事例を用意しておかなければなりません。 結果を達成するための一つの方法ではなく、作業の望ましい結果が記述されなくてはなりません。 例えば、「会議中にメモを書き留める」としないで、「週一回の会議の間にメモを記録する」と記述します。 書き手は、一方の性に特定した言葉遣いや専門語、技術用語、登録商標権を有する名称(Xerox)、ならびに意味不明瞭な表現の使用は避けるべきです。 職務は出来る限り限定されるべきです。そして結果を達成するための方法ではなく、作業の望ましい結果が記述されなくてはなりません。 例を挙げますと、「彼女は書類を綴じています」と言う代わりに「事務員は種類に基づいてABC順に書類を綴じています」と書いてください。 事業主は従業員に彼らの職務内容記述書を読ませ、どのような関心事も声を出して言わせ、記述書に署名してもらうべきです。。 職務内容記述書は正確であるべきです。 正確性を確保するためには、多くの管理職と従業員からの回答を組み合わせることです。 実際の職務内容記述書では、事業主は次の項目を加えるべきです:
肩書き(該当する場合、仕事のコード番号);
仕事の部課名;
他の仕事との関係や外部の代理人および人事との接触の目的;
簡潔な職務の概要;
任務と責任、活動の回数、つまり毎日か、毎週か、定期的に行われるのかどうか、それぞれに費やされる予定時間(パーセンテージを使う場合、これらを100%になるよう割り当てる必要があります);
そのポストに就いている従業員に期待する仕事の質と量;
各々の職務を遂行しないことで生じる影響;
基本的および付帯的任務;
交代勤務や残業といった特別な労働条件、または必要に応じた仕事;
結果に対する説明責任についての情報; そして
任務と責任が変化し、職務内容記述書の作成が見直され、業務上の必要性いかんで変更される可能性がある場合の記述。
「基本的職務」という用語は職務内容記述書の中で使用されるべきだと留意してください。 職務内容記述書には、仕事を遂行するのは個人だという態度をはっきりと述べるべきです。 例えば、一般の人々と接する必要があるポストの項目では、その仕事が公的な問い合わせの取り扱いを要することだけではなく、問い合わせに対して迅速かつ愛想良く処理されなければならないことも含めるべきです。 事業主は同時に、時間に几帳面な正社員の存在を必要とするあらゆる仕事の基本的職務のように、精勤および適時出勤を記述するべきです。 職務内容記述書は定期的に更新され、変更になったポスト、またはその他の妥当な変更(例えば、任務、機械化、ジョブシェアーリング等に対処しえる従業員がほとんどいない場合)に関する基本的職務は反映されなければなりません。 ライン監督者から最高経営者および人事管理部門までの全段階の経営管理者は、職務内容記述書を再検討すべきです。
ステップ3: 資格の詳述
職務内容記述書上で資格を詳述する場合、事業主は一般的にある種の知識、技能、才能、訓練、ならびにこれまでの経験が必要になります。 事業主は、こうした資格は様々な方法で取得可能だということを覚えておくべきです。 例えば、知識というものは教育、研修、または経験から得ることが可能です。 加えて、運転免許証の所有のようなその他の要求事項は差別的とみなされます。 例えば、従業員は「地域全体で行われる夕方の会合に出席できるように」しておかなくてはならない。従って、「運転免許証を所有」しなければならない、ということは明確にする必要があるかもしれません。しかし事業主は、必要性と利便性の区別をすべきであると同時に差別的影響を考えるべきです。 障害をもつ従業員は、テレビ会議を介した会合に出席できますし、または公共の交通機関を利用して現場の会合に出席することもできます。
ステップ4: 一貫性の維持
組織内部の一貫性は、全体としてまとまった組織上の職務内容記述書を作成する場合に非常に重要になります。 事業主は、特定の書式、フォント、ロゴ、およびその他の要素を選んで、文書の体裁を簡素化および標準化しようと望むかもしれません。 好みの動作単語や頻繁に使われる用語のような一貫性のある言葉を使うことで、全体的にまとまりのある物を作り出すのに役立ちます。 内部的な一貫性は同時に、従業員の給与決定を正当化する上で、「仕事全体の内容の公正な比較を保証する」のに役立ちます(Milkovich and Newman、1990)。
職務内容記述書をたくさん保管しておくことは、その他の組織に関する文書および基準の作成を支援する上で役に立つことがあります。 職務内容記述書は、業績評価を展開させる骨組みを提供いたします。 その上、収集した情報は、従業員の経歴、方針マニュアル、年次報告書、ならびに組織メディアの作成に共通の筋道を提供します。
O*NETを利用する
