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CHDFについて
日時: 2005/12/30 15:42
名前: whiz

当院ではACH−10でCHDFを行っております。
先輩方がCHDF中に経験したトラブルとそれに対してどう対処したか(その理由)是非聞かせて下さい。
例えば、血圧低下に対しての対処、脱血不良に対しての対処,
TMP上限警報時の対処、動脈圧上限/下限警報時の対処、静脈圧上限/下限警報時の対処等何でも構いませんので宜しくお願いします。
あと、CHDFで患者(又は透析装置)を監視するにあたっての
ポイントがありましたら教えて下さい。

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Re: CHDFについて ( No.1 )
日時: 2005/12/31 12:26
名前: 管理人

CH(D)Fを行っていて一番多いトラブルは凝血トラブルだと思います。それらの対処法はこの掲示板の過去のスレッドに何度もふれていますのでさかのぼって読んでみて下さい。

血圧低下に対してはCHF実施前からシビアな低血圧がある場合はプライミング後にPPFを充填して脱血・送血を同時接続します。生食でvolumeを維持したとしても膠質浸透圧を下げてしまいますのでシビアな症例では血圧を維持できなくなることもしばしばあります。

試行中では、ノルアドなどのカテコラミンで調整がつく場合はそれで昇圧を試みる、脱水による循環血漿量の低下が原因である低血圧ショックでは生理食塩液を200ml程度急速注入しなければ戻らないと思います。ただICU・CCUで治療を受けているようなシビアな心不全症例では無闇に補液を行うと状態を悪化させる可能性も考えなければなりません。その辺の判断ができるかできないかという部分がポイントです。医師が常にそこに張り付いているわけではないと思いますので事前に主治医と話し合いをして緊急時の指示をもらっておくべきです。

看護師を含め我々コメディカルは医師の指示がなければ動けないわけですからそこはわきまえる必要があります。

脱血不良に対してはカテーテルが血管壁に当たっている場合が多いので刺入部を消毒後、カテーテルをゆっくり回して最良の脱血位置を探ってみることや、患者様の体位を工夫する。大腿静脈でも内頚静脈でもカテーテルが入っている方を高くする体位にすると脱血不良傾向になることが多いと言えます。
脱水気味では脱血不良になりやすいのでCVPを考慮するなど体液バランスを検討する必要があります。

また、一度カテーテルと血液回路を外して血栓の有無に注意しながらヘパ生でカテーテル内をポンピングしてみる方法も有効です。
脱血不良のまま無理に行うと思いもよらぬ事故を招きます。
血液浄化法はまずはBlood accessが良好でなければどうにもなりません。十分な血流量がいつも確実に確保できてすんなり返血できることが一番重要です。いろいろやってみてもラチがあかなければ主治医へ入れ替えを含め相談すべきです。

静脈圧、動脈圧関係のトラブルはチャンバー内凝血やフィルターのヘッダー部、あるいはファイバーが凝血した場合でしょうからまずはその確認を行って下さい。
凝血が確認されて圧が上がってきているのであれば続行不能となるのは時間の問題です。ヘパ生でフラッシュするくらいでは根本的な解決にはならないので一度回収してフィルターと血液回路を交換すべきです。そして何故そのような事態になったのかを検証すべきです。「固まったら替えてやりなおせばいい」という浅はかな考えでは患者様が可哀相です。凝血トラブルを起こすことにより全身の凝固系が活性化されるので肺梗塞、脳梗塞などの重大血栓症を併発するリスクが極めて高くなります。目には見えなくても必ずどこかで血栓ができているはずです。

また、交換することにより、再度新しいフィルターや血液回路に血液が触れることになるので血小板が壊れたり、凝固系や補体やいろいろなものが活性化され、ギリギリで保っていた予備力のない生体に交換するたびに大きな負担を掛けることになります。
したがって何度も凝血トラブルを起こしても何も善後策を考えずに漫然と交換を繰り返すのはアホとしか言いようがありません。

表面上の知識だけでは全然ダメです。
透析業界でもプライミングと穿刺と回収がうまくできるくらいで満足していては屁の足しにもなりません。
それではDrやNsからもいつまで経っても信頼されません。専門の分野に関してはDrと対等にディスカッションできる位の気持ちで深く勉強して下さい。

