ヨーロッパ蘇生協議会(ERC)の心肺蘇生法ガイドライン 2005

第9部 蘇生における訓練の原則
(Section 9. Principles of training in resuscitation)

目次
はじめに(Introduction)
目的(Objectives)
方法(Methods)
理念(Ethos)
言語(Language)
インストラクター(Instructors)
一次救命処置(BLS)と自動体外式除細動器 (AED)のコース
緊急救命処置(ILS)コース
二次救命処置(ALS)コース
ヨーロッパ小児救命処置(EPLS)コース
新生児救命処置(NLS)コース
一般的なインストラクターコース
教育最上段階(EMC)
付録A. ヨーロッパ蘇生評議会の行動規範
参考文献


Resuscitation (2005) 67S1, S181-S189
European Resuscitation Council Guidelines for Resuscitation 2005

Peter J. F. Baskett, Jerry P. Nolan, Anthony Handley, Jasmeet Soar, Dominique Biarent, Sam Richmond
(最終更新 071223)

■はじめに(Introduction)

 蘇生におけるトレーニングの方法にはさまざまなものがある。どの方法も完璧なものではなく、また頻繁に練習しなければ知 識と技能の維持は不十分なもの(suboptimal)となる。再トレーニングを行う最適な間隔がどのくらいであるかは確立されてないが、定期的に蘇生活動を行っていないほとんどの人に対しては、6カ月未満の間隔で再訓練(repeated refresher training)をする必要があると思われる1-12


■目的(Objectives)

 トレーニングの目的は学習者に、実際の臨床状況で、彼らが期待される程度に、蘇生を行うことができる能力を身に付けさせることである。それはバイスタンダーとしてであったり、地域・病院内の第一応答者(first responder)、急性期病棟勤務の医療専門職、救急医療や心停止対応チームの一員としてである。


■方法(Methods)

 トレーニングは成人教育学習の原則(the principles of adult education and learning)に従うべきである。一般的には、このことはすでに確立されているヨーロッパ蘇生協議会(ERC)コースのことを意味している。すなわち、双方向性の議論と技術習得のための練習(hands-on practice for skills)を行う少人数(4〜8人)制と、問題解決訓練とリーダーシップ育成のための臨床訓練とを含んでいるものである13。インストラクター数と受講者数の比は、コースの種類により、1:3から1:6の間であるべきである。

 核となる知識は、自習用に設計されたコースマニュアルや双方向性CDで勉強することにより、コース前に受講者(candidates)自身が身に付けて来るべきである。コースは、学習者の能力を向上させることを目指し、核となる知識の試験と、実地技術およびシナリオ管理の同時進行性の評価(ongoing assessment、訳者註)を含むべきである。精巧なマネキン、シミュレータと仮想現実の技術(virtual reality techniques)は、シナリオに基いたトレーニングで組み合わされるとよいだろう(may be incorporated into)14

訳者註:訓練と評価とを並行して進める形式を言うものと考える。

 一般市民もしくは第一応答者による一次救命処置(BLS)では、シンプルなマネキンとビデオもしくは双方向性のCDを使った家庭学習(home-based learning)が、従来行われてきたインストラクター主体のコースの価値ある代替手段となるかもしれない15-19。この方法は受講者の混乱(candidate disruption)とインストラクターの時間、費用を最低限にしてくれる。 しかし、インストラクター}の役割を過小評価するべきでなく、追加としてもととなるビデオやCDでは予期されていない状況を説明したり、インストラクターがロールモデル(a role model)として行動し、はかりしれない熱意と動機(invaluable enthusiasm and motivation)を与えることができる。 また集団での参加により、全体的な学習過程の質が高まることも示されてきている。


■理念(Ethos)

 コースでは指導と評価について関連する特定のERCコースを受け、トレーニンされたインストラクターによって教えられるべきである。(訳者註:コースでの)教育は恥をかかせることではなく、受講者の出来栄えに建設的なフィードバックを与え激励するという形で遂行されるべきである。(訳者註:受講者の)心細さ(apprehension)を減らすため、インストラクターと受講者の双方がファーストネームで呼び合うことが奨励される。また、受講者へのフィードバックとサポートをより強化するためにメンタリング(mentor/mentee system)が実施される。特に評価の間はストレスは避けられない20が、インストラクターが目指すのは受講者が最善を尽くすことができるようにすることである。


■言語(Language)

 当初は、ERCコースは国際的な教授陣によって英語で教えられた13。そしてその地域のインストラクターが訓練を受け、マニュアルやコースで用いる教材が他の言語に翻訳され、コース(特にプロバイダーコース)は現在、ますます受講者の母国語で教えられるようになった。


■インストラクター(Instructors)

訳者註:ERCコースのインストラクターや受講生に関する用語について

 インストラクターを認定しトレーニングするために、試され評価された方法(a tried and tested method)が進化してきた。

インストラクター候補者の認定(Identification of instructor potentials)

 指導側の考えでは(in the opinion of the faculty)、インストラクターとはプロバイダーコースで与えられた課題において優れた能力を示し、特に(importantly)、リーダーシップ、臨床能力が確かであること(clinical credibility)、そして指導技術(skills)が明瞭かつ協力的でやる気に満ちているということなどの質の高さを示した人ということになるだろう。このような人は、二次救命処置(ALS)とヨーロッパ小児救命処置(EPLS)コースでは包括的インストラクターコース(GIC)と呼ばれるコースか、BLSとAEDコースでは一次救命処置(BLS)/自動体外式除細動器(AED)インストラクターコースと呼ばれるコースに参加するよう招待される。緊急救命処置(ILS)のインストラクターコースは現在、開発中である。

