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1847年 | Sir James Simpson↑(P 1811〜1870, エディンバラの産婦人科医)の成功に刺激されて、麻酔の専門医が英国に誕生した。その第一号となったJohn Snow↓(P 1813〜1858 イギリス人医師)である。Snowは、「最初の麻酔科専門医」と言われるとともに、ロンドン市街に下水道を導入する事をビクトリア女王に提言すると、ロンドンからコレラの蔓延を防ぐことができたので、「公衆衛生の父」とも呼ばれている。 |
1927年 | Ralph M. Waters(P 1883〜1979, Wisconsin大学の麻酔科教授)がUniversity of Wisconsin大学で初めてのresidency program in anesthesiaを開始した。 |
1936年 | Emery Andrew Rovenstine(Emmanuel Papper↑の最初のレジデントであり、Emmanuel Papper、Virginia Apgar、Stuart Cullenなどのアメリカの代表的な麻酔科医を多く育てた。)がNew York UniversityのBellevue Hospitalに最初のnerve block clinic for painを設立した。 |
1947年 | William Livingston(P 1892〜1966, 外科医)がOregon大学にPain centerを作った。* |
1947年 | John Bonica↑がワシントンのTacoma General Hospitalに、世界で最初のMultidisciplinary Pain Center: MPCを作った。 |
1949年 | John Bonica(P 1917〜1994 ペインクリニックの創始者)がワシントンのTacoma General Hospitalで、産科麻酔の24時間体制を米国で初めて確立した。1943年にエンマ婦人が第1子出産の時、卒後18日目のインターンがかけた不慣れな麻酔のおかげで死ぬ目にあって以来の夢の実現であった。 |
1952年 | 日本初めて、東京大学に麻酔科が設立され、山村秀夫先生が初代教授となった。 |
1953年 | John Bonica↑が、痛みの診断のバイブルである「The Management of Pain」の第1版を出版した。1974年にIASPを設立し、ジャーナルのPainの製作も始めた。* |
1954年 | 日本麻酔学会(現在の日本麻酔科学会)が設立された。 |
1962年 | 東京大学病院にペインクリニック科が新設された。 |
1961年 | John Bonica↑がSeattleのWashington大学付属病院に世界に先駆けてMultidisciplinary Pain Clinicを設置した。(教授就任の1年後) |
1964年 | Ronald DubnerがNIH (National Institute of Dental Research: MIDR) の中ではじめて痛みの研究に焦点を当てた研究室を設立した。 |
1967年 | Cecily Saunders(P 1917〜2005/7/14)がSt. Christopher's Hospice(ロンドン郊外)を創設した。St. Christopher's Hospiceは、医学的に患者の疼痛を和らげる方法を付け加えた近代的なホスピスである。Saundersは、がん末期患者に対するモルヒネの鎮痛の重要性を提唱し、ホスピス運動を世界に広めた。 |
1969年 | 第1回ペインクリニック研究会が東京で開催された。 |
1973年 | International Association for the Study of Painが創設され、シンポジウムが 5月にIssaquah, Washingtonで開催された。 |
1973年 | 日本で最初のホスピス病棟は、大阪の淀川キリスト教病院に設けられた。当時のホスピス長、柏木哲夫先生の功績によるものである。 |
1974年 | アメリカ初のホスピス:New Haven Hospice(現在Connecticut Hospice)が、コネティカット州に開設された。 |
1975年 | 第1回国際疼痛学会(Ist World Congress on Pain)が9月5日から8日にFlorenceで開催された。↓ |
1977年 | 米国疼痛学会(American Pain Society:APS)↓が設立された。(IASPのchapter) |
1978年 | SeattleのWashington大学に公式にWashington Multidisciplinary Pain Centerが開設され、John Bonica↑は初代の Directorとなった。 |
1979年 | IASPがPainと、18の関連語を定義した↓。 →2020年に改訂 |
1979年 | 第1回痛みの研究会が開催された。 |
1981年 | Kathleen M. Foleyがはじめて、ニューヨークのMemorial Sloan-Kettering Cancer Centerに「Pain and Palliative Care Service」を開設した。 |
1981年 | 長谷川保先生*(1903〜1994)が国内初の独立施設として、聖隷三方ヶ原ホスピスを設立した。日本で初めてがん末期患者などのためのホスピス(緩和ケア病棟)を開設である。 |
1984年 | 痛みの研究会が日本疼痛学会に昇格した。 |
1985年 | ペインクリニック研究会がペインクリニック学会に昇格した。 |
1994年 | Harold MerseyとNikolai BogdukがIASPのClassification of Chronic Painを出版した。 IASPは慢性疼痛の分類で、名称に「sympathetic」という用語を含まないCRPSという新しい名称を作って、RSDとカウザルギーがCRPSにまとめた。RSDをCRPS type I、カウザルギーをCRPS type IIとした。 |
2000年 | アメリカ議会は2001年から10年間を「痛みの10年(the Decade of Pain Control and Research)」とする宣言を採択した。 |
2002年 | 1月 愛知医科大学に、日本で最初の「学際的痛みセンター」が設立された。 |
2002年 | 11月 熊澤孝朗先生が、愛知医科大学に、日本で最初の「痛み学講座」*が開講(ファイザー中央研究所*の寄附講座) |
