ごあいさつ

ごあいさつ / Greetings from the President

機構長
長谷川寿一
総合文化研究科
長谷川壽一

 現代は、少子高齢社会を担っていく子どものこころの健やかな成長や、若者が希望を持って生きられる社会の構築がいっそう求められています。こころの発達の過程における問題は横断面による理解だけでは不十分です。家族や学校や仲間など周囲との相互作用を通じて本人のこころに取り込まれたものが発達に寄与してさらに周囲との関係を変化させるということを繰り返すうちに、こころの問題が悪化することもあります。このような本人と周囲との相互作用の連鎖が発達に寄与することは子ども期について強調されがちですが、思春期・青年期でも重要です。

 さらには、自我や価値観などの人間性が成熟するライフステージとしての長い思春期・青年期は、人に特有であることが知られている一方、人類史上まれに見るスピードで変化する社会・人工環境のなかで、人間の脳とこころがどのように適応していくのかを解明するには、系統発生・進化心理学的視点も必要になってきています。

 個人の脳とこころが乳幼児期から成人期までの段階を経て多様性をもつにいたり、社会との相互作用のなかで適応していくという総合人間科学的視点からのこころの理解は、その重要性にもかかわらず実際には十分に行われてきませんでした。

 このような背景から、東京大学では、総合文化研究科、医学系研究科、人文社会系研究科、教育学研究科、法学政治学研究科の緊密な連携により、ここに「こころの多様性と適応の統合的研究機構」を設置致しました。平成28年度より、理学系研究科、薬学系研究科の2部局を新たに迎え、7部局で東京大学のこころの科学研究をさらに推進します。

 本機構は、心理学、実験社会科学等の人文社会科学と精神医学等の医学の融合、および基礎と臨床研究の融合を目指します。さらには、学内関連部門との連携により、こころの発達と障害に関する総合人間科学的教育を学生、若手研究者、若手実践家に提供することによって、領域横断的な人材の育成にも取り組んで参ります。

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Concept

図

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シンポジウム報告

2016年シンポジウム報告

雨天にも関わらず、多くの皆さまにご参加いただきました。ご参加いただいた方々、どうもありがとうございました。

東京大学こころの多様性と適応の統合的研究機構 公開シンポジウム
「学際的人間行動科学研究の新展開」

日  時
2016年9月22日(木) 13:00~16:50
開催場所
東京大学 本郷キャンパス 医学部教育研究棟14階 鉄門記念講堂
司  会
小池進介(こころの多様性と適応の統合的研究機構)
明地洋典(こころの多様性と適応の統合的研究機構)

機構長の長谷川寿一による設立趣旨・機構概要の説明に続き、保立和夫先生(理事・副学長)および宮園浩平先生(医学系研究科長)からご祝辞をいただきました。「こころ」の領域について分野横断・統合的な研究が進展されることへのご期待の声をいただきました。続いて、当機構に参加する研究者を含む、こころに関する様々な分野の研究者による研究発表が行われました。ポスター発表セッションでは、様々な分野の若手研究者による発表が行われ、こころに関する領域横断的な研究の発展を期待させる活発な議論の場となりました。

プログラム

開会挨拶
機構長 長谷川寿一(総合文化研究科)
祝辞
東京大学理事・副学長 保立和夫先生
医学系研究科長 宮園浩平先生
講演
「モデル生物研究から心を生み出す神経基盤を探求する」
榎本和生 (理学系研究科)
「時間の知覚と皮質間ネットワーク」
四本裕子 (総合文化研究科)
「精神疾患へのスティグマ」
小池進介 (こころの多様性と適応の統合的研究機構)
「開発経済学におけるフィールド実験の革命」
澤田康幸 (経済学研究科)
ポスター発表
 
閉会挨拶
笠井清登(医学系研究科)

キックオフシンポジウム報告[2015年6月13日開催]

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