From: 森 真一
Date: Tue, 12 May 1998 21:33:39 +0900
Subject: [WNN:10179] MSF・カンボジアからの便り(長文)
拝啓
突然お便りするご無礼をお許しください。私は医師として国境なき医師団 (MSF)で仕事を始めてまもなく12年になります。ボランティアとして参加 した最初の数年問、タイで大勢の医師や看護婦と共にカンボジア難民の医療 援助にあたっていました。そして1991年、両国の往来が再び可能になったと きに、ここブノンペンにやってきました。私を魅了する国カンボジアはとて も貧しいのが現状ですが、政治状況が不安定なこの国で、私たちが行ってい る仕事は大変役に立っています。
私がカンボジアからこの手紙をお送りするわけは、この国が多くの日本人に 関わりがあるのと、MSF日本が数年来、私たちを支援してくださっているか らです。また、私たちが不幸にも今なお直面している深刻な状況を皆様にお 伝えするためです。
毎年雨期が始まる頃になると、数千人の子どもたちが死の危険にさらされる ことになります.
犠牲となるのは主に4、5才の子どもたち。感染してしまうと4、5日で命を 落としかねない恐ろしい病気、それがデング熱です。この病気はあまり世間 に知られていません。それはこのウイルスに対するワクチンが全く存在しな いからです。この病気はシマカという蚊に一度刺されただけで感染してしま います。カンボジアでは今年の冬、異常気象でした。そのためすでに予想以 上の患者数が確認されています。シマカは暑さを好む性質があるからです。 そして、街の家々の周囲に生息し、昼間から活発に飛び回りますから、森に 潜み夜行性の、マラリアを引き起こす蚊であるハマダラカよりもずっと恐ろ しい蚊なのです。雨期の間、道路の水溜まりや庭に置かれた水がめ、空缶な どのたまり水が、シマカを繁殖させ、感染症を巻き散らすための絶好の温床 となってしまうのです。悲劇はそれだけでは終わりません。カンボジアでは この病気の死亡率が近隣の国々よりも10〜15倍も高いのです。なぜでしよう か。母親が子どもの様子に気づくのが遅く、病院に来たときにはかなり病状 が悪化していることが多いからです。子どもたちを救うためには、デング熱 が決して油断をしてはいけない病気であることを知ることが必要です。初期 の症状は普通の病気と何ら変わりありません。ただ、高熱を出すため、母親 はいつものように子どもに解熱剤を与えます。医者ではない母親は、薬がす ぐに効かなくてもあまり気に留めないかもしれません。やがて熱は下がり、 3〜5日後には母親は安心してしまいます。ところがこれは薬が効いたのでは なく、この病気の自然な進行段階の一つなのです。そして熱が下がるそのとき から病気はさらに悪化していきます。子どもは発作を起こし、皮膚や鼻、歯茎 そして胃から出血を始めます。血を吐き、血便までも。適切な処置がなければ、 その子どもの命はもはや10数時間ともたないでしよう。
デング熱は私たちMSFの病院や無科診療所において最重要課題です。雨期が近 づいた今、私たちは全カを拳げて準備をしています。医療設備、医薬品の追加、 説明するための正しい情報、そして母親たちが一刻も早くこの病気に気づくよ うに教えることなど。また予防にも力を入れています。家の周囲を掃除したり、 水がめにしっかり蓋をしたり、殺虫剤を使うなどしています。看護婦が素早い 対応をできるよう教育することも必要です。そして血液銀行を一層充実させ、 安全な輸血を行わなければなりません。(カンボジアでエイズが猛威を振るっ ているのをご存じと思います。)
このような形での死を阻止するため、私はカンボジアから皆様に申し上げます。 今から10月までに、間違いなく1万人ぐらいの子どもたちが感染するでしょう。 早期ならば点滴、カテーテル、臨床検査などによる簡単な治療を2〜4日間で 4,000円程度の費用でできます。重症の場合は、治療は複雑で期間も長くなり、 費用も13,000円程度となるばかりか、死亡率も高くなります。
皆様のご援助をお願いしたいと思います。何カ月かの後、カンボジアの子ども たちを救えたことを共に喜び、誇りに思えることを心から願っています。
敬具
「国境なき医師団」カンボジア責任者
イブ・コイエット(医師)