インストラクターコース

 インストラクターコースは経験豊かなインストラクターによってインストラクター・ポテンシャル(IP)のために行われ、GICの場合は、医学教育実技と成人教育原理における規定の訓練を受けたインストラクタートレーナーも参加している。これらのコースについては以下に詳述される。インストラクターコースコース中、受講者が正式な試験を受けることはないが、評価はファカルティによってなされ、適宜フィードバックがなされる。

インストラクター候補の段階(Instructor candidate stage)

 インストラクターコースを修了した後、受講者はインストラクター候補(IC)として指定され、通常は監視のもとで 2度別々のコースで指導し、その指導技術に対して建設的なフィードバックがなされる。ICは2度のコースでの指導を経た後、通常では正規インストラクターに進むが、ファカルティが更なるコース経験が必要であると判断する場合があり、また滅多にないが、インストラクターに進むのが適当ではないと判断する場合もある。その場合、ICは関連の国際コース委員会(International Course Committee)に苦情を申し出ることができ、その後、同委員会が最終判断を下す。

コースディレクターの段階(Course director status)

 選ばれてコースディレクターの段階に進むインストラクターがいるかもしれない。彼らは同僚によって選抜され、国内蘇生協議会の当該委員会か該当する国際コース委員会による承認を受ける。コースディレクターは臨床医として有能であり、正確な判断 ができ、また評価能力と公正さを保つ能力について申し分のない、比較的年長の人物であるべきである。(訳者註:また)彼らはインストラクターコースに固有の教育原理を快く受け入れていることだろう。(訳者註:さらに)彼らは通常、少なくとも6度の指導経験があり、少なくとも1度は共同でのコースディレクターに任命されているだろう。

インストラクターの交流(Interchange of instructors)

 異なった指導原理を持つ他コースとの間で、インストラクターが交流することは可能である。例えば、ALSインストラクターが EPLSコースに合格し、IPとして認定された場合は EPLSコースの ICに直接進むことが可能であり、逆も同じである。GICを繰り返す必要は全くない。同様に、アメリカ外科学会の二次外傷救命処置(ATLS)の現インストラクターで、ALSやEPLSのプロバイダーコースにおいてIPとして認定された場合は、ICに直接進むことが可能である。アメリカ心臓学会二次救命処置(ACLS)や小児二次救命処置(PALS)の現インストラクターは、(訳者註:ERCに属する)該当コースの IC段階に直接進むことができる。

行動規範(Code of conduct)

 全インストラクターはインストラクターのための行動規範を固く守らなければならない。それは付録Aに載せてある。


■一次救命処置(BLS)と自動体外式除細動器 (AED)のコース

 BLSと AEDのコースは、幅広いプロバイダーを対象としている(appropriate for)。これらには、一般市民と同様に臨床系、及び非臨床系の医療専門家(特に心停止を管理しなければならない状況に遭遇しなさそうな)、一般医(general practitioners)、歯科医師、医学生、救急隊員(first-aid workers)、救助員(life-guards)、他人の世話をする義務のある者(学校教師や介護福祉士(care workers)など)、初期応答者構想(first-responder schemes)の構成員が含まれる。

プロバイダーコース形式

 これらのプロバイダーコースの目的は各受講生が BLSもしくはAEDを使用できるようになることである。必要とされる能力の詳細は、ERC BLS作業部会によってすでに発表され、 http://www.erc.eduに掲載されている。BLS+AEDのコースは、ERC国際BLS Course 委員会(ICC)によって開発され、運営されている。

 BLSもしくはAEDのプロバイダーコースは、約半日間あり、技能実演と実地訓練(skill demonstrations and hands-on practice)で成り立っており、講義は最小限になっている。推奨されるインストラクターと受講生の比率は1:6で、6人の受講生の各グループあたり、少なくとも1体のマネキンと1台のAEDが必要である。正式な評価は通常なされないが、各受講生は実技に関して個別のフィードバックを受ける。専門職として、または個人的な目的のために、能力の証明書(a certificate of competency)を必要とする人々はコースの間絶え間なく評価されるか、最後に決定的に評価されるだろう。

 証明書と共にBLS、AEDプロバイダーマニュアルをERCから購入する必要があるかもしれない。承認された代替マニュアル、例えば必要に応じて、現地語に翻訳されたものが使用されるかも知れない。

インストラクター(指導者)コース

 BLSやAEDプロバイダーコースに出席する受講生の多くが一般人で、あるものは次に彼ら自身インストラクターになりたい と思う。このため、ERCは1日のBLS/AEDインストラクターコースを開発した。このコースの受講生は、ERCのBLSもしくは AEDプロバイダーの証明書を保持し、IP(instructer potential、インストラクター有資格者)として指定された者(医療従事者か一般市民)でなければならない。このインストラクターコースはコース参加に関してその目的(aim)ができるだけ幅広いものとなるよう計画される(The aim is to be as inclusive as possible regarding the course attendance)。そしてすべての受講生がその主題(BLSまたはAED)において教える能力とこれについての知識をどの程度持つべきかについての互いに重なる基 準(the over-riding criterion)がある(訳者註)。