2007-2008 | 2007年11月国際疼痛学会評議会(IASP council)が京都で開催され、この会議で痛みに関する用語の改訂版「IASP 基本痛みの用語京都プロトコール(The Kyoto protocol of IASP basic pain terminology)」を2008年にWEB上で公開することが可決され、この原案が機関誌Painに公表された。侵害受容やnociceptive painも初めてIASPで定義された。 Loser JD, Treede RD. The Kyoto protocol of IASP Basic Pain Terminology. Pain 2008;137:473-7.[pubmed] 参考1/2 |
2009年 | 2000年に口腔顔面痛懇談会が設立され、2006年4月1日から口腔顔面痛学会と発展して活発な活動を展開しまし、2009年には口腔顔面痛学会とJapan Academy of Orofacial Painが合併して日本口腔顔面痛学会が誕生した。 |
2011年 | 5月 NPO法人「いたみ医学研究情報センター」 設立 |
2013年 | 2008年 運動器疼痛研究会 前身 2010年 日本運動器疼痛学会 改称 2013年 一般社団法人日本運動器疼痛学会 設立 |
2019年 | 6月 40年近くにわたって痛みの教育、研究、および支援を推進してきた、米国疼痛学会:APSが解散した。学会の方針がオピオイドクライシスに寄与したと主張する訴訟と戦い、法的債務を負っていて、事業停止を投票で決め、連邦破産法第7条の適用を申請した。残り訴訟の防御に充てる代わりに、APSは2019年6月28日にイリノイ州北部地区の米国破産裁判所で、事業を停止する決定を下し、破産を申し立てをした。オピオイド製薬メーカーを相手取った訴訟が全米各地で起きていたが、APSなどの専門家グループも、定期的に多額の財政的支援の提供を受けていたとして、同学会がオピオイド製薬メーカーの「フロントグループ」として活動していたとして、他の企業や協会とともに、告発された。会員数、スポンサー収入、および会議出席者数の減少などにより、学会の財務状態が悪化していたが、オピオイドの処方と乱用に関連した数多くの誤った訴訟の被告に指名され、訴訟費用が多額となり、学会の解散を決定した。オピオイド訴訟で、数十億ドルの損害賠償を求めているSimmons Hanly Conroyを始めとする、複数の法律事務所に、APSは被告としての標的にされた。 |
2019年 | Dr Ronald Melzackが亡くなる。一つの時代が終わった! 1 |
2020年 | IASPは41年ぶりに、痛みの定義を改訂した。 |
2020年 | 日本痛み関連学会連合の設立 参考(医学界新聞) nociplastic painの日本語訳の発表 |
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1979年 | IASPの用語委員会(chairman: Harold Merskey)が痛みと、18の関連語を定義した。 (18の関連語:allodynia, analgesia, anaesthesia dolorosa, causalgia, central pain, dysaesthesia, hyperalgesia, hyperesthesia, hyperpathia, hypoalgesia, hypoesthesia, neuralgia, neuritis, neuropathy, nociceptor, noxious, pain threshold, pain tolerance level)
Able Fessard D, Bonica JJ, Carmon A, Dubner R, Kerr FWL, Lindblom U, Mumford JM, Nathan PW, Noordenbos W, Pagni CA, Renaer MJ, Richard A. Sternbach, Sunderland S |
1986年 | IASPは「Classification of chronic pain : descriptions of chronic pain syndromes and definitions of pain terms」 Subcommittee on Taxonomy ; editor, Harold Mersey [Pubmed]を発刊した。 causalgia と RSDとを明確に区別し、RSDを「外傷後に交感神経の過剰緊張を伴って主に四肢に起こる持続性の疼痛」と定義した。 |
1994年 | IASPは「Classification of Chronic Pain:descriptions of chronic pain syndromes and definitions of pain terms, second edition」(Harold Mersey, Nikolai Bogduk)*を発刊した。 IASPは慢性疼痛の分類で、名称に「sympathetic」という用語を含まないCRPSという新しい名称を作って、RSDとカウザルギーがCRPSにまとめた。RSDをCRPS type I、カウザルギーをCRPS type IIとした。また、neurogenic painとneuropathic painが分けられた。 |
2008年 | 2007年11月 IASPのcouncilが京都で開催され、痛みに関する用語の改訂版「IASP 基本痛みの用語 京都議定書(The Kyoto protocol of IASP basic pain terminology)」を2008年にWEB上で公開することが可決され、この原案が機関誌Painに公表された。neuropathic painの定義が変更となり、nociceptionやnociceptive painも初めてIASPで定義された。 Loeser JD, Treede RD. The Kyoto protocol of IASP Basic Pain Terminology. Pain 2008;137:473-7.[pubmed] 参考1/2
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2011年 | IASP PainTerminologyが改訂された。nociception/nociceptive pain/neuropathic pain等も定義が改訂された。
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2017年 | IASPの用語委員会(委員長Eva Kosek)は慢性疼痛の第3の機構分類として、nociplastic painを採用した。nociceptive painやneuropathic painの定義も提案された。 1/2/3
