このページは米国労働省障害者雇用政策オフィスの支援により運営されているものです(契約番号:#J-9-M-2-0022)。 本ページの内容は契約者の意見であり、アメリカ労働省の意見を反映しているわけではありません。

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健康管理環境における天然ラテックスアレルギーのための職場環境整備案
作成:Tracie DeFreitas Saab, M.S.

はじめに

天然ゴムラテックスアレルギーはラテックス(Havea brasiliensisというゴムの木から採取される)に含まれるタンパク質によって起こります。 American College of Allergy、Asthma and Immunology(ACAAI)によれば、一般の人のおよそ3パーセントがラテックスに高い感受性を持っています。 医療従事者は、職務の特性、および染症を防ぐため普遍的予防策の必要性から、ラテックスアレルギーにかかる危険が高いといえます。 ラテックスに含まれるタンパク質に頻繁に触れることによって、アレルギーが起こります。 「医療従事者のラテックスアレルギーの増加」という記事では、以下のように述べています。「天然ゴムラテックスは、これを使用する医療従事者の5〜17パーセントに、アレルギー性の感作を引き起こします。ラテックス手袋の使用やパウダー手袋からのラテックスアレルギー物質を吸引することでアレルギー反応が起こることがあります。」

ラテックスに対する個人の感受性の強さはラテックスに触れてゆくと高くなります。 早期発見と回避は深刻なアレルギー症の防止に重要です。 ラテックスアレルギーに関心のある従業員は、職場におけるラテックスとの接触に関して、医師に相談する必要があります。 1998年、メリーランド大学医療センターは、新規雇用者に対するラテックスアレルギー診察プログラムを実施する国内初めての設備です。 メリーランド大学医科大学、ボルティモア医学博士の研究によれば、メリーランド大学医療センターの利用従事者の8パーセントが診察の結果ラテックスにたいする敏感性があることがわかりました(ACAAI、2002)。 このアレルギー統計は、3パーセントという一般の平均よりもかなり高いです。

メリーランド大学の研究は、天然ゴムラテックスに敏感な従業員に対してなされた環境整備は、ラテックスアレルギーの症状による損失補填や、職場環境を改善していないための労働損失日数よりも費用がかからないと結論しています。 職場環境からラテックスを減少させる、あるいは排除するステップはラテックスに敏感ではない従業員にとっても有益である可能性があります。 雇用主はラテックスアレルギーによる困難な状況を防ぐために積極的なアプローチを行うことの利益を考慮してもいいかもしれません。

天然ゴムラテックスの教育と理解は環境整備の手順を成功させるために重要なことです。 雇用主、個人、リハビリテーション専門家はより情報を得るために、医療提供者やラテックスアレルギーの資料を参考にするべきです。 環境整備の手順は雇用主同様、個人からの申し出を含めて相互作用的でるべきです。 JANでは、個別の環境整備手続きを支援する案と情報を提供しています。

職場環境整備案

ラテックスアレルギー患者への環境整備は、個別対応を基本に検討・提供される必要があります。 ラテックスアレルギーを持つ人にとって理想的な環境とはラテックスに触れないような環境です。 全体的に回避できない場合は、ラテックスへの接触を許容できるレベルまで減少させることが考えられます。 許容できるレベルの接触についてのより詳しい情報は個別に医師に相談してください。 職場でラテックスを排除または減少させる活動は、従業員への補償や医学的検査のための労働時間コストを減らたり、従業員の生産性を上げたりするため、雇用主にとって有益なものである場合があります。

以下は、環境整備の一例ですが、環境整備法はこれだけではありません:

ラテックス手袋の使用を止めること。 ビニールかにトリル等の代替手袋製品を使用する。 代替製品を使用することが出来るかどうかは仕事上の課題を行うために必要とされる感染予防次第です。

ラテックスの利用を止められない場合は、粉の出ない、タンパク質を減らした製品に切り替える。 患者と同じ職場で働いている同僚全員が粉の出ない手袋を提供してください。 他の従業員が粉の出るラテックス手袋を使いつづけていたら、ラテックスのタンパク質が室内に舞い、アレルギー反応を引き起こしてしまう可能性があります。

粉の出るラテックス手袋を使用した場合は、完全な清掃を行って壁、床、機器、空調などに残っているラテックスの粉を取り除いてください。

「ラテックス対策済み」医局、病棟、施設などを設ける。 ラテックス手袋の使用を排除し、可能なラテックス不使用の医療製品に切り替える。 施設全体をラテックス対策済みにすることが出来なければ、ラテック安全地帯を設けて特定の場所を確保してください。