米国労働省(DOL)は、「オンライン・データベースであるキャリア開発支援センター」としてのCareer Onestop(キャリア・ワンストップ)を開発しました Career Onestop(http://www.careeronestop.org)は、O*NET(オー*ネット)やAmerica's Career InfoNet(アメリカ・キャリア・インフォネット)などの多元情報手段を特徴としており、職務内容記述書の策定には役に立つかもしれません。
O*NET(Occupational Information Network)は、職業情報や労働市場調査を格納しているユニークで強力なデータベースです。 基本的にO*NETは公開検索システムで、共通言語を使用して職務権限を記述いたします。 O*NETの目標は、技能、能力、知識、作業活動、ならびに興味に関する情報を対応する職業に接続することです。 これらの情報は、950を超える職業に提供されていて、キャリア開拓、職業カウンセリング、ならびに様々な人材支援機能を促進するために利用することができます。 経営者および人材管理の専門家ならびに事業者団体は、O*NETを使って適格な職務内容記述書を迅速に作成することができます。 O*NETの職業一覧表(http://www.onetcenter.org/occupations.html)は、O*NET-SOC職種をコードおよび肩書き付きの完全な表で提供しております。
O*NETで使用されるデータベースの大部分は、職業分析家が提供したデータに基づいており、彼らは職業名辞典(Dictionary of Occupational Titles[DOT])などの情報源を利用しています。 データをこのデータベースに展開するために分析家は既存の職業データを評価し、改良してこれらのデータをO*NETに適応させました。 さらに、O*NETのコーディング構造は新しく改訂された標準職業分類(Standard Occupational Classification[SOC])に同調されており、すべての政府関係機関はこれにアクセスしています。 O*NET OnLineはこのURLにアクセスしてください: http://online.onetcenter.org
America's Career InfoNet(http://www.acinet.org/acinet)は別の特徴を持ったCareer One Stop(キャリア・ワンストップ)です。 このウェブサイトは、「給与と雇用傾向、職能条件および州ごとの労働市場状況」に関する情報を見つけるのに役立ちます このサイトは同時に、Job Description Writer(ジョブ・ディスクリプション・ライター)という名称の個別ツールを提供しています。 Job Description Writerを使って、ユーザーは仕事の具体的な情報を入力ボックスにタイプして記述を作成します。 ウェブサイトの他の情報源から抽出した全米および地方の職業賃金データを調べる機会があります。 さらにデータを個別化するためには、チェックボックスや任意の要約リスト、仕事、知識の概要などのところをクリックします。それらはO*NETデータベースから抽出されたものです。 最終出力画面はユーザーが情報をコピーして貼り付できできるようになっています。 次に、ユーザーはワープロソフトを使って追加、フォマット、そして職務内容記述書を最終仕上げいたします。 Job Description WriterはこのURLで入手できます: http://www.acinet.org/acinet/jobwrite_search.htm
職務内容記述書と環境整備プロセス
環境整備の全体像を感じ取ろうとすると、圧倒されることもあります。 職務内容記述書は、仕事に限定した環境整備の方法を探るための建設的な手段となりえます。 多くの場合、仕事を構成する具体的な職務を検討することは有益なことであります。 これによって、どのような機能的制約が障害者の業績に影響するのか、またどのような職務が環境整備の対象になるのかといったことを突き止める手助けになります。 環境整備による解決方法を検討する場合、障害者の職務上の機能的制約を理解することで有益な手掛かりを得ることになります。
次に述べる状況および環境整備による解決方法は、下記の職務内容記述書のサンプルを基準にしたものです:
状況と環境整備による解決法
状況1: 求職者がコンピュータ・プログラマーの職種を求めて面接をしています。 その女性求職者は、明らかにする必要はないのですが、彼女が環境整備を必要とするかもしれない特殊な職務要件についての懸念があったため、糖尿病患者だということを事業主に告げる決断をしています。
