注意欠陥障害のキーワード
(1994年アメリカ精神医学協会DSM-IVの診断基準、83〜84ページより)
注意欠陥/多動性障害
(1) または (2) の
いずれか:
(1) 少なくとも6ヶ月以上の期間、発達段階にふさわしくない次の症状が最低6つ見られるもの:
(a) 細かいところまで注意を払うことができない
(b) 課題に集中することが困難である
(c) 直接話しかけても聞いていないように見える
(d) 指示に従わずに課題や仕事を失敗する
(e) 課題や活動を整理することが困難である
(f) 努力が必要な課題に打ち込むのを避けたり、嫌ったり、いやいややったりする
(g) 課題や活動に必要なものを忘れる
(h) 外からの刺激によってすぐに気が散ってしまう
(i) 日常の活動を忘れがちになる
(2) 少なくとも6ヶ月以上、発達段階にふさわしくない次の多動・衝動的な症状が6つ以上あるも
の:
(a) 手足を落ち着かなく動かしたり、座席でバタバタする
(b) 教室や席に座っていなくてはいけない場面で席から離れる
(c) 不適切な場面で走ったり、突然物にのぼりだしたりする
(d) レジャーで静かに遊んだり、参加したりすることが困難である
(e) 動きっぱなしだったり、機械に操られているかのように振舞う
(f) 一方的に話し、相手の話が終わっていないのに無理やり答え始めようとする
(h) 自分の番が来るのを待つことができない
(i) 他の人を遮ったり、割り込んだりする
注意欠陥/多動性障害 (他に特定された症状がない場合) -
注意欠陥/多動性障害の基準に合わない不注意、多動・衝動性の顕著な症状がある障害のカテゴリー。
上にあげた特徴は子どもを対象としたものですが、このような特徴は大人にも見られます。
つまり、小学校から高校までの問題 (落ち着きがない、注意力がない、計画的に行動するスキルがない、予定に遅れる、話を聞いていないなど) は大学や職場で
も続く可能性があるということです。
教室での環境整備
講義の場所で:
テープレコーダかマイクロテープレコーダ
ノートの代筆
指導者や他の学生によるノートのコピー
ノートをとるためのラップトップコンピュータ
計算機 (音声が出るものもある)
気を散らす要因のない教室 (騒音、装飾、妨害など)
指示をわかりやすく正確にするようにする (黒板や書面に書いてもらうなど)
宿題をするために余分な時間をとれるよう詳細な授業予定を与える
試験を受ける:
静かな環境
時間の延長
コンピュータで試験を受ける
テープレコーダで答えを録音する
口頭試験
メモカード、無地の用紙、ないし定規 (枠から外れないよう補助する)
計画的に行動するためのスキル
計画を週単位、一日単位の目標に分ける
-その日にやらなくてはいけないことを毎日チェックリストにする (前日の夜それを準備すると、効果的でしょう)
打ち合わせや講義を忘れないようアラームつきの時計やタイマーを使う
電子手帳やスケジュール帳を使う
小型のボイスメモを使う
読んだり見直したりするときに色をつける (蛍光ペンや色のついたミラーテンプレート)
プレマックの法則―嫌な課題を最初にやり、次に好きなことをするかごほうびをする
集中
騒音をなくすために、防音器具や装置を使う
気が散る音やものがないところで勉強する
課題に戻るのを忘れないように10分おきになるアラームつきの時計かタイマーを使う
落ち着かないときには、運動など別のことをする
室内に座る場合には、他の学生や気を散らす要因からはなれて座るようにする
音楽を聴いて集中できるのであれば、歌詞のない音楽をヘッドホンで聴く
ADD/ADHDの高校卒業後の環境整備の例
あるADD患者の学
生は、宿題や課題を覚えることが困難であったが。 電子手帳を使うことで改善された。 費用は300ドルであった。
あるADD患者の学
生は、課題を決められた時間にすることと、口頭での指示を覚えることが困難だった。
学校での課題に色で印をつけ、指示は書面で伝えてもらうようにした。
あるADD患者の大
学生は、計画的に行動することが困難だった。 スケジュール帳で、次にするべきことや締め切り日時を記録しておくようにした。
ある失読症とADD患者の学生は、
口語辞書と綴り辞書、電子手帳を使用した。 全体でのコストはわからない。
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