乳児の突然死撲滅キャンペーン―かけがえのない我が子を守るために― |
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突然の予期しない1歳までの子供の突然死で、その死因は明らかにされていない。生後1カ月未満、1歳以上ではまれで、大半は6カ月以下の乳児である。米国で、7000-10000人/年、わが国では1995年579人(男341人、女238人)が死亡している。
SIDS発症率(出生 1000対)
(戸刈 創先生、乳幼児突然死症候群 LISA別冊'97, p.66-77より)
原因
肺、呼吸中枢の反応性異常、自律神経系の機能異常、overheating、覚醒障害、再呼吸等が考えられているが、現在までのところ不明である。
重要危険因子
睡眠時の体位
母親側の危険因子
赤ちゃん側
他の因子
防止策
1)うつ伏せ寝を止め、仰向きに寝かせる。
2)妊娠中、授乳期の禁煙
3)添い寝はだめ。母親が起きているのであれば、問題なし。
4)柔らかすぎるマットレスを使用しない
5)妊娠中は早めに検診を。
6)両親の教育(病院、保健所等で教育が必要)
7)おしゃぶりの使用?
8)乳児の隣に子供を寝かせない。
9)母乳で育てる。
乳児の特徴
2)脱水になりやすい。熱があるときは、外出は控え、こまめに水分の補給を(熱性けいれんを防止)。
乳児に対する注意点
★注意すべきサイン
2)熱があるとき。
3)いびきをかく。ヒューヒュー音がする(喘息)。
4)ちょっと前に、ピーナツ等を食べていた(気管内異物の可能性あり)。
5)呼吸パターンがおかしい(上気道閉塞、気道狭窄のサイン)。
6) 冷や汗をかいているとき。
7)脈が普段より速い、遅いとき。
8)チアノーゼがあるとき。
9)刺激しても反応がないとき。
★5)の様な症状が出現したら
★起こしても症状がとれなければ、
親の不注意による事故は未然に防ぎましょう。
熱いお湯がかかったときは慌てず、すぐに水を衣服の上からかけてから衣服を脱がしましょう。熱は皮膚の奥まで漫透していきますので、皮膚の深いところまでの熱による障害を防ぐために15分程度は水で冷やしましょう。低体温には注意が必要です。
喘息児のお母さんへ:喘息発作時の吸入は非常に有効ですが、1日に何回も使用しますと、危険な場合があります、先生の指示通りに使用してください。
小児は脱水になりやすいので、水の補給は十分に。ジュース、スポーツドリンク等には糖が、スナック類には食塩が含まれています。子供のおやつには注意が必要です。
お子さんだけでなく、ご主人、ご両親にも気配りを。
高齢者は夜間トイレに行くのを嫌がり、水を控えますが、水を控
えることは血液の流れを悪くし、脳梗塞、心筋梗塞等を起こしやすくします。寝る前のコップ1杯の水は飲むようにしましょう。
子供にはいざというときは、まず119番通
報するように教えましょう。これは大事です。
いざというときのために、心肺蘇生法
を覚えましょう。
(ちょっとした家族の気配りで安心して暮らせる家庭を)
■乳児突然死症候群(SIDS)について
オーストラリア 1.9〜3.7
アイルランド 2.5
イギリス 2.0〜2.8
スウェーデン 1.0
デンマーク 1.7
フィンランド 0.3〜0.5
ニュージーランド 0.3〜0.5
ホンコン 0.3
ベルギー 1.7
オランダ 1.3
フランス 2.7
カナダ 1.5
アメリカ 1.7
日本 0.5
1)喫煙
2)若年妊娠(20歳以下)
3)コカイン、麻薬常用者
4)早産
5)妊娠中の病気
6)低所得者、低学歴
7)未婚
8)頻回の妊娠
9)多胎
1)子宮内発育不全、
2)早産(38週以下)
3)低出生体重(2500g以下)
4)男
1)冬
2)屋外
全国的なおしゃぶり使用率は、いつもおしゃぶり使用が25%、夜間のみ24%、日中のみが23%あるのに比べ、SIDSでは10%と低い(ノルウェイ)。
■乳児の緊急事態への対処
1)機嫌が悪いとき。
1歳未満であれば、口―口鼻人工呼吸か口―鼻人工呼吸を。
■お母さん達に御願い:
親の不注意による事故を防止しましょう