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PCVの立ち上がり
日時: 2008/12/12 11:51:48
名前: ナース専科

みなさんお初にお目にかかります。

人工呼吸器のPCVモードの立ち上がりで気になることがあるのですが、成人でPCVを用いると急激に立ち上がり、プラトーを維持し、呼気に転じますが、小児や新生児では立ち上がりがゆるやかでプラトーが短く、呼気に転じます。

たしかに教科書等を見るかぎりでは、使用するチューブが細く、気道の細い新生児や小児では吸気流量をゆっくりしないと咳こんだり、むせたりと回路内圧が急激に上昇するので立ち上がりはゆるやかにしたほうがよいと記載してありました。

しかし、最近ベネットの840neoを始めて小児患者に使用した際、成人と同じように立ち上がり、プラトーを保っていました。確かにプラトー時間が長いほうが、酸素化もよいと思いますが…これはよいのでしょうか?患者には特に変わった様子はなかったので、そのまま使用しましたが。
立ち上がりは小児でも成人でも基本的な考え方は同じで良いのでしょうか?


また、成人患者でTCを使用するとカリーナ圧はよいけれども、Yピース部の圧は大きくオーバーシュートしますが、これも基本的には無視しても良いものでしょうか?

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Re: PCVの立ち上がり ( No.1 )
日時: 2008/12/12 12:48:12
名前: ももたろ・う

急激な立ち上がりは、それ自体で肺胞過伸展を起こす場合があります。またPCVでも吸気流速が早いほど肺障害を誘発しやすい実験データ(当ボスの海外発表、および論文)もあります。そこから考察した場合、成人に比して弱い小児の肺保護に関しては立ち上がりが緩やかな方が良いかもしれません。しかしながら、それは気管内チューブが作り出す抵抗による表現であって、肺胞内ではないこは事実なので絶対に緩やかな立ち上がりでなければ安全性に乏しいわけでもありません。呼吸仕事量が増大しない程度の立ち上がり速度、立ち上がり時間の確保は大前提事項です。

PCVにおいてもプラトー時間は長い方が時定数の異なる気道や肺胞の換気不均等是正には有利です。

現在の人工呼吸器ではPB840に限らず気管内チューブ抵抗補正機構が備わっています。その機能を使用しなくても、チューブ抵抗による吸気の時間的供給遅れの度合いや、吸気流速と気管内チューブの太さ、長さよりcarina圧上昇タイムラグなどが算出されているので、以前の様に患者さんの外側、いわゆる人工呼吸器側を見て想像するよりはるかに精度の高く信憑性のあるデータを人工呼吸器内に有しています。

PB840のRising time設定は過去の機種とは異なり、傾きだけを設定するのではなく、設定圧に達する時間遅れを気管内チューブの太さにかかわらず一定に設定する様に傾きを調整します。そのために以前とは比較にならないほど安定性や安全性、再現性が高まっています。そのため成人と同じような動作に見えても、実際のフローコントロールは以前の様式とは雲泥の差があり、安全性と制度は飛躍的に高まっています。

TCではcarina圧を設定値に出来るだけ近づけるためにY-ピース部でOver Shootが表現されるのは正しき事柄です。回路は内径22〜26ミリで構成され、気管内チューブ接続部は15ミリです。そこを吸気が通過する際に気道内圧が高まるのは回路が細くなる部分での抵抗によって作り出されるものです。逆に考えるとTCやATCなどが無い場合にはcarina部での気道内圧は人工呼吸器で表現されているよりも、吸気では低く、呼気開始時には高いということがわかりますね。

補正の有無が善し悪しにつながるわけではありませんので、それはご注意願います。
Re: PCVの立ち上がり ( No.2 )
日時: 2008/12/12 19:09:33
名前: ナース専科

ももたろうさん。
お早い回答をありがとうございました。
とてもわかりやすい説明で勉強になりました。
当院では未だVCVが主流で(そういった機種しか有していません)時折840をレンタルしてPCVを広めようと取り組んでいる最中です。
ですが、私達がまだまだわからないことだらけなのでこれからも色々質問することがあるかと思いますが、このサイトにこられる皆様どうぞ宜しくお願いします。

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