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造影剤の腎への作用について
日時: 2005/12/10 15:52
名前: 1212

乏尿患者の場合、ネフロンの数が喪失して、残っているネフロンが機能を代償していますが、造影剤を投与した場合、通常であれば造影剤の分子量から考えて糸球体から濾過されると考えられますが、糸球体に何か作用をして炎症を起こし、糸球体の孔径が狭くなり詰まる可能性はないのでしょうか?

今、あくまでも考えであって、文献など読んでいますが正確な答えが見つからずにいます。知っておられる方、教えてください。

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Re: 造影剤の腎への作用について ( No.1 )
日時: 2005/12/14 17:24
名前: 管理人

前のスレッドで血管内投与された水溶性ヨ−ド造影剤は約99%が尿中へ排泄され、しかもそれが濾過・濃縮されるため水溶性ヨードが高濃度になり尿細管細胞自体に化学毒性やアレルギー反応を及ぼす可能性を説明しました。

私見ですが(^^ゞ...
「乏尿患者」というか腎機能障害を有する症例では1212さんが仰るとおり、ネフロンが減少していてそれを補うために正常なネフロンの負荷が大きくなります。この代償作用によりネフロンレベルで高血圧が起こり、残されたネフロンの機能障害が加速するということが言われています。

例えば10個のネフロンで10の仕事量をこなすより、5個のネフロンで10の仕事量をこなす方が尿細管細胞での濾過・濃縮の仕事量が大きくなります。そうなると尿細管での造影剤の濃度が腎機能が正常な症例より高くなってよりダメージが大きくなるのかも知れませんね。

さらに造影剤が高浸透圧であることやアレルギー反応が惹起される点でも腎機能障害を有する症例の方が全てにおいて悪い方へ向かうことが考えられます。

アレルギー反応によって出来上がった免疫複合体は糸球体基底膜に引っかかりやすいので、そこに補体やマクロファージや血小板が寄ってきて炎症を起こしたり微小血栓ができて目づまりを起こし機能障害を悪化させることも十分考えられると思います。
Re: 造影剤の腎への作用について ( No.2 )
日時: 2005/12/19 23:11
名前: 1212

ありがとうございます。
文献を読み、自分なりに解釈したものを以下に載せました。

乏尿という事から、まず、糸球体では、
@ネフロンの減少→再生しない→残ったネフロンが代償する→正 常なネフロンでの濾過の仕事量が大きくなる。
A内皮細胞の増殖・腫大による腎血流の減少
Bメサンギウム細胞による収縮・弛緩異常
Cメサンギウム基質の増加
D糸球体基底膜の変化(肥厚・沈着・虚脱・凝集)
など様々な異常が生じて濾過されにくくなっている状態と考えられます。
また、管理人さんから教えていただいたとおり、
アレルギー反応によって出来上がった免疫複合体は糸球体基底膜に引っかかりやすいので、そこに補体やマクロファージや血小板が寄ってきて炎症を起こしたり微小血栓ができて目づまりを起こし機能障害を悪化させることも十分考えられるます。
以上から、このような状態の時に正常人と同じ濃度・量の造影剤を注入すると、分子量から考えれば造影剤は糸球体を通過しますが、この場合詰まってしまう可能性が考えられます。

また、濾過されてもネフロンの減少によって正常なネフロンでの濃縮の仕事量も大きくなるため尿細管へのダメージが大きいと考えられます。
尿細管では
@尿細管上皮細胞へ直接の障害
A尿酸・シュウ酸の分泌亢進
B尿細管への造影剤の沈着
C壊死・脱落した尿細管細胞
により尿細管閉塞を生じたり
D血管内皮細胞から放出される血管収縮因子の分泌増加と血管拡張因子の減少が関与して腎血流が低下し、尿細管壊死を生じることによって急性腎不全を生じる可能性があると考えました。

造影剤についての発表は無事合格しました。ありがとうございました。

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