装置に関しては完全なものはありません。せめて装備されているアラーム機能は最大限生かすように設定することが重要だと思います。
急性血液浄化装置では特に静脈圧下限アラームの設定機能が陳腐です。カテーテルの抜け外れに対するアラームはないと考えて対応すべきです。
まぁ透析でも抜針のアラームを静脈圧下限アラームだと考えては痛い目に遭います。人工呼吸器もそうですが圧力のアラームというのは極めて不安定なものであまりアテにならないのが常です。
Re: CHDFについて ( No.2 )
日時: 2005/12/31 12:46
名前: whiz

貴重な意見ありがとうございました。

Re: CHDFについて ( No.3 )
日時: 2006/01/03 11:15
名前: whiz

凝血トラブル経験しました。
DICを持つオペ後の患者で開始10時間後に動脈圧下限警報が鳴り(原因はわかりません)それ以後、次第にQBが確保できなくなり静脈・動脈圧とも非常に高くなり20時間で続行不能になってしまいました。
生食フラッシュも無意味でインナーカテーテルを交換しても駄目でした。
こうなってしまった場合どのように対処したらいいのでしょうか?
あるいはこうならないようにはどう対処すべきだったのでしょうか?
良きアドバイスお願いします。
抗凝固剤はフサン40r/hでした。
QBはトラブル前までは100ml/min
QDは800ml/h
QFは800ml/h
除水なしでした。

Re: CHDFについて ( No.4 )
日時: 2006/01/03 12:24
名前: 管理人

>DICを持つオペ後の患者で...
DICが絡んでくると難渋します。DICが出来上がってしまえば(^^ゞ体外循環維持の観点からはcontrolしやすいのですが、DICのなり始めは何をどうやっても凝血してしまうという難しい症例もあります。フサンを60mg/hr程度まで増量して何とかcontrolできた経験や、低分子ヘパリンを併用する方法で何とかなることもあります。だた術後ですから出血すると致命的になる場合は使いにくいでしょうね。このようなシビアな症例の場合はACTも全くあてにならないこともあります。術後でも大きな出血のリスクが低い場合でどうしてもCHDFが必要な場合はフサン+低分子ヘパリン(減量)で行うしかないかなと思います。DICの急性期は本当に大変です。

DICでは凝固因子がどんどん消費されている状況ですからCHDFなどの体外循環で凝血を起こしてしまうと「火に油を注ぐ」結果となります。あっという間に血小板が3万...1万...となり致命的になりますね。ちなみに血小板が1万以下になると脳出血を起こしかなりヤバくなります。
DICの治療を考えれば体外循環とは別に低分子ヘパリンの持続注入など全身的な抗凝固療法が必要だと思いますが、それは症例の病態によって方法が異なり主治医が判断することです。

DICや肝不全でアンチトロンビンVが消費や産生されずに低下するとヘパリンの効果が期待できなくなることもあります。こうなるとお手上げでしょうか...

この掲示板のTOPにワード検索があります。その検索で「抗凝固剤について」や「抗凝固剤の使用について」と入力して過去のレスを読んでみてください。

血液凝固というのは一筋縄ではいかず、症例毎あるいは同一症例でも刻々と病態が変化しますので一律にこの方法で大丈夫!という答えは出てきません。
Re: CHDFについて ( No.5 )
日時: 2006/01/08 21:33
名前: ゆち

CHDFについて
ひとつご意見をいただきたいのですが
最近、心臓血管外科手術後にCHDFを
使用することがあるのですが、
主にCHFよりのCHDFを行います。
ですが、担当のDrからどうもBEがマイナスに
傾き、アシドーシスの改善が悪く、CHDに切り替えたところ
よくなったとお話がありました。
補液と透析液にしようする量はTOTALで700ml/hrと
しています。
CHFとCHDF(またはCHD)では大きな違い(使い分け)が
ありますでしょうか?
私的には、補液を多くしたほうが直接重曹をいれるので
アシドーシスの改善には有効では!?と思っていたのでが
皆様のご意見宜しくお願いします。
Re: CHDFについて ( No.6 )
日時: 2006/01/09 21:37
名前: 管理人

