クリーム剤 cream
- 一般にクリームと呼ばれている剤型で、滑らかで伸びが良く、擦り込むことでマッサージ効果を得ることができる。
- 乳化剤により半固形状に油と水分が混ざったものであり、水
の中に油脂を微粒子として懸濁させた w/o 型乳化剤性基剤とも
いえる。
- 軟膏に比べるとべたつきが少なく、薄くのばすと外用薬の色調が消える(vanishing cream)。
- ときに刺激性をもち、皮膚の保護効果は軟膏に劣る。
- 揮散しやすく、汗で流れやすい。
- インテバンクリーム、イドメシンコーワクリーム、エパテッククリーム、セクタークリームなど
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軟膏剤 ointment
- 油脂分を混入させた剤型で、伸びは劣るがクリームに比べてべとつきが少ない。
- 透明から半透明の半固形物質、クリーム剤より揮散しにくいため、持続性がある。
- 他の基剤より刺激が少なく、皮膚の保護作用も強いので、最も頻繁に使用される外用薬の剤形である。
- 油脂性軟膏、乳剤性軟膏がある。
- 薬効成分とその保持体となる剤からなるが、そのうち基剤は容量の約 99%を占める。そのために、創の状態、特に滲出液の量など湿潤環境に与える影響が大きい。
分類 | 基剤の種類 |
疎水性基剤 |
油脂性基剤 |
鉱物性 動植物性 |
白色ワセリン、プラスチベース (ワセリン、流動パラフィン) 単軟膏、亜鉛華軟膏 (植物性、豚油、ろう類) |
親水性基剤 | 乳剤性基剤 |
水中油型 (O/W) |
親水軟膏、バニシングクリーム |
油中水型 (W/O) |
吸水軟膏、コールドクリーム 親水ワセリン、ラノリン |
水溶性基剤 |
マクロゴール軟膏 |
懸濁性基剤 |
ハイドロゲル基剤 |
FAPG基剤 |
- インテバン軟膏、メナミン軟膏、フェルデン軟膏、バキソ軟膏など
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液剤
- アルコールを溶媒として、成分を液化した薬剤で、べとつきが発生しない。
- アルコールに弱い人は使用に注意する必要がある。
- 傷口が深いとアルコールが浸みて強い痛みを伴うことがある
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ローション lotion
- 液剤より広範囲に塗布することを目的とした薬剤で、主に皮膚の乾燥、鎮痒などに用いられる。
- 液体(通常は水)に薬剤を混ぜたもの
- 外用すると水分が蒸発して冷却、収斂作用、保護作用を示すとともに、皮表
に残る薬剤の薬理作用が期待される。
- 基剤となる液体としては、水のほかにアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、チンク油(酸化亜鉛 50 %+オリーブ油 50 %)などがある。
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- 乳剤性ローション、振盪合剤などがある。
- エパテックローション、セクターローションなど
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ゲル剤 gel
- 液剤をゲル状に固めたもので、同じくアルコールを溶媒とする。
- 透明で固形∼半固形である。
- 寒天やゼラチンなどを水やアセトンなどの溶媒に溶かしてゲル状にしたものが用いられる。
- 塗布後、乾燥して薄膜となって皮膚に固着する。
- 溶媒が多量に含まれているゲル薬はジェリーと呼び、粘膜に対して用
いられ、病変部を保護する。
- 液剤より成分の吸収に優れるが、こするとよれが発生し、マッサージには向いていない。
- イドメシンコーワゲル、エパテックゲル、ボルタレンゲル、ナボールゲルなど
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チック剤
- ゲル剤をさらに固めて固形(ハードゲル)状にしたもの。
- 手や衣服を汚さずに、ムラなく塗布できる利点があるが、乾燥しやすく、伸びが悪い。
- フェイタスチックなど、スミルスチック(フェルビナク)
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