国境なき医師団カンポジアは現地スタッフ267人と国外からの派遣メンバー47人 で成り立っています。主な活動は、保健衛生施設の改修、地元スタッフの教育、 エイズ及ぴ性感染症対策、結核対策などです。現地の責任者コイエット医師の要 望により、私たちは彼の手紙をごらんのように翻訳しました。毎年、何干人もの カンポジアの子どもたちがデング熱にかかっています。
皆様のご支援があってこそ、私たちはこの子どもたちを治療し、救うことができ るのです。ご協力をお願い申し上げます。
国境なき医師団・日本 事務局長
ドミニク・レギュイェ
From: 森 真一
Date: Tue, 12 May 1998 21:34:07 +0900
Subject: [WNN:10180] MSF・アフガニスタン情報
アフガニスタンの4分の3を支配するタリパーンによる女性差別政策について は昨年来、何度か報告してきたが、現在でも状況はほとんど改善されておら ず、現地NGOの活動にも支障をきたしている。首都カプールのアリアバード 病院で活動していたMDM(「世界の医師団」)もついに活動を中止すること になった。彼等は女性と男性を分けて治療に当たっていたのだが、結局女性 は病院に来ることができないのだ。MSFが活動するカルテス病院でも同じ問 題が起きるかもしれない。ここでは2人の女性職員が私たちの活動を手伝っ てくれているが、今の所、当局からの正式な労働許可はおりていない。
4月末、MSFの派遣準備隊員2名がハザラジャット地方(アフガニスタン中央 部)のガズニを出発し、ベシュッドに到着した。現地当局と打ち合わせ、周 辺地域の保健、医療施設の調査を始めている。270kmもの悪路を旅して到着 した準備隊員は、現地の人々の大歓迎を受けた。この辺りの住民は貧しいが、 深刻な栄養不足は数例を数えるのみだ。
医療体制としでは、ナウールでは病院があるものの、医療物資、医薬品がな く、患者もいない。ベシュッドには診療所があるが医師が2人いるのみで手伝 える者がいない。ガーダンドゥパルでは10名あまりの看護士がいるものの医 者はいない。施設はかなり破壊されており大規模な工事が必要と思われるが、 地域共同体では予算が組まれているようだ。
一方、パンシールでは、「赤十字国際委員会」が襲われるなど強奪事件が多 発している。治安全般も悪化してきている。MSFは、派遺団を送る前にマス ード元国防相と会見する予定だ。
東京災害ボランティアネットワーク
(980515、3300ML 17)
第1回全体会当日資料
Date: Fri, 15 May 1998 12:09:00 +0900
Subject: [3300ML 17] 〔東災ボ〕第1回全体会当日資料
1998年度 第1回 東京災害ボランティアネットワーク 定例全体会
地震被害想定に基づく東京災害ボランティアネットワークの役割
日時:1998年5月9日(土) 13:30〜16:30
会場:日本赤十字看護大学講堂
日程
13:30 講義1「東京都における地震被害想定と地域防災計画」
講師:佐々井 幹彦 氏(東京都総務局災害対策部副参事)
=資料No.1〜7配布資料=
講義2「地震被害想定に基づく防災のまちづくりに向けて」
講師:大矢根 淳 氏(江戸川大学社会学部応用社会学科専任講師)
=資料No.8〜10=
15:30 全体会協議
「東京災害ボランティアネットワークの役割と今後について
1.これまでの経過報告 =資料No.11〜12=
2.拡大運営委員会の実施について =資料No.13=
3.東京都の9月1日防災訓練への東災ボーとしての参加について
=No.14〜25=
4.その他
16:30 終了
= 懇 親 会 =
--------
【No.1〜7】
東京都における地震被害想定と地域防災計画
佐々井 幹彦 氏(東京都総務局災害対策部副参事)
東京における直下地震の被害想定に関する調査報告書(概要)
1 調査の目的
現在の東京に直下地震が発生した場合の被害を推計し、都及び区市町村等の防災
対策の一層の推進を図るとともに、都民の防災意識の向上に寄与するための基礎
資料を得ることを目的として実施した。
2 調査機関
平成4年中央防災会議の「南関東地域直下の地震の発生は、ある程度の切迫性を
有している」との指摘を受けて、平成6〜8年度の3年間にわたり行った。
