事業主が、事業主に対してADAの下での権利を主張する従業員に報復することも違法となります。 ADAはまた、家族、事業、障害者との関係や交際を理由に差別の被害者となった従業員を保護します。
事業主は、健康診断を要求したり、障害について質問することはできますか?
事業主は応募者に対し、障害者であるかどうか、あるいは障害の性質や程度を尋ねることはできません。 事業主は、合理的な環境整備の有無にかかわらず、職務を遂行できるかどうかを尋ねることはできます。 事業主はまた、合理的な環境整備の有無にかかわらず、どのように職務を遂行するのかについて説明すること、または実演することを求めることはできます。
事業主は、採用前に健康診断を求めることはできません。 採用後に、健康診断を受けることを条件に採用することができます(ただし、その職種に採用された新規従業員全員に健康診断を求める場合に限られます)。 事業主は、健康診断により明らかにされた障害の情報を理由に採用を拒否することはできません(ただし、拒否の理由が職務に関連していて、また事業主の事業運営に必要であればその限りではありません)。 事業主は、環境整備が供与されれば職務の基本的機能が遂行できる場合、障害のために雇用することを拒否することはできません。
採用され職務を始めた場合、事業主は健康診断を求めること、または障害について質問することはできません(ただし、それらが職務に関連し、事業主の事業運営に必要な場合はその限りではありません)。 事業主は、従業員の保健プログラムの一環として自主的な健康診断を実施することができ、また州の労働者災害補償保険法が求める医療情報をこれら法律の管掌機関に対し提出することができます。
健康診断の結果はすべて、機密扱いとし、医療ファイルとして別途保管されなければなりません。
違法な麻薬使用者はADAの下での権利を認められますか?
現在違法に麻薬を使用している人はADAにより保護されません。また違法な麻薬使用を理由として、雇用を拒否、または解雇される場合もあります。 ADAは、事業主が応募者または従業員を現在違法に麻薬を使用しているか否かの検査を防げることはありません。
差別されていると考えた場合、どうしたらいいでしょうか?
1992年7月26日以後、障害に基づいて雇用上で差別されたことがあると考える場合、米雇用機会均等委員会(EEOC)に連絡するべきです。 差別の訴えは通常申し立てられた差別があってから180日以内に提起されなければなりません。 障害による差別に関する救済手段を与える州または地方の法律が制定されている場合、訴えを提起するのに最大300日の猶予が認められています。 しかし、権利を守るためには、差別の疑いがあれば、EEOCに直ちに連絡することがベストです。
障害に基づく差別の訴えは、全米の市に置かれているEEOC地方事務所に連絡することにより提起することができます。 差別されていた場合、差別がなければ得られたと思われるポストに就くという救済手段を受ける権利が与えられます。 採用、昇進、復職、バックペイ、配置転換といった合理的な環境整備を受ける権利が得られます。 また、弁護士費用を受け取る権利が与えられます。
EEOCは1992年7月26日以降に生じた提訴に基づくADA訴訟のみを扱うことができますが、州や地方の法律あるいはその他の連邦法によりすでに保護されている可能性もあります。 EEOCの地方事務所では、これら法律の施行機関の照会を行っています。
EEOCに連絡をとるためには、電話帳の「合衆国政府」の項を調べてください。地方事務所に連絡するための情報と方法に関しては、以下に電話してください:
(800) 669-4000 (音声)
(800) 669-6820 (TDD)
(In the Washington, D.C. 202 Area Code, call 202-663-4900 (voice) or 202-663-4494 (TDD).)
追加のADA情報と支援を入手できますか?
EEOCは、ADAの自発的な順守を推進するために、有効な技術支援プログラムを実施しています。 プログラムは障害者がその権利を理解できる助けとなり、また事業主がこの法律の下での責任を理解するのに役立ちます。
1992年1月、EEOCは、特定の雇用活動に求められる法的要件の実際的な適用を援助する技術支援マニュアル(Technical Assistance Manual)を、順守を支援する情報資源の要覧とともに、発行しました。 EEOCは、その他の教育資材を出版し、障害者と事業主を対象にADAに関する訓練を提供し、またその他の機関が開催する会議や訓練に参加しています。 EEOCのスタッフは、情報と支援に関する個別の要求にも対応します。 EEOCの技術支援プログラムは、その施行責任とは別であり、区別されています。 事業主は、EEOCから情報や支援を求めたことを理由に、是正措置をとる必要はありません。
EEOCも、また、誤解のため、事業主と障害者との間にADA要件にかかわる見解の相違や紛争が生じる可能性があることを認識しています。 こうした紛争はしばしば、ADAの公式な執行手続きによるのではなく、非公式な交渉または仲介手続きを通じて、より効率的に解決されます。 従って、EEOCは、論争解決の代替手段を通じて、こうした見解の相違を解決するために、事業主と障害者の努力を奨励しています(ただし、こうした努力が、誰からも法的権利を奪わないことを条件とします)。
ADAに関する追加の質問と回答
質問。 求職者に対して、合理的な環境整備を提供する必要はあるか?
回答。はい。 従業員のみならず応募者もまた、合理的な環境整備を受ける権利があります。 例えば、事業主は、過度な負担となる場合を除いて、耳が聞こえないまたは聴覚障害のある応募者の面接において、手話通訳者を用意することが義務づけられる場合もあります。
質問。 障害を持っていることを事業主に言うべきでしょうか?
