形態形成セミナー  野村真先生



September 11(Fri),2009
17:00〜18:00
胎生期および成体哺乳類脳において多様な神経細胞を作り出すメカニズム
野村 真 先生
カロリンスカ研究所・細胞分子生物学部門
慶應医・解剖学教室 形態形成セミナー
日時:2009年9月11日(金)午後5時〜
場所:総合医科学研究棟1階ラウンジ
完 成した哺乳類の脳は、数千億の神経細胞とその10 倍以上の数のグリア細胞によって構築されている。神経細胞はその形態・遺伝子発現様式・生理学的特徴によって様々な種類に分類することができる。哺乳類脳 のこうした多様な神経細胞はどのようにして産み出されるのだろうか?我々は2つの異なるアプローチによって、哺乳類脳の神経細胞の多様性をもたらす分子・ 細胞生物学的基盤を明らかにすることを試みた。講演では、まず1)哺乳類大脳皮質に特徴的な層構造ならびに錐体細胞を産み出す機構について、比較発生学的 解析からの成果を紹介する。我々は、哺乳類大脳皮質構築に必須な分子であるリーリンに着目し、リーリンの発現が鳥類脳で極めて低いことを見出した。さら に、鳥類脳にリーリンの発現を異所的に誘導すると、鳥類脳の放射状グリア(神経幹細胞)の繊維の配向、ならびに産生される神経細胞の形態が“哺乳類様”に 変化することを見出した。従って、哺乳類型大脳皮質の獲得にリーリンの発現様式の変化が関わっている可能性が示唆される。講演の後半では、哺乳類成体脳に おいて、多様な神経細胞を産生する機構について紹介する。我々は、遺伝学的手法を用いて、成体脳側脳室には2つの異なる神経幹・前駆細胞が存在すること、 これらの細胞集団は嗅球の異なる介在神経細胞へと分化することを見出した。講演を通して、哺乳類脳の多様な神経細胞を作り出す時間的・空間的な制御機構に ついて議論したい。
連絡先:仲嶋一範(慶應医・解剖学)
phone: 03-3353-1211 内線62601 e-mail: kazunori
参加自由
共催:グローバルCOEプログラム『In vivoヒト代謝システム生物学拠点』