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プライミングボリューム
日時: 2007/11/19 20:17:19
名前: とび

透析などの体外循環を行う際にプライミングボリュームが問題になることがありますが、たとえば血圧の低い患者に使用するダイアライザを選ぶときにはプライミングボリュームの少ないものを選択しますが、スタート時にプライミング生食を捨てずにスタートすれば体外にでるボリュームを考慮しても総血液量は変化しないように思えるのですが。それとも生食で血液が若干希釈されてしまうことで問題があるのでしょうか。どなたかご教授ください。よろしくお願いします。

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Re: プライミングボリューム ( No.1 )
日時: 2007/11/19 16:15:03
名前: 憲一

捨てずにスタートした場合、その分余計に除水する事になりますね。
Re: プライミングボリューム ( No.2 )
日時: 2007/11/19 16:36:39
名前: さる

希釈率とも関係があるように思います。
Re: プライミングボリューム ( No.3 )
日時: 2007/11/19 17:31:54
名前: 管理人

プライミングvolume分を排液せずに接続した場合は、volume的には変化がありませんね。

生食は浸透圧比がほぼ1ですから、血清浸透圧=2×(Na+K)+BS/18+BUN/2.8で計算される浸透圧もほぼ変化はないでしょう。
(まぁ体内では血漿浸透圧と書いた方がいいでしょうか?)

それでは何が変わるかといいますと膠質浸透圧(こうしつしんとうあつ)が変わります。
膠質浸透圧はタンパクにより構成される浸透圧で、血管内ではほぼアルブミンによって構成されています。
生食にはアルブミンが含まれませんからこの膠質浸透圧が低下します。血管内の膠質浸透圧が下がると血管内に水を蓄えておくことができずに組織間へ漏れだしてしまい、結果的に血管内volumeが低下します。

ネフローゼ症候群の病態を考えてみて下さい。せっかく肝臓でアルブミンを合成しても著しいタンパク尿によってアルブミンがロスしてしまうことにより低アルブミン血症になりますね。その結果、血管内に水を蓄えることができなくなり組織間に水が漏れ出てしまい浮腫が強く現れることになります。

浮腫=組織間液の増大

浸透圧は血管内に水を蓄える力と考えれば分かりやすいと思います。
浸透圧には上の式による血清浸透圧とタンパク(アルブミン)による膠質浸透圧があり、その両方が血管内volumeの変化に密接に関与しているということになります。

低血圧で難渋した症例に25%程度の濃いアルブミン製剤を輸液したことはありませんか?

当院では急性血液浄化などで循環動態が極めてシビアな症例にはプライミング終了後、フィルターと血液回路内にPPFを充填して排液をせずにスタートすることを行っています。こうすれば血管内volumeも変わらない、血清浸透圧も変わらない、膠質浸透圧も変わらないので血管内volumeを変化させないためには有利ではないかと思います。

ちなみにPPFは正常人血漿と同等の膠質浸透圧があります。

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