高校卒業後の進学期は学習障害の青年たちにとって重要な時期です。
高校を出ると、多くの人は職業訓練学校か大学へと進学します。
こうした環境の中で、学習障害を持つ青年たちに訓練や教育を受けるための環境整備が必要になることがあります。
特異な学習障害を指すキーワード
特異な学習障害 - 聞く、考える、話す、読む、書く、綴る、計算するなどの、話し言葉ないし書
き言葉を使ったり、理解したりすることに関する障害; 知能は平均かそれ以上である。
失読症 - 読んだり読んで理解したりすることを妨げる、視覚・聴覚・運動プロセスの障害;
文字を声に出して読む練習が困難なことがある。
書字障害 - 知能は平均またはそれ以上だが、書くことに問題がある;
書いている内容にまとまり、明確さ、一貫性がなく断片的である。機械的な間違いが多く、逆に書いたり、内容が飛んだり、文字や語の省略が見られる;
つづりが不十分で、文字が読みにくく、内容のまとまりがなくわかりにくいことがある。
計算障害 - 知能は平均またはそれ以上だが、数字や物事を長時間記憶することが困難である;
空間認知 (知覚) に問題があり、適切に数字を並べることができない場合もある; また、数字を逆にしてしまい、計算ができないこともある。
統合運動障害 - 脳から命令が身体の各部位に適切
に伝えられないという障害; 筋肉自体に麻痺や衰弱はなく、運動供応という点に関して問題が生じる;
したがって会話に問題があったり、姿勢の維持ができなかったり、方向感覚に問題があったり、ものを投げたり捕ったりすることが困難であったりします。
聴覚認知障害 - 耳から正確な情報を受け取ることに困難が生ずるもの;
音声を耳や脳が受け取るプロセスには問題が起きていないが;
口頭での指示を理解したり、覚えたり、似たような音を聞き分けたり、騒音がある中で特定の音を聞き取ったりすることに障害がある。
視覚認知障害 - 目から正確な情報を受け取ることに困難が生ずるもの;
背景からものを見分けたり、正確な順番でものを見たりすることに問題がある。
教室での環境整備
講義の場所で:
テープレコーダかマイクロテープレコーダ
ノートの代筆
指導者や他の学生によるノートのコピー
教員やノートの代筆者が一行おき表記でキーワードを入れた要約を作成
すべての印刷物-一行おきで大きな文字で表記
フロッピーディスクへの記録
ノートをとるためのラップトップコンピュータ
スペルマスター (音声が出るものもある)
計算機 (音声が出るものもある)
テープ朗読された本 (盲人用に作られたもの)
印刷物はコンピュータにスキャンし、画面読み取りソフトウェアを使用
読み書きの場面:
読み取り機器 (Arkenstone、Reading Edge、Bookwiseなど)
ワープロのプログラム (WordPerfect、Right Writer、Grammatik、TextHelpなど)
Humanwareの学習障害患者向けサウンドプルーフ
盲人用朗読物 (テープ録音された本や教科書)
電子辞書、スペルチェッカー (音声が出るものもある)
蛍光ペン (大切なことを覚えたり、長い資料を書き写すときに番号などがずれる間違いを減らすために、色で印をつけたりする。)
試験を受ける:
静かな環境
時間の延長
コンピュータを利用した試験
読み上げ補助者、書字補助者、口頭での試験
大きな文字での一行おきの表記
メモカード、無地の用紙、ないし定規 (枠から外れないよう補助する)
テープレコーダ (試験の指示を聞く、または答えを吹き込む)
聞き取りにくい試験の問題を繰り返す補助者
その他:
必修科目を他の科目に替える
宿題をするために余分な時間をとれるよう詳細な授業予定を与える
学習障害者の
高校卒業後の環境整備の例
ある学習障害患者の学生は、ノートを取ることが困難であっ
た。 家に帰ってから自分のペースでノートを取れるよう、テープレコーダを用意した。 費用は60ドルであった。
ある失読症、計算障害、記憶障害患者の学生は、教科書を読んで宿題をすることが困難
だった。 環境整備のために、アーケンストーンの読み取りソフトの入ったコンピュータを貸し出した。
このコンピュータは音声を出したり、印刷物をスキャンしたりすることができる。 学生はこのコンピュータを卒業のときまで利用した。
費用は6250ドルであった。
ある学習障害患者の電気修理の訓練生は、読字が困難だった。
テープレコーダを用意した。 教科書をテープに吹き込んだものを用意し、「非常時における読字能力」という講義も受講した。 費用は125ドルであった。
ある学習障害患者の学生は、与えられた時間に試験を終えることが困難だった。
大学は読み上げ補助者をつけるなど: さまざまな援助をし、時間延長や口頭試験なども実施した。 費用は0ドルであった。
ある失読症とADD患者の学生は、口語辞書と綴り辞書、電子手帳を使用した。
全体でのコストはわからない。
ある計算障害患者の学生は、試験を受けるときに、時間延長と別室での受験を認められ
た。 また授業や宿題で計算ソフトウェアの使用した。 費用はソフトウェアの代金のみである。
ある失読症患者の学生は、同級生がノートを見せたり、大切な点を説明して支援した。
この学生は読書の課題での延長時間も与えられた。
問い合わせ先リスト: 学習障害と注意欠陥障害
(完全なリストではありません)