訳者註:難解な英文であり、意味が伝わりにくい。利用者の皆様のご助言をお願いしたい。

 BLS/AEDのインストラクターコースは GIC(訳者註)の方針(the principles of the GIC)に従い、一般人教育を強調している。コースを無事終了すると、受講生それぞれは正規インストラクター(a fullinstructor)になる前に、IC(instructor candidate)となり、BLSまたはAEDコースを2度教える。

訳者註:本文中にGIC、ICの正式な表記はないが、それぞれ「Generic Instructor Course」および「Instructor Candidate」の略だと考えられる(参考ウェブ:http://www.resus.org.uk/pages/giceregs.pdf)。

別の国へのコースの導入

 多くのERC BLSおよびAEDプロバイダーコースが各国の蘇生協議会(the National Resuscitation Council)によって直接、 もしくはその管理下で運営されている。ERCのBLS/AEDコースをある国に導入する通常の手順は、ERCの国際インストラクター(international instructor)がその国に2日間のBLSプロバイダー、AEDプロバイダー、およびBLS/AEDインストラクターの共同コース(combined course)を運営するために訪れることである。地元のインストラクター(例えば、ERCコースに合格した者か、ERCのALSインストラクターである者)がいれば、国際インストラクターと地元インストラクターが1:1の比率で、地元のインストラクターを援助できる付加的な人員としてコースディレクター(国際インストラクター)とともに指導する。コースが成功した後には、その地元のインストラクターは正規のERCインストラクター(full ERC instructer)となる。このうち優秀な地元インストラクターがインストラクタートレーナー(instructor trainers)に選出される。通常、その後のコースはその国の言葉で開催され、訓練資料はその国の言葉に翻訳される。共同コースの受講生は、うまくゆけば(hopefully)、ERCのBLS/AEDインストラクター候補者(IC)の資格を得る。そして、彼らは正規インストラクター(full instructor)になる前に、正規インストラク ターの指導の下で1度か2度、プロバイダーコースで教える必要がある。


■緊急救命処置(ILS)コース

 ILSコースは、滅多に心停止の世話をすることはないが初期応答者や心停止チーム員になる可能性のある大多数の医療従事者のためにある21。このコースでは、蘇生チームの到着を待つ間に実施して、最も蘇生成功に導く結果になるであろう技能(skills)を医療従事者に教える22。重要なことには、ILSコースは心停止防止についてのセクションを含んでお り、集中治療の専門家がすぐには応じられない場合に、危機的疾患の最初の24時間に実施すべき患者管理に焦点をおいた他の短期コースも補充として含まれている23-25。看護師、看護学生、医師、医学生、歯科医師、理学療法士、診療放射線技師、および臨床工学技士(訳者註)などが受講することがでできる。

訳者註:「cardiac technician」についてはわが国には該当する用語がないと考えられ、実態が近い「臨床工学技士」をあてた。

 現在のALSインストラクターとIC(instructor candidate)は、ILSコースにおいて教え、そして評価することができる。また、ある特定の(specific)ILSインストラクターを養成する試験的計画が進行中である。(これらのコースでは)6人の受講生ごと に最低1人のインストラクターが必要であり、1コースの受講生数を最大30人に抑える必要がある。

コース形式

 ILSコースは1日かけて実施され、講義、実地技能教育、そしてマネキンを用いての心停止シナリオ教育(CASTeach: cardiac arrest scenario teaching)で構成される。このプログラムはインストラクターがそのコースを受講生に合わせて調整することを許す、多くのオプションを含んでいる。

コース内容

 コースは蘇生を成功に導く可能性が最も高い、次のような技能(skills)を対象としている。すなわち、心停止の原因と防止、CPRの開始、基本的気道確保手技、および除細動(AEDもしくは手動式除細動器を用いる)である。心停止時のラリンゲルマスクによる気道確保や薬物治療を教えるオプションもある。すべての技能が習得できたら、受講生に対して初期応答者の役割を要約(outline)した、インストラクターによる心停止対応の実演(demonstration)が行われる。これに引き続き受講生が練習をする、CASTeachステーションに移る。ILS受講生がチームリーダーの役割を引き受けることは通常、期待されない。受講生は蘇生の試みを開始し、より経験豊かな人が助けに到着するまで(until more experienced help arrives)蘇生を継続する必要がある。適切なタイミングで(when appropriate)、インストラクターは蘇生チームのリーダーとして治療を引き継ぐ(takes over as a resuscitation team leader)。これは必須という訳ではないが、シナリオの中でより経験豊かな助けが到着する前に、蘇生が成功する場合があってもよい。受講生の仕事場と臨床的役割に適宜合わせた一組シナリオ(set scenarios)が使用される。

評価

 受講生の動き(performances)は継続的に評価され、彼らはILSコースを通して自分達の能力を示さなければならない。改まった試験ステーションは無く、そのことは、コース最後の時点の試験(spot testing at the end of the course)に伴う恐れを無用としている。受講生にはコース前資料と共に評価票が送付される。この評価票にはどのように彼らの動作が規定基準に対して測定されるかがはっきりと示されている。ILSコースにおける評価により、受講生は何が期待されているかを、またこれらの結果から派生して学べることの枠組みを知ることができる(訳者註)。気道管理、BLSと除細動の実際的な手技がILSコースで評価される。支持的学習法(with a supportive approach)により、受講生の大部分がコースの学習成果を達成する。

訳者註:原文は以下のようになっているが、その具体的な内容が訳者にはわかりにくかった。利用者のご助言をお待ちしている。
Assessment on the ILS course enables the candidate to see what is expected and frame learning around achievement of these outcomes.

