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日本医学教育学会大会発表「医学生生理学クイズ大会2017(PQJ2017) の成功と医学学習に与える好影響」

「みなさん、医学の学習は、楽しいですか?」

昨日(8月4日) 、第50回 日本医学教育学会大会(東京医科歯科大学)にて「医学生生理学クイズ大会2017(PQJ2017) の成功と医学学習に与える好影響」と題して、発表を行った僕の第一声です。

僕たちが開催した医学生生理学クイズ2017(PQJ2017)については、すでに日本生理学会雑誌(第79巻4号 P.78-80)に開催レポートを投稿しておりましたが、
http://plaza.umin.ac.jp/…/%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E7%94%9F%E7%94…

今回、改めてPQJ2017を振り返り、アンケートデータの統計分析を行いました。結果、クイズの英語難易度についてのみ、低学年(3年以下)と高学年の間で受け止め方に有意に差が出るなど、興味深い傾向が観察できました。

さて、冒頭の質問に対しては、首を縦に振る人も、横に振る人もいました。医学の学習は本来はとても楽しいものだと、僕は思います。しかし、周りを見渡してみると、なんてつまらなさそうに医学の勉強をする医学生が多いことでしょう。
医学の勉強が面白くない大きな理由は、大抵の場合、それが①孤独に勉強し、②勉強した成果がすぐに表れない、③机や画面に向かい続ける単調な作業、であるからです。これらすべては面白くない上に、印象に残りにくく学習としては非効率です。
これに対して、医学クイズ大会は①仲間と一緒に勉強し、回答する、②回答した結果が正解、不正解としてすぐに表れ、試合の勝ち負けにつながる、③大会会場で仲間やライバルと一緒に緊張したり喜んだり、感情を揺さぶられる瞬間に満ちている。これらはすべて参加者の印象に残りやすく、クイズ大会の記憶効率ひいては学習効果は高いのです。

今日の発表を聞きに来ていただいたみなさんに、PQJ2017について話し、クイズの準備期間中や、開催日に起きたあれこれを話すと、みなさんとても興味深く聞いていただきました。
また、つい先日決定したばかりの来年のPQJ2019(東京慈恵医科大学)について(詳細はこの後公開いたします)話すと、ぜひ出場したいと言ってくれる医学生、学生を連れて来たいと話してくれる先生方がとても多く、来年の大会への期待が早くも膨らんできました。

この発表を実現するために親身になって手伝っていただいた本学生理学教室小野教授、秘書の南本さんと情報処理センター、会場でアドバイスをいただいた鈴木富雄先生、PQJ2017を一緒に作り上げ、発表会場で手伝ってもらった佐々木と優子を始めとするすべてのPQJ2017のスタッフのみなさんにお礼を言います。

最後に、PQJ2017に来ていただいた16大学21チーム、オブザーバーも含めた総勢100人以上の皆さんの声、表情、その後のつながりが、これをもっと広めないといけないと、この発表に向けて僕の背中を押してくれました。心から、お礼を言わせていただきます。ありがとうございました。

PQJ2017 共同代表 井上鐘哲


たくさんの参加者が発表を聞きに来てくれました。


16の参加大学を示した日本地図を前に。


PQJ2017コアメンバーの鈴木優子と佐々木彰紀と共に。

第1回生理学クイズ主宰の大塚勇輝さんと共に。

聞きに来てくれた鈴鹿医療科学大学の人たち。

PQJ2017スポンサーを務めていただいた羊土社の間馬さんと共に。今後もご協力いただけるということです。

一緒の会場で発表した近畿大学、大阪市立大学、大阪医科大学の参加者で記念写真。

ランチョンセミナーで無料配布された、東京医科歯科大学オリジナル弁当!

真ん中にイカとシカのフライが入っています。ご馳走さまでした!

