救急医療メーリングリスト(eml)より

第4回日本集団災害医療研究会のお知らせ

―第2報―

(980907、neweml 4274)


とき:1999年2月11−12日
ところ:石川県女性センタ-
    金沢市三社町1番44号
主催:金沢医科大学麻酔学教室
会長:青野允

特別講演
1.坂本重太郎(外務省元スペイン大使)
2.Frederich M. Burcle Jr.(ハワイ大学)

シンポジウム
 わが国における「Disaster Medicine」

ワークショップ
1.標準トリアージタグの問題点と実用化
2.災害拠点病院の役割と運営
3.わが国における災害医療用語の統一化

一般演題(公募)
 集団災害医療、防災に関する演題を募集致します。
 演題名、演者名、所属、抄録(本文600字以内、英語または日本語)で、
 A4版1枚に収める。

締め切り:1998年11月20日(24時必着)
    (郵便、FAX、E-mailとも)

送り先:第4回日本集団災害医療研究会事務局
    〒920-9293
    石川県河北郡内灘町大学1−1
    金沢医科大学 麻酔学教室
    FAX: 076-286-3475
    E-mail:
anesth@kanazawa-med.ac.jp

日本集団災害医療研究会セミナー


 2月13日(土)、日本集団災害医療研究会セミナーを行います。
 第4回日本集団災害医療研究会に引き続き、同会場にて行います。
(9−16時、予定)

 【内容】集団災害時の医療管理とトリアージ
 # グループ別、トリアージシミュレーション

 費用:5,000円(昼食つき)(予定)
 ※グループ編成などの都合により、申し込み(事前)順(60名程度)にて
 締め切らせて頂きます。

 申込先:日本集団災害医療研究会セミナー委員会
     担当 二宮宣文

 学会、セミナ-、宿泊、旅行などに関するお問い合わせは、第4回日本集団災害
医療研究会事務局(金沢医科大学麻酔科)、和藤までお願いします。資料をお送
り致します。
TEL: 076-286-2211
E-mail:
allstar@kanazawa-med.ac.jp

 今回、本研究会ではシンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップ の役割、災害医療に関して積み残されている問題を整理したり、具体的なアクシ ョンに結び付けられるようにすることを課題と考えています。

 よろしくお願い致します。

 なお、日本集団災害医療研究会会員の皆様には後日、ご案内、資料をお送り致 します。  また、このmailはできるだけ他のネットワークに転載して頂ければ幸甚です。

和藤幸弘
金沢医科大学
麻酔科
allstar@kanazawa-med.ac.jp
http://apollo.m.ehime-u.ac.jp/jadm/www/watoh/


【手洗いをしましょう】

『殺人者』と呼ばれないために(ゼンメルワイスの話)

(980905、neweml 4258、兵庫医科大救急部資料より)


 ゼンメルワイス(Ignaz Philipp Semmelweiss, 1818-65)が1847年にウィーン 大学の産科助手となった頃、大学病院の産科では産褥熱による死亡が猖獗を極 めており、多くの産婦は悲惨な死を迎えていたのである。このような状況の中 で彼はいくつかの事実に気づいた。

1)第一産科(医学生の教育)の死亡率は20% 前後、第二産科(助産婦の教育)はその1/10である。

2)病院外の出産では死亡率はもっと低い。

3)病棟を閉鎖すると再開後はしばらく死亡者が出なくなる。

などである。

 さらに、友人の法医学者が剖検時の怪我から敗血症で死亡し、その剖検所見 が産褥熱の死亡患者に酷似していることを知った。この結果より彼は医師や学 生が剖検をした汚れた手でそのまま患者を診察することが産褥熱の原因と結論 づけた。

 その後、彼はすべてのスタッフ、学生に塩素水で死体臭がなくなるまで手洗 いをすることを励行させた。その結果、産褥熱の死亡率は1.2%にまで低下した。 塩素水が有効であったかは疑問であるが死臭がなくなるまで十分に手洗いをす ることが感染予防に有効であったことは間違いない。

 当時一流の産婦人科医達を「殺人者」と呼んではばからない彼は医学会から は認められることもなくその晩年は悲惨であった。医学的に消毒の概念が確立 されるにはおよそ1/4世紀後のパスツールやリスターの業績を待たねばならなか った。しかし、ゼンメルワイスが今から約150年前に観察した事実は現在の病院 にも共通する事実を含んでおり、かれの叫びは今まさに真剣に受け止めなけれ ばならない問題である。

(文責:吉永和正)

 <手洗いは習慣、感染は瞬間>
         (沖縄県立中部病院 遠藤和郎先生、兵庫医大講演会より)


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