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人工呼吸器の簡易的な精度点検
日時: 2008/11/14 20:50:23
名前: ぼてん

高額なフローアナライザがなくても、簡易的に換気量等の精度点検を実施できる方法があります。
やり方は、簡単です。
呼吸回路をセットして、テストラングを接続し、量設定モードで標準設定にし、人工呼吸器を作動させてから、PIPの数値を確認するだけです。

例として、レジェンドエアを使って説明します。
(精度が良いと思われる装置が1台あると、便利です。)
1.レジェンドエアにインターサージカルのシングルブランチ回路を接続し、患者接続部にマッケの白いテストラングを取り付けます。
2.換気条件を標準設定(1枚目の画像の左側を参照)にして、レジェンドエアを作動させます。
3.本体のモニター値が設定値に一致したところで、PIPの数値を記録します。
4.気温24℃、相対湿度40%の環境で、最近メンテナンスされたレジェンドエアで試したところ、PIPは24hPaでした。
5.Vt(1回換気量)の設定のみを、450ml,400ml,350mlと変化させて、同様の測定を行います。
6.本体のモニター値が設定値に一致しない場合は、設定値を変更して、モニター値を450ml,400ml,350mlに合わせて、その時のPIPを記録しておきます。
7.気温や湿度が測定値に影響する可能性があるので、気温と湿度も一緒に記録しておきます。
8.今回は、Vt:450mlの時はPIP:22Pa,Vt:400mlの時は20hPa,Vt:350mlの時は18hPaという結果になりました。
9.あとは、他のレジェンドエアをVtが500mlの標準設定にして、PIPの数値を記録していきます。
10.PIPが22hPa以下なら、Vtが10%以上の誤差で低下していることになります。
11.PIPが20hPa以下なら、Vtが20%以上の誤差で低下していることになります。
12.PIPが18hPa以下なら、Vtが30%以上の誤差で低下していることになります。
13.気温や圧力センサーの精度に測定値が影響を受けると思いますが、マッケのテストラングを使った場合、このデータは全国どこでも参考値として使用できると思います。
14.量設定で使用していて、最近、患者さんの体調が悪くなったような気がしている場合や、圧設定で使用していて、アラームの鳴り方になんとなく異変を感じている場合は、この方法を試してみてはいかがでしょうか?
15.他の機種などでも、このようなデータを集めておけば、フローアナライザを所持していない施設での点検や、在宅での点検に役立つと思うのですが、どうでしょうか?
16.量設定だろうと、圧設定だろうと、フローセンサーの精度は重要だと思います。

問題は、あくまでもこの点検方法は簡易点検だということです。
例えば、圧力の表示が23hPaと24hPaの場合、単純に1hPaの差ではないことがあるからです。
小数点第1位で四捨五入して表示されていると考えると、23hPaは22.5〜23.4hPaまでの範囲の圧である可能性があり、24hPaは、23.5〜24.4hPaまでの範囲の圧である可能性があるのです。
23.4hPaと23.5hPaなら、たったの0.1hPaの違いですが、22.5hPaと24.4hPaだと、1.9hPaもの違いがあることになります。
0に近い1と、2に近い1では、状況が全く異なります。
同じ1の圧力低下でも、誤差が小さい場合と大きい場合が生じてしまうのです。

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Re: 人工呼吸器の簡易的な精度点検 ( No.1 )
日時: 2008/11/20 22:09:50
名前: 管理人

ぼてんさん!

これだけでも十分、学会で発表する価値がありますよ。
ビジター様達にも十分、参考になる内容だと思います。
Re: 人工呼吸器の簡易的な精度点検 ( No.2 )
日時: 2008/11/21 22:56:07
名前: ぼてん

取扱説明書の点検をやるだけだと、フローセンサーの異常には気づけません。
僕は、それで大失敗をしました。
患者さんに申し訳ないことをしてしまったと、深く反省しています。

少なくとも、レジェンドエアに関しては、取説の巻末の点検方法はあまり意味がないような気がします。
もしかしたら、機器に異常があっても、誰も気づけないようにしているのかな?
点検はOKだから、機器は正常です、問題ありません。
したがって、メーカーは責任を取りません。
病院に責任があります。
きっと、それが狙いだったんだ。
まんまと騙されるところでした。

メーカーの推奨する点検だけでは不十分すぎます。
そもそも、自己診断なんて、あてになりませんよね。
酔っ払いが「俺は酔ってない!」と言い張っているようなものです。

メーカー推奨の点検って、やたらに面倒で効率が悪いですよね。
なんでだろう?
1つでも手順を飛ばしたら、点検不十分でユーザーの責任にしようという魂胆なのか?

現場は忙しいのだから、効率的で、かつ、患者さんの安全を十分に保てるような点検方法が望ましいですよね。
Re: 人工呼吸器の簡易的な精度点検 ( No.3 )
日時: 2008/12/06 10:27:18
名前: ぼてん

最初の投稿で載せたデータが、ある問題が発生したため、あまり役に立たないことがわかりました。
データを取り直さなければなりませんが、ちょっと時間がかかりそうです。

特定のレジェンドエア本体に、特定のインターサージカル呼吸回路を使用した場合に、問題が発生することがわかりました。
呼気弁の向きが変わると、呼気弁からリークが発生して換気量が減少するというものです。
呼気弁のグレーの部分を上に向けた場合は、正常な換気が行われ、呼気弁のグレーの部分を真下に向けた場合に、換気量が低下します。
本体のみを交換した場合、換気量の低下は軽減され、呼吸回路のみを交換した場合も、換気量の低下は軽減されました。
本体と呼吸回路(呼気弁)のどちらが問題なのか、よくわかりません。

どの程度の変化があったのかいうと…。
Vt:400mlの設定で、40%程度の換気量低下、Vt:300mlの設定で、60%程度の換気量低下を計測しました。
通常は、呼気弁の向きが変わっても、20ml程度しか変化しないのですが、運が悪いと、大変なことになる可能性があります。

在宅で気管切開で使用している患者さんは、特に、リスクが高いと思います。(量設定の場合)

PCVで使用している人の場合は、呼気弁の向きが変わっただけで、Vti上限アラームが鳴りっぱなしになるなどの現象が起きる可能性もあります。
呼気弁からリークが発生すると、ライズタイムが鈍るので、換気量が低下して、空気の入り方がおかしいと訴える患者さんもいるかもしれません。

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