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T-BARDの感度
日時: 2006/01/09 16:03
名前: 中年脳神経外科医

人工呼吸器のT-BARDをよく使用しますが、感度に関してよく理解できません。単位としてLPMとあり、1分間の換気量を示していると思います。これは、たとえば1とすれば、1分間1リッターの呼吸を示すことと思います。では、1とたとえば5ではどちらが感度が良い、つまり患者の呼吸が浅くても感知してくれるのでしょうか。ご教示くださいますか。

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Re: T-BARDの感度 ( No.1 )
日時: 2006/01/09 23:45
名前: 管理人

呼吸器のトリガ方法にはご存じの通り、圧トリガとフロートリガがあります。圧トリガよりもフロートリガの方が鋭敏で自発呼吸をセンシングする能力は高いと言えます。

圧トリガーはベースラインより設定した圧まで下がらないとトリガーできないしくみでresponseは決して良くありません。
フロートリガーは吸気努力による僅かな気体の動きをフローとしてセンシングしているとでも言いましょうか...
したがって圧的にはベースラインから変化が無くてもトリガーすることができるということになります。センシングのメカニズムはメーカー毎に異なります。

↓このスレッドに当院で使用しているBENNETT 760のフロートリガのメカニズムを書いていますので、ご参考までにお読み下さい。

http://plaza.umin.ac.jp/~ce-net/cgi-bin/patio/patio.cgi?mode=view&no=189

小生、T-BIRDは見たことも使用したこともありませんが(^^ゞ、感度の単位がLPMですからフロートリガの呼吸器ですね。

1と5では1の方が感度が良く、症例の吸気努力による僅かな変化を察知してトリガします。注1)

注1)小生が見たことも触ったこともない呼吸器のことを知ったか振りして説明していますので臨床ではトリガのresponseを確認しながら設定して下さい。

フロートリガの感度の考え方は、僅か1L/分の流量変化(気体の動き)でセンシングするか、5L/分もの流量変化が起こらないとセンシングできないかというようにお考えになればよろしいかと思います。
Re: T-BARDの感度 ( No.2 )
日時: 2006/01/09 21:29
名前: 中年脳神経外科医

”管理人”様。早速のご返事ありがとうございます。意識障害の患者を扱うことが多く、なかなか設定が難しいのが実情です。非常に参考になりました。”管理人”様は呼吸器に精通されておられるようなので意地悪な質問で申し訳ないのですが、どうやって分時換気量を器械が感知するのでしょうか。何分かのデータを蓄積して決めるのでしょうか。また、pressure support機能を気に入って多用しているのですが、離脱の際に、SIMVモードで減少させていくのがいいのか、pressure support主体で減少させるのがいいのか、どちらが良いのでしょうか。
Re: T-BARDの感度 ( No.3 )
日時: 2006/01/10 09:23
名前: 管理人

当院で一般病棟向けに使用しているBENNETT 760では、呼気側にフローセンサが内蔵れています。これは細かいメッシュスクリーンの両側に圧力測定ポートがあり、このポートは制御担当電子基板上の圧トランスデューサにつながっています。メッシュスクリーンを通過するフローは圧低下と比例するので、これを利用して呼気フローを演算しています。

直前60秒または直前8呼吸(いずれか短い方の間隔)における呼吸回数(計算値)を表示しています。

離脱は吸気仕事量を軽減させながらpressure supportでサポート圧を下げていく方法ででよろしいのではないでしょうか。

当サイトのリンクにありますが、
↓西神戸医療センター 麻酔科のレクチャー
http://www.ne.jp/asahi/nishi-kobe/masui/
の「人工呼吸 (P&W)」のあたり...

↓レジデント初期研修用資料 (^^ゞ
http://medt00lz.s59.xrea.com/
の「呼吸管理の基礎」のあたりに分かりやすく掲載されていますのでご参照下さい。

↓CCN
http://www2.kpu-m.ac.jp/~ccn/
の「CCN ML過去の検索」にも最前線で活躍されている先生方の人工呼吸療法に関する有用な話題があります。
Re: T-BARDの感度 ( No.4 )
日時: 2006/01/10 19:13
名前: NOHN

読んでいて、少々気になったことがあるのでコメントします。
管理人さんも説明しているので、繰り返しになる部分もあるかもしれません。

感度の単位のLPMのことですが、これは、1分間の換気量を示しているものではありません。
患者さんが息を吸い込む時の、風の強さ(速さ)を表す単位です。
Tバードの設定項目にある吸気最大流速と同じ単位です。
患者さんが自発的に息を吸い込む時にも、吸気流速は発生します。
この吸気流速をどのレベルで感知するかを設定する項目が感度というわけです。
機種によって、流速と表現されたり、流量と表現されたりしていますが、どちらが正しい表現なのかはわかりません。