設備

 ILSコースは、容易に運営できる(straightforward)ように設計されている。ほとんどのコースは小人数の受講生(平均12人)に対し、病院内で行われる。コースでは講義設備と、6人の志願者の各グループのための技能を実習する場所が必要である。6人の志願者ごとに少なくとも1体のALSマネキンが必要である。コースは地域の必要性(local needs)に適合しているべきである。コースセンターは、できる限りその地元で利用可能な装置(例えば、同じタイプの除細動器)を使って受講生を訓練するよう努力すべきである。

コース報告と成績表(Course report and results sheet)

 コース報告と成績表は、コースディレクターによって編集され、その国の蘇生協議会(National Resuscitation Council)とERCに提出される。


■二次救命処置(ALS)コース

 このコースの受講対象者は、病院内の救急部門で働く医師、上級看護師および、救急医療や心停止チームの一員になり得るスタッフである26。このコースは上級パラメディック(senior paramedics)やある種の病院技術者にも適している。 ILS(Immediate Life Support)コースは初期応答看護師(first-responder nurses)や、臨床上めったに心停止に遭遇しない医 師および一般救急隊員(emergency medical technicians)に対してより適している。このコースは最大32人までの受講生に対応することができ、受講生3人あたり少なくともインストラクター(instructor)1人の比率で行われる。インストラクターの50%まではインストラクター候補者(instructor candidate; IC)であってもよい。受講生グループは8人を超えるべきでなく、6人が理想である。各インストラクターは小グループの受講生に対するメンター(mentor)として行動する。通常、コースは2日間から2日半かけて行われる。

コース形式

 コース形式としては改まった講義はわずか4コマのみであり、その教育は実地技能(hands-on skills)と、チームリーダーとしての活動(the team leader approach)を強調した、少人数のグループで行われる臨床に即したシナリオ(clinically based scenarios)に基づく訓練、そして双方向性のグループ討論がもっぱら行われる。そして、その訓練においては、チームリーダー学習法(the team leader approach)および双方向性のグループ討論が重視される(with emphasis on the team leader approach and interactive group discussions)。メンターと受講生間の討議(mentor/mentee sessions)が設けられており、受講生は質問をしまたフィードバックを受けることができるようになっている。ファカルティのミーティング(faculty meetings)はコースの始めと、各日の終わりに行われる。講習会参加者やスタッフの夕食会(course and faculty dinners)などの交流 (social occasions)は、相互理解と楽しみを大いに添えてくれる(訳者註)。

訳者註:原文は以下のようになっている。「course dinners」とつながるのではないかと考えたが正しいかどうか、利用者のご意見をお待ちしている。
原文:Social occasions, such as course and faculty dinners

コース内容

 コース内容は現行(最新)のERC蘇生ガイドラインに基いている。受講生はコース前に入念にALSコースマニュアルを勉強してくることが期待されている。コースは、受講生を訓練して、心停止の原因を明らかにすること(highlight the causes)や、病状悪化の危険のある患者を特定することや、心停止の管理、そして発症して最初の1時間内外で起こってくる急性の心停止になりか ねない病状(the immediate periarrest problems)の管理ができるようにすることを目指している。これは、二次高度治療や心臓病学のコースではない。受講生がこのコースに登録するにあたり(before the candidate enrols for the course)、BLSの能力があることが前提である。

 安全な除細動とECG判読の技術、気道と換気の管理、心停止前後の管理、基本的な酸/塩基平衡、および心停止に関連する特殊な状況に関して重点が置かれる。このコースには、蘇生後の管理、蘇生に関わる倫理面、および遺族への配慮などの項目も含まれる。

評価と試験

 各受講生は、個別に評価され、さらにその日の終わりのミーティング時に指導陣により再度講評される。(また)必要に応じてフィードバックされる。コースの終盤に向けては試験シナリオ(a testing scenario)で訓練が実施され、その段階では受講生が(訳者註:周心停止期の)患者管理と効果的で安全な除細動ができるかどうか、同時進行で評価される。核となる知識を試験するためコースの最後に用いられる多項選択式の問題用紙がある。受講生が(この)試験に合格するためには、75%の得点が必要である。

コース開催場所と設備

 コースには4つの実技室、講義室、職員室、および昼食と軽い飲食物のための設備が必要である。(また)少なくとも2台のデジタルプロジェクターとコンピュータ、および最大4枚の掛け図(フリップチャート)が必要である。実技室それぞれには、ECGシミュレータの付いた成人ALSマネキン1台と除細動器1台が必要である。4台の成人気道管理用マネキンと、併せて基本的な気道管理、人工呼吸、気管挿管、ラリンゲアルマスクのような喉頭エアウエイ(placing a supraglottic airway)の挿入などができるような器材(the equipment)が必要である。(訳者註:上記の物品に)静脈カニューレ、シリンジ、輸液剤、および擬似薬剤(simulated drugs)を加えて必要物品リストができる。

コース報告と成績表

 コース報告書と成績表はコース・ディレクターによってまとめられ、その国の蘇生協議会とERCに提出される。


■ヨーロッパ小児救命処置(EPLS)コース

 EPLSコースは病院内または病院外心停止のいかんを問わず、新生児、乳児もしくは小児の蘇生に関わる医療従事者のために設計されている。このコースは、重篤な小児の発症後最初の1時間を管理し、心停止へと病気が進行するのを予防するための知識と技能を治療提供者に提供することを目的としている。