第50回日本医学教育学会大会 PQJ2017 発表

PQJ2017代表の井上です。

今週土曜日の日本医学教育学会大会で、医学生生理学クイズ2017(PQJ 2017)の開催成果について発表します。
医学教育学会にいらっしゃるみなさん、ぜひ聞きにきてください みなさんと話すのを楽しみにしています。

第50回 日本医学教育学会大会
学生セッション 7(ポスター) 8月4日(土)13:40~14:30 ポスター会場5(東京医科歯科大学 3号館 6階 医学科学生実習室)

SP-7-08 医学生生理学クイズ大会2017(PQJ2017) の成功と医学学習に与える好影響
井上 鐘哲(大阪医科大学)

医学生生理学クイズは「全国医学生臨床推論グランプリ」の特別後援をつとめることに決定しました!

関西の老舗勉強会である「チーム関西」、毎年「宿坊合宿」などのユニークな企画を主催するので知っている方も多いと思います。主宰の岡俊吾君は以前からPQJ2017代表井上の友人で、PQJ2017開催時にも宣伝を手伝ってくれました。
そのチーム関西が今年は「全国医学生臨床推論グランプリ」を主催します!

医学生生理学クイズ(PQJ)は、全国医学生臨床推論グランプリにクイズ大会運営のノウハウなどを惜しみなく提供し、特別後援を務めることに決定しました!

みなさん、来年春のPQJ2019の前に、今年の秋はぜひ「全国医学生臨床推論グランプリ」全国の医学生と臨床推論の腕を競い合いましょう!

【全国医学生臨床推論グランプリ】
全国に散らばった猛者達が一堂に会する現代の天下一武道会
『FIGHT NOW or NEVER??』

TEAM関西が主催する「医学生による医学生のための」臨床推論全国大会です‼︎
各大学3人1チームで参加登録をしていただき(複数チーム可)、チーム対抗で、診断過程の評価を含めて各症例への診断をつける形になります。

臨床推論の「チーム対抗戦」と有名講師の診断へ至る「思考過程の見える化」を通して診断のプロセスのノウハウを学んでみませんか⁇

全国で1番熱いヤツらは誰だ⁉︎⁉︎

(日時・開催場所)
2018年11月10日(土) @大阪市立大学(天王寺)

(対象)
臨床推論に興味のある学生は何年生でも可
3人1チームで御参加下さい。
※1チームにつき6年生は2人まで

(タイムスケジュール)※変更の可能性があります
12:30-13:00 開場
13:00-13:10 開会の挨拶、ルール説明
13:10-14:25 case1
14:25-15:40 case2
15:40-15:50 休憩
15:50-17:05 case3
17:05-18:20 case4
18:20-18:30 休憩
18:30-19:45 case5
19:45-20:00 閉会の挨拶、記念撮影
その後、懇親会を予定しております。

【Facebook】
https://www.facebook.com/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E7%94%9F%E8%87%A8%E5%BA%8A%E6%8E%A8%E8%AB%96%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AA-172967313558784/

【HP】 http://clinical-reasoning-gp.strikingly.com/

【参加登録フォーム】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd5vcoTQ6cXhwA6dJtJWWWYygd9gK5mHh5oKIuC91H2zw0oMg/viewform?usp=sf_link

※参加登録締切は7/22(日)の23:59までとなっております。
また、席に限りがありますので、お早めの申し込みを推奨致します。

【お問い合わせ】
TEAM関西 企画会議部
teamkansai.2018@gmail.com

PQJ2018(医学生生理学クイズ2018) 参加報告

“Only one team wins, all the other teams leave here as losers. That’s the hard truth about the quiz competition. However, even if you lose, the knowledge you earned through the quiz will help you when taking national license exam and treat patients when working as a doctor. So fight hard!”
(勝てるのは1チームだけ。他はすべて敗者として大会を去る。クイズ大会とはそういうものです。しかし、たとえ負けても、クイズ大会で得た知識は、あなたを助けてくれます。国家試験でも、医師になって患者さんを治療するときも、助けてくれるのです。全力で闘いましょう!)

