ごあいさつ
ごあいさつ / Greetings from the President
- 機構長
- 岡ノ谷一夫
- 総合文化研究科

東京大学総長室総括委員会「こころの多様性と適応の統合的研究機構(UTokyo Institute for Diversity and Adaptation of Human Mind: UTIDAHM)」は、平成27年6月に設立しました。その目的は、東京大学が豊富に有するこころの理解にかかわる研究者を結集して、こころの多様性と適応の統合的研究の発展を図り、総合人間科学の国際的拠点形成を目指すとともに、学融合的な分野の若手研究者を育成することにより、人と人が共感し協力しあうこころの健康社会の創成に貢献することです。
設立以後、各部局の支援のもと順調に活動を行うことができ、専任教員2名の配置、新たな共同研究の開始、参加部局の拡充など、大きく成長することができました。また、平成29年度に発足した「人間行動科学研究拠点(CiSHuB)」、平成30年度に採択された世界トップレベル研究拠点プログラム・ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI IRCN)とも密に連携し、今後全部局の融合を目指した共同教育研究体制の構築を目指しております。
教育面でも、東京大学部局横断型プログラム「こころの総合人間科学教育プログラム(Program for Human Integrative Science and Education of Mind: PHISEM)」の運営を平成28年度より開始しました。メイン講義である「こころの総合人間科学概論」は100名近い履修者を数え、MRIの原理から計画立案、実際の計測、解析までを学習できる「脳認知科学実習」、医学部以外の学生にさまざまな精神科医療保健福祉現場を体験させる「臨床発達精神医学実習」など、バラエティに富んだ講義や実習があり、学生の認知度も高まってまいりました。発足2年目にして、5名のプログラム修了生を輩出するなど、部局横断型プログラムではトップクラスの成果を挙げています。
今後は、これらの研究と教育体制を基盤に、大学院教育、若手研究者育成、国際化対応を強化し、本機構がこころの科学教育・研究における世界トップクラスの地位を占めるよう、取り組んで参ります。

Concept

平成30年度シンポジウム報告
2018年10月5日平成30年度シンポジウム
今回もあいにくの雨天でしたが、200名以上の皆様にご参加いただきました。ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました。
東京大学こころの多様性と適応の統合的研究機構 公開シンポジウム
「こころの適応を探る」
- 日 時
- 2018年10月5日(金)15:00~19:00
- 開催場所
- 東京大学 駒場Iキャンパス 数理科学研究科棟 大講義室
岡ノ谷一夫機構長から開会のご挨拶として、当機構の研究活動および当機構が運営する部局横断型教育プログラム「こころの総合人間科学」の活動状況等が説明されました。その後、当機構委員および学内の研究者による研究発表が行われました。ポスターセッションでは、学内の各部局の若手研究者による発表が行われ、聴衆の方々も含め、活発な議論の場となりました。最後に、笠井清登副機構長より、分野横断的な議論が増えてきたことを喜ばしく思うとともに、今後より一層、分野横断的な研究の推進を願う旨のご挨拶があり、会が締めくくられました。
プログラム
- 開会挨拶
- 岡ノ谷一夫 機構長(総合文化研究科)
- 研究発表
- 閉会挨拶
- 笠井清登 副機構長(医学系研究科)
- 司会
- 小池進介(こころの多様性と適応の統合的研究機構)
研究発表
- 岡ノ谷一夫(総合文化研究科)
- 「ラットの高次認知機能の行動学的探索」
- 岡本雅子(農学生命科学研究科)
- 「匂い知覚に関わる認知処理:ヒトの生理計測」
- 西大輔(医学系研究科)
- 「レジリエンスと心的外傷後成長」
- 加藤淳子(法学政治学研究科)
- 「社会における人間の行動を理解するとは?」
ポスター発表優秀賞
- 黄子彦(総合文化研究科)
- 「ストレス体験の精神症状に対する特異性と共通性」
- 井上裕香子(総合文化研究科)
- 「“利他的”な嘘は許容されるのか?」
- 佐藤由宇(薬学系研究科)
- 「聴覚または視覚による文章理解時の生体シグナル比較」