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From: "Y.Takeda" Subject: [eml-9: 02392] RE: 02360]研修所のシミュレーション Date: Mon, 3 May 1999 10:14:19 +0900 竹川さん、粥川さん、畑中さん、こんにちは竹田@出雲消防です。 > 私が発言した中に感情論が多いにあり、判りにくっかた点を畑中 さんの発言で理解された方が多いと思います。 研修所に勤務する教授・教官は誰一人としていまの状況に甘んじ ているわけではありません。少しでも救命率の向上目指して日夜 努力しています。 竹川さんの意見は理解はしていました。また、我々のところの九州研修所卒業 生からは竹川さんのご活躍の話は常々聞いておりましたし、「研修所でのシュ ミレーション」自体進歩しているのも聞いておりました。 > 研修所が行っているシミュレーションは、本来の皆さんが議論し ているシミュレーションではなく。研修所で行っているのは救急 実習訓練なのです。救急実習訓練の中の一部を現場に近い想定を 入れたシミュレーションを行っているのです。救急実習訓練全体 をシミュレーションと、とらえたところに誤解が生じたのではな いでしょうか。 私が言いたかったのは卒業後における「再教育としてのシュミレーション」や 「デモンストレーション」についてです。 私の発言の中で「研修所でのシュミレーション」と現場における「再教育とし てのシュミレーション」が混在し迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。 ただ、お恥ずかしい話、我々のところで救命士が明らかなCPA患者なのに 「研修所でのシュミレーション」を現場で実施したことがあり、帰署後「な ぜ、あんな行動をしたのか」と問いましたところ「基本だから」でした。 また、救急現場に一緒に出る1課程、2課程者には基本手技は教えますが「研 修所でのシュミレーション」ではなく即現場に対応した「再教育としてのシュ ミレーション」を教育します。そうしなければ1課程、2課程者が現場で混乱 します。 これらは現場教育の責任なんですが、このことから「基本とは?」と思ったこ とも確かです。 > 研修所での救急実習訓練の大半をシミュレーション訓練に当てら れる日がくることを願っています。 消防本部で活躍されている多くの救命士さん、皆で研修所が本当 のシミュレーション訓練が出来るように協力してあげてください。 お願いします。 我々救命士は医師や看護婦とは違いある程度の現場経験をしてから研修所に入 る訳ですから、卒業したら現場における「基本」(この場合は「応用」かもし れません)ができていることが理想だと思います。 このことについては研修所の教授、教官の皆さんにお願いするとして、我々現 場教育をするものが頑張らなくてはいけないですね。 粥川さんより >消極的な策でしょうが、実技テストもやるべきです。各所属に帰ってから >練習してくれるだろう、という考えでは、いつまでたっても現状改善は難 >しいと感じます。 > >標準課程、2課程レベルでの基本手技パターンシミュレーションを全国統一 >で各消防学校に普及させ、それをテストで評価するようにでもなれば、この >問題はかなり改善されると思うのですが。 私もsemlで意見を言いましたが基本手技のプレテストまでいかなくても、 せめて研修所入所までに覚える基本手技の提示があってもいいかもしれませ ん。 もう一つ研修所の方にお願いですが、以前emlで話題になった「徐細動の連 続3回実施」など「研修所でのシュミレーション」も進歩しています。ただ 我々卒業生にはこのことを知る機会は少ないです。何とか救急医療ジャーナル などの紙面を使って提示してもらえないでしょうか。 決して消防ポンプ操法のように要項を作る必要はないです。そうすることによ り逆に型にはまってしまい逆効果になる可能性があると思いますので。 では、今後もよろしくお願いします。 **************** 竹田 豊 出雲消防署 東部分署
