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■ 懇談会の活動についての記事
- 市民団体が喫煙問題でシンポ(2004年9月16日 東奥日報)
本人や周囲の人の健康への悪影響がさまざまな研究成果で指摘されている、たばこの喫煙。受動喫煙防止を義務化した健康増進法が二〇〇三年五月に施行され対策を実施する施設は増えたが、十分には浸透していないのも事実だ。こうした中、「明るく楽しい禁煙活動」を掲げる県タバコ問題懇談会のシンポジウム「青森県の喫煙問題を考える」が八月下旬、青森市内で開かれた。関係者が禁煙などの取り組みを報告したシンポの様子を紹介しよう。
妊婦と未成年者の喫煙・飲酒防止に向けた啓発事業を説明したのは、県薬剤師会地域保健委員長の金田一成子薬剤師だ。
県薬剤師会は呼気測定で喫煙状況を当てる「スモーカーライザー」や啓発パネルなどの備品を購入し、県内六支部に貸し出している。
金田一薬剤師は「各地で啓発活動を展開している。イベント会場では多くの人が関心を寄せる」と話した。
小泊村の三和真澄保健師は、幼児向け人形劇「エプロンシアター・元気王国物語」を紹介した。
たばこを勧めるニコチン大臣と、赤ちゃんの誕生を控えた王子様とお姫様が登場し、たばこの胎児への影響を伝える内容だ。喫煙開始年齢が低化する中、幼少期から正しい知識に触れさせるのが狙いで、村と保健所、子育てサークル会員、保育所職員らが制作した。保育所や育児セミナーで上演しているという。
三和保健師はシンポで実際に上演、「この劇だけでたばこを吸わなくなるとは思わないが、年代に応じた教育を繰り返すことで効果が出ていくのではないか」と語った。
また、六月まで県看護協会の助産師職能委員長を務めていた角田つね助産師は、妊産婦向け禁煙支援マニュアルの冊子の作成事業を説明した。
従来は妊産婦向け禁煙指導・外来の資料はなく、県内で禁煙教室を行う産婦人科は少なかった中、きめ細かな禁煙支援プログラムを構築。問診票やニコチン依存度テスト、禁煙指導に使う妊産婦との交換日記などの資料と一緒に、マニュアルとして冊子にまとめた。
現場の助産師がコピーしてすぐ使えるのが特徴。角田助産師は「妊産婦と次世代の子どもたちの健康を守るため、一人でも多く禁煙支援に活用して」と呼び掛けた。
このほか、五年以上前から学校敷地内禁煙に取り組んでいる青森山田高校の宮本正副校長は「お客さまも会議も、すべて禁煙で、敷地内に吸い殻はゼロ。未成年者にはたばこを吸わせない厳しさと、啓発と両輪での対応が必要では」と述べた。
弘大医学部公衆衛生学講座の坂野晶司医師は、(1)自販機問題(2)未成年者対策(3)飲食店の禁煙席(4)公共スペース(5)タバコ農家−の五つの視点から本県のたばこ問題を総合的に解説した。
「本県の学校禁煙化の取り組みは、全国では中くらい」「禁煙席を増やすには、利用者が声を上げるべきだ」「空港、駅ビルなど街の顔や、混雑する夏祭りなどでの禁煙の徹底が必要」と指摘し、県民一人ひとりの意識向上と実践を訴えた。
会場からは「小学校から喫煙予防教育を」など、禁煙教育の拡充を求める声が寄せられた。
懇談会の世話人を務める久芳康朗医師は「学校や医療機関の禁煙化は、成果でなくスタートラインにすぎないが、そこに至っていないのが実情。今後は行政や医療・教育関係者と連携しながら、啓発イベントや喫煙率低下に向けた事業の開催、禁煙外来や禁煙教育を行う態勢の整備を進めていきたい」と話している。(社会部・岡田圭逸)
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県タバコ問題懇談会 1998年に「県喫煙問題懇談会」として発足、04年4月に名称変更した。たばこ問題に関心のある医療、福祉、教育、行政などの関係者と県民で構成。受動喫煙をなくすことや、未成年と妊婦の喫煙率0%実現を目標に、喫煙予防教育や禁煙治療の普及、啓発活動などを行う。事務局は県保険医協会(電話017-722-5483)内。