PQJ2018(医学生生理学クイズ2018)は、2018年5月19,20日に鳥取大学医学部で行われました。
開会式で昨年度のPQJ2017代表として壇上に立った僕が参加者に伝えた上のメッセージは、実は昨年のPQJ2017の閉会式の壇上でも言った言葉なのです。

2年前の第1回のPQJ(2016年 岡山大)、僕は、必死でした。どうすれば勝って自分の力を証明できるのか。そのたった一月前、僕は半年をかけてチームで勉強会を行って臨んだSIMPIC(免疫微生物学クイズ 2016年3月 タイ・マヒドン大学)で、無残にも予選敗退したばかりでした。どうしてもクイズに勝ちたい、しかしクイズでは、自分一人が頑張っても勝てない。チームメンバー全員を自分と同等、もしくはそれ以上に引き上げないと勝てない。しかしチームメンバーを引っ張り上げる人望も実力もその時の自分には備わっていませんでした。どうしたらいいのだろうか?ひたすら闘う自分の背中を見せて引っ張るしかない。
この第1回のPQJ、僕たちのチームは予選を勝ち抜き、決勝では一歩及ばなかったものの、準優勝することができました。この年のSIMPICやPQJで自分が正解できた問題、惜しくも正解できなかった問題は、今でも良く覚えています。試験問題にそれが出たら瞬殺できるくらい脳裏に刻み込まれているのです。

必死になって闘っていれば、その経験は自分の財産になる。そして自分を生涯に渡って助けてくれる。僕はそれを伝えるために、昨年はPQJ2017を主催し、今年は招待客として、また大阪医科大学4チーム、大阪医科大学に交換留学中の国立台湾大学1チームを束ねるコーチとして、1年生を含むオブザーバー3人、顧問の生理学教室小野富三人先生と、総勢20人で鳥取大学医学部に向かいました。

PQJ2018では、初めての2日間開催、タイムアタッククイズを追加した野心的なクイズの構成、懇親会でのバーベキューと、熱いクイズ大会を楽しみながら、素晴らしい体験をすることができました。

我が大阪医科大学チームは、昨年のPQJ2017では果たせなかった準決勝進出を、チーム「OM紳士クラブ」が果たしました。惜しくも決勝進出はならなかったものの、昨年度の惜しい敗戦を糧にした彼らに拍手を送ります。
また、このPQJのために僕達が主催した連日の勉強会に参加し、知識を研ぎすませてきた台湾大学「台湾カツ丼」チームは、その実力をいかんなく発揮し、見事準決勝、サドンデスを経て2日目の決勝浸出を果たしました。決勝では、完璧なチームワークと安定した実力を見せた4人構成の防衛医科大学チームに負けたものの、見事準優勝を遂げました。台湾大学チームのFredとJerryは、この3週間、大阪医科大学の学生達と京都や大阪などを観光したり、一緒に病院実習をしたり勉強したりで、クラスメイトのように接してきました。彼らの快挙を、大阪医大チームの全員が我が事として喜びました。

PQJはまた、日本全国にたくさんの友達を作る機会でもあります。僕は鳥取大学、岡山大学、藤田保健衛生大学、防衛医大、島根大学、大阪大学、長崎大学、徳島大学、東北大学などの友達と再会を喜び、また新たな出会いを楽しみました。
優勝した防衛医大の多田君は、この3月に米国フィラデルフィアのジェファーソン大学病院で一緒に臨床研修をし、バーでビールを飲みながら語り明かした仲です。彼の明るいキャラクターが、チームワークが良い防衛医大チームの鍵となっていたように見えました。
昨年PQJ2017開催時に大いに助けていただいたマラヤ大学のChen先生、群馬大学の鯉淵先生や鳥取大学の河合先生、大阪大学の岡村先生などとも旧交を温め合いました。

PQJ2018代表の永水君、熊谷君は素晴らしい運営をしました。1年前、彼らにPQJの主催を任せるとき、僕は彼らに言いました。「PQJの主催は、ものすごく苦労すると思う。でも主催することにより、君たちはものすごくたくさんのことを学び、普通ではできない経験をできる。そしてその経験は一生の宝物になる。この言葉をよく覚えておいて欲しい」
閉会式が終わった後、永水君に、僕が1年前に言ったことを覚えているか聞いてみました。「はい。本当に井上さんの言った通りでした」

帰りに大阪医科大学のチームメンバーにPQJの感想を聞きました。

楽しかった。同時にものすごく悔しかった、もう一度PQJに出たい、そして勝ちたい!


