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人工呼吸器等の誤差はどこまで許容できるか?
日時: 2008/11/11 21:32:47
名前: ぼてん

最近、レジェンドエアのフローセンサーの貧弱さに悩まされているのですが、人工呼吸器の誤差ってどこまで許容できるのでしょうか?
ICUや急性期の呼吸管理なら、精度はほとんど問題にならないでしょう。
「±10%以内ならOK」という非常に大雑把な考え方になると思います。

遅刻したときに、「1日の10%、すなわち、0.1日以内の誤差でガタガタ言うなよ!」と言えたらどんなに楽でしょうか?
「2時間も遅刻してきやがって!」と大目玉をくらうことでしょう。

10%以内の誤差の靴のサイズなら、許容できますか?
普段、26センチの靴を履いている人は、28.5や23.5の靴を履くことを想像してみてください。
どちらも10%以内の誤差の靴です。
ブカブカで靴擦れができたり、きつすぎて外反母趾になったりするかもしれません。

10%以内が許容範囲というのはどういう意味なんでしょう?
標準設定でも、誤差が大きくて構わないのでしょうか?
換気回数を多くしたりするなど、特殊な設定にした場合に、設定値に対する精度が保たれないという意味ではないのでしょうか?

業者による定期点検のときの調整はどこまで行われているのでしょうか?
調整を行っても、どうにもならないレベルの誤差であれば、仕方がないと思います。
しかし、調整もせずに、「10%以内の誤差」だから問題ないんだと主張する人の気が知れません。

在宅で呼吸管理を行っている人のことを想像してみてください。
いや、自分が人工呼吸器を使用する立場だったら…。
同じ設定なのに、換気量が+9%から-9%に変化したら、どう感じるでしょうか?
空気の入り方が悪くなったと訴えても、周囲の人はわかってくれるでしょうか?
精神的な問題だという理由にされたとしたら、どう思うでしょうか?

量設定ではなく圧設定を使うべきだと主張する人は、圧の精度に置き換えて考えてみてください。
吸気圧1〜2hPaの誤差って、小さいのでしょうか?
その誤差で、送気量はどのくらい変化するでしょうか?
20hPaの設定の人なら、21.9hPaから18.1hPaに変化しても±10%以内の誤差です。
空気の入る量が、大きく変化するのではないでしょうか?

圧設定でしか使用しないという立場の人も、量設定で使用している患者さんが実際に存在しているということを前提に考えてみてください。

フローセンサーは徐々に狂うため、即死することはなく、少しずつ患者さんにダメージを与えていきます。
この場合、大きな問題にはなりにくいのですが、進行性の疾患を持つ患者さんにとっては重大な問題なのです。
呼吸器の異常ではなく、病態の変化と誤解される可能性もあります。

レジェンドエアのフローセンサーは改良が必要だと思うのですが、賛同してくれる方はいらっしゃるでしょうか?
コンセプトは良い装置なので、もったいないのです。
レジェンドエアの代わりをできそうな機種もないし…。
VSウルトラは、送気性能はレジェンドエアより上ですが、操作が大変で画面が小さいし、日常点検に困るし…。

念のために言って置きますが、IMIには、すでに何度もクレームはつけています。

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Re: 人工呼吸器等の誤差はどこまで許容できるか? ( No.1 )
日時: 2008/11/25 19:08:25
名前: KKK

”換気量誤差±10%”に関してだけコメントさせて下さい。

これはISOの規格の中に、この基準があるので
それをクリアーすれば ”人工呼吸器”なのです。
Re: 人工呼吸器等の誤差はどこまで許容できるか? ( No.2 )
日時: 2008/11/25 20:01:20
名前: ぼてん

KKKさん、コメントありがとうございます。
管理人さん以外の人から、コメントをいただくことは非常に珍しいので、関心を持っていただいたことを感謝します。
ありがとうございます。

そのような基準があることは、僕も、知っているのですが…。
±10%以内という基準が作られた根拠が知りたいのです。
時代の変化と共に、人工呼吸器の製造技術も向上しているはずですし、使用環境も変化しています。
いつまでも、過去に作られた基準のままというのは、おかしいように思います。
こんなことを僕が言っても、世の中にさざ波すら立てることも出来ないでしょうが…。

基準の範囲内だからOKというのは、単に工学の領域の中で論じているようにしか思えないのです。
工学を医学の領域で応用する場合、さまざまな問題が生じてくると思います。
その問題点を見い出し、解決策を模索していくことも臨床工学技士の仕事のひとつだと思っているのです。

自分の無力さを痛感しているところです。
Re: 人工呼吸器等の誤差はどこまで許容できるか? ( No.3 )
日時: 2009/01/09 14:51:47
名前: 金泉寺

