Axotomy 完全神経損傷モデル autotomyモデル 神経腫モデル 幻肢痛のモデル |
- 1979年にWallらが報告したモデル。
- 四肢を支配する太い神経、坐骨神経や腕神経叢などの比較的太い神経を切断(完全神経損傷)すると断端に神経腫が形成される。
- 患肢の挙上と、爪や指を噛むなどの自傷行動がみられる。
- 侵害受容ニューロンの自発発射が増加する。
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部 分 的 神 経 損 傷 | Chronic constriction injury (CCI) model Bennett model 絞扼性神経損傷モデル |
坐骨神経のCCI- 1998年 Bennet, et al. [Pubmed]
- 一側の坐骨神経を4-0 chromic gutで4回ルーズに絞扼して神経を損傷する。
catgut sutures
Chromic catgut sutures- catgutの表面をクロムコーティングし、自然に溶解する吸収性縫合糸
- 牛BSE関連で牛由来のchromic gutが販売中止となった。
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- 麻酔下のラットをうつぶせにし、大腿骨上の皮膚を切開し、坐骨神経に傷を付けないように慎重かつ迅速に剥離し、大腿中央部で末梢から順々に4ヶ所を4-0 chromic gutで軽く結紮する。
- その後、筋膜と皮膚を縫合し、消毒を施す。
- 対照としては、偽手術動物群を設ける研究者と対側に偽手術を施す研究者とがいる。
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- 患肢の挙上体位(gurding posture)と足底部皮膚の温・冷・機械的痛覚過敏が術後すぐに観察される。
- thermal hyperalgesiaとmechanical allodyniaが発症する。thermal allodyniaが特に強く発症する。
- 術後3日頃から痛覚過敏が発生し、1週間で痛覚過敏の程度が最大となり、1ヶ月以上持続する。
- DRGや脊髄後角に、様々な神経化学的変化が生じる。
- 交感神経依存性は弱く、thermal hyperalgesiaが発症しやすい。
- Keith C. Kajanderらはchromic gut自身にも神経毒性があるので、chromic gutを横に置くだけでも、痛覚過敏が発症する可能性もあると結論した。
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眼窩下神経のCCI
- 三叉神経第2枝である眼窩下神経は運動神経を含まないので、感覚神経だけの損傷に注目した研究に適している。
- Vosらの方法は、顔面皮膚を切開し三叉神経にアプローチする方法がとられている。
- Imamuraらは、口腔内から神経を結紮する方法を開発した。口腔内からアプローチする方法では、刺激のターゲットとなる顔面部位は全く損傷を受けていないので、神経の損傷そのものによって発症する異常疼痛を解析することができる。
- 顔面皮膚の刺激は、ラットが実験者の手の動きを容易に察知することができるため、実験者の動きをブラインドにする工夫が必要である。
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Partial sciatic nerve ligation (PSNL) model Seltzer model 坐骨神経部分損傷モデル |
- 1990年 Seltzer, et al. [Pubmed]
- ラットの一側の坐骨神経を8-0絹糸で半周結紮して、神経を損傷する。
- 坐骨神経の30-50%を結紮する。
- Bennett modelよりも坐骨神経のさらに中枢側で結紮する。
- 8-0絹糸で、坐骨神経周囲の1/3-1/2を完全に結紮する。
- マウスでも同様の手法の研究が行われている。
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- 温熱性痛覚過過敏と機械刺激性アロディニアが発症する。両者が同程度に発症する。
- 痛覚閾値の低下のピークは、術後4日目
- 交感神経依存性は、Bennet model↑とChung model↓の中間。
- 手技の難易度は、これら3つの部分神経損傷モデルのうち一番容易である。
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Spinal nerve ligation (SNL) model Chung model 脊髄神経部分切結紮モデル |
- 1992年Kim & Chung, et al. [Pubmed]
- ラットの片側のL5(+6)を6-0絹糸で、結紮して神経を損傷する。
- 坐骨神経は、第4-6腰髄神経で構成されている。
- 麻酔下のラットをうつぶせにし、背側正中線上の皮膚を切開する。仙骨領域で左側傍脊椎筋を剥離し、その後靱帯を剥離する。
- 仙腸骨縁(sacroiliae rim) とその上方を錐体に沿って切開し、L6の横突起を確認する。
- L6の横突起を切除すると、その直下に第4,5腰髄神経が走行している。脊髄よりが第5腰髄神経である。第5腰髄神経を6-0絹糸で結紮する。
- sacroiliae rimの直下の第6腰髄神経を同様に絹糸で結紮する。
- 筋膜と皮膚を縫合し、消毒を施す。
- 第4腰髄神経を傷つけないことが重要である。
- 第5腰髄神経のみを結紮する研究者も少なくない。
- 手技的には、100-200g程度のラットで行うのが容易。
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- 温熱性痛覚過過敏と機械刺激性アロディニアが発症する。機械刺激性アロディニアが特に強く発症し、交感神経依存性が強い。
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Spared nerve injury SNIモデル |
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Mosconi and Krugerモデル |
- 1996年 Mosconi & Kruger [Pubmed]
- 坐骨神経をpolyethylene cuffsで圧迫して、損傷させる。
露出した坐骨神経を、長さ3-6mm、内径0.028-0.030インチのpolyethylene cuffsのcuffsで覆う。polyethylene cuffsの太さは、それぞれの動物の神経の太さにあったものを選び、覆いやすいようにを0.5mm間隔に、縦に切り込みを入れる。 |
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抗がん剤による神経障害モデル ←→抗がん剤による神経障害 |
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1型糖尿病性末梢神経障害 |
- ストレプトゾトシン(streptozotocin:STZ)は膵ランゲルハンス島を選択的に破壊する薬物で、1回の投与により大部分のβ細胞が脱落し、1型糖尿病を引き起こす。
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2型糖尿病性神経障害性疼痛 |
- Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty (OLETF) ラット
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脊髄腔内i.t.PGF2投与モデル |
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脊髄腔内i.t.PGE2投与投与モデル |
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I 型単純ヘルペスモデル (→HSV-1/PHN) |
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CRPS type Iモデル
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- 2004年 Guo et al. [SienceDirect]
- chronic post-ischemia pain (CPIP) generated following exposure to prolonged hindpaw ischemia and reperfusion
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CRPS type Iモデル
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- 2004年 Coderre et al. [SienceDirect]
- Wrist and ankle fractures---tibial fracture treated with cast immobilization
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CRPS type IIモデル
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- 2003年 Kingery et al. [PubMed]
- Sciatic nerve section
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腰部脊柱管狭窄モデル
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- L3部位の脊髄硬膜外側部にシリコンチューブを挿入する。
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腰部椎間板ヘルニアモデル
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