NEJM勉強会2003 03/06/04 実施 Aプリント 担当: 渡辺 広祐 (kwatanabe-tky@umin.ac.jp) Case 11-2002 : A 27-Year-Old Woman with Two Intracardiac Masses and a History of Endocrinopathy [患者] 27歳女性 [主訴] 失神 [現病歴] 3歳より多毛と体重増加が出現、3歳10ヶ月時に、血清ACTH・血清コルチゾール・血清17-OHCS高値、尿中17-KS高値、デキサメサゾン抑制試験で抑制なし、血清コルチゾールの日内変動の消失、よりCushing症候群と診断された。当時、左大腿部のcafe-au-lait spot(3×5cm)を認め、尿路造影・腹部超音波は正常、頭部CTでは第3脳室の軽度拡大を認めるのみだった。metyrapone,mitotane,predonisone投与によってCushing症候群は身体所見上も検査データ上も寛解し、投薬終了後のコルチゾール補充は不要だった。6歳9ヶ月時に最後に外来受診した際もCushing症候群は寛解を保っていた。 その後、3年前(24歳)に左顔面下部のしびれ感と右上下肢の脱力が生じて30〜60分間続いた。頭部CTを施行されたが異常は指摘されなかった。その後1年間症状は無かったが、2年前(25歳)から現在に至るまでに、2回失神発作があった。一番最近の発作は2週間前の事で、起立中に失神して動機と発汗も伴っていたが、坐位をとると5分間で軽快した。その日にもう2回同様の発作があった。 昨日、前医で経食道エコーを施行されて左心室と左心房に各々1つずつのmassを指摘された(Figure1)心室内のmassは大きさ3.8×2.8cmで、腱索から連続しており、球形・内部不均一・有茎性であり、収縮期に左室流出路に向かって動いていた。左心房内のmassは大きさ2.5×2.5cmで、僧帽弁前尖の基部近くの心房中隔につながっており、球形・有茎性であったが内部はやや均一で、拡張期に僧帽弁から左心室内に逸脱していた。弁の構造は全て正常で、左室収縮能も正常、心嚢液も認めなかったがtrace MR,TR,ARが認められた。患者はMGHに紹介された。 [生活歴] smoking(-), alcohol(-) [常用薬剤]なし [家族歴]特記すべきこと無し [既往歴] Cushing症候群(3歳) [入院時現症] <Vital Signs>B.T.37℃, P.R.72/min, R.R.18/min, B.P.100/80mmHg(臥位)110/70(座位) <Skin>顔面に雀卵斑を認める、左大腿に境界不明瞭な血管腫を認める、cafe-au-lait spotは認めない、乳房に異常なし <Chest>heart:systolic murmur(Levine1/6), lung:n.p. <Extremities>edema(-) <Neurological>n.p. [入院時検査所見] <CBC>Ht42.8%, WBC 8300/mm3(neutro:64%, lympho:27%, mono:6%, eosino3%), Plt 32.5×104/mm3 <Chemistry>BUN, Cre, T.Bil, D.Bil, Ca, Pi, Mg, Na, K, Cl, AST, ALT, Amy, LDH, ALP全て正常範囲 <Coagulation>PT,PTTは正常範囲 <Hormone>cotisol 絶食時10.4μg/dl(287nmol/l)→ACTH静注後1時間後27.1μg/dl(748nmol/l) <ECG>w.n.l. <Chest Xp>w.n.l. ある診断的手技がなされた。 |