私もKKKさんのゆうように換気量誤差だいたい±10%で何ら問題はないと思います
私は誤差の無い絶対的な換気量を測定するフローセンサー見たことありません。だいたいの誤差範囲内で提示してくれればいいと思います。
例えばドレーゲルのフローセンサーならホットワイヤー方式で温度低下を電流に変換し数値を出すもので、気温、気圧等に容易に変化します。そもそもだいたいなんだと考えています。
大事なことは呼吸器が壊れているか、否かです。
壊れていれば5%のずれもゆるされません。
大事なことは気道内圧の値と酸素化と換気が正しくできているかと思うからです。
>>>空気の入り方が悪くなったと訴えても...
呼吸器が問題なく酸素化も換気も正しくできているなら、量を上げてあげてもいいんじゃないですか?慢性期で使用されているかたは、私の経験のみですが(特に筋疾患のかたは)終末期になると量が少なく感じる方が多いです。そこで呼吸器が壊れているか判断するのが私たちの仕事だと考えています。
Re: 人工呼吸器等の誤差はどこまで許容できるか? ( No.4 )
日時: 2009/01/10 11:39:42
名前: ぼてん

金泉寺さん、コメントありがとうございます。
おっしゃられている内容はよく理解できますし、正しいと思います。
関心持ってくれたことも感謝します。
ただ、僕の主張したいことがあまり伝わっていないようなので、コメントを追加します。

フローセンサー自体のバラつきで生じてしまう誤差は仕方がないと思っています。しかし、キャリブレーションを実施して改善できるのなら、メーカー側にも最大限の努力をしてもらいたいと思っているのです。誤差を0%にしてくれとういう無理な注文をしているのではないのです。誤差を小さくする最大限の努力をしてもらいたいと望んでいるだけなのです。努力の結果、生じてしまう誤差は仕方がないと思っています。しかし、努力しないで生じている誤差は許せないのです。どの業者の機種もそうなのですが、換気量のバラつきに関する指摘をすると、明らかにバラつきが少なくなっていきます。

>呼吸器が問題なく酸素化も換気も正しくできているなら、量を上げてあげてもいいんじゃないですか?

当院は田舎にあり、給料も安いので、医師不足、看護師不足が大きな問題となっています。僕自身も、テレビで報道されている派遣労働者よりも月給の少ない甲斐性なしであります。当院の業務の特殊性も、スタッフ不足を引き起こす要因になっていると思います。決して治ることのない病気の患者さんを診ているのですから、やっていることが正しいのか間違っているのかもよくわからず、スタッフがモチベーションを維持することも困難です。患者さんが元気になって退院するという医療従事者が感じることのできる最大の喜びを味わうことができないのは、過酷な環境だと感じています。

「量を上げる」という行為自体は、それほど難しいことではないのですが、臨床工学技士にとっては、法律の制限があります。機器側のバラつきによって生じる誤差であれば、臨床工学技士で対応しても実質的な問題はないと思いますが、医師の指示を得てから実施しなければ、違法行為になってしまいます。主治医が学会等で不在の場合も多々あり、スケジュール調整が難しく、人工呼吸器の使用台数も100台前後と多いため、「量を上げる」という簡単なことであっても、実施するのが難しいのです。
病状の進行により、いろんな事を我慢したり、諦めたりしていかなければならない患者さんに、機器の個体差による違和感をあまり感じさせたくないのです。僕が、患者さんにしてあげられることは、それぐらいのことしかないのですから…。
また、「量を上げる」という行為は、患者さんに病状が進行していることを宣告することになります。患者さんは、死が近づいていることを感じ、ショックを受けるはずです。実際に、病状の進行であれば仕方がないのですが、機器側の原因で、無駄な精神的ショックを与えることは、なんとか避けてあげたいのです。「病は気から」というように、心が弱ってしまっては、体も弱ってしまうと思います。

>私の経験のみですが(特に筋疾患のかたは)終末期になると量が少なく感じる方が多いです。

患者さん側の要因で換気量を上げなければならないこともありますが、本体側に問題が多々あることも事実なのです。患者さんの訴えと当院の測定器の結果は、ほぼ一致しています。場合によっては、患者さんが気づかないこともあります。2ヶ月の使用でフローセンサーの精度が10%以上変化したこともあります。この現象は、当院の測定器だけでなく、IMIのPF300による測定結果でも判明しています。別スレッドに「とさかCE」という名前で投稿しています。

換気量が変動する原因が2つあることがわかっています。

1.差圧式フローセンサーの抵抗部分の抵抗が大きく変化してしまう。

レジェンドエアでは、フローセンサーの抵抗部分はラミネータと呼ばれているようです。人工呼吸器ハンドブック2008に図が載っています。
シリアル番号に40957K…、4095706K …、4095700K…、というものがあるのですが、40957K…ではフローセンサーの変化が起きる確率が低く、4095706K …、4095700K…でフローセンサーに変化が起きる確率が高いようです。
IMIの対応で、シリアル暗号に「00」「06」のつかないものに置き換えてみることにしたのですが、数ヶ月使用すれば、その結果がわかってくると思います。

2.インターサージカルの呼吸回路で、呼気弁の向きが変化すると呼気弁からリークが発生するようになりました。詳しいことはメーカーでも調査中のようですが、注意喚起の文書が出ています。(ここでは、画像を貼れないので、別スレッドで紹介します。)
7月ぐらいから、換気量を測るたびに数値が増減してしまうことがあり、測定器の故障を疑っていたのですが、12月になってから呼気弁の向きが換気量の測定結果に影響していることがわかりました。
生命に関わる問題だと思い、注意喚起の文書の作成をお願いしてみました。
7月ぐらいに呼気弁が改良される前には、呼気弁の向きで換気量が変化するようなことはありませんでした。

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