最近、具志川村において、水道水フッ素濃度適正化についてのシンポジウムが行われるとのことですが、これについて、日本フッ素研究会としての見解を申し上げます.
1.概念の非科学性
フッ素は食品からも摂取されるので、水道水のフッ素を分離して『適正』を論ずることは、医学的に妥当ではありません.
2.1日総摂取量の必要性
1日に摂取するフッ素の人体作用を論ずるためには、食事、嗜好飲料、飲料水などの全てから摂取される『1日総摂取量(TDI)を取り上げるのが医学の常識であるとされております.
3.フッ素による数々の害作用
私達の研究によりますと、フッ素は10歳児での骨質欠損症、15ー20歳の男子の骨肉腫、29歳以下の母親のダウン症(染色体異常による知恵遅れ)の出生、多発性骨髄腫などの発生率は、1日総摂取量(TDI)と正比例を示し、許容量は存在しないという結果が得られております.
また、最近、人口の60%がフッ素化しているアメリカでは、30%の児童にフッ素症歯が見られた、との報告があります.フッ素症歯は、見た目の問題ではなく、カルシウム代謝阻害、エナメル質タンパクの酵素代謝阻害により発症することが明らかになっております.
4.全身の部位45箇所中の65%にがん発生
これも、私達がアメリカの3州6市(2000万人)について15年間にわたるWHO(世界保健機関)発表のデータについて検討したものですが、上記のようながんが、フッ素化により数十%ないし数倍増加していることが確認されており、英文論文として発表(2001.6)していることを申し添えておきます.
5.ヨーロッパ諸国は、早くから水道水フッ素化を中止、ロシアも大部分中止、
中国も2000.7月にフッ素化はしないと発表しております.
6.フッ素の摂取はできる限り少なく.
以上の事実により、栄養摂取に必要な食品(魚、海草、茶)より摂取するフッ素は最小限にとどめ、それ以外のフッ素も取らないことが健康保持のうえで肝要です.
7.水道水フッ素化の効果についての科学的データは存在しない.
水道水フッ素適正化による虫歯予防効果は不明:薬物検定法で要求される二重目隠し法(ランダム化コントロール法)が使用できないので、その効果を科学的に示す事が不可能とされています.また、フッ素が歯質を強くするという作用も否定されております.
8.フッ素なしの虫歯予防可能
上記のような害作用のあるフッ素に頼らなくても虫歯予防は、正しいブラッシング、歯の定期検診などで十分可能であるというデータがございます.
なお、具志川村で本件に関するシンポジュウムが開催されますなら、公平、公正な情報が住民に提供される必要があると考えます.私達の会の医師、歯科医師がデータを提供し、お互いに討論する事ができれば、村民の方々にも、双方の立場をよく理解していただけることと存じますので、可能な場を設けられる様御配慮の程お願い申しあげます.