これらの言葉を聞いて、僕はこの遠征旅行の目的は達成されたと思いました。
どれだけ努力しても、勝てるとは限らない。しかし、大事なのは、負けても負けても次に挑む姿勢なのです。その姿勢がある限り、成長が止まることはありません。

来年のPQJ2019が楽しみです。

大阪医科大学医学クイズ研究会 部長 井上鐘哲

(このアルバムのすべての写真の著作権を放棄します。みなさんSNSなどでご自由にお使いください。)

医学生生理学クイズ2017(PQJ2017) 開催報告

日本生理学会雑誌第79巻4号 P.78-80

医学生生理学クイズ2017(PQJ2017) 開催報告
医学生生理学クイズ2017共同代表 井上鐘哲(大阪医科大学医学部4年)
2017年8月3日

1 強烈な学習体験としてのクイズ

図1 PQJ2017参加者

“Here is the moment of truth. Are you ready for the final question?”

 講堂に響く司会者(僕)の声。最後のクイズの答が発表されると100人以上の観衆から歓声が湧き、優勝チームが決定した。
今年4月、大阪医科大学では医学生生理学クイズ2017(PQJ2017)が行われた。日本全国、そして海外から16大学21チームが出場し、100人を越える医学生達が生理学の知識を競った。
僕達が日本で2回目となるこのクイズ大会を開こうと思ったのは、医学生に忘れられないくらい強烈な学習体験をしてもらう為である。人間の記憶力は、緊張状況で高まることが知られている。クイズ大会のプレッシャーの元で取り組む難解な生理学の問題は、参加者の脳裏に深く刻まれる。その記憶は今後の医学部での学習、医師国家試験受験において彼らを助け、ひいては将来の診療で患者さんを救うことに繋がっていくだろう。
意外に思われるかも知れないが、全国の医学生が集まる機会は非常に少ない。僕たちは、全国から医学生が集まり交流し、人脈を築いていけるような大会を作ろうと考えた。既に海外にはIMSPQ(マレーシア等)やSIMPIC(タイ)のような医学生の為のクイズ大会が存在し、アジア全域から多くの参加者を集め、医学生が国際的な人脈を築く機会になっている。PQJもそれらを模範とし、海外の医学生も参加してもらえるように全て英語でクイズ、大会運営を行うこととした。

2 クイズショーを作り上げる
PQJ2017の準備は、ほぼ1年前の昨年5月から始まった。僕には密かな勝算があった。関西には大阪医大を含めて12校も医学部がある。これらを呼ぶことができれば、大会の成功は約束されたような物である。まずは大会ポスターを作り、近隣の医学部から貼ってまわった。医学生が集まるイベントには必ず大会チラシを持っていき、大量に配った。ホームページを立ち上げ、大会の準備の模様を報告した。ありがたかったのは、大学側の全面的な支持である。特に大槻学長は大会の趣旨を聞くと二つ返事で金銭的物的支援を行うことを約束してくれた。スポンサーとなってくれるそうな医療系企業、医療機関へは、片っ端から企画書を持ち込んだ。最終的にスポンサーは10社1医療機関を数え、賞品総額30万円以上が集まった。日本生理学会にもホームページでご紹介してもらい、いよいよ大会の知名度は高まり、出場登録するチームは徐々に増えていった。
クイズ問題は、本学生理学教室小野教授の指導の元に作っていった。解剖学、生化学、免疫学、薬理学など基礎医学科目は生理学と関連が深く、教育的観点から出題範囲は生理学を含む基礎医学全般とした。クイズは早押しクイズと、チーム全員で答えるフリップクイズの2種類とした。出題は全て英語で行うことで、外国からの参加者にも公平な条件とし、日本人参加者の英語教育の効果も狙った。


図2 クイズの模様

 クイズの演出には徹底的にこだわった。エンターテインメントに徹したクイズショーを作り上げてこそ、参加者に緊張感を与え、落胆や歓喜を引き出し、強烈な学習体験を与えることができる。チームの入退場時のテーマ、効果音の選定、問題読み上げ係への海外帰国学生の起用など、細部にこだわった。実に10回に及ぶ模擬クイズを行い、司会とスライド係等との連携を高度な次元まで磨き上げた。飾り付けには、研究発表用のプリンターを特別に使わせてもらい、長さ5mに及ぶ巨大な垂れ幕を印刷し、いよいよ会場の準備は整った。