3 都におけるこれまでの被害想定調査(関東大地震の再来を前提)
昭和53年(区部)、昭和60年(多摩)及び平成3年(都全域)に実施、
公表。
4 想定の基本的な考え方
(1)調査にあたっての基本方針
1)東京の高度に発達した都市的状況を十分反映するとともに、より危険度の
高いケースを選択して想定する。
2)科学的、客観的な手法および最新のデータを用いて、可能な限り定量化を
図る。
3)分かりやすい被害想定とする。
(2)被害想定の前提条件
1)想定する地震の規模等
・震源 区部直下、多摩直下、神奈川県境、埼玉県境の4か所
・規模 マグニチュード(M)7.2
・震源の深さ 地下20〜30km(東京ののっている北米プレートとも
ぐり込むフィリピン海プレートとの境界)
・震源域(岩盤の破壊面積) 長さ40km×幅20km程度
2)地震発生時刻及び気象条件
冬の平日午後6時、晴れ、風速6m/秒(この時刻等は平成3年9月に
公表した被害想定の設定と同様である。)
3)二重に危険度の高い揺れの設定
i)過去の東京直下地震及び国の中央防災会議が切迫性があると指摘する
南関東直下地震の規模はM7.0程度であるが、より危険なケースを
想定する観点から、2倍のエネルギーをもつM7.2に設定した。
ii)東京全体を約7,000のメッシュに分けて、メッシュごとに震源か
らの距離別、地盤構造別に揺れの大きさを算出した上で、さらに約
1.5倍した数値を採用した。
(地表最大加速度1.58倍、地表最大速度1.48倍)
5 想定項目
+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|想 定 項 目 | 内 容 |
+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|ゆれ、液状化、 |地盤のゆれ、地盤の液状化、津波、地震水害 |
|津波、地震水害 | |
+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|建物等の被害 |ゆれ・液状化による建物被害、崖崩れによる建物被害、 |
| |ブロック塀等の被害、落下物、その他 |
+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|火災 |出火、消火、延焼火災、その他 |
+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|鉄道・道路等の被害|鉄道・道路の被害と復旧、その他 |
+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|供給処理施設の被害|上水道、下水道、電力、都市ガス、電話の被害と復旧 |
+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|人的被害 |死者、負傷者 |
+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|社会生活上の被害 |帰宅困難、住宅支障、食料支障、飲料水支障、医療支障 |
| |教育支障、その他 |
+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
6 想定結果の概要
<全体的な特徴>
(1)都内におけるゆれの強さは、いずれの地震でも最大で震度6強であり、地盤
の状況の違いから、阪神・淡路大震災のような震度7のゆれの地域は発生し
ない。
(2)ただし、震度6以上のゆれとなる面積は広く、都域における被害はかなり広
範囲に及ぶ。
<都民生活に影響が一番大きい区部直下地震の被害の特徴>
(1)ゆれ及び液状化により建物被害が多数発生する。
区部で全半壊約12万1千棟(7.1%)、多摩地域で全半壊約2万2千棟
(2.5%)の被害が発生する。
(2)出火件数は、都全体で824件。そのうち延焼拡大する火災は149件で、
焼失面積は96km^2、焼失棟数38万棟。特に環状7号線沿線、中央線沿
線のいわゆる木造住宅密集地域で大きな延焼被害が発生する。
(3)ライフラインへの影響
ライフラインの被害では、発災4日後、都全体で断水33万戸(5.9
%)、停電115万戸(16.6%)、ガスの供給停止132万戸(25.