 (このコースは)BLSと気道閉塞異物除去法の90分間の再教育コースを含んでいるものの、小児一次救命処置技能をあらかじめ習得していることが求められている(Competence in basic paediatric life support is a prerequisite)。EPLS(ヨーロッパ小児救命処置)コースは新生児、乳児、および小児の傷病者に対応することを任務とする医師および、看護師、一般救急隊員(emergency medical technicians)、パラメディックなどに適したものである27,28。EPLSは、高度な医療提供者(the advanced providers)を対象とした新生児、小児集中治療コースではない。

 コースは 24人の受講生を定員とし、4人の受講生につき少なくとも1名のインストラクターを置く。例外的には、インストラクターを追加して受講生を 28人としてもよい。シナリオを現実的にものにし、受講生の質問に答えるためには小児科での経験が必要である。そのため、コースのインストラクターの少なくとも 50%は、日常的に新生児または小児の診療をしていなければならない(must have regular experience in neonatal or paediatric practice)。インストラクターの最高50%はインストラクター候補者(instructor candidate)であってもよい。受講生のグループは8人を超えてはならず、理想的には5〜6人である。すなわち2人のインストラクターが5〜7人の受講生グループにおいてメンター(mentor)として指導する。通常、コースは2日間から2日半かけて行われる。

コース形式

 新規のコース形式では、改まった講演は減らされ3コマだけとなっている。知識と技能は、臨床を基礎としたシナリオを使用しながら、小グループで教えられる。病気の小児の診断と治療、チームとして動くこと(team working)、および指導力(leadership)に重点が置かれている。(コース中には)メンターと受講生との正式なミーティング(formal mentor/mentee sessions)が組み込まれており、受講生が意見を述べ、かつフィードバックを受けることができる。インストラクターのミーティングがコースの始めとコース中の各日の終わりに行われる。インストラクター候補者(instructor candidate)に対してもフィ−ドバックが、一連の指導セッション後(after each series of workshops)および彼らによる講義後に行われる。

コース内容

 コース内容は新生児、小児蘇生についての現行のERCガイドラインに従っている。志願者はコースに参加する前にマニュアルを勉強してきていることが求められる(are expected to have studied the manual)。将来的にはBLSを自宅で訓練するためにCDやDVDを受け取ることになるかも知れない15。コースの4〜6週間前には、コース前多項選択式試験問題(MCQ: multiple choice questions)がマニュアルと共に送付される。それ(訳者註:解答用紙)はコースの始めに集められ、コース中にフィードバックされる。

 EPLSは受講生が新生児、小児の心肺停止の原因と機序を理解し、重篤な病状の新生児、乳児または小児を診断し治療し(to recognise and treat)、そして心停止が起こった場合にはその管理ができるように訓練することを目的としている。教えられる技能は気道管理、バック・マスク換気(BMV)、ログロールと頚部カラー装着、酸素投与、挿管の開始と血管確保、安全な除細動、カルディオバージョンおよびAED使用などである。

 各受講生は、ファカルティ(faculty)により1人1人評価され、再審査される。(受講生はまた)必要に応じてフィードバックされる。BLSの評価の後にBLS再教育コースが行われ、このコースの最後に行われるシナリオを基にした2回目の試験においては、病気の小児の評価と核となる技能(the assessment of the sick child and the core skills)が強調される。核となる知識を試験するため、コースの最後に多項選択式の問題用紙が用いられる。受講生がこの試験に合格するためには75%の得点(required to achieve 75%)が必要である。

コース開催場所と設備

 コースには4つの実技室、講義室、スタッフルーム、および昼食や軽い飲食物を取るための設備が必要である。1台以上のデジタルプロジェクターとコンピューター、および最大4つの掛け図(flip charts)が必要である。小児マネキン(一次および二次救命処置のための乳児および小児マネキン)と付属用品を各部屋に準備しておくこと(must be available)。除細動器1台、AED 1台および心電図シミュレータ装置1台も準備しておく。

コース報告書(a course report)と成績表(the results sheet)

 コース報告書と成績表はコース・ディレクターによってまとめられ、その国の蘇生協議会とERCに提出される。


■新生児救命処置(NLS)コース

 新生児救命処置(NLS)コースは業務中に出産の場に居合わせる可能性のある医療従事者(health worker)のために設け(design)られている。このコースは、出生時に蘇生を開始するため呼ばれる可能性のある人々に、最初の10〜20分の間新生児を的確に処置するための背景となる知識(background knowledge)と技能を与えることを目的としている。コースは助産師、看護師および医師を対象としている。(そして)他の同様のコースがほとんどそうであるように、専門の異なる受講生が混じったとき最もコースの成果が上がる(works best with candidates from a mixture of specialties)。

 コースは通常、1日かけて行われる。受講生24人で最も順調に運営されるが、最大32人まで増やすことも許される。(コースには)コースディレクター(course director)に加えて、受講生3人に1人のインストラクターが必要である。