3 医学生の交流の場
大会当日、北は東北大学、南は長崎大学、そして海外は台湾大学まで、16大学21チームが大阪医科大学に集まった。午前中から2会場に分かれて予選が行われ、我々の作成した難問の数々に、参加者は一喜一憂しながら挑んでくれた。僕は蝶ネクタイとスーツに身を包み、司会の大役をこなした。真剣勝負の合間の英語での出場者との冗談のやり取りには、たびたび観衆から笑い声が上がった。全てのクイズ問題は正解の発表直後に司会が解説し、参加者、観衆の理解を助けるようにした。日本生理学会からは群馬大の鯉淵先生、西九州大学の石松先生、そしてマレーシアから特別顧問の国際医学生クイズ創始者Cheng Hwee-Ming先生がご来場され、本学の小野先生と共に審判を務めていただいた。
予選グループ6試合の結果、接戦を勝ち抜いた10チームが準決勝に進んだ。準決勝からはクイズの難易度はさらに上がり、ハイレベルな争いとなった。決勝に進んだチームは、大阪大学、滋賀医科大学、自治医科大学、国立台湾大学、藤田保健衛生大学の5チームであった。決勝は、司会の僕が圧倒されるくらいの緊張感漂う一戦となり、最終的に大阪大学チームがわずか2点の差で国立台湾大学チームに競り勝ち、栄えあるチャンピオンの座に就いた。
優勝チームには、優勝カップ「Otsuki Cup」が与えられ、スポンサーから両手に抱えきれないほどの医学書や電子辞書が贈呈された。「この大会を用意してくださった大阪医大の皆様や、一緒に戦ってくれたライバルの皆様に感謝の念でいっぱいです。プレッシャーがかかる中で問題を解くのは刺激的で、もっと勉強したいという気持ちになりました」優勝した大阪大学チーム代表、田上陽菜さんの言葉である。
クイズの合間や終了後のパーティーでは、参加者の輪が会場のあちらこちらに自然にでき、活発な交流が行われていた。参加者アンケートの結果を見ると、「医学の勉強になりましたか」という質問に5段階で5をつけた人が89.7%、同様に「PQJ2017は楽しかったか」という質問に対しては81.4%が5をつけ、参加者を十分に楽しませながら、高い学習効果を達成するという目標に合致する感想が得られた。また、「自分に足りなかったものは?」という質問に対する回答(図3)は、英語のリスニング力(21.4%)、生理学の英単語の知識(21.4%)、生理学の勉強(21.9%)が上位を占め、参加者が大会を通じて自身の学習課題を認識したことをうかがわせた。

図3 アンケート結果の一例

僕の予想を裏切ったのは、関西のチームが3校しか参加しなかった代わりに、東北大、金沢医科大、徳島大、長崎大など、比較的地方にある大学が多数参加してくれたことである。実際、アンケート結果からは首都圏や関西圏以外の医学生の方が、医学生同士の交流の場を強く求めていることがうかがえ、彼らに全国的な交流の場を提供する本大会の存在意義は高いと意を強くした。
2018年5月19、20日に鳥取大学医学部で行われるPQJ2018が、今から楽しみである。

参加大学

東北大学 東京慈恵会医科大学 自治医科大学 藤田保健衛生大学 三重大学 金沢医科大学 金沢大学 滋賀医科大学 大阪大学 近畿大学 大阪医科大学(4チーム) 徳島大学 岡山大学 鳥取大学(2チーム) 長崎大学(2チーム) 国立台湾大学

参加者数


クイズ出場者 78人 オブザーバー(見学者) 17人 招待客 5人
合計 100人

後援
大阪医科大学、日本生理学会

PQJ2017公式ホームページ
http://bit.ly/pqj2017

医学生生理学クイズ2018大医チーム説明会開催のお知らせ

大阪医科大学の皆さんへ

5月19(土),20(日)、医学生生理学クイズ2018(PQJ2018)が鳥取大学で行われます。
昨年の医学生生理学クイズ(PQJ2017)は大阪医科大学が主催し、日本全国、台湾から16大学21チーム、100名以上が参加、本学からも4チームが出場しました。

