■スイス航空救助隊(REGA)とは
世界的にも有名な数々の山岳リゾートを持つスイスは古くから遭難者等の救助活動に航空機が使用されてきた。そのルーツをたどると47年前の1952年にスイス氷河地帯で発生した飛行機事故遭難者の救助に初めて航空機が使用され生存者の救出に大活躍した。この成功により山岳救助を受け持つスイス救助協会内にスイス航空救助隊が創設された。当初は小型固定翼機とパラシュートによる救助活動であったが1960年にはヘリコプターが登場し航空機による山岳救助は日常的な手段として普及しその件数も著しく増加した。今までのようなボランティア活動としての運営が厳しい環境の中、スイス航空救助隊はスイス救助協会から独立して運営を始めた。活動資金をどのように捻出するか?この大きな難問に一人の医師の提案が現在REGA運営のルーツになっている。 これは国民の任意加入の会員システムで一人あたり年間20フラン(約1800円)の負担によりその会員は遭難時等に無料で航空機を使用した救助サービスを受けられるシステムである。この提案は広くスイス国民に受けいられた。組織は年々大きくなり、1979年にREGAとして運営を初めた。現在では国民4人に1人はREGAの会員であり、国からは一切の援助も受けていない。ヘリ14機、ジェット3機を有し、年間平均約1万件の出動実績を誇る世界で最も優れている航空救助隊である。