※写真=幼児向けの喫煙防止教育である「エプロンシアター」を上演する三和保健師(左から2人目)をはじめとした5人のシンポジスト
- 青森県タバコ問題懇談会 結成シンポジウム
医療・教育・行政が協力して 明るく楽しい禁煙運動を展開しよう
(2004年9月1日 青森県保険医新聞)
−青森県の喫煙問題を考える− [PDF1.8M]
八月二十八日、県タバコ問題懇談会と本会共催よるシンポジウム「青森県の喫煙問題を考える」が、県教育会館で開催された。参加は、医師、歯科医師、行政、市民など、四十名が参加した。
開会挨拶で、タバコ問題懇談会世話人・蓮尾豊先生が、同会の発足から現在までの経過や、無煙社会に向けた取り組みの必要性を述べた。特に学校現場と医療との連携を重視しているとし、「医療・教育・行政が協力して『明るく楽しい禁煙活動』を一緒に展開していこう」と呼びかけた。
続いて、同シンポジウムの後援をした県から、健康福祉部保健衛生課・宮川隆美氏が来賓出席した。
同氏は、「健康あおもり21でもタバコ問題は重点項目である。本県は男女とも喫煙率は全国平均を上回っているし、全国一位の短命県でもある。私どもは皆様方と一緒にタバコ問題を考え、県に広く禁煙問題を普及させていきたい」と挨拶した。
シンポジウムは、同世話人・山崎照光、久芳康朗両先生をコーディネーターに進められた。
■「地域、若者の関心高い」
シンポジストの一人目、県薬剤師会地域保健委員会委員長・金田一成子さんは「薬剤師会の取り組み」について説明した。
これまでの活動により、「成人式でタバコについて啓発を依頼されるようになった。集客施設で行う啓発活動では、若い人が興味を示すようになった」と、地域や若者の禁煙に関する関心が近年高まってきていることを報告した。
■幼児向けにエプロンシアターで防煙教育
小泊村保健センター・三和真澄さん(保健師)が「小泊村の禁煙対策」と題し、ユニークな防煙教育エプロンシアターを紹介した。これは幼児向けの防煙教育の教材として村の保健師や保育所職員等で作成したもの。三和さんは実際にエプロンを舞台に人形を動かしながら実演、「幼少期からタバコの害について正しい知識に触れさせることが、将来の無煙世代育成につながる」と述べた。
■妊産婦への禁煙支援プログラム
県看護協会・角田つねさんは、「妊産婦と子どもをタバコの害から守るために−県看護協会助産婦職能委員会の取り組み」について報告した。
平成十四年度の県内産婦人科施設における禁煙指導の実態調査結果をもとに、一施設でも多く禁煙支援に活用することを目的に作成された「妊産婦への禁煙支援プログラム」について紹介した。
■健康・秩序を守るため毅然とした対応
四人目は、青森山田高等学校副校長・宮本正さんが「山田高等学校の取り組み」について紹介。「校長の強いリーダーシップにより、本校は健康増進法が施行される前から禁煙の取り組みをしている」とし、教職員の学校内敷地内禁煙などを実施している。
同校の生徒には、タバコを吸ったら即退学、敷地内でタバコを吸った教師にも退職処分がされることなど、毅然とした態度で臨む必要があるとした。
■禁煙支援取り組みの遅れを指摘
弘前大学公衆衛生・坂野晶司先生(医師)は「青森県におけるタバコ問題の分析」について述べた。
同先生が独自に考えたタバコの評価方法として、「VESPA方式」を紹介した。これは、
一、タバコ自販機対策 二、未成年への教育 三、禁煙席の確保 四、パブリックスペース 五、農業問題の対策、など五つの観点から調査した結果を報告した。
これらの結果から、禁煙対策の遅れを指摘、禁煙の取り組みの必要性を強く訴えた。
自由討論では、小、中学校現場での禁煙教育の必要を求める意見が数多く出され、会として、医療、教育、行政などで連携して禁煙対策や情報発信を進めていくことを確認した。