コース形式

 コース4週間前には各受講生にNLSマニュアルが送られる。マニュアルと共に他項目選択式のテスト(a multiple-choice questionnaire)が送付され、受講生はこれに解答しコース参加時に持ってくるよう求められる(is asked to complete this and bring it to the course.)。30分および15分の講義がそれぞれ2回ある。受講生は次に、4つのグループに分かれ、昼食までに3つのワークステーションを回る。午後はデモンストレーションから開始となり、その後小グループでのシナリオセッションを2時間、最後に他項目選択式のテスト(MCQ)と気道管理の実技試験による知識と実技の実際評価を実施して、終了となる。コースは気道管理を集中して扱うが、胸骨圧迫、臍静脈アクセスおよび薬剤も扱っている。

コース開催場所と設備

 コース会場には講義室、4つの適度な大きさの実技室、スタッフルーム、そして昼食と軽い飲食物のための設備が必要である。 講義室にはデジタルプロジェクター、各実技室には掛け図(flip chart)や黒板もしくは白板が必要である。理想的には、実技室の 1つには手指消毒設備があるべきである。少なくとも各4体の幼児BLSマネキンおよび幼児ALSマネキン(理想的には各6体)が、 他の気道管理器具と共に利用できなければならない。4台の小児蘇生ベッド(resuscitaire、訳者註)、理想的にはガス・ボンベを備えたもの、これらも利用可能であるべきである。

訳者注:resuscitaireとは、以下のURLにあるような蘇生器具や酸素投与設備、保温装置等を備えた移動可能なベッドの事である。日本語では「クベース」と言い習わされている。
http://www.crownkenya.com/html/products.php?CatID=11

コース報告書と成績表

 コース報告書と成績表はコースディレクターによって編集され、その国の蘇生協議会と ERCに提出される。


■一般的なインストラクターコース(Generic Instructor Course, GIC)

 これは ALSかEPLSのプロバイダーコースにおいてインストラクターポテンシャル(instructor potential, IP)として推薦された者のためのコースである。その他に、MIMMSコース(訳者註)はALSG(訳者註)の後援で行なわれており、そのコース出身のからのIPは該当コースを教えるためのインストラクター候補者(instructor candidate, IC)の資格を得るために GICを受講してもよい(may take the GIC to qualify as ICs for teaching that course)。インストラクター1人に対して受講生 3人までの比率とし、受講生の数を最高 24人とするべきである。インストラクターにはインストラクター候補者(instructor candidates, ICs)は含まず、全員が経験豊富な ERCの正規インストラクターでなければならない。鍵となる人物はインストラクタートレーナー(educator)である。各グループの受講生は6人を超えるべきではない。コースでは指導技術(instruction skills)を磨くことに重点が置かれる。プロバイダーコースで核となる知識(core knowledge)は当然持っているものとされる。 コースは2〜2.5日間かけて行なわれる。

訳者注:
(1)MIMMSコース―MIMMSとはMajor Incident Medical Management and Supportの略で、大規模災害等の場合に、医療関係者だけでなく、行政や警察、消防などの連携をどう取り行動するか等を学ぶ講習会である。
(2)ALSG―Advanced life support groupsの略で、医療関係者向けの講習会を支援する団体である(
http://www.alsg.org/)。

コース形式

 コース形式は主に対話式(is largely interactive)である。インストラクタートレーナー(educator)には重要な役割があり、多くの討議やフィードバックを主導する。また彼らは効果的な教育法に関する改まった講義を1回(one formal lecture)担当する。この講義の合間にはグループ活動が何回か行われる(is interspersed with group activities)。 このコースの残りでは、小グループでの議論と、技能およびシナリオを基本とする参加型セッションが行なわれる。

 (コースには)メンターと受講者間の討議(mentor/mentee session)が含まれており、コースの始めと各日の終わりにはファカルティのミーティング(faculty meeting)がある。

コース内容

 コースは教育技術と技能に集中する。受講生はコース前に、GICマニュアル(引照付マニュアル、reference manual)を入念に 勉強してくるように期待されている。コースの冒頭で、インストラクタートレーナー(the educator)が成人学習と有効な教育法に関する理論上の背景について述べる。パワーポイントが上映されまたフリップチャート(掛け図)が示される。そして、受講生は5分間の講義をする機会を与えられ(have an opportunity to present a 5-min lecture)、その発表(performance)に関して個別のフィードバックがなされる。(コースで用いられる)機材に慣れ親しむことについての方針(the principle of equipment familiarisation)が示され、その後にファカルティ(faculty)による模範演技(demonstration)、次に受講生による実技が実際のコースのあらゆる場面を念頭に置いて(in all aspects of the course)行われる。技能の教育は4段階のアプローチに基づいている。

 シナリオを用いたシミュレーション訓練では、受講生の元のプロバイダーコースで用いられたシナリオを使用する。指導法について学ぶこの1日を通して(throughout this teaching day)、インストラクターの役割(role)に重点が置かれる。そして、各受講生はこのインストラクターのありよう(role)を身に付ける(adopt)機会を持つ。インストラクターの役割の中では建設的 フィードバック(constructive feedback)が主要な要素となる。

 2日目は評価法に重点が移り、ファカルティ(faculty)による実演(demonstrations)の後、全ての受講生は、技能およびシナリオ(シミュレーション)でのリーダーシップの2項目の達成度をインストラクターとして評価する(act in the instructor assessor role)機会を提供される。更なるセッションでは、(コース参加者の)開かれたもしくは閉じられた議論を切り盛りすることや、インストラクターの役割とは何か、またインストラクターの質とは何かについて学ぶことになる。