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Subject: [eml-9: 02405] RE: [eml-9: 02392] RE: 02360]研修所のシミュレーション Date: Tue, 4 May 1999 17:10:10 +0900 畑中さん、竹川さん、竹田さん、安田さん皆さんこんばんは。西岡@熊本消防 です。 シミュレーションに関しての議論が盛り上がっていますが、救急隊員の初期教 育、生涯教育の中で欠くことのできない大切なことと思います。 すでに少し論点が整理されたようですが、九州研修所で教育に関わった者の 一人として遅ればせながら意見を述べたいと思います。 研修所のシミュレーションの考え方に関して、畑中さんの書かれた (eml-9:02360)は名文と思います。これまでの議論のなかでシミュレーション にも目的に応じた幾つかの形態があることが整理されてきましたが、研修所の シミュレーションは救命士としての登竜門として第1歩を確認するためのもの としては非常によく整理されたものであると思いますし、指導者サイドの指導 要点もしっかり煮詰められたうえで実施されています。 この意味において、竹川さんは基本の大切さということを強調されましたし、 私自身も全体としてアンバランスな研修生を一定のスタートラインに気づいて もらえるよう心がけていたつもりです。 しかし、現実には研修所のシミュレーションを絶対的なものと誤認している研 修生がいるような気配は感じてはおりました。 竹田さんは、書きました。 >ただ、お恥ずかしい話、我々のところで救命士が明らかなCPA患者なのに >「研修所でのシュミレーション」を現場で実施したことがあり、帰署後「な >ぜ、あんな行動をしたのか」と問いましたところ「基本だから」でした。 >また、救急現場に一緒に出る1課程、2課程者には基本手技は教えますが「研 >修所でのシュミレーション」ではなく即現場に対応した「再教育としてのシュ >ミレーション」を教育します。そうしなければ1課程、2課程者が現場で混乱 >します。 >これらは現場教育の責任なんですが、このことから「基本とは?」と思ったこ >とも確かです。 このことは、研修所の立場として私達が各地の学会等で展示されるシミュレー ションをみて感じていた違和感そのもののような気がしています。 いま、重要なことは、シミュレーションに対する考え方を少しでも多くの人 たちに再認識していただくことではないかと痛感しています。 竹川さんが、シミュレーションを自動車の運転にたとえられていましたが、 シミュレーションにも目的に応じた車種があるように思います。初心者には初 心者向けの車、レースにはF-1、引越しにはトラック。 研修所のシミュレーションは、初心者が車を運転するためのもの。F-1カーや トラックが活躍するシミュレーションは 別にあるはずですが、まだボンヤリとしたもののようであります。 研修所にいた時は、なんとかこの様なニュアンスを伝えようとがんばっては いたものの、竹田さんの経験談を聞かされると、より正しい理解を求めるには もう少し指導方法にも工夫の余地があったのかもしれないと反省しています。 一方研修所では、入所する研修生のばらつきに苦悩が尽きないことも、また 事実であります。 更に竹田さんは書きました >我々救命士は医師や看護婦とは違いある程度の現場経験をしてから研修所に入 >る訳ですから、卒業したら現場における「基本」(この場合は「応用」かもし >れません)ができていることが理想だと思います。 >このことについては研修所の教授、教官の皆さんにお願いするとして、我々現 >場教育をするものが頑張らなくてはいけないですね。 まったくそのとおりで、自転車しか見たことのない人を研修所に送ったり、普 通車でF-1グランプリに乗り込んだりするような誤解を生じないように、消防 本部にいる人たちがしっかりとした地盤を固めることが何よりにまして大切だ と思います。 この議論は、シミュレーションに限らず普遍的に共通することも多く、自分 の足元を再確認する上でも非常に貴重なディスカッションであったと思いま す。 ★ 熊本市消防局 西岡和男★
