(Gunn SWA. 救急医学 15: 1721-5,担当:大野)
災害管理の学術的な根拠に基づく10項目の基本則を示すと、
1)災害準備は必須、備えがあるほど効果的な援助活動が可能
2)自然災害の多くは予防可能、人為災害は全て回避できる
3)全く同じ災害はないが派生する問題は予測可能
4)災害のプロフィールに基づいて傷病パターンを疫学的に示すことができる
5)地域、国、国際レベルでの災害計画と準備は不可欠
6)災害に即座に対応できるように人的資源の動員を組織化
7)危機、人の介在の影響の評価、災害後状況調査が必須
8)災害発生後に行動しても2次災害は回避できない
9)再建の時相は災害直後から始まり、新しい開発の一部である
10)災害管理には地域社会、地方、国の公共組織すべてを包合
これらを見ると災害管理のカギは災害準備と予防にあると言える。しかも疫学から見ても災害医学は有用であると言える。こうした研究を実用に供するためにはトレーニングを受けた人を擁することも大事である。災害準備と対応とをより効率的、効果的なものとするために、保健をはじめとして緊急管理にかかわるあらゆる周辺分野の参加と協力とを欠かすことはできないといえるだろう。