評価

 各受講生は、コースを通してファカルティ(faculty)によって継続的に評価される。受講生の動きや態度(performances and attitudes)は毎日のファカルティのミーティング(faculty meeting)で議論され、必要に応じてフィードバックされる。コースを完了した受講者はICの段階に進むことができる。

コース開催場所と設備

 これは元のプロバイダーコースと同様である。受講生の職種が様々であれば、種々の設備が必要となる。

コース報告書と成績表

 コース報告書はコースディレクターと教育者(the educator)によって編集され、その国の蘇生協議会とERCに提出される。


■教育最上段階(The Educator Master Class, EMC)

 通常1年に1度開催されるこのコースはGICのための医学教育者(medical educators)になることを強く望んでいる人々のために設けられて(design)いる。適切な受講生はファカルティ(faculty)によって選抜されるが、一般的には医学教育分野で教育を受けたり資格を取得している(have a background and qualification in medical education)か、何年にもわたって教育活動に特別に関わってきたことが証明されなければならない。彼らはプロバイダーコースとGICを受講し、このコースの背景知識を勉強していなければならない(should have studied the background reading for the course)。

 このコースの指導者は経験豊富なインストラクタートレーナーである。6人のインストラクタートレーナーに対して最大18人まで受講可能である。各グループは6人までの受講生で構成されるべきである。このコースは1〜2日間かけて行なわれる(The course lasts just under 2 days.)。

コース形式

 コース全体を通じて、主にクローズトの議論グループ(closed discussion group)で進行してゆく。このグループは1人または2人のインストラクターにより導かれ、小グループでの討論が随時行われ、また問題解決(problem solving)のための討論も行われる。

訳者註:この段落の原文は以下のようになっており、われわれには難解であった。「break-out small group discussions and problem solving」は具体的にどのようなことを行うのだろうか? 「break-out」という のは予定されたものではなく、(突然)随時行われる―という感じではないだろうか(それも解決しておきたい問題・疑問が生じたときに)。「problem solving」は「problem solving discussion」かも知れない。利用者の皆様のご助言をお待ちしている。
原文:The course consists mainly of closed discussion groups for the whole course, led by one or two of the instructors, together with break-out small group discussions and problem solving.

コース内容

 このコースは医学教育者のための理論的枠組み、すなわち(コースにおける)評価と質の管理、教育の方法論、批判的な評価 (critical appraisal)のあり方、メンターの役割、複数の専門性を持つための教育戦略(multiprofessional education strategies)およびどうすれば医学教育者が継続的に発展(continued development of the medical educator)できるかを扱っている。

訳者註:この部分も難解であった。利用者からのご意見、ご指導をお待ちしている。
原文:The course covers the theoretical framework for medical educators, assessment and quality control, teaching methodologies, critical appraisal, the role of the mentor, multiprofessional education strategies and continued development of the medical educator.

評価

 各受講生は、コースを通してファカルティ(faculty)による継続評価(ongoing assessment)を受けている。受講生個人の進歩に関しては毎日の終わりのスタッフのミーティング(faculty meeting)で意見交換があり、(その結果に基づき)受講生は適宜フィードバックを受ける。合格した受講生は教育者候補(educator candidate, EC)の段階に進み、そこで、独力で教育者として指導するのに適しているか判定されるまで、経験豊富なインストラクタートレーナーとコースディレクターによって監督され、評価を受けることになる。

コース開催場所と設備

 コース会場には1部屋の講義室と3部屋の小会議室が必要である。1台のデジタルプロジェクターと3つの掛 け図(flip chart)が必要となる。マネキンは全く必要としない。

コース報告と結果

 コースディレクターはファカルティ(faculty)との相談後にコース報告を編集する。これと成績表(the results sheet)はインストラクタートレーナー(educator)の所属する国の蘇生協議会と ERCに送付される。


付録A. ヨーロッパ蘇生評議会の行動規範
(Appendix A. European Resuscitation Council Code of Conduct)

 ERCの後援で開催されるコースにおいて、指導または指導の補佐をする者全てに適応される行動規範(The Code of Conduct)がある。彼らが次のことを行うことは必須である。


訳者註:ERCコースのインストラクターや受講生に関する用語について

 ERCコースのインストラクターや受講生に関する用語の訳については定着したものがなく、難渋した。例えば「candidate」という言葉は、プロバイダーコースでは「受講生」と訳するのでよいと思われるが、インストラクターコースでも出てくる。「インストラクター候補(candidate)」という訳も考えられるが、私共のウェブ資料では「インストラクターコースの『受講生』」という訳を用いた。

provider candidate(プロバイダーコースの受講生)
     ↓
(プロバイダーコース受講)
     ↓
provider(プロバイダー)
優秀ならばinstructor potential(IP、インストラクター候補またはインストラクターポテンシャル)
     ↓
(インストラクターコース)
 このコースの受講生を instructer candidate (IC)と呼ぶ。
     ↓
instructor candidate(インストラクター候補者)
     ↓
コースでfull instructor(正規インストラクター)とともに指導、認められれば
     ↓
full instructor

 あと「educator」、「faculty」、「director」などの訳が難しい。AHAやICLSのコースであると、「directorが該当コースの企画者で運営の責任者であり、「faculty」はさらに上位の指導者であるように見える。しかし、ERCの場合は必ずしも同様の位置づけではなさそうである。われわれの資料中では以下のような考え方で訳語をあてることとした。

educator インストラクターコースのインストラクター、インストラクタートレーナー
director コース運営責任者、コースディレクター
faculty ファカルティ、上記二つをあわせたもの

 参考ウェブ

 利用者の皆様のご意見と情報をお待ちしている。


References

1. Makker R, Gray-Siracusa K, Evers M. Evaluation of advanced cardiac life support in a community teaching hospital by use of actual cardiac arrests. Heart Lung 1995;24:116-20.

