痛みと鎮痛の歴史年表
全身麻酔 2笑気
1エーテル 3クロロホルム(*,*) 4いろいろ
□全身麻酔薬2:笑気 Nitrous Oxide, Laughing gasの年表 ←→吸入麻酔/笑気





痛みと鎮痛の歴史年表
全身麻酔 3クロロホルム/麻酔の用語麻酔器
1エーテル 2笑気 4いろいろ
□全身麻酔薬3:クロロホルム chloroformの年表 ←→吸入麻酔 参考参考1/2


麻酔の用語 ←→麻酔
77年Pedanius DioscoridesP AD40?〜90?, シシリー生まれのギリシャ人、ネロ皇帝の軍医、薬物学の祖)は、感覚の喪失として、"anaesthesia"という用語を使っていた。
1835年奥田万里(漢方と蘭方の折衷医、各務文献に整骨術を学んだ)は骨折治療書「釣玄四科全書整骨篇」の中で、「麻睡湯」という用語を使用した。
1846年Sir Oliver Wendell HolmesP 1809〜1894, ハ−ヴァ−ド大学の医学部教授、作家、Mortonの友人、Warrenの同僚)は、Mortonの実験を見て、その偉業を称え、エーテル吸入で起きる状態を「Anesthesia」(ギリシャ語、an-aisthesia, 無ー感覚)と提案した。
1850年
嘉永3年
麻酔」という用語は、杉田成郷(せいけい、1817/12/18〜1859/3/23、玄白の孫、蘭学者)が初めて使った。成郷が翻訳した「済生備考」「亜的耳吸法試説」は、もともとドイツ語で書かれたJ. Schlesingerの「ether anesthesia 」のオランダ語版を訳したもので、鎮痛状態と意識消失を「麻酔」と表現した。
 「麻」:analgesia or loss of regional sensation
 「酔」: loss of consciousness
 Most people consider that "Ma" is originated from " (Hemp, Asa)" or "(Marihuana, Taima)", however, this is definitely incorrect and "Ma " of "Ma-sui" has no direct relation with the pharmacological effect of hemp.*
1905年Heinrich BraunP 1862〜1934, ドイツの外科医)が、「局所麻酔」に関する教科書を出版した。
1922年Louis Gaston LabatP 1876〜1934, アメリカ)が「Text Regional Anesthesia 区域麻酔学」を著した頃には、ほとんどの局所麻酔法は確立されていた。局所麻酔伝達麻酔脊椎麻酔について記載した。


麻酔器
1846年William Thomas Green Morton(1819〜1868, アメリカの歯科医、Wellsの弟子の)とJohn Collins Warren(マサチューセッツ総合病院の高名な外科医)は、新しくデザインしたエーテル麻酔器にLetheonと名づけて、アメリカ合衆国の特許を取得しようとしたが、うまくいかなかった。Letheonは、ギリシャ神話で、その水を飲むと、生前の痛みの記憶を忘れるという忘却の川River Letheに因んでつけた。
1869年Friedrich TrendelenburgP 1844〜1924)が気管内挿管(経気管切開下)を始めた。
1867年Ferdinand Adalbert Junker von Langegg (ユンケル フォン ランゲック P1828〜1902, 英国籍ウィーン大学出身、普仏戦争に従軍、槇村知事らが京都活性化のために招聘した外科医の一人で、Leipzig大学推薦による。日本名:永克、万次郎格)は、ロンドンで「ユンカーの麻酔器 Junker's Inhaler」を発明した。吸入法 insufflation methodeにより、2連球で、空気を送って、ガラス瓶の中のクロロホルムあるいはクロロメチルを気化し、金属マスクで吸入させる。軽便な携帯型で、明治の初めからわが国にも輸入され国産改良型も作られた。
1872年Ferdinand Adalbert Junker von Langeggは、京都府立医科大学の前身の療病院に招かれ、Yunkerの麻酔器を日本に紹介した。
1882年Samuel J. Hayes(1833/6/22〜 Pennsylvaniaの歯科医)が、エーテル ークロロホルム用の気化器を開発した。参考1
1887年F. W. Hewitt(英国)が、一定濃度に調節可能の笑気ガスと酸素の混合麻酔器(吸入器)を製作した。
1889年G. H. Hurd(米国)笑気・クロロホルム麻酔器を開発した。
1895年神翁金斉が、笑気ガス麻酔器を米国から輸入した。
1921年中川小四郎(東北帝国大学杉村外科)が、「アルコールによる経静脈的点滴麻酔法」(独文)を発表した。
1923年Richard von ForeggerP 1872/6/27〜1960 ウィーン→米国の化学者、Foregger Companyの創設者)が、4基の hanger yoke (ボンベ装着装置)とエーテル↑気化器を備えた Seattle 型麻酔器を開発した。
1924年Jay Albion Heidbrink (1875〜1957, Minneapolisの麻酔科医)が、麻酔バッグの圧による作動開閉弁と笑気、エチレン、炭酸ガス、酸素にそれぞれ2基の hanger yoke とエーテル↑気化器を備えた Lundy-Heidbrink 型麻酔器を開発した。
1941年Miller型喉頭鏡の発明
1943年Macintosh型喉頭鏡の発明
1954年Foregger Company の麻酔器が日本に輸入された。
1976年Evansらによって,最初のPCA専用機器が開発・市販された。


参考
Pain Relief