難しいご質問ですね f(^_^)ポリポリ
症例の臨床的背景の違いによりいろいろなことが考えられると思います。

血中の酸性物質としては揮発性の酸の代表は炭酸です。これは肺から排出されますね。それに対して,不揮発性の酸としては,システインやメチオニンから出る硫酸,細胞膜や脂肪の分解からリン酸,筋肉での無酸素呼吸では乳酸(分子量90)が作られますね。他にもいろいろ存在します。

ワンプールモデルで無理矢理単純に考えてみます。(^^ゞ
例えば循環血漿量が5Lに酸性物質が10あるとして考えてみます。血中酸性物質濃度は2/Lとなりますね。
これに補液を1L/hrで負荷して薄めたとします。そうすると10÷6=1.66の酸性物質濃度となります。

今度は補液をせずに透析液として1L/hrで流したとします。乳酸や硫酸やリン酸、ケトンなどの酸性物質は分子量が小さいのでCHDF程度の超緩慢な透析液の流れでは拡散により排液の酸性物質の濃度は血中濃度とほぼ等しくなるでしょうから2/Lの酸性物質が除去されます。そうすると循環血漿量5L中の酸性物質が10から8になります。酸性物質の血中濃度は8÷5=1.6となります。

補液1Lで薄めると血中酸性物質濃度は1.66、一方、透析液として1Lを流して拡散で除去すると1.6になります。わずかな差ですが長時間行うとなるとこのわずかな差によりアシドーシスの改善に違いが出てくる...あくまでも推測です。

無理矢理こじつけると補液でわずかな重曹を入れる以上に循環不全などで蓄積したいろいろな酸性物質が拡散によって除去されることの方が酸塩基平衡の補正には有効にはたらくのでしょうか?小分子量物質は濾過よりも拡散の方が遥かに除去効率は高いですからね。

もう一つ考えられることは、心臓血管外科手術後のシビアな状況でCHDFを始めていますね。多分最初は補正が追いつかないのかもしれません。CHDに切り替えたころにやっと補正が追いついてきて見かけ上、CHDの方が補正に優れているように見えている可能性もありますね。こっちの方が可能性が高いかも知れません。

時間当たり700ml程度で行うCHFとCHDFでは臨床的な差はほとんどないと考えています。補液量を多くすると血中濃度が下がるので拡散で除去される分が減る。補液量が少ないと拡散で除去される分が増えると思いますのでほとんど差は無くなります。
小分子量物質の除去ではわずかにCHDの方が勝るかもしれませんが中分子量物質以上、サイトカインクラスの分子量では理論的に考えれば大きい分子量の物質の除去には濾過を利用するCHFの方が若干有利でしょうか...
Re: CHDFについて ( No.7 )
日時: 2006/01/09 06:34
名前: ゆち

管理人さんありがとうございました。
せっかくなのでもうひとつ聞いてもよろしいでしょうか?
持続透析に使用できる置換液の量は保険点数上制限がある!?と
思うのですが、この辺は書く都道府県で違うと聞きました。
一般的!?とはないのかもしれませんが
どの程度の使用量で行っているのですかね?
参考までに教えていただければ幸いです。
Whizさんよこから入ってしまい失礼しました。
では宜しくお願いします。
Re: CHDFについて ( No.8 )
日時: 2006/01/09 13:38
名前: 管理人

確かに都道府県の審査に差があるようですね。
CHF、CHDFに関係なく概ね600ml/hr、15L/dayくらいがMAXではないでしょうか?

しかし、当院の麻酔科DrはCHFで1200ml/hrなんて指示を出します。オーバー分は査定されていると思います。まずは命を救うためにその症例にとって最良の方法と思える治療を行うことを最優先にしているようです。病院が自腹でやるということであればそれはそれで構わないのではないでしょうか...(^^;)

この縛りを最優先に考慮するとCHDFでは透析液として600ml/hr、置換液に生食やラクテックなどを300ml/hr程度で使用するなどの「工夫」を行っている施設もあるようです。

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