職務:「締切に間に合わせるため、もしくはコンピュータにアクセスしてプログラムテストを行うために、時には、作業日程が調整されたり、残業および夜間/週末勤務を行わなければならない責務が生じることもあります」
制限:彼女は毎日特定の時間に食事を取る必要があります。 就業中に血糖値を計ってインスリンを投与する必要があるかもしれません。 内定が決まっている彼女は、自身の糖尿病をコントロールするために必要な処置が取れる条件であれば、喜んで調整時間帯で働けます。
環境整備による解決法:事業主は、彼女のために、一般的な昼食時間である12時から午後1時までを取りやめて、午前11時から12時までを昼食時間とし、さらにフリーな休憩時間を認める環境整備を取っています。 彼女はオフィスに小型の冷蔵庫を持ち込み、食べ物や医薬品を保管することが許可されました。 夜間作業のときは、夕食を彼女のしかるべき時間に設定することができました。
状況2: 新任のフード・サービス課長は多発性硬化症患者です。 彼女は歩行補助として杖を使っています。
職務: 「勤務時間の2%(本来の厨房スタッフが不在の間)の現場での補佐」
制限: 彼女は長時間にわたる立ち姿勢に困難を伴います。
環境整備による解決法:事業主および当該障害者は、彼女が厨房で補佐する必要があるまれな業務の環境整備として、立位作業腰掛や摩耗しにくいマットの使用に同意しています。
状況3:ある板金工は発話障害がありました。 吃音があり、神経が高ぶったときより症状が強くなります。
職務:「様々な材質、設備機器ならびに部品の必要性を現場監督に提言すること」
制限:従業員は言語コミュニケーションに困難を伴います。
環境整備による解決法:当該障害者は、必要に応じ、書面による提言を行います。 話し合いや、説明が必要な場合、事業主と障害者は一対一の静かな環境で会い、騒音やイライラを除去し、人が集まる場所で話す障害者のストレスを軽減することにしています。
職務内容記述書モデル
コンピュータ・プログラマー
フード・サービス課長
板金工
EEOC (1996). Enforcement
Guidance: Workers' Compensation and the ADA, http://www.eeoc.gov/policy/docs/workcomp.html.
EEOC (1995). Enforcement
Guidance: Preemployment Disability-Related Questions and Medical
Examinations, http://www.eeoc.gov/policy/docs/preemp.html.
EEOC (1992). A Technical
Assistance Manual on the Employment Provision (Title I) of the Americans
with Disabilities Act, http://www.jan.wvu.edu/links/ADAtam1.html.
Milkovich, George T.
and Newman, Jerry M. (1998). Compensation, Seventh Edition,
Richard D. Irwin, Inc. Homewood, Illinois.
問い合わせ先リスト
Job Accommodation Network
A service of Office of Disability Employment Policy of the U.S.
Department of Labor
West Virginia University
PO Box 6080
Morgantown, WV 26506-6080
800-526-7234 & 800-ADA-WORK (V/TTY)
304-293-7186 (Local Line, V/TTY)
http://www.jan.wvu.edu
Office of Disability
Employment Policy
200 Constitution Avenue, NW, Room S-1303
Washington, DC 20210
202-693-7880 (Voice)
202-693-7881 (TTY)
202-693-7888 (FAX)
http://www.dol.gov/odep/welcome.html
America's Career InfoNet
http://www.acinet.org/acinet/
Career Onestop
http://www.careeronestop.org
Job Description Writer
http://www.acinet.org/acinet/jobwrite_search.htm