可能な範囲で、もっともラテックスによる刺激が少ない場所で勤務させる。

ラテックス製品の利用が避けられない役職で、環境整備を行うことができない場合は、環境整備として配置転換を検討してみてください。 アメリカ障害法では、一般に、役職を新設したり、他部署の職員を押しのける必要はありません。しかし、空いている役職があったり、ラテックスアレルギーを持つ人がその役職に適していたら、空職への転属は合理的な環境整備かもしれません。 可能であれば、従業員の医療的、技術的なスキルを引き続き発揮できるような役職を与えてください。 たとえば、直接患者を看護することができなくなった看護士であれば、看護士としての技術が必要とされる役職に転属します。 そうした機会は、ケース・マネジメント、職業衛生看護、健康相談ホットライン、毒物制御センター、保険会社、医療過誤、教育の場などにあるでしょう。

ラテックスアレルギー予防のガイドライン

ラテックスアレルギーの認識を高めて予防に積極的なスタンスをとり、率先してラテックス対策済みの職場環境を作ってください。 The National Institute on Occupational Safety and Health(NIOSH)は、ラテックスアレルギー予防のため、以下の手順を推奨しています :

感染症の恐れがない場合には、ラテックス以外の素材の手袋を利用する。

感染症の恐れがあり、防護手段としてラテックス手袋を利用する場合は、粉の出ない、タンパク質を減らした製品を利用する。

ラテックスアレルギーを予防するために、適切な職場習慣を定める:

【小さい青い三角形弾丸】手袋を利用するときは、油性のハンドクリームやハンドローションを使わない。
手袋を利用した後は、刺激の少ない石鹸で手を洗い、完全に乾燥させる。
ラテックス粉末による汚染が予想される部屋や機器は、頻繁に清掃する。

ラテックスアレルギー防止策についての知識を深める。

ラテックスアレルギーの兆候を見逃さないよう知識を深める: 皮膚発疹; じんま疹; 皮膚紅潮; そう痒; 目、鼻、副鼻腔などの症状; ぜん息、ショック状態。

文献、資料、ラテックス対策済み医療設備

Job Accommodation Networkには、ラテックス対策済み医療設備リストの要求がしばしばあります。 今までのところ、そうした設備リストの完全なものはの見つかりませんが、JANでは参考文献やラテックスアレルギーに関連した資料、有益な情報を提供しています。 JANは、特定の機関、製品について推奨や保証をするものではありません。

技術的文献

American College of Allergy, Asthma and Immunology (ACAAI) (2002, July 02) .
Latex Allergy Increasing in Health Care Workers
http://www.newswise.com/articles/2002/7/LATEX1.ALG.html

American Academy of Family Physicians. (1998, January 1) . Latex Allergy.
Sumana Reddy, MD
http://www.aafp.org/afp/980101ap/reddy.html

Bandolier - Georgia, USA Study.
Cost Burden of Latex Allergy in Healthcare Systems (n.d.)
http://www.jr2.ox.ac.uk/bandolier/booth/mgmt/Latexcost.html
"The study compared two strategies, a latex-safe strategy versus the status quo, in three healthcare institutions in Georgia USA....this article concluded that the overall economic benefits were in favour of a latex-safe policy."

eMedicine Journal, Volume 2, Number 7 (2001, July 13) .
Latex Allergy, Amy J. Behrman, MD, University of Pennsylvania School of Medicine and Marilyn Howarth, MD, University of Pennsylvania
http://www.emedicine.com/emerg/topic814.htm#

Infection Control Today (n.d.) . Creating a Latex-Safe Environment
Gail Stout
http://www.infectioncontroltoday.com/articles/051feat2.html

Infection Control Today (n.d) . Latex Allergy Update
Curtis P. Hamann, MD, Pamela A. Rodgers, PhD, and Kim Sullivan
http://www.infectioncontroltoday.com/articles/131feat3.html

Society of Gastroenterology Nurses and Associates, Inc. (1997) . Guidelines for Preventing Sensitivity and Allergic Reactions to Natural Rubber Latex in the Workplace
http://www.sgna.org/resources/Latex.html

St.Vincent's Hospital. (1999) . Latex and How It Affects the Hospital
Andrea Sansom, CNS
http://www.ciap.health.nsw.gov.au/hospolic/stvincents/stvin99/Andrea.htm

ラテックス対策済み医療設備の照会先

Maine Hospital Association: Quality Initiatives in Maine Hospitals
http://www.themha.org/pubs/In%20the%20Public%20Interest1.pdf

Nothing to sneeze at: Growing latex allergies lead to use of safer products in medical field
http://www.gelmans.com/PressClips/DST-nothingtosneeze.htm
Dallas VA hospital, the Fort Worth Outpatient Clinic and the Sam Rayburn Memorial Veterans Center in Bonham, TX have taken actions to switch to non-latex products.