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Subject: [eml-9: 02409] RE: 研修所のシミュレーション(越智さん伊藤さんにお願い) Date: Tue, 4 May 1999 22:06:07 +0900 越智さん、竹田さん、西岡さん、粥川さん、安田さん、研修所教授陣さん、 皆さん、こんにちは竹川@北九州市です。 研修所のシミュレーションについて皆さんの貴重なご意見有難うございます。 私は、現在研修所には勤務していませんが、emlに参加している元研修所 教官として研修所の現実を多くの人に知っていただきたくて、semlで議論 されていた、研修所のシミュレーションについて私なりの考えを発言させて いただきました。 舌足らずの発言もかなりありましたが、いろんな人からサポートされ何とか 研修所のシミュレーションの現実、考え方、方向性をご理解していただいたと 思っています。 竹田さんは書きました。 >「研修所でのシュミレーション」自体進歩しているのも聞いておりました。 竹田さんの言われるとおり研修所のシミュレーションは日々進歩していると 思いますが、これから先も敷かれたレールの上を走るのではなく、これから も研修所職員一丸となってシミュレーションの新しいレールを作ってほしいと 思います。 >もう一つ研修所の方にお願いですが、以前emlで話題になった「徐細動の連 >続3回実施」など「研修所でのシュミレーション」も進歩しています。ただ >我々卒業生にはこのことを知る機会は少ないです。何とか救急医療ジャーナル >などの紙面を使って提示してもらえないでしょうか。 私も同じ意見です。研修所の卒業生だけでなく、全国の救急隊に、今研修所で はどんな事を行っているか、また研修所がどんな事を救急隊に望んでいるかを 紙面を使って提示してほしいと思います。メール上だけでは一部の人だけにしか 情報が伝わらないと思います。なぜなら現場に帰って見ると、消防職員のパソコン の普及率は、まだまだ低く情報源が少ないと思いました。 西岡さんは書きました。 >シミュレーションに関しての議論が盛り上がっていますが、救急隊員の初期教 >育、生涯教育の中で欠くことのできない大切なことと思います。 > この議論は、シミュレーションに限らず普遍的に共通することも多く、自分 >の足元を再確認する上でも非常に貴重なディスカッションであったと思いま >す。 日本の救命士制度は、まだ生まれて日が浅く、何が正しく何が間違っているか 議論されていなく、多くの事が混乱していると思います。西岡さんも言っている ように、これから先も間違った方向だけには進まないように足元から固めて行 かなくてはいけないと思います。 私も西岡さん同様、多くを議論する必要を感じた非常に貴重なディスカッション であったと思います。 最後に越智さん伊藤さんにお願いがあります。 一連の研修所のシミュレーションについての議論を消防職員が多く参加している amlに転送していただけませんでしょうか。 aml上でも活発な議論を交わせないものかと考えた次第です。 皆さんのご意見をお聞かせください。 北九州市消防局 竹川 利和
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From: Genro Ochi Date: Tue, 04 May 1999 23:10:01 +0900 Subject: [eml-9: 02411] Re: 研修所のシミュレーション(越智さん伊藤さんにお願い) 竹川さん、皆様、おち@愛媛です。研修所ならびに消防本部、救急 救命士会などでの救急処置に関する論議を広い範囲の関係者の間で共 有することは、大賛成です。その一つの方法は誌上発表や学会発表だ と思いますし、もう一つは公開ホームページへの収載だと思います。 eml, seml, amlの3MLでの情報共有、メールの相互転送は、私は 複雑すぎると思います。私は3つ全部入っていますし、seml、amlの メンバーで emlにも入っている方はかなりの比率であると思います。 そこで、以下のような案を出させていただきます。 ・eml, semlでのこれまでの関連メールを、発信者の了解が得られる範 囲で、公開ホームページに収載する。 ・seml、amlやそれ以外の関連メーリングリストに、今回の論議につい て案内をして、ホームページをみていただきく。またホームページ やメーリングリスト宛に、意見や感想を寄せていただく。その意見 をホームページに収載すると共に、必要に応じて eml, semlでも紹 介する。 *今回のテーマでの eml, semlでのご発言を公開ホームページへ収載 させて下さる方は、メーリングリスト上か私宛の個人メールでお教 えいただけませんでしょうか。その際、ご所属、お名前を出させて 下さる方は、ご付記いただけると幸いと存じます。どうぞよろしく お願い申し上げます。 竹川 利和 さんは書きました(eml-9: 02409): >最後に越智さん・・さんにお願いがあります。 一連の研修所のシミュレーションについての議論を消防職員が多く 参加しているamlに転送していただけませんでしょうか。 aml上でも活発な議論を交わせないものかと考えた次第です。 以上、皆様のご意見をお聞かせ下さい。