3%)が発生する。
(4)人的被害
都全体で死者7,159人、負傷者158,032人が発生する。
そのうち建物倒壊等による死者は2,344人、負傷者は130,648
人。
火災による死者は4,802人、負傷者は26,587人。
また、今回初めて阪神・淡路大震災のデータをもとに鉄道施設の被害による
死者を推計。死者13人、負傷者797人。
(5)社会生活上の被害
発災1日後の避難所への避難者数は、区部126万人、多摩25万人、合計
で151万人。
また、帰宅困難者は約371万人発生。
7 調査体制
この被害想定調査は、東京都防災会議地震部会が実施した。検討に際しては、ワー
キンググループに分かれてそれぞれの担当事項を検討し、各グループに共通する事項
については、地震部会および調査委員会で審議した。
+−−−−−−−+
|東京都防災会議|・・・会長 都知事
+−−−−−−−+ 関係防災機関
|
|
+−−−−−−−+
|地 震 部 会|
+−−−−−−−+
|
|
+−−−−−−−+
|調 査 委 員 会|・・・会長 溝上 恵
+−−−−−−−+ 地震部会委員
| 警視庁
| 東京消防庁
+−−−−−−−+ 災害対策部
|作 業 部 会|
+−−−−−−−+
|
|
| +−−地震動・液状化ワーキンググループ
| | (地震部会委員 岡田 義光外)
| |
| +−−建築・火災ワーキンググループ
| | (地震部会委員 熊谷 良雄外)
| |
+−−+−−供給処理・交通ワーキンググループ
| (地震部会委員 川上 英二外)
|
+−−人的・社会的機能ワーキンググループ
| (地震部会委員 中林 一樹外)
|
+−−総合化ワーキンググループ
(地震部会委員 熊谷 良雄外)
【地震部会名簿】
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|部会長|溝上 恵|東京大学名誉教授 全東京大学地震研究所教授 |
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|委 員|岡田義光|科学技術庁防災科学技術研究所地震調査研究センター長 |
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
| 〃 |川上英二|埼玉大学工学部教授 |
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
| 〃 |熊谷良雄|筑波大学社会工学系教授 |
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
| 〃 |中田慎介|高知工科大学工学部教授 前建設省建築研究所第4研究部長|
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
| 〃 |中林一樹|東京都立大学都市研究所教授 |
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
| 〃 |松田磐余|関東学院大学経済学部教授 |
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
| 〃 |山崎文雄|東京大学生産技術研究所助教授 |
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
| 〃 |山本康正|元・駒澤大学文学部教授(平成8年8月逝去) |
+−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
※数値データは省略いたします。
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【No.8〜10】
地震被害想定に基づく防災のまちづくりに向けて
大矢根 淳 氏(江戸川大学社会学部応用社会学科専任講師)
地震被害想定に基づく防災まちづくりにむけて
構成:1.被害想定の仕組み
2.被害想定の読み方
3.防災まちづくりへの応用
1.被害想定の仕組み
1−1.被害想定項目連関
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|〔1〕ゆれ →〔2〕構造物被害 →〔3〕人的被害等 |
| (−)防災関連機能障害 |
| (+)社会防災力機能 |
| [条件] [計算] [想定] |
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
[計算]:例えば「家具転倒率」は「家具プロポーション分布」を
「自治体職員家庭アンケート」等から算出する。
そして「震度→死傷者発生確率」を
RI=2.27×10^-5(I−3.5)^3.4
から算出する(神奈川県:1993)
1−2.シナリオ型被害想定の意義
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|〔1〕ゆれ →〔2〕構造物被害 →〔3〕人的被害等 |
| (−−)防災関連機能障害 |
| (++)社会防災力機能 |
| [条件] [計算] [想定] |
| |
| −−−−−−−−−−−−−→ |
| シナリオ作成 |
| |
| ←−−−−−−−−−−−−− |
| 課題抽出・対応検討 |
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
2.被害想定の読み方〜コミュニティ・レベルでの実践的再解釈
・コミュニティ単位/足許の被害態様の具体的イメージ化
例)「死者0.8人」の検討→○○2丁目の□□さん(痴呆85歳女性)、建
物倒壊で圧死
3.防災まちづくりへの応用
3−1.コミュニティ単位のシナリオ作成
・「防災まちづくり」をこえて「災害まちこわし」を受け入れるメンタリ
ティの醸成
1)手法としての(簡易型)図上演習
2)被害態様にコミュニティ防災力を投入(各種阻害要因を盛り込む)
3)被害を軽減するための実践的・防災行政的課題の抽出
3−2.防災行政実務者との検討→現実化
3−3.問題点
・参加者の確保(自治会・町内会の下位部会あたりを単位に始める)
・プライバシー問題(小規模検討会でクリアすべき)
・検討成果の実現可能性(防災行政の限界を双方で確認する)
※図表は省略いたします
□講師略歴□
大矢根 淳 35歳 東京都出身
慶應大学法学部 同大学院(修士課程・博士課程)修了
防災関連・ニューメディア関連の研究機関(※1)
北京日本学研究センター・派遣講師等(※2)等を経て
現在、江戸川大学社会学部応用社会学科専任講師