Miroslav Backonja(USA), Ralf Baron(Germany), Daniel Clauw, (USA), Milton Cohen(Australia), Ian Gilson(Canada), Richard Harris(USA), Juan A. Mico(Spain), Jo Nijs(Belgium), Andrew S C Rice(UK), Matthias Ringkamp(USA), Michele Sterling(Australia), Lars Arendt-Nielsen(Denmark) |
2020年 | IASPは41年ぶりに、痛みの定義を改訂した。
Dan Carr ,USA, Milton Cohen, Australia, Nanna Finnerup, Denmark, Herta Flor, Germany, Stephen Gibson, Australia, Francis Keefe, USA, Jeff Mogil, Canada, Matthias Ringkamp, USA, Kathleen Sluka, USA, Xue Jun Song, China, Bonnie Stevens, Canada, Mark D. Sullivan, USA, Takahiro Ushida, Japan |
First International Symposium on Pain Issaquah, Washington May, 21-26 1973年 | |
Ist World Congress on Pain Florence, Italy September 5-8, 1975年 ←Program cover シンボルマークは、バチカン美術館のラオコオン群像 | |
2nd World Congress on Pain Montreal, Quebec, Canada 1978 | |
3rd World Congress on Pain Edinburgh, UK 1981 ←Program cover | |
4th World Congress on Pain Seattle, Washington 1984 | |
5th World Congress on Pain Hamburg, Germany August 2-7, 1987 | |
6th World Congress on Pain Adelaide, Australia 1990 | |
7th World Congress on Pain Paris, France 1993 Jean-Marie Besson | |
8th World Congress on Pain Vancouver, British Columbia, Canada August 17-22, 1996 | |
9th World Congress on Pain Vienna, Austria August 22-27, 1999 ←Program cover | |
10th World Congress on Pain San Diego, CA, USA. August 12-17, 2002 | |
11th World Congress on Pain Sydney, Australia August 21-26, 2005 | |
12th World Congress on Pain Glasgow, Scotland August 17-22, 2008 | |
13th World Congress on Pain Montréal August 29- September 2, 2010 | |
14th World Congress on Pain Milan, Canada August 27- 31, 2012 | |
15th World Congress on Pain Buenos Aires Oct 6- 14, 2014 | |
16th World Congress on Pain Yokohama Sept 26- Oct 1, 2016 | |
17th World Congress on Pain Boston Sept 12- 16, 2018 | |
18th World Congress on Pain Amsterdam 6/27-7/21' 2021 | |
IASP 2022 World Congress on Pain Tronto Sept 19-23, 2022 |
2004-2005 | Global Year Against Pain The Relief of Pain Should Be a Human Right |
2005-2006 | Global Year Against Pain in Children |
2006-2007 | Global Year Against Pain in Older Persons |
2007-2008 | Global Year Against Pain in Women real women, real pain |
2008-2009 | Global Year Against Cancer Pain |
2009-2010 | Global Year Against Musculoskeletal Pain←→筋骨格系の痛み →関連 |
2010-2011 | Global Year Against Acute Pain →関連 |
2011-2012 | Global Year Against headache ←→頭痛 |
2012-2013 | Global Year Against visceral pain ←→内臓痛 |
2013-2014 | Global Year Against orofacial pain ←→口腔顔面痛 |
2014-2015 | Global Year Against Neuropathic pain ←→神経障害性疼痛 |
2015-2016 | Pain in the Joints |
2016-2017 | Pain After Surgery |
2018 | Excellence in Pain Education 1/2/3 |
2019 | Global Year Against Pain in the Most Vulnerable →白書(日本語訳) |
2020 | 2020 Global Year for the Prevention of Pain |
2021 | 2021 Global Year About Back Pain |
2022 | 2022 Global Year for Translating Pain Knowledge to Practice 1/2 |
2023 | 2023 Global Year for Integrative Pain Care ←→統合医療 |
Pain Relief |