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平成28年度のこころの総合人間科学(参考)

こころの総合人間科学概論長谷川壽一、小池進介

人間(及び動物)の行動や心理、神経活動、そしてこころの健康については、東京大学内の複数の学部、研究科で、多様なアプローチから教育と研究が行われている。欧米の大学では、心理学部あるいは認知神経科学部といったまとまったユニットで行われる教育が、東大に限らず我国では分散して行われているのが実情である。そこで、この講義では、「学内の壁」を低くし、東大のこころの科学(神経科学、心理学、認知科学、発達精神医学、実験社会科学など)の全体像と最前線を俯瞰できるようなオムニバス形式の講義を提供する。この講義を通じて受講者は、こころの多様性と適応について理解し、こころの健康に関する広い知見を学ぶことができる。

開講学部
教養学部
開講学期・時限
A1A2・金曜5限(16:50-18:35)
他学部聴講
可 ※ 受講生以外の学生、教職員も受講可
教室
駒場キャンパス内(詳細未定)
授業計画
初回のイントロダクションのあと、こころの総合人間科学を次の4領域に分け、それぞれ3人の教員が講義を担当する。a)神経科学・生物心理学、b) 実験心理学・認知科学、c) 社会心理学・実験社会科学、d) 教育臨床心理学・発達精神医学。
授業の方法
計13名の教員によるオムニバス授業。講義のあとに15分程度の質疑応答時間を設ける。
成績評価方法
毎回、ミニレポートを提出。
日付 講師 所属 題目
1 9月30日 長谷川・小池・明地 - オリエンテーション
2 10月7日 高橋美保 教育学部 臨床心理学入門
3 10月14日 加藤淳子 法学部 社会科学の認知神経科学的アプローチ
4 10月21日 榎本和生 理学部  (未定)
5 10月28日 笠井清登 医学部 思春期学
6 11月4日 池谷裕二 薬学部 脳創発学
7 11月11日 亀田達也 文学部 実験社会科学入門
8 12月2日 橋元良明 情報学環 若者の情報行動とネット依存
9 12月9日 横澤一彦 文学部 認知心理学入門
10 12月16日 島津明人 医学部 職場のメンタルヘルス
11 12月23日 佐々木正人 教育学部 生態心理学
12 1月6日 金生由紀子 医学部 発達精神医学入門
13 1月12日 熊谷晋一郎 先端研 当事者研究

こころの総合人間科学特論小池進介

こころの問題は近年注目されており、うつ、発達障害、認知症といった精神医学的な視点から、いじめ、虐待などの社会問題まで、幅広くとりあげられるようになった。同時に、遺伝子改変や神経細胞刺激による神経活動や行動の変化、MRIや脳波を用いた脳構造・機能の検討、大規模調査や診療報酬明細書を用いた多変量統計モデリングなど、各分野でこころの問題の解明に向けて研究が進んでいる。こころの総合人間科学概論が、オムニバス形式のこころの科学に関わる最先端の研究を学習するのに対して、特論ではより臨床医学に即した研究や実践を学習する。

開講学部
教養学部
開講学期・時限
A1A2・金曜4限(14:55-16:40)
他学部聴講
教室
駒場キャンパス内(詳細未定)
授業計画
以下の主題を計画しているが、こころの総合人間科学概論の講義内容に対応させ、講義順序・内容を変更する予定である。詳細は、UT-Mateおよびホームページに後日掲載する。
  • こころの不調と精神疾患
  • 臨床精神医学
  • 神経科学
  • 精神疾患の脳画像研究
  • 思春期発達
  • コホート研究
  • 社会精神医学
  • 精神疾患へのスティグマ
授業の方法
講義
成績評価方法
授業終了後の小レポートにて評価する。
参考書
思春期学.長谷川 寿一 (監修), 笠井清登 (編集), 藤井 直敬 (編集), 福田 正人 (編集), 長谷川 眞理子 (編集). 東京大学出版会, 2015.

こころの総合人間科学演習小池進介、明地洋典

受講者自身の研究発表を行い、所属の異なる学生同士での意見交換を通して他学部・分野の実際を知り、こころの多様性と適応についての多面的な視点を得ることを目指す。こころの総合人間科学のほかの講義(概論、特論)と連携して、相互理解を深める。

開講学部
教養学部
開講学期・時限
A1A2・集中(平成29年1月30~)
他学部聴講
教室
未定
授業計画
主に学部4年生が自身の卒業研究の進捗や計画などを発表し、参加者間で意見交換を行う予定だが、学部2、3年生や大学院生の参加も歓迎する。
授業の方法
ゼミ形式
成績評価方法
授業への出席、発表、レポートにて評価を行う。

脳認知科学実習四本裕子、中谷裕教

fMRIの仕組み、実験方法、MRI/fMRIの撮像、データの解析、その解釈の方法を学ぶ。講義では、教科書や論文を精読し、議論する。実習として、班ごとにfMRIを用いる実験を計画し、計画に沿って実験を行い、取ったデータを解析する。