Shriners Hospital Stops Using Latex
http://latexallergylinks.tripod.com/union.html

Johns Hopkins University Hospital, Baltimore, MD

Emory University Hospital, Atlanta, GA

Kalispell Regional Medical Center, Kalispell, MT

ラテックス不使用製品取り扱い業者

JANはこれらの製品に対して推奨、保証をしているものではありません。

American Latex Allergy Association (ALERT)
P.O. Box 13930
Milwaukee, WI 53213
888-972-5378
alert@execpc.com
http://www.latexallergyresources.org/latex_alternatives.cfm

Accession Information Services
P.O. Box 47425
Minneapolis, MN 55447
888-528-3966
763-745-0090
info@latexfree.com
http://www.latexfree.com/
Certified Latex-Free Hospital Product Database
http://www.latexfree.com/database.html

Spina Bifida Association of America
4590 Mac Arthur Blvd, NW
Suite 250
Washington, DC 20007-4226
800-621-3141 or 202-944-3285
http://www.sbaa.org
Latex in the Hospital Environment
http://www.sbaa.org/docs/LATEX2001.pdf

Sustainable Hospitals Project
Kitson 200
One University Avenue
Lowell, MA 01854
978-934-3386
shp@uml.edu
http://www.sustainablehospitals.org/cgi-bin/DB_Index.cgi

Healthcare Training Video
The Latex Allergy Dilemma: Creating a Latex-Safe Health Care Environment
Envision, Inc
1111 16th Avenue South
Nashville, Tennessee 37212
615-321-5066
http://www.envisioninc.net

The Greeley Company
P.O. Box 1168
200 Hoods Lane
Marblehead, MA 01945
781-639-8030
http://www.greeley.com

ラテックスアレルギーの資料と相談

American Latex Allergy Association (A.L.E.R.T., Inc.)
P.O. Box 13930
Milwaukee, WI 53213
888-972-5378
alert@execpc.com
http://www.latexallergyresources.org

American Nurses Association (ANA)
600 Maryland Avenue, SW
Suite 100 West
Washington, DC 20024
800-274-4262
202-651-7000
Workplace Advocacy: wpa@ana.org
Workplace Issues - Occupational Safety and Health - Latex Allergy
http://www.nursingworld.org/dlwa/osh/latex.htm

Latex Allergy Management (LAM)
P.O. Box 231
Norwell, MA 02061
781-659-7508
Linslam@aol.com
http://thegoldweb.com/lam/lamcred.htm
LAM will provide guidance to make your home, hospital, institution, facility, office, or any other environment Latex Safe.

その他の資料

National Institute of Occupational Safety & Health (NIOSH)
Technical Information and Assistance
800-35-NIOSH (356-4674)
513-533-8328
NIOSH Latex Site http://www.cdc.gov/niosh/topics/latex
Preventing Allergic Reactions to Natural Rubber Latex in the Workplace (NIOSH)
http://www.cdc.gov/niosh/latexalt.html

Occupational Safety and Health Administration (OSHA)
Office of Public Affairs - Room N3647
200 Constitution Avenue
Washington, D.C. 20210
(202) 693-1999
OSHA Latex Site http://www.osha.gov/SLTC/latexallergy/index.html

参考文献

American College of Allergy, Asthma and Immunology. (n.d.) , Special Bulletin: Latex Allergy. Retrieved August 2002, from
http://pw2.netcom/~nam1/latex_allergy/ACAAI.html.

American College of Allergy, Asthma and Immunology (2002, July 02) . Latex Allergy Increasing in Health Care Workers. Retrieved December 2002, from http://www.newswise.com/articles/2002/7/LATEX1.ALG.html.

National Institute on Occupational Safety and Health (NIOSH) (1999, February) . Latex Allergy: A Prevention Guide. Retrieved December 2002, from http://www.cdc.gov/niosh/98-113.html

 

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