※1:未来工学研究所、防災&情報研究所、電気通信政策総合研究所、日本労働
研究機構
※2:これまで慶應大学・学習院女子大学・常盤大学・宇都宮大学・聖マリアン
ナ医科大学講師、消防大学校講師等を兼任(担当:災害社会学/コミュニ
ティ論/社会調査論/社会学概論)
当講演に関連する主な著書・論文等
・『神奈川県西部地震説と小田原市民』(共著),1990。
・「小田原市『自主』防災組織の組織論的考察〜自主防災組織調査(1989年)を
めぐって」
・『慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要』,1992年。
・『神奈川県西部地震被害想定調査報告書』(調査研究参加),1993。
・『地域災害における高齢者問題とその対応』(共著),1994年。
・『阪神・淡路大震災における災害ボランティア活動』(共著),1996年。
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【No.11〜12】
東京災害ボランティアネットワーク
第1回・2回運営委員会協議報告
(事業計画について)
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|第1回運営委員会の開催 |
| 日 時:平成10年2月17日(火)午後6時30分〜 |
| 会 場:飯田橋セントラルプラザ10F C会議室 |
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
■協議事項
事前意見の紹介、当日資料に基づき、次回運営委員会で決定することを目標に、3
グループに分かれて討議し、討議内容を全体に報告した。
グループ〔1〕
・実際災害時にネットワークは何をするべきか。
・平常時のグルーピング(テーマ別分科会等)をいかにして図るか。その際、各
団体の活動分野や機能だけで分けるのではなく、興味・関心や今後の活動の可
能性も考慮してはどうか。そうした小ネットでの協議・情報交換をしつつ、全
体会に持ち寄り全体での情報交換を図るという進め方が考えられるのではない
か。
・災害時にセンターとしての機能をどのように運営していくのか。
・テーマ別分科会や研修を通して、ネットワークの参加メンバーが互いに知り合
っていけるのではないか。
・行政との関わり方、関係の持ち方について。東災ボとして、行政の実施する防
災訓練への参加等も考えられるのではないか。
・地域とのネットワークをどう考えていくのか。自治会、商店会、公共施設等、
地域との情報のつながりをどのように構築していくか。
グループ〔2〕
・東京都の災害漕艇場の課題等をよく知った上で、シミュレーションをやってみ
る必要がある。
・ネットワーク オブ ネットワークとしての意味と果たして行くべき役割につ
いて。具体的に人・物・金のコーディネートをどうしていくか。
・参加団体間の顔の見える関係作り。
・予算(活動資金)をどう確保するか。
・帰宅困難者への対応をどうするか。
グループ〔3〕
・参加団体の個々の機能が見えるインデックスやフェイスシートの様なものを作
ってはどうか。
・団体間で、顔の見える横のネットをどう作っていくか。
・阪神の経験、事例から具体的な課題を抽出し学習してはどうか。
・分科会は、具体的なテーマを設定があり、やれる団体があれば、順次始めてし
まえばよいのではないか。
・図上シミュレーションによる各団体の機能、資源についての認識の掘り下げを
どう図っていくか。
・全体会としてのシミュレーションの実施
・行政との連携と役割分担
・情報システムについて。情報の提供と発信のルール作り。
・災害弱者対策について。安否確認上の課題。
・避難所運営とコーディネートについて。
・救援活動にかかわる法律についての学習の必要性。
・活動資金について。
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|第2回運営委員会の開催 |
| 日 時:平成10年3月25日(水)午後6時30分〜 |
| 会 場:飯田橋セントラルプラザ6F 視聴覚室 |
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
■協議事項
事務局でまとめた前回の協議結果を基に、主に定例全体会、テーマ別分科会、研修
・講座・イベント、ネットワークの運営、その他について協議した。
・地域のボランティア・センターとの連携が重要。現段階では一般都民への広報啓
発に力を入れていくべきではないか。
・このネットワークを組織化することの意味を明確にしたほうがいい。一つには、
情報通信の伝達、共有、効率化を具体化することであり、情報、ソフト、マンパ
ワーを有機的に結びつけて機能するシステムを作っていかねばならない。
・阪神・淡路大震災の教訓から、当時被災地で効率的に救援活動が出来なかったの
はなぜかという理由を研究し、共有化する必要がある。
・個々の分科会の充実を計りつつ、機能別の組織体の集合としてのネットワークは
何をすればいいのか。
・分科会としてか、全体会としてかはともかく、とりあえずネットワークとして働
きだしたほうがいい。
・都の作成している被害想定や生活復興マニュアルの大まかな中身とそこでのボラ
ンティアの位置づけを事前に勉強しておくべきではないか。
・ネットワークの目的は各団体間の交流なのか、災害時に実働部隊として機能する
ネットワークを目指すのか。
・前出の問題は、現時点では断定できない要素が多すぎる。当面は手さぐりで行く
しかない。一方阪神でのボランティアによる有機的かつ即効性のあった救援活動
の評価・分析はネットワークとしてやっておくべき。
・イベント等については屋外で各団体間の仲間作りに繋がる楽しい物を企画しては
どうか。例えば防災訓練や帰宅難民ウォーク等
〔情報提供〕〔西〕→東災ボのイベントを企画する際の参考にしてはどうか。
・98東京都環境展/エコライフェア都民環境交流集会の開催
日時 1998年6月6日(土),7日(日)
会場 渋谷NHKホール周辺
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【No.13】
第3回 東京災害ボランティアネットワーク (拡大)運営委員会の実施について
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|災害時のシミュレーションと住民ニーズの検討|
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
第1回・2回運営委員会の協議事項および今回の全体会での学習内容に基づいて、
