1)房室ブロックA-V block:「心p152、初p40、内172」

・心房の興奮が心室へ伝導されるのに時間がかかるか、または途中で途絶するも の。

心房興奮の心室への伝導が、房室伝導系(房室結節、His束、左脚・右脚)において障害されたもの。
 障害の程度によって第1、2、3度に分類される

⇒4)5)6)

<参考>心p145

・興奮伝導障害には、洞房ブロック、房室ブロック、心室内伝導障害(右脚ブロック、左脚ブロック、左脚前枝ブロック、左脚後肢ブロック)等がある。

洞房ブロック:洞結節と心房との間の伝導障害

房室ブロック:心房と心室との間の伝導障害

右脚ブロック:右脚での伝導障害

左脚ブロック:左脚での伝導障害

左脚前枝ブロック:左脚前枝ブロックでの伝導障害

左脚後肢ブロック:左脚後肢ブロックでの伝導障害

 

2)房室接合部:「心p62、初p3」

房室結節とHis束を合わせた部分

<参考>

心臓の刺激伝導系:

   洞結節→房室結節→His束→左脚・右脚→Poukinje線維→心室筋

位置:右房    右房

 

3)CPK(CK):新p328、内p76

Creatine Phospho Kinase。
 心筋が壊死したときに心筋細胞中から遊出される酵素
 心筋梗塞の診断の指標になる

 梗塞発症後6時間前後から上昇し、12 〜36時間で最高値に達し、3〜4日で正常化する。
 一般に正常値上限の2倍以上ある時は心筋梗塞と診断される。正常値:5〜50mU/ml

急性心筋梗塞における心筋逸脱酵素

CK(クレアチンキナーゼ):

  発症のごく早期から逸脱するために診断確定に最も有用な酵素である。

GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミラーゼ)

  発症6ー12時間に急上昇し、4ー8日間続く。

LDH(乳酸脱水素酵素)

  発症12ー24時間に上昇し、7ー14日間続く。

<参考> 

         心筋梗塞後の血清酵素活性の変動

    上昇開始(時間)   最高値(日)    正常化(日)

CPK: 3ー 6           0.5ー1.5        3ー 5

GOT: 6ー12              1ー2           4ー 5

LDH: 6ー12                               8ー14

 

4)第1度房室ブロック:「心p152、初p40、内p172」

・房室伝導時間(PQ時間)が延長したもの。

・PQ間隔は一定であるが0.20秒以上に延長している。QRSの脱落はない。

・心房の興奮の始まり(P波の始まり)から、心室の興奮の始まり(QRSの始まり)までの時間(PR時間)が延長する。

 

5)第2度房室ブロック:心p152、初p40、内p172、不80・85

・第2度房室ブロックでは、P波とQRSの数に不一致が生じる。そのため伝導 比、すなわちP波の数:伝導されたQRSの数として表現する(例2:1、  3:1ブロック等は高度の伝導障害を示す第2度房室ブロック)。2:1房室ブロ ックは、P波にQRSが伴うものと伴わないものが1つ置きにおこるもの

 1)Wenckebach型(Mobitz T型)房室ブロック

  房室伝導時間が次第に延長し、ついに房室伝導の中断する現象が周期的に反復して起こるもの。
 PQ間隔が徐々に延長、ついにP波に続くQRS波が脱落する。

  2)Mobitz U型房室ブロック

 ・房室伝導が突然中断するもの。P波に続くQRS波が突然に脱落する
 脱落した部分のRR間隔は平常RR間隔のほぼ2倍。

  ・ヒス束より下部での伝導障害が示唆される。

  人工ペースメーカーの適用検討{ADAMS-STOKES症候群(不整脈によって生じた意識消失発作)を起こす可能性あり

 

6)完全房室ブロック(第3度房室ブロック):「心p152、初p41、内p173」

房室伝導が完全に中断されたもの。P波とQRS波が互いに無関係にそれぞれ独自の周期で出現する
 PP間隔はRR間隔よりも短い。すなわちP波の数がQRS波の数よりも多い

・房室伝導が完全に途絶しているために、心房の興奮が心室に伝わらず、
 心室は ブロックされた部位より下位から発生した刺激により補充調律の状態で収縮している。
 人工ペースメーカーの適用考慮(ADAMS-STOKES症候群を起こす可能性あり)

<参考>

第1度房室ブロックとWenckebach型房室ブロックは副交感神経の緊張等で生る。

MobitzU型房室ブロックと完全房室ブロックは器質的心疾患(心筋梗塞、心筋 炎など)で生じる。

 

7)洞房ブロックS-A block:「心p147、初p38、内p170」

洞結節に生じた刺激が、洞房間における伝導障害のため心房に伝達されないか、または伝導に時間を要するもの

・洞結節周辺部の変性・線維化・炎症を引き起こす疾患(虚血性心疾患、心筋炎、ジギタリス中毒、洞機能不全症候群)などで起こる。

・第1度洞房ブロック:洞結節の電位は記録されないため診断できない。

・第2度洞房ブロック:

   T型(Wenckebach型洞房ブロック):PP間隔が次第に短縮しついにはP波がQRSとともに脱落する型をくり返す。

    U型(MobitzU型洞房ブロック):P波が突然欠落。PP間隔が2倍または3倍など整数倍に延長

洞機能不全症候群(SSS:sick sinus syndrome):心p150

 冠動脈硬化、心房アミロイドーシス、心房筋の線維化などがあり、自律神経や内分泌系 が関与することもある。
 老人に多く見られる。失神発作がある場合は人工ペースメーカーが適応となる。

 

8)補充調律escaped rhythm:「心p141、初p39」

下位中枢が受動的にペースメーカーとなり、心臓調律を支配して生じたもの。

(下位中枢)心房、房室接合部、心室がペースメーカーとなって生じる心臓調律

補充収縮が連続する場合を補充調律という。

・受動的刺激生成異常

 

9)補充収縮:「心p141、初p39」

・高度徐拍、洞停止、洞房ブロック、房室ブロック、期外収縮後および心停止直前あるいは心停止回復直後などで、
 心室の休止期が長くなったときに房室接合や心室が受動的に自動能を発揮して起こる収縮

除脈性の不整脈が発生しると、その除脈を補充するように
 下位中枢(心房・ 房室接合部・心室)から刺激発生がおこり、これを補充収縮
という。

・受動的刺激生成異常

 

10)Holter心電図:「心p38」

携帯型磁気テープによる長時間記録心電図法
 日常生活中の心電図を記録し、 その長時間の記録を短時間で解析するのが特徴。
 通常の心電図で記録困難な発作性不整脈、狭心症発作時、動機・めまい・失神・などの
 心愁訴時の心電図変化を記録することが可能。CM誘導はST−T変化をみやすい。

・長時間心電図(24時間のものが多いが72時間位のものもある)