□様々な痛み | │無痛 insensitivity to pain│ |
Miss C@Melzack and Wall The Challenge of Pain
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Hereditary Sensory & Autonomic Neuropathies | ||||
Gene | Chromosome | Inheritance | Clinical features | |
I 遺伝性感覚根性ニューロパチー |
SPTLC1 | 9q22 | Dominant | Small axon loss Acromutilation |
II 先天性感覚根性ニューロパチー |
HSN2 | 12p13 | Recessive | Large & Small axon loss |
III 家族性自律神経異常症(Riley-Day症候群) |
IKBKAP | 9q31 | Recessive | Large & Small axon loss |
IV 先天性無痛無汗症:CIPA |
NTRK1 | 1q21 | Recessive | Aδ/C-axon loss |
V 先天性無痛症:CIP (SCN9A channelopathy) |
NGF-b SCN9A |
1p13 |
Recessive Recessive Recessive |
Aδ-axon loss Aδ/C-axon loss Naチャネルの欠損 |
Biemond ataxia | Dominant | Large fiber sensory loss | ||
Ataxic neuropathy |
Dominant | Large fiber sensory loss Ataxia | ||
Ulcero-mutilation | Dominant | Large & small axon loss Acromutilation |
○先天性無痛無汗症 Congenital insensitivity to pain with anhidrosis:CIPA =遺伝性感覚自律神経ニューロパチー IV型Hereditary Sensory and Autonomic Neuropathy:HSAN-IV 参考1/2/3/犬童康弘先生のレビュー1/2/3
→平成27年7月にようやく難病指定された。
[乳児期の症状]
[幼児期の症状]
[学童期の症状]
[青少年・成人期の症状]
[その他の症状]
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○先天性無痛症 Congenital insensitivity to pain:CIP =遺伝性感覚自律神経ニューロパチー V型 Hereditary sensory and autonomic type V:HSAN-V 参考1
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○SCN9A channelopathy ←→Naチャネル/肢端紅痛症/発作性激痛症 参考1/2/3
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○遺伝性感覚自律神経ニューロパチー I型 遺伝性感覚根性ニューロパチー 参考1
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○遺伝性感覚自律神経ニューロパチー II型 先天性感覚根性ニューロパチー 参考1/2
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○遺伝性知覚性・自律神経性ニューロパチー III型 家族性自律神経異常症(Riley-Day症候群)
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特発性後天性全身性無汗症 Acquired idiopathic generalized anhidrosis: AIGA idiopathic pure sudomotor failure:IPSF
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→Fabry病 ---痛みと汗をかきにくい |
ブラウン・セカール症候群における障害 | |
○温痛覚の伝導路 |
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○触圧覚の伝導路
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頭蓋内 |
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口腔内 |
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骨 |
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胸腔内 腹腔内 |
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象徵 しょうちょう symbole:フランスの訳語。中江兆民(1847年(弘化)12/8/4〜1901年(明治34年)12/13, 江戸時代後期から明治の思想家)が『維氏美学』(1883年刊)の中で「symbole」の訳語として用いられたのが最初だと言われている。語源であるギリシャ語symbolonは割符の意)
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1931年 | P. Schilder and E. Stengel, Asymbolia for pain, Arch Neurol Psychiatry 25 (1931), pp. 598–600. |
1988年 | Asymbolia for Pain: A Sensory-Limbic Disconnection Syndrome. Berthier M, Starkstein S, Leiguarda R: Ann Neurol 24: 41〜49, 1988[PubMed])。 |
島皮質は内側視床や腹側と後内側視床から直接投射を受けている。 島皮質のニューロンは、身体の内部環境に関する情報を処理して、痛み反応の全てにわたる自律要素に寄与する。島皮質を損傷すると、痛みの失象徵と呼ばれる珍しい症候群引き起こす。このような患者は侵害刺激を痛いと知覚し、鈍い痛みと鋭い痛みを区別できるが、痛みに相当する情動反応を示さない。従って、島皮質は正常な反応を起こすために不可欠な感覚、感情、認知的側面を統合していると考えられる。 |
I'll tell you about a patient I saw in Vellore in India about ten years ago. He was quite normal, intellectually normal, mentally quite lucid, alert, attentive, his memory was normal, perception, everything was fine except I took a needle and pricked him with a needle to determine the intact, not to be sadistic but to determine the intactness of his pain pathways, to determine his pain sensations, and every time I poked him, of course, all of you here would say, ouch. He started giggling, telling me doctor, I feel the pain but it doesn't hurt. It feels very funny, like a tickle and he would start laughing uncontrollably. |
体に針が刺さっても痛みを感じない。針が刺さっていることはわかるがそれに伴う情動反応が発生しない。痛みは感じるが痛くない。痛みを感じると、クスクスととめどなく笑い出してしまう。 |
私は、痛覚失象徴と呼ばれる、奇怪なシンドロームに出会ったことがあります。驚いたことにこの患者は、痛覚刺激に対して「痛い!」と反応せずに、声をあげて笑うのです。(中略) 笑いは、「あれはまちがい警報ですよ」と知らせるための、自然に備わった方法だというのが私の考えです。なぜそれが進化的な観点からみて有用なのでしょうか?笑いというリズミカルな断続音は、遺伝子を共有する近縁者に、「このことに貴重な時間や労力を浪費するな。あれはまちがい警報だ」という情報を伝えるために進化した、と私は考えています。笑いは自然に備わったOKサインなのです。 しかしそれが痛覚失象徴の患者と、どんな関係があるのでしょう?それをいまから説明します。その患者の脳をCTスキャンで調べたところ、頭の側面にある島皮質と呼ばれる部位に近いところに損傷がありました。島皮質は内臓や皮膚から痛覚の信号を受けとっています。つまりここは生の痛覚を経験する部位なのですが、痛みは多層性であって、一元的なものではありません。メッセージは島皮質から扁桃体に送られ、次いでほかの辺縁系に、そして前部帯状回に送られて、痛みに対する情動的な反応が生まれます。私たちはこのようにして、痛みのつらさを経験し、適切な行動を起こします。したがってこの患者の場合は、おそらく島皮質は正常で、痛みを感じることはできるが、島から辺縁系や全部帯状回につながる配線が切れてしまっている。そのような状況は、笑いやユーモアに必要とされる、二つの重要な構成要素を生み出します。脳の一部位が危険信号を出しているのに、次の瞬間には、別の部位-全部帯状回-に確認の信号が入らないため、「これはまちがい警報だ」という結論が導かれるのです。そこで、患者は笑いだし、くすくすととめどなく笑いつづけます。これと同様のことは「くすぐり」でも起こります。くすぐりは、いわばおとなのユーモアのための荒削りな「実演」リハーサルなのかもしれません。おとなが脅すように両手を広げながら、子どもの体の敏感な部分に近づいてきて、何をされるのかという恐ろしさがふくらんだところで、それが一気に「こちょこちょ」というやさしい刺激に落着する。これは成熟したおとなのユーモアと同じかたちをとっています。潜在的な脅威がふくらんで、それがしぼむという形式です。 |
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