シンポジウムの最後に、無煙社会向けて「十の提言」が会場の拍手で採択された。
- 無煙社会実現へ県タバコ懇シンポ(2004年8月29日 東奥日報)
県タバコ問題懇談会(木村茂会長)のシンポジウム「青森県の喫煙問題を考える」が二十八日、青森市の県教育会館で開かれた。行政や医療保健の立場から五人が禁煙に向けた活動事例や現況を発表。「路上喫煙禁止条例の制定を」「全小学校で防煙教育を」などとする「無煙社会に向けての10の提言」を採択した。
シンポは、同懇談会が二〇〇四年四月に前身の「県喫煙問題懇談会」から名称変更したことを受けて企画した。会員のほか行政、医師、保健師、助産師、市民など約四十人が参加した。
県薬剤師会地域保健委員会の金田一成子委員長は「集客施設などで行う普及啓発活動では若い人が興味を示す。備品貸し出しを頼まれたり、成人式でたばこについて啓発を依頼されるなど、地域で関心が高まってきている」と述べた。
自由討論では、小学校から中学校での禁煙教育の必要性を求める意見が出され、医療・教育・行政の各機関と連携して禁煙対策や情報発信を進めていくことを確認した。
- 医療・教育・行政・市民との連携を タバコ問題懇談会準備会(2004年4月15日 青森県保険医新聞)
懇談会で今後の活動を協議 未成年の防煙教育 行政、医師派遣の窓口にも
四月十日(土)、タバコの害から県民の健康を守るため研究、調査、学習、運動を行うことを目的に、県喫煙問題懇談会準備会が青森市・アウガで開催された。これには医師や薬剤師、保健師、教育関係者など計十五名が参加した。
同会は、一九九八年に発足し、これまで深浦町のタバコ自販機撤去支援運動や、世界禁煙デーの企画などの活動を行ってきた。
今会合では、昨年五月施行の「健康増進法」を受け、今後の会の在り方や活動、企画について話し合った。
会では、タバコ問題に関心のある医療、教育・保育、行政、保健・福祉、一般市民などを中心に、広くネットワークを組んでいくことを確認した。今後の活動について、小中学生など未成年に対する防煙教育や、タバコ問題に関する情報収集とその共有、ホームページ開設など提案された。
この他、五月三十一日の世界禁煙デーでの企画などについても意見が出され、詳細については今後詰めていくこととした。参加者からは「なぜタバコは悪いのか、楽しくPRできる仕組づくりが必要」「会の誰もが簡単に講演できるようなスライドづくりを」などの案が出された。
名称についても、これまでの「青森県喫煙問題懇談会」から「青森県タバコ問題懇談会」へと変更し、今後、会員を募るため広く案内していくこととした。
本会が本会会員を対象に今年一月実施した「タバコに関するアンケート」の質問項目の「県喫煙問題懇談会に参加しますか」には、六十四名が「参加したい」と回答している。
- 教育機関と連携を 県タバコ問題懇 活動方針など協議(2004年4月11日 東奥日報)
県内で禁煙の取り組みを進める「県喫煙問題懇談会」(木村茂会長)は十日、青森市男女共同参画プラザで準備会を開き、懇談会の在り方や今後の事業・企画について協議した。二〇〇三年五月の健康増進法施行などを受け、会の名称を「県タバコ問題懇談会」と改め、教育機関との連携や、ホームページによる情報発信などを実施していく方針を申し合わせた。
同会は、タバコ問題にかかわる研究、調査、学習、運動を行うため、医師や保健師、教育や行政機関などの関係者で一九九八年に結成。禁煙活動に携わるさまざまな立場の人が連絡・協力し、一団体では進展の難しい課題に取り組もうと、講演会などを行っている。
会合には十五人が出席し、各団体の取り組みや、現状と課題について紹介。「喫煙の問題点が楽しみながら分かるような仕組みをつくるべき」などの意見が出された。事務局を県保険医協会(電話017・722・5483)に置き、県民に加入を呼び掛けていく。