下記のように運営委員会を実施し、東京災害ボランティアネットワークが果たすべき
機能・役割を検討していきたいと考えます。まず災害時における状況と対応の時系列、
地理別シミュレーションを行い、住民ニーズの洗い出しのワークショップを実施しま
す。その中で東京災害ボランティアネットワークとして何を、どこまで機能させるの
かまでを検討できればと考えております。
第1回・2回運営委員会は委員以外のメンバーの方々には積極的なご出席の呼びか
けをしていませんでしたが、今回以降は拡大運営委員会とし、全てのメンバーの方々
また、関係者・学経の方などにも依頼しながら、東京災害ボランティアネットワーク
としての基礎固めの作業をしたいと思います。
実施時期:1998年6月中旬より順次(日時は追ってご通知します)
内 容:1)災害発生後3日間・1〜2週間・1〜3ヶ月程度の時系列シミュレー
ション
2)東京都区部中部・南部・北部・多摩中部程度の地理別シミュレーショ
ン
3)時系列、地理別住民ニーズの検討作業
4)各団体の対応の検討
5)東京災害ボランティアネットワークとしての活動
6)その他の検討事項(東京周辺以外の災害への対応など)
そ の 他:1)この間、メンバーの方々から、文書などでご意見をいただいておりま
す。そうした内容もこの作業の中で活かしてまいりたいと検討してお
ります。
2)その他、ご意見・アイディア等ございましたら事務局までお願いいた
します。
3)事務局の力不足でまだニュースレターがでていません。まったく申し
訳ありませんが、近日発行予定です。最近の情報などはそちらに掲載
予定ですのでよろしくお願いします。
連 絡 先:〒162−0083
東京都新宿区神楽河岸1−1 東京ボランティア・市民活動センター気付
東京災害ボランティアネットワーク 事務局
TEL 03−3235−1171
FAX 03−3235−0050
--------
【No.14〜25】
東京都の9月1日防災訓練への東災ボとしての参加について
98,5,9 東災ボ・第1回全体会議への提案(五辻@東京都生協連)
1.東京都・防災訓練−−98年度の実施計画の特徴(別紙資料参照)
(1)渋谷区との合同訓練−−密集市街地における都市型被害想定と対応訓練
(ex.渋谷駅での乗客等の被災混乱状態に対する避難救護・救出救助活動
訓練−−東急等デパートも訓練参加)
(2)昼間都民−−“帰宅困難者”対策−−事業所民間人の自主防災・避難訓練
(ex.事業所に勤める“昼間都民”は避難所に殺到せず、自主防災組織を
編成して徒歩で多摩川河川敷まで避難する訓練)
(3)避難所仮設・運営、災害弱者対応訓練等
(ex.社会事業大学跡地を会場に、避難所への誘導や救護、避難所開設運
営、災害ボランティア受入訓練等。夜間宿泊の避難所体験訓練も検
討中。)
2.東災ボとしての参加の意義と方法(項目)
(1)昨年は日赤東京都支部を受け皿として、連合東京(ボランティア・サポート
隊)、東京都生協連、などが参加した。この他、独自にAMDA他一部医療
系NGO、市民防災研究所等が参加しました。
(2)発足間もない東災ボが、都民に存在を知ってもらうためには、よい機会であ
り、また行政その他災害対策機関との関係づくりのためにも、「東災ボ」の
旗で参加することは意義あります。
(3)参加項目は以下の項目について具体的に検討します。
1)防災ボランティア等活動訓練(8月31日からの夜間宿泊訓練も含む)
2)昼間都民対策訓練等への後方援護訓練
3)普及・啓発活動
4)その他(医療系は別途災害医療救護訓練に参加、等)
(4)但し、具体的に参加する・しないは各参加団体の自主性であり、参加の意思
と力量のある団体が自主的企画を用意して「東災ボ」の旗の下に参加した
い。東災ボの事務局・運営委員会は日赤等と協力し、参加の仕方を調整し、
窓口の役割をします。
3.具体的な参加準備スケジュール
(1)参加団体の企画検討は6月の運営委員会までとします。
(2)6月、7月の運営委員会で、参加方法等を具体化し、会員団体に呼びかけま
す。
(3)7月に参加希望団体を対象に「事前訓練」を実施します。訓練項目は、
1)ボランティアの受入、2)応急救護・搬送、3)非常炊き出し等を予定
し、日赤東京都支部の協力により実施します。
(4)これとは別に「災害ボランティア・センター運営コーディネーター養成」基
礎講習の開催について、検討します。
以上
※これ以下、「平成10年度東京都・渋谷区合同総合防災訓練実施計画(案)」資料
につき省略いたします。
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東京災害ボランティアネットワーク 定例全体会出席名簿(予定者)
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|No| 団 体 名 | 参 加 者 名 |
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|01|アジア友好の家(FAH) |木村吉男 |
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|02|板橋防災ボランティア幹事会 |本橋金一 |
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|03|一冊の会 |高柳治子 |
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|04|Inter-Community Network |小島誠一郎 |
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|05|葛飾ボランティア連絡会 |古道到 |
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|06|葛飾エフエム放送株式会社 |蛯原宏 |
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|07|SeRV(真如苑救援ボランティア)|片山統久 |
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|08|災害OUT・SIDE |正村圭史郎 |
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|09|ザ・ボランティア’95 |長沼昭太郎 |