回答。応募プロセスに参加するため、または職務の基本的機能を遂行するために合理的な環境整備が必要であると考える場合は、環境整備が必要であることを事業主に伝えなければなりません。 事業主は、既知の適格な障害者の身体的または精神的な制限に関してのみ合理的な環境整備を供与する義務があります。 通常、事業主に環境整備が必要であることを伝えることは従業員の責任です。
質問。 必要とされる環境整備の費用は、払わなければなりませんか?
回答。いいえ。 ADAは、そうすることが事業主の事業運営に過度な負担とならない限り、事業主が環境整備を供与することを求めています。 必要とされる環境整備を供与する費用が過度な負担となる場合、従業員は環境整備を提供すること、または過度な負担の原因となる環境整備の費用の一部を負担することも考慮されなければなりません。
質問。 事業主は、合理的な環境整備を必要とすることを理由に給与を下げる、または同じ職種のその他の従業員の給料より少なくすることはできますか?
回答。いいえ。 事業主は合理的な環境整備を提供する費用を、給料を下げる、または類似のポストにあるその他の従業員の給料より少なくすることにより穴埋めをすることはできません。
質問。 雇用者は、障害を持つ人が利用しやすい職務非関連設備(カフェテリア、ラウンジなど)を設けたり、交通手段を用意したりする必要があるか?
回答。はい。 合理的な環境整備を供与する義務は、全てのサービス、プログラム、および事業主が提供する非労働域を対象としています。 既存の施設を使用できるようにすることが過度な負担である場合、事業主は、過度な負担となる場合を除いて、障害者が、その他の従業員が享受すると同様の雇用上の便益・権利が享受できる施設を提供しなければなりません。
質問。 1つのポストに数人の適格応募者がいる場合、事業主は障害のない応募者ではなく、障害を持つ適格応募者を採用しなければなりませんか?
回答。いいえ。 ADAは事業主が、障害のないその他の応募者ではなく、障害を持つ応募者を採用することを求めてはいません。 ADAは、障害に基づく差別にみを禁止しています。 障害を持つ適格応募者を、障害者であるために、または職務の基本的機能を遂行できるよう合理的な環境整備が必要であることを理由に、採用を拒否することを違法としています。
質問。 事業主は、職務の基本的機能の遂行に必要とされる特定の機器・装置の操作が安全上、問題となると考えることを理由に、採用を拒否することができますか?
回答。ADAは、ある個人が自身または他者の健康または安全に対し直接的な脅威をもたらす場合、事業主がその人の雇用を拒否することを認めています。 直接的な脅威とは大きな危害を受ける相当なリスクを意味しています。 直接的な脅威が存在するとの判断は、職務の基本的機能を遂行するための個人の現在の能力に関する客観的な、かつ実証的な証拠に基づかなければなりません。 事業主は、わずかな危険性を理由に、または将来的に重大な危険があるとの憶測に基づいて、採用を拒否することはできません。 事業主は、また、危険性が合理的な環境整備により受容できる水準にまで排除または軽減することができるかどうかを検討しければなりません。
質問。 雇用者は、既存の疾患に適用しないという健康保険規定を採用することができるか?
回答。はい。 ADAは、こうした条項が他の被用者よりも障害を持つ被用者により不利に影響する可能性があるにしても、医療保険契約に記載されている既存の条件を適用対象としないという規定に影響を及ぼすことはありません。
質問。 事業主により提示された医療保険が障害に関連した医療費用の全てを対象としていない場合、会社は追加保険を取得しなければなりませんか?
回答。いいえ。 ADAは、事業主が障害を持つ従業員に、その他の従業員に対し提示されている医療保険が適用対象とする条件を公平に利用する権利を提供することのみを求めています。
質問。 妻が障害者であることを理由に差別されたと思います。 EEOCに提訴できますか?
回答。はい。 ADAは、障害者であるか否かを問わず、周知の障害を持つ個人との関係または交際を理由に、個人を差別することを違法としています。
質問。 エイズ患者はADAの適用対象とされますか?
回答。はい。 議会記録は、議会がADAによりAIDS/HIV患者を差別から保護することを意図していたことを示しています。
雇用にかかわるADA要件について、詳細は下記に連絡してください:
Equal Employment Opportunity Commission
1801 L Street、NW
Washington、DC 20507
(800)669-4000(Voice)、(800)669-6820 (TDD)
(202) 663-4900 (Voice-for 202 Area Code)
(202) 663-4494 (TDD-for 202 Area Code)
公共施設と州・地方政府のサービスにかかわるADA要件について、詳細は下記に連絡してください:
司法省
Office on the Americans with Disabilities Act
Civil Rights Division
P.O. Box 66118
Washington、DC 20035-6118
(202) 514-0301 (音声)
(202) 514-0381 (TDD)
(202) 514-0383 (TDD)
新築および改築の建物のアクセス可能な設計にかかわる要件について、詳細は下記に連絡してください:
建築と移動のバリア
Compliance Board
1111 18th Street、NW
Suite 501
Washington、DC 20036
800-USA-ABLE
800-USA-ABLE(TDD)
交通関係にかかわるADAの義務についての詳細は下記の通りです:
運輸省
400 Seventh Street、SW
Washington、DC 20590
(202) 366-9305
(202) 755-7687 (TDD)
電気通信にかかわるADA要件について、詳細は下記に連絡してください: Federal Communications Commission 1919 M Street、NW Washington、DC 20554(202)634-1837(202)632-1836 (TDD)