私は集まってきた医師や看護婦に,メリッサの所へいくように伝え,彼女は彼らに何をすべきかを指示しました。われわれは,すべての医師と看護婦を管理しました。だから,多くの患者をこんなに早く搬送できたのです。医師や看護婦は,非常に協力的にパラメディックからの指示を受けていました。
今回の仕事が順調にすすめられたキーポイントは,自分が何をすべきなのかを計画性を持って指示してくれる人を,誰もが望んでいて,私がそのように行動できたからだと考えています。
この2カ月の間、私たちは、危機的な状況下におけるストレスから立ち直るためのCISD(critical incident stress debriefing)チーム作りをしてきました。心理学者が3-4人来てくれて,CISDを行うに当たって,われわれに話をしてくれたので非常に助かりました
現場では,医師であろうと,看護婦であろうと,パラメディックであろうと,できることは一次救命処置だけでした。ダウンタウンの開業医の所から,血圧計を持って駆けつけてくれた看護婦がいましたが,バイタルをとる余裕などありません。脈が触れるかと気道を確保するのが精一杯でした。
私たちはこの事件によって,心理的な問題を引き起こされたのです。外傷後のストレスによる心身の不調と言われました。私はいま,身 体的な問題−胸痛や息切れ,睡眠障害と闘っているたくさんの友人を助けています。
私たちの病院では,73人の外傷患者を受け入れ,50人以上が入院しました。多くが刺創やガラスによる切傷でした。爆風だけが原因の鈍的外傷によって,心肺挫創を負っている患者もいました。頸動脈を損傷している患者が2人いましたが,どちらも助かりました。
(1)建物等の被害想定(揺れ、液状化現象による被害が対象)
(1)罹災者数
(2)負傷者数
(3)医薬品
(4)救護活動
(5)災害弱者について
(2)避難誘導
(3)救出活動
(4)活動と調整
マグニチュード7級の地震を想定した災害対策
●我が国のある海岸に面した人口約20万のA市で、マグニチュード7級の直下型地震が発生した。この地震の影響は、概ね震源地から30Km程度である。被害はA市とその近郊に限定されるものとして、各種応急対策を検討する。I. 被害想定
・建物被害
・ブロック塀等被害:ブロック塀や石塀の倒壊による人的被害。
・落下物被害:ビルのガラス破損(飛散物)、袖看板(非飛散物)の落下。
・屋内収容物被害 :家具の転倒、収納物の落下。
II. 地震の人的被害と対応
A市の罹災者数は2万人であり、近隣市町村では合計3千人であった。
応急対応上問題となるのは避難所収容者数である。また、家に残留する者にとっても、食料など生活必需品やライフラインの供給に被害が及んでいる。
死亡者30人、重症者100人、軽傷者1500人となり、その医療機関での処理能力をうわまわる数のため、かなりの困難が予想される。
1時間程で特定品目が不足しはじめ、市や卸業者は備蓄を放出するが、渋滞によりその配達に難航した。また一夜あけると病院の混雑はピークに達した。
重症者に対する施療が十分に行われず病院に移送されても手遅れになるケースが続出。ヘリによる被災地外への後方搬送。3日後には外来患者の症状は内科・精神科的なものに移行した。
65歳以上3万2千人のうち、寝たきり老人、重症心身障害者等を対象とする。介護が必要なため、健常者に比べ被災する率は高く、特に病院にいる者よりも家族介護を受けている者のほうがその率は高い。III. 災害対策
自主防の消火班編成、市消防による消火活動、津浪監視。道路の被害、車両、転倒・落下物等のため現場到着に時間を要する。消火栓は使用不可能、無線の混雑で活動環境は悪い。したがって、避難者の安全確保を目的とした消火活動に切り替える。
発災直後はビルや地下街の出入口に人が殺到。火災から避難するも、車両、落下物、転倒物が障害となり、道路が渋滞する。災害弱者の中には逃げ遅れる者もでる。時間の経過とともに大量の避難者を誘導する必要になった。避難場所では、正確な情報も得難く、水や食料の提供も困難であった。
消防団員はあまり集まらず、火災消火を優先するため主力を投入できない。電話不通等のため、被害状況が判明するのに時間を要する。
大規模な箇所は余震による2次災害の恐れと日没のため救出活動はできず。当日深夜から翌日未明にかけて活動拠点を設置。救出現場の分散により活動調整に時間を要する。救出作業は2次災害を警戒しながら自衛隊により行われた。生存可能性の高いところに重点的に要員、資機材の投入が行われた。応急復旧期には生存者救出から遺体検索へ方針が変更され、検死作業が多くなった。IV. ライフラインの被害対策