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|10|さわやか福祉財団 |和久井良一 |
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|11|株式会社資生堂 |稲葉正靖 |
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|12|生活クラブ生活協同組合 |伊藤隆志 |
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|13|世田谷ボランティア協会 |山崎富一 |
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|14|全労災東京本部 |杉浦高志 |
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|15|全国大学生活協同組合連合会 |鹿住貴之 |
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|16|曹洞宗 |村田淳志,河津裕幸 |
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|17|曹洞宗国際ボランティア会 |高橋久夫 |
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|18|長寿社会文化協会 |梅本純生 |
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|19|帝国繊維株式会社 |篠原光昭 |
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|20|東京ハンディキャブ連絡会 |伊藤正章 |
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|21|東京青年赤十字奉仕団 |伊藤正章 |
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|22|東京YMCA |関野彰子 |
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|23|東京マイコープ |生原勇 |
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|24|東京都生協連 |五辻活 |
+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+
|25|東京ボランティア・市民活動センター|安藤雄太,柴田健次,佐藤新哉 |
+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+
|26|東京都社会福祉協議会 |後藤麻理子 |
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|27|OCNet |川俣光眞 |
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|28|豊島ボランティア・センター |平野幸子 |
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|29|日本青年奉仕協会 |木村央 |
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|30|日本経済新聞社 |今田和彦 |
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|31|日本赤十字社東京都支部 |佐藤雅紀 |
+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+
|32|日本児童教育専門学校 |三浦知義 |
+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+
|33|日本山岳修道会奉仕会 |盛善 |
+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+
|34|日本ストレス医療士協会 |吉田弘善,岡田春美 |
+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+
|35|日本赤十字社 |畑厚彦 |
+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+
|36|練馬区特殊救護赤十字奉仕団 |大石肇 |
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|37|ハートライフ |林田浩 |
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|38|ぱれっとを支える会 |谷口奈保子,相馬宏昭,三森紀子|
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|39|BHN支援協議会 |篠原浩一郎 |
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|40|復生あせび会相談事業部あせび会 |秋山知隆 |
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|41|ふるさと荒川を創る区民の会 |山下博誉 |
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|42|ボーイスカウト東京連盟 |小川博 |
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|43|明治生命株式会社 |青木利元 |
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|44|連合東京ボランティアサポートチーム|佐藤ドリ |
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|45|連合東京 |上原泰男,真島明美 |
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|46|連合東京ボランティアサポートチーム|猪山吉徳 |
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