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PQJ2018(医学生生理学クイズ2018) 参加報告

“Only one team wins, all the other teams leave here as losers. That’s the hard truth about the quiz competition. However, even if you lose, the knowledge you earned through the quiz will help you when taking national license exam and treat patients when working as a doctor. So fight hard!”
(勝てるのは1チームだけ。他はすべて敗者として大会を去る。クイズ大会とはそういうものです。しかし、たとえ負けても、クイズ大会で得た知識は、あなたを助けてくれます。国家試験でも、医師になって患者さんを治療するときも、助けてくれるのです。全力で闘いましょう!)

PQJ2018(医学生生理学クイズ2018)は、2018年5月19,20日に鳥取大学医学部で行われました。
開会式で昨年度のPQJ2017代表として壇上に立った僕が参加者に伝えた上のメッセージは、実は昨年のPQJ2017の閉会式の壇上でも言った言葉なのです。

2年前の第1回のPQJ(2016年 岡山大)、僕は、必死でした。どうすれば勝って自分の力を証明できるのか。そのたった一月前、僕は半年をかけてチームで勉強会を行って臨んだSIMPIC(免疫微生物学クイズ 2016年3月 タイ・マヒドン大学)で、無残にも予選敗退したばかりでした。どうしてもクイズに勝ちたい、しかしクイズでは、自分一人が頑張っても勝てない。チームメンバー全員を自分と同等、もしくはそれ以上に引き上げないと勝てない。しかしチームメンバーを引っ張り上げる人望も実力もその時の自分には備わっていませんでした。どうしたらいいのだろうか?ひたすら闘う自分の背中を見せて引っ張るしかない。
この第1回のPQJ、僕たちのチームは予選を勝ち抜き、決勝では一歩及ばなかったものの、準優勝することができました。この年のSIMPICやPQJで自分が正解できた問題、惜しくも正解できなかった問題は、今でも良く覚えています。試験問題にそれが出たら瞬殺できるくらい脳裏に刻み込まれているのです。

必死になって闘っていれば、その経験は自分の財産になる。そして自分を生涯に渡って助けてくれる。僕はそれを伝えるために、昨年はPQJ2017を主催し、今年は招待客として、また大阪医科大学4チーム、大阪医科大学に交換留学中の国立台湾大学1チームを束ねるコーチとして、1年生を含むオブザーバー3人、顧問の生理学教室小野富三人先生と、総勢20人で鳥取大学医学部に向かいました。

PQJ2018では、初めての2日間開催、タイムアタッククイズを追加した野心的なクイズの構成、懇親会でのバーベキューと、熱いクイズ大会を楽しみながら、素晴らしい体験をすることができました。

我が大阪医科大学チームは、昨年のPQJ2017では果たせなかった準決勝進出を、チーム「OM紳士クラブ」が果たしました。惜しくも決勝進出はならなかったものの、昨年度の惜しい敗戦を糧にした彼らに拍手を送ります。
また、このPQJのために僕達が主催した連日の勉強会に参加し、知識を研ぎすませてきた台湾大学「台湾カツ丼」チームは、その実力をいかんなく発揮し、見事準決勝、サドンデスを経て2日目の決勝浸出を果たしました。決勝では、完璧なチームワークと安定した実力を見せた4人構成の防衛医科大学チームに負けたものの、見事準優勝を遂げました。台湾大学チームのFredとJerryは、この3週間、大阪医科大学の学生達と京都や大阪などを観光したり、一緒に病院実習をしたり勉強したりで、クラスメイトのように接してきました。彼らの快挙を、大阪医大チームの全員が我が事として喜びました。

PQJはまた、日本全国にたくさんの友達を作る機会でもあります。僕は鳥取大学、岡山大学、藤田保健衛生大学、防衛医大、島根大学、大阪大学、長崎大学、徳島大学、東北大学などの友達と再会を喜び、また新たな出会いを楽しみました。
優勝した防衛医大の多田君は、この3月に米国フィラデルフィアのジェファーソン大学病院で一緒に臨床研修をし、バーでビールを飲みながら語り明かした仲です。彼の明るいキャラクターが、チームワークが良い防衛医大チームの鍵となっていたように見えました。
昨年PQJ2017開催時に大いに助けていただいたマラヤ大学のChen先生、群馬大学の鯉淵先生や鳥取大学の河合先生、大阪大学の岡村先生などとも旧交を温め合いました。

PQJ2018代表の永水君、熊谷君は素晴らしい運営をしました。1年前、彼らにPQJの主催を任せるとき、僕は彼らに言いました。「PQJの主催は、ものすごく苦労すると思う。でも主催することにより、君たちはものすごくたくさんのことを学び、普通ではできない経験をできる。そしてその経験は一生の宝物になる。この言葉をよく覚えておいて欲しい」
閉会式が終わった後、永水君に、僕が1年前に言ったことを覚えているか聞いてみました。「はい。本当に井上さんの言った通りでした」

帰りに大阪医科大学のチームメンバーにPQJの感想を聞きました。

楽しかった。同時にものすごく悔しかった、もう一度PQJに出たい、そして勝ちたい!


これらの言葉を聞いて、僕はこの遠征旅行の目的は達成されたと思いました。
どれだけ努力しても、勝てるとは限らない。しかし、大事なのは、負けても負けても次に挑む姿勢なのです。その姿勢がある限り、成長が止まることはありません。

来年のPQJ2019が楽しみです。

大阪医科大学医学クイズ研究会 部長 井上鐘哲

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