PQJ2018は、5月5日まで引き続き出場者を募集しております。そこで前回大会を主催した医学クイズ研究会は、4月26日(木) 16:30-18:00 新講義実習棟P615において、医学生生理学クイズ2018大医チーム説明会を行います。

(1)PQJ2018の概要。クイズ形式の説明
(2)昨年度大会のクイズ問題解説(問題作成者本人と生理学教室小野先生)
(3)出場者のチーム編成と、会場へのバスツアーの説明
(4)大会に向けた生理学勉強会開催の概要

PQJ2018には医学部1〜6年生全学年が出場可能です。見学も1年生から受け付けております。出場、見学とも、生理学教室から旅費参加費の補助が支給されますので、ぜひ、ご参加ください。日本全国に医学生の友人を作るチャンスです。

日時・場所 4月26日(木) 16:30-18:00 新講義実習棟 P615

質問、参加申込は、医学クイズ研究会部長 井上鐘哲(LINE inoue5000)、副部長 佐々木彰紀(ssk-1876585-aki@ezweb.ne.jp)、生理学教室小野富三人教授(onof@osaka-med.ac.jp)まで。皆様、お気軽にお越しください。

PQJ2018ホームページ
http://bit.ly/pqj2018

PQJ2017ホームページ
http://bit.ly/pqj2017

日本生理学雑誌 への「医学生生理学クイズ2017(PQJ2017)開催報告」掲載のお知らせ

日本生理学雑誌 第79巻4号(2017年11月)に、「医学生生理学クイズ2017(PQJ2017)開催報告」が載りました。
井上が、PQJ2017の目的と成果、裏話、苦労話などを書いています。PQJ2017に参加された方、来年のPQJに参加を考えている方、学生主体のクイズ大会の開催を考えている方など、みなさんぜひお読みください。

日本生理学雑誌 第79巻4号(2017年11月)
http://physiology.jp/nisseishi/20326/

井上鐘哲「医学生生理学クイズ2017(PQJ2017)開催報告」日本生理学会雑誌第79巻4号 P.78-80

 

井上鐘哲(PQJ2017共同代表)

ドクタラーゼ 23号(2017.10発行) PQJ2017共同代表 インタビュー記事掲載

日本医師会が発行するフリーマガジン、ドクタラーゼ 23号(2017.10発行)に、PQJ2017共同代表、井上鐘哲のインタビュー記事が掲載されました。
 
医学生生理学クイズ2017(PQJ2017)開催の目的と成果について話させていただきました。
PQJ2017は、優秀なスタッフのみんながいなければ到底成し遂げられなかった大会でした。改めて、スタッフのみんなに感謝します。
 
さて、インタビューの中でもご紹介させていただいた医学生理学クイズ大会2018(PQJ2018)は、鳥取大学にて2018年5月19日(土)・20日(日)に開催します。全国の医学生、医療系学生のみなさん、ぜひお越しください。 楽しいよ!
 
井上鐘哲(PQJ2017共同代表)

PQJ2017優勝チームHandai、国際医学生生理学クイズ(IMSPQ)で予選突破の快挙!

8月15〜17日にマレーシア・マラヤ大学で行われた国際医学生生理学クイズ大会(15th IMSPQ)で、PQJ2017優勝チームの大阪大学チームHandaiが、日本のチームとしては初めて予選を突破して決勝トーナメントに進出する快挙を果たしました。

