最初 前へ 次へ 最後 インデックス テキスト


【スライド5】

 私は災害医学研究者の1人として、広域・災害救急医療情報システムのこれまでの運営状況を、外部から見せていただいて来ましたが、現段階における問題点をまとめてみました。

 1) 同システムの地域センターは全47都道府県のうち22府県にしか導入されておらず、また当初の地域センター導入に関する5カ年計画についても、遅れ気味であるとお聞きしています。現状においては、地域センターが導入されていない地域からは、災害時においてほとんど被災情報や救援要請に関する情報が発信されず、また届かないことを意味しています。

 2) このシステムについては救急医療関係者や国民の間で余り知られておらず、またそのホームページも災害医療関係者がしばしばアクセスする魅力的なwebとは言えないと思います。

 3) 自治省や国土省などは、厚生省による災害医療ネットワークとは別の経路の災害情報システムを構築しており、これらのネットワーク間の横のつながりは希薄であると思われます。

 4) 災害時に広域・災害救急医療情報システムを円滑に運用する上で、災害時を想定した訓練は必須であると思いますが、広域での通信訓練はほとんど行われていません。