解析にはFreeSurferソフトウエアを使用する。解析に必要なPCやソフトウエアは学科が所有するものを使用する。

開講学部
教養学部
開講学期・時限
S2・火曜4限,火曜5限
他学部聴講
教室
3号館 116室
授業計画
MRI実験の安全と倫理、MRI/fMRIのしくみ、実験デザイン、MRI操作講習、解剖MRI、機能的MRI(BOLD)、解析法、応用
授業の方法
講義初日に4~5人のグループを4~5班程度作成する。その後の実験はこの班での共同作業となる。座学50%、実習50%の割合となる。
与えられた課題の予習は絶対に必要な条件として課す。予習を怠った場合には、その後の受講を認めない可能性がある。
成績評価方法
議論への貢献度、グループワーク、筆記試験の結果を総合的に評価する。
履修上の注意
S2ターム制の講義である。
受講生の上限を25名程度とする。希望者がその数を上回る場合には、受講が許可されない場合があるので十分留意すること。
受講を希望する者は、4月中に担当教員にメールで申し出ること(希望者多数の場合は、早めに締め切る場合があるので、早めの連絡をお願いします。)。この時点での希望は後ほど変更可能であるが、受講希望者が上限を上回った場合には、4月中に受講の旨を申し出ている学生を優先する。受講希望者が上限を上回った場合の履修許可の判断は、担当教員が行う。
履修登録しない者の聴講は認めない。

臨床発達精神医学実習小池進介、明地洋典

メンタルヘルスが近年注目され、医療においては精神科のニーズが高まっている。ひとくちに精神科医療といっても、その対象は、発達障害のように小児期に始まる問題から認知症のように老年期に起こる問題まで、ライフステージに沿って様々である。また、外来や入院という治療形態、都会と地方の医療体制などによっても、多様なあり方が存在している。履修者は、この実習を通して、複数の精神科医療場面を見学・実体験し、今後の精神科医療のあり方を考察する。

開講学部
教養学部
開講学期・時限
通年・集中
他学部聴講
教室
その他(学外等) シラバス参照
授業計画
下記日程にて初回講義を行い、小テストを実施しますので、どちらか参加してください。
7月29日18時30分から 駒場17号館1732号室
8月4日9時から 駒場17号館1732号室
8月5日9時から 本郷 東大病院臨床研究棟A 1階(精神神経科医局)
地図参照。8時55分に玄関前集合、もしくは玄関前の電話を使って33605までかけてください)
夏季休暇、Aタームで、実習先で実習を行う。
2月初旬に、まとめの発表を行う。
授業の方法
まず、講義形式で、ガイダンスおよび精神医学の現状と実習に必要な心構えを学習する。実習場所と日程は複数用意し、履修者の希望に合わせて調整する。まとめの発表では、各自が実習先の体験とそれに基づく考察を発表して、議論を進めて相互に学び合う。
成績評価方法
実習の出席と、レポートによる。
履修上の注意
医療機関での実習が中心となるので、医療機関での基本的な注意事項を身につける必要がある。そのため、最初2回の講義の出席を必修とし、その後に行われる小テストに合格しない場合は、実習参加が認められない。

進化認知科学実習小池進介、明地洋典、中谷裕教

ヒトを含めた種々の動物種の行動・学習の根幹を支え、こころの病に対する治療にも応用されている「オペラント条件付け」の概念、およびその手法について、マウス/ラットを対象とした実際の条件付けを通して、理解・習得することを目標とする。

開講学部
教養学部
開講学期・時限
A1A2・集中
他学部聴講
教室
未定
授業計画
冬学期中に集中講義形式で実施。
授業の方法
実習形式
成績評価方法
出席およびレポートにより評価
履修上の注意
実習形式のため受講者数を制限する場合がある。

精神医学荒木剛

Nature誌の2010年の新年号は、その冒頭の論説に「A decade for psychiatric disorders」を掲げ、これからは精神疾患のための10年になるだろう、と論じた。(Nature 468:9,2010)

諸外国ではこころの病(精神疾患)への様々な取り組みが1990年代から行われており、その重要性がますます高まっており、がん・循環器疾患とならぶ『三大疾患』のひとつに位置づけられ、研究や支援が行われている。

日本においても、 こころや脳は、いまや社会の重要な関心テーマとなっている。2007年より日本の医療計画制度が「4疾病5事業」として開始され、4疾病とは、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病を指し、5事業とは、救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児救急医療を含む小児医療を指す。2013年より精神疾患と在宅医療が加わり、「5疾病5事業及び在宅医療」とrenewalされた。メンタルヘルスの重要性の高まりが日本においても、政策へ反映され始めている。

本講義では、こうした重要性を認識されてきた人間の精神機能の障害である精神疾患の現時点までの知識を広く学び取ってもらい、実際の生活場面で生かすことのできる知恵を得てもらうことが目標である。精神疾患の背景となっている脳についての科学的研究も合わせて紹介することがある。

開講学部
教養学部
開講学期・時限
S1S2・木曜4限
他学部聴講
教室
法文2号館 1番大教室
授業計画
気分障害、統合失調症など各精神・神経疾患などについて順次講義をしていく。さらに、臨床心理士などからの講義もあわせておこない、 メンタルヘルスを様々な切り口から垣間見てもらえればと考えている
授業の方法
以下のような3部構成にすることを予定している
  • 基礎的な知識を伝える講義形式(60分)
  • 質疑応答(15分) 
  • 講義に対するreaction paperへの記入(15分)
成績評価方法
最終回の筆記試験によって評価する。
reaction paperの提出により出席を把握し、講義への参加回数が少ない場合は合格とはならない
参考書
  • 現代臨床精神医学 (金原出版)
  • TEXT精神医学 (南山堂)
  • 標準精神医学 (医学書院)
履修上の注意
reaction paperの代筆は認めない
reaction paper提出時には、毎回、学生証を提示し、担当教員に手渡すこと

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