今回のIMSPQには、日本からは大阪医科大学、大阪大学、自治医科大学、東京慈恵会医科大学の4チームが参加しました。いずれもPQJ2017に参加したチームです。

以下、チームHandaiの佐村和紀君のレポートです。

2017年8月16日(水)に行われたIMSPQの予選のWritten testでは、生理学に関する正誤問題(○×問題)が英語で合計100題出題されました。問題は20ブロックに分けられ、各ブロックで5題出題されました。各問題に正解すると1点、無回答は0点、不正解は−1点となり、各ブロックの最高点数は5点、最低点数は0点(マイナスにはならない)でした。
神経、循環器、呼吸器、消化器、腎泌尿器、内分泌、運動器など幅広く問題が出題されました。
参加チームは約100チームで、そのうち48チームがWritten testを通過しFirst Roundに進出します。
我々大阪大学チームはWritten Testを通過しFirst Roundに進出することができました。

その日の夜のQuiz Concertでは、マラヤ大学のCheng教授によるWritten testの結果発表と、各国の代表チームによる出し物が催されました。スリランカ、ミャンマー、インドネシア、タイ、フィリピン、中国、カンボジア、モンゴル、ベトナム、ラオス、ネパール、日本、マレーシアなどの国々の代表チームが歌謡、舞踊、国や文化の紹介、演劇、クイズなどの出し物を催してくれました。主にアジア各国の多くの文化に触れることができ、幅広い視野や教養を養うことができました。

翌日の8月17日(木)、First Roundは出題者が英語で読み上げる生理学の問題について、手元の小さなホワイトボードに回答を書くという形式で行われました(日本のPQJ2017やその他の国の大会を参考にして今年からこの方式が導入されたそうです)。問題は合計9題出題され、各グループ1人3問ずつ回答するという形式でした。48チームが8つのグループ(Group1-1〜1-8)に分けられ、各グループの最高成績チーム8チームとそれ以外で高得点の8チームの合計16チームがQuarter-finalsに進出します。
我々大阪大学のチームはGroup1-4でした。Group1-4は、日本のOsaka University (OU)、タイのChulabhorn International College of Medicine, Thammasat University (CICM)、台湾のTzu Chi University (TCU)、中国のAnhui Medical University (AMU)、インドネシアのUniversitas Indonesia (UI)、スリランカのUniversity of Kelaniya (UK)の6チームでした。
我々大阪大学のチームは9問中3問正解で、6チーム中4位タイでした。残念ながらQuarter-finalsに進出することはできませんでした。Group1-4ではスリランカのUniversity of Kelaniya (UK)が1位でした。

Quarter-finalsで16チームから6チームに絞られました。形式はFirst Roundと同じでした。

Semifinalsで6チームから3チームに。形式は例年と同じように、出題者が英語で読み上げる生理学の問題について、英語で話して回答するという形式でした。問題は合計9題出題され、各グループ1人3問ずつ回答するという形式でした。

Finalsは3チームで優勝争いでした。形式はSemifinalsと同じでした。

最終結果はスリランカのUniversity of Colombo (UC)が優勝、中国のXuzhou Medical University (XZMU)が準優勝、スリランカのUniversity of Sri Jayewardenepura (USJP)が3位でした。

(大阪大学医学部 佐村和紀)

上の写真は佐村君が撮ってきてくれたマラヤ大学IMSPQ会場にあった各国生理学クイズのポスターです。上段左寄り、大阪城のポスターがPQJ2017のものです。

PQJ2017の目的の一つに、真に生理学と英語の力を兼ね備えたチームを選抜することがありました。IMSPQという、今年第15回目を迎えた医学界で最も伝統があり、参加者数470人を越える世界最大の医学クイズ大会で、PQJ2017優勝チームが見事その力を発揮してくれたことはPQJ2017主催者として感無量の思いです。

同時に参加した大阪医科大学、自治医科大学、東京慈恵会医科大学チームも、競技と国際交流の両面でとても活躍したと参加者から聞いております。PQJ2017主催者として、心から彼らの健闘を讃えたいと思います。ありがとうございました。

井上鐘哲(PQJ2017 共同代表)

 

PQJ2018 Tottori 開催日変更

PQJ2018 Tottoriの開催日が以下に変更になりました。

2018年 
    5月19日(土) 午後
    5月20日(日) 午前

先にお知らせした、5月26日(土)午後、5月27日(日)午前 の日程から1週間早まります。

PQJ2018公式ホームページ
https://physiology-quiz-festival.jimdo.com/

 

井上鐘哲(PQJ2017 共同代表)