中年脳神経外科医さんが質問したかったのは、実際には、分時換気量ではなく、患者さんの吸気努力によって生じる吸気流速のことではないかと思いました。余計なお世話であったら、ごめんなさい。

Tバードには、呼気弁に差圧式のフローセンサーが内蔵されています。このフローセンサーで、患者さんの吸気流速をリアルタイムに測定しています。
LPMという単位なので、1分間の測定が必要と考えてしまうかもしれませんが、自動車のスピードメーターを思い浮かべてみてください。数秒しか走らなくても、時速(km/h)の表示が出ます。

Tバードは、標準では10LPMのベースフローが設定されています。
呼気時にも、呼吸回路内を10LPMの速さで意図的に吸気ガスを流しています。呼気弁を開いているため、回路内圧は上がりません。
閉鎖回路であれば、患者さんが息を吸い込もうとした瞬間に、呼気弁に向かっている10LPMのうちの一部が患者さんの体内に流れ込みます。その結果、呼気弁に到達するフローは10LPM未満になります。例えば、患者さんが3LPMの吸気流速が生じる吸気努力を行った場合、10LPMのうちの3LPMがYピース部分で差し引かれて、呼気弁に到達するフローが7LPMに減少します。
このとき、感度が1LPMに設定されていれば、Tバードは患者さんが吸気努力をしたと感知することができます。
しかし、5LPMに設定されていた場合は、患者さんが吸気努力をしたと感知することはできません。
Re: T-BARDの感度 ( No.5 )
日時: 2006/01/10 19:20
名前: NOHN

肝心なことを書き忘れました。
読んでいて気になったことというのは、中年脳神経外科医さんが、感度のLPMのことを分時換気量と誤解しているのではないかということです。
もし、管理人さんの文章を読み、きちんと理解された上で、分時換気量の質問をしていたのであれば、ごめんなさい。
Re: T-BARDの感度 ( No.6 )
日時: 2006/01/10 21:32
名前: 中年脳神経外科医

NOHN様、ありがとうございます。確かに、分時換気量と思っていました。そうですね、流速と考えれば、感度のモニターになりますよね。すっきりしました。でも流速の単位がLPMでいいんでしょうか。面積の概念が考慮されていないと思うのですが。物理に弱くてすみません。
Re: T-BARDの感度 ( No.7 )
日時: 2006/01/10 23:02
名前: NOHN

「流量=断面積×流速」が正しいと思います。
つまり、LPMという単位を使う場合は、流量と表現した方が正しいと思います。
しかし、Tバードには流速と書いてあるので、今回は「流速」という言葉を使わせていただきました。
普段は、管理人さんと同じで「流量」派です。

流量という言葉では「量」をイメージしやすいため、あえて流速という言葉を使い、「速さ」をイメージさせようとしているのかもしれません。

流量が一定であれば、
「一回換気量=吸気流量×吸気時間」です。
算数では
「距離=速さ×時間」を習いました。
一回換気量が距離、吸気流量が速さに対応していると考えられます。

ある人工呼吸器には、流量、吸気時間、換気回数を設定するツマミがついていて、一回換気量を直接設定できないようになっています。
この場合、流量のツマミを一回換気量を調整するツマミであると誤解してしまう可能性があります。
そのような誤解を回避するために、流速という言葉が流量の代わりに使用されるようになったのではと推測します。

実際のところは、どうなのでしょう?
Re: T-BARDの感度 ( No.8 )
日時: 2006/01/11 11:29
名前: 中年脳神経外科医

NORH様。ありがとうございました。大分整理できて来ましたが、正直言ってまだクリアーではありません。でも感度が流速、患者の努力の反映という概念はつかめました。
Re: T-BARDの感度 ( No.9 )
日時: 2006/01/12 23:26
名前: 管理人

NOHNさん とても詳しいサポートありがとうございます。
それにしても人工呼吸器は種類が多過ぎて管理する方としては仕事がやりにくくて困りますね。
性能が良くてトラブルが無くて安全性が高くて値段が手頃な1機種だけに淘汰されると楽なんですけどね...ヘ(_ _ヘ)☆\(^^;)
自分のところで使っている呼吸器だけで手一杯です。

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