2. Anthonypillai F. Retention of advanced cardiopulmonary resuscitation knowledge by intensive care trained nurses. Intensive Crit Care Nurs 1992;8:180-4.

3. Azcona LA, Gutierrez GE, Fernandez CJ, Natera OM, Ruiz- Speare O, Ali J. Attrition of advanced trauma life support (ATLS) skills among ATLS instructors and providers in Mexico. J Am Coll Surg 2002;195:372-7.

4. Birnbaum ML, Robinson NE, Kuska BM, Stone HL, Fryback DG, Rose JH. Effect of advanced cardiac life-support training in rural, community hospitals. Crit Care Med 1994;22: 741-9.

5. Hammond F, Saba M, Simes T, Cross R. Advanced life support: retention of registered nurses’ knowledge 18 months after initial training. Aust Crit Care 2000;13:99-104.

6. Kaye W, Mancini ME, Rallis SF. Advanced cardiac life support refresher course using standardized objective-based mega code testing. Crit Care Med 1987;15:55-60.

7. Kaye W, Wynne G, Marteau T, et al. An advanced resuscitation training course for preregistration house officers. J R Coll Physicians Lond 1990;24:51-4.

8. O’Steen DS, Kee CC, Minick MP. The retention of advanced cardiac life support knowledge among registered nurses. J Nurs Staff Dev 1996;12:66-72.

9. Schwid HA, O’Donnell D. Anesthesiologists’ management of simulated critical incidents. Anesthesiology 1992;76:495-501.

10. Young R, King L. An evaluation of knowledge and skill retention following an in-house advanced life support course. Nurs Crit Care 2000;5:7-14.

11. Stross JK. Maintaining competency in advanced cardiac life support skills. JAMA 1983;249:3339-41.

12. Su E, Schmidt TA, Mann NC, Zechnich AD. A randomized controlled trial to assess decay in acquired knowledge among paramedics completing a pediatric resuscitation course. Acad Emerg Med 2000;7:779-86.

13. Baskett P. Progress of the advanced life support courses in Europe and beyond. Resuscitation 2004;62:311-3.

14. Chamberlain DA, Hazinski MF. Education in resuscitation. Resuscitation 2003;59:11-43.

15. Braslow A, Brennan RT, Newman MM, Bircher NG, Batcheller AM, Kaye W. CPR training without an instructor: development and evaluation of a video self-instructional system for effective performance of cardiopulmonary resuscitation. Resuscitation 1997;34:207-20.

16. Todd KH, Braslow A, Brennan RT, et al. Randomized, controlled trial of video self-instruction versus traditional CPR training. Ann Emerg Med 1998;31:364-9.

17. Todd KH, Heron SL, Thompson M, Dennis R, O’Connor J, Kellermann AL. Simple CPR: a randomized, controlled trial of video self-instructional cardiopulmonary resuscitation training in an African American church congregation. Ann Emerg Med 1999;34:730-7. European Resuscitation Council Guidelines for Resuscitation 2005 S189

18. Batcheller AM, Brennan RT, Braslow A, Urrutia A, Kaye W. Cardiopulmonary resuscitation performance of subjects over forty is better following half-hour video self-instruction compared to traditional four-hour classroom training. Resuscitation 2000;43:101-10.

19. Lynch B, Einspruch E, Nichol G, Becker L, Aufderheide T, Idris A. Effectiveness of a 30-minute CPR self-instruction program for lay responders: a controlled randomized study. Resuscitation 2005;67:31-43.

20. Sandroni C, Fenici P, Cavallaro F, Bocci MG, Scapigliati A, Antonelli M. Haemodynamic effects of mental stress during cardiac arrest simulation testing on advanced life support courses. Resuscitation 2005;66:39- 44.

21. Soar J, Perkins GD, Harris S, Nolan JP. The immediate life support course. Resuscitation 2003;57:21-6.

22. Soar J, McKay U. A revised role for the hospital cardiac arrest team. Resuscitation 1998;38:145-9.

23. Smith GB, Osgood VM, Crane S. ALERT-?a multiprofessional training course in the care of the acutely ill adult patient. Resuscitation 2002;52:281-6.

24. Smith GB, Poplett N. Impact of attending a 1-day multiprofessional course (ALERT) on the knowledge of acute care in trainee doctors. Resuscitation 2004;61:117-22.

25. Featherstone P, Smith GB, Linnell M, Easton S, Osgood VM. Impact of a one-day inter-professional course (ALERTTM) on attitudes and confidence in managing critically ill adult patients. Resuscitation 2005;65:329-36.

26. Nolan J. Advanced life support training. Resuscitation 2001;50:9-11.

27. Buss PW, McCabe M, Evans RJ, Davies A, Jenkins H. A survey of basic resuscitation knowledge among resident paediatricians. Arch Dis Child 1993;68:75-8.

28. Carapiet D, Fraser J, Wade A, Buss PW, Bingham R. Changes in paediatric resuscitation knowledge among doctors. Arch Dis Child 2001;84:412-4.


フロントペ−ジへ