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From: "Y.Takeda" Subject: [eml-9: 02412] RE: 研修所のシミュレーション Date: Tue, 4 May 1999 23:22:28 +0900 西岡さん、竹川さん、皆さんこんばんは竹田@出雲消防です。 西岡さん、いつもいつもフォローありがとうございます。m(_ _)m 西岡さんより > 竹川さんが、シミュレーションを自動車の運転にたとえられていましたが、 シミュレーションにも目的に応じた車種があるように思います。初心者には 初心者向けの車、レースにはF-1、引越しにはトラック。 研修所のシミュレーションは、初心者が車を運転するためのもの。F-1カーや トラックが活躍するシミュレーションは別にあるはずですが、まだボンヤリ としたもののようであります。 シミュレーションについて竹川さん、西岡さんより車の運転に例えてがありま したので、ここらでお互い討論しやすいようにどの段階のシミュレーションか 分かりやすくしてはどうでしょうか? 藤山@西部消防さんのまとめられたシミュレーション[eml-9: 02365]を元に私 の思いつきですが ○標準課程(1課程、2課程) ・BLS・・・・・よちよち歩き ・基本的手技(バックマスクなど) ・基本的行動(これが話題の操法的シミュレーション。やはり行動が決まって いるのでシミュレーションというより基本的行動)・・・・徒歩 ・2課程シミュレーション(9項目を使ったシミュレーション)・・・・9項 目を使ったから自転車 ○救急救命士研修所・・・自動車教習所入校 ・基本的手技(バックマスクなど再確認、特定3項目手技)・・・シミュレー ターを使った運転 ・基本的行動(特定3項目を使った操法的行動)・・・・教習所内での自動車 教習 ・研修所のシミュレーション(救急車同乗実習)・・・・路上教習 ○現場 ・再教育シミュレーション基本編(署の資器材による基本的シミュレーション) ・・・・若葉マーク ・再教育シミュレーション応用編(各症例に合わせた応用的シミュレーション) ・・・・FIやトラック 例えば ・F1(スクープ・アンド・ラン)・・・交通事故などによる血胸、気胸、タ ンポナーデ、腹腔内出血など ・トラック(荷物が壊れないように大事に搬送)・・・脊椎損傷など ・ファミリーカー(家族を大事に)・・・・AMIなど というのはどうでしょう。 「偉そうなことを言って、お前が一番シミュレーションの出来が悪かったぞ !」と当時の教官から言われそうですが、emlにはいらっしゃらないようで すので・・・・同期の皆さんは黙っていて下さいね。 **************** 竹田 豊 出雲消防署 東部分署
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From: "竹川 利和" Subject: [eml-9: 02414] RE: [ 02412] RE: 研修所のシミュレーション Date: Wed, 5 May 1999 00:51:15 +0900 竹田さん西岡さん皆さんこんばんは竹川@北九州市です。 竹田さんは書きました。 >○標準課程(1課程、2課程) (中略) ○救急救命士研修所・・・自動車教習所入校 (中略) ○現場 (中略) わかりやすい解説誠に有難うございます。今回の議論で学んだ事は 結論としては一緒の所にたどり着いたであろう議論も、一人で考えて も良い結果は出ない、皆で考えてこそ価値ある結果が出ると思いました。 結果よりも過程が大事だなぁ・・・とつくづく思ったしだいであります。 これからも良い意見を宜しくお願いします。 北九州市消防局 小倉南消防署第一係救急隊 竹川 利和