■痛みとは | │分類│ ←→様々な痛み/痛みの異常 |
侵害受容性疼痛 nociceptive pain ←→侵害受容 |
IASPの定義 terminology@history
「nociceptive pain」という用語は早くからIASPで定義されていたと思っていたが、IASPが痛みを定義した1997年には定義されておらず、2007年11月に京都で開催されたIASP councilで議論され、2008年に痛みに関する用語の改訂版「IASP 基本痛みの用語京都議定書(The Kyoto protocol of IASP basic pain terminology)」で初めて定義された。 Loeser JD, Treede RD. The Kyoto protocol of IASP Basic Pain Terminology. Pain 2008;137:473-7.[pubmed] 参考1/2/3/4 Jensen TS, Gebhart GF. New pain terminology: A work in progress. Pain: December 2008 - Volume 140 - Issue 3 - p 399-400 (Editorial)*/Pを読むと、2008年には用語の改訂はないようだ。ここで引用している[6] Merskey H の総説は2005年発表の総説であるが、新しい用語の改訂について書かれたものではない。また[1] Devor M. Nociception in Kyoto. Pain. 2008;143:519-520.(Letter to the Editor)*/Pでは、「IASPBasicPain Terminology」という言葉が出てきたが、その内容はIASP Councilで採択されたのか、それともIASP Committee on Taxonomのコンセンサスであるのかは明確ではないとも書かれている。 (しかしnociceptive painのためのEva kopekのペーパー(Do we need a third mechanistic descriptor for chronic pain states? Pain. ;157(7):1382-1386, 2016 Jul */Pの表では2008年となっている。(参考 *) (関連?:Woolf CJ. Pain: moving from symptom control toward mechanism-specific pharmacologic management. Ann Intern Med. 2004;140:441–51.) ー健常な組織を傷害するか、その危険性を持つ侵害刺激が加わったために生じる痛み ー侵害受容器を介した痛み
| ||||||||||||||||
神経因性痛 neurogenic pain ↓ 神経障害性疼痛 |
ー末梢あるいは中枢神経系そのものの機能異常による病的な痛み ー侵害受容器が侵害刺激を受けていないにもかかわらず、末梢神経あるいは痛みの伝導路ニューロンの興奮が引き金となって生じる痛み。
| ||||||||||||||||
痛覚変調性疼痛 nociplastic pain ←→可塑性 ←→シナプス可塑性 |
[IASPの定義]Pain that arises from altered nociception despite no clear evidence of actual or threatened tissue damage causing the activation of peripheral nociceptors or evidence for disease or lesion of the somatosensory system causing the pain. Note: Patients can have a combination of nociceptive and nociplastic pain 末梢侵害受容器の活性化を引き起こす実質的な組織損傷、または損傷の可能性のある事象の明確な証拠がないにもかかわらず、あるいは痛みを引き起こす体性感覚系の病変や傷害の証拠がないにもかかわらず、侵害受容の変容によって引き起こされる痛み *IASPの用語委員会@Eva Kosekは慢性疼痛の第3の機構的記述子third mechanistic descriptor for chronic pain statesとして、2017年に採用した。 1/2/3 | ||||||||||||||||
非基質性疼痛 心因性疼痛 psychogenic pain 身体表現性障害 疼痛性障害 身体化障害 |
非基質性疼痛の中に、心因性疼痛、機能性疼痛症候群、中枢機能障害性疼痛が含まれるというのが妥当だろう?
ー原因のわからない痛みは心因性疼痛ではない!!!!!「原因のわからない痛み」は原因のわからない痛みである。 ー解剖学的に説明のつかない痛みー痛みに見合うだけの病変が見いだされない痛みは、心因性痛ではない! ー認知行動療法などが奏功するからといって、痛みは気のせいであるというような単純な痛みではない! ー「心因性」とは、体の異常によるものでなく、心理的な原因に由来する。明らかな身体的原因がなく、その発生に心理社会的因子が関与している痛みを、従来「心因性疼痛」という病名が用いられた。 しかし、いわゆる「心因性疼痛」の多くには、心にのみ原因があるということではなく、多くの要因(生物学的、心理的、社会的、行動要因)が複雑に関与する可能性がある。 →Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders : DSM-IV-R (2000) 疼痛性障害ー疼痛性障害/身体化障害 →WHOによる国際疾病分類: ICD-10 (International Classification of Diseases) 身体表現性障害 →機能性疼痛症候群 functional pain syndrome FPS
→中枢機能障害性疼痛 central dysfunctional pain |
混合性 mixed pain 参考1 |
体性痛 somatic pain | |||
→関連痛 =原因が生じた部位から離れた場所に感じる痛み。 | |||
内臓痛 visceral pain ←→内臓感覚/腹痛 →参考
| |||
→中枢痛 central pain
|
Fast pain 速い痛み | Slow pain 遅い痛み |
=First pain 一次痛(即時痛) | =Second pain 二次痛(遅延痛) |
|
|
Aδ侵害受容線維 | C侵害受容線維 |
高閾値侵害受容器 | ポリモーダル受容器 |
識別感覚 epicritic sensation
|
原始感覚 protopathic sensation
|
識別性の痛み epicritic pain ←→速い痛み
|
原始性の痛み protopathic pain ←→遅い痛み
|
sensory aspect of pain =sensory discriminative component of pain
|
emotional aspect of pain =motivational and emotional component of pain
|
cognitive evaluative component of pain
|
急性痛 acute pain | 間歇性、偶発性 | 慢性痛 chronic pain | |
侵害受容性 | 外傷痛 術後痛 熱傷痛 分娩痛 帯状疱疹痛 |
頭痛 片頭痛 骨関節痛 |
腰背部痛 リウマチ性関節痛 骨関節炎 線維筋痛症 筋筋膜痛 |
末梢性 ー神経因性 |
三叉神経痛 | 帯状疱疹後神経痛 糖尿病性ニューロパシー 神経損傷 | |
中枢性 ー神経因性 |
脊髄損傷 脳卒中後痛 多発性硬化症 パーキンソン病 | ||
混合性 | がん性痛 | がん性痛 根症を伴う腰背部痛 外傷性頸部症候群 |
急性痛 acute pain | 慢性痛 chronic pain ←→慢性痛サイクル | ||
|
| ||
症状の比較 | |||
---|---|---|---|
|
| ||
|
生理的な痛み Physiologic pain Physiological pain | 病態生理的な痛み Pathophysiologic pain Pathophysiological pain |
自発痛 spontaneous pain | 誘発痛 evoked pain |
自発痛:何も刺激を加えていないのに感じる痛み [自発痛の起こる可能性]
|
刺激依存性の痛み |
スピリチュアルペイン 参考1
|
Pain Relief |