付 録


目 次

(予算関係)

1. 救急医療対策事業実施要綱

2. 医療施設近代化施設整備事業実施要綱

3. 災害拠点病院整備事業実施要綱

4. 医療施設運営費等補助金交付要綱(抜すい)

5. 医療施設等施設整備費補助金交付要綱(抜すい)

6. 医療施設等設備整備費補助金交付要綱(抜すい)

7. 総理府及び厚生省所管補助施設災害復旧費実地調査要領

8. 厚生省所管補助施設災害復旧費実地調査について

9. 総理府及び厚生省所管補助施設災害復旧費実地調査に関する対象施設について

10.社会福祉・医療事業団の災害融資制度の概要(医療貸付)

(関係通知)

1、トリアージ・タッグの標準化について

2、災害時における初期救急医療体制の充実強化について

3、大規模災害に際しての応急救護活動に関する申し合わせ

(関係法令)

1、 災害救助法

2、災害対策基本法(抜すい)

3、大規模地震対策特別措置法(抜すい)

4、阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律,政令(抜すい)

5、地震防災対策特別措置法,政令,告示(抜すい)

6、建築物の耐震改修の促進に関する法律,政令

(付・治療に関する参考資料)

1.外傷

2.挫滅症候群

3.感染予防

4.汚染創


救急医療対策事業実施要綱

医発第692号 昭和52年7月6日

一部改正健政発第437号 平成8年5月10日


I、休日夜間急患センター

1. 目的

この事業は,地方公共団体が,休日又は夜間の診療を行う急患センター(以下「休日夜間急患センター」という。)を整備し地域住民の急病患者の医療を確保することを目的とする。

2. 補助対象

地方公共団体が設置運営する休日夜間急患センターとする。ただし,地方公共団体の委託等により実施する休日夜間急患センターを交付の対象とすることができる。

3. 整備基準

(l) 休日夜間急患センターは,人口5万人以上の市に1か所(40万人を超える人口を有する場合には,20万人ごとに1か所)及びこれに準ずる市町村に1か所整備するものとする。

(2)休日の診療とは,次のアからエに掲げる日の午前8時から牛後6時までの間に診療を行うことをいい,夜間の診療とは牛後6時から翌日午前8時までの間に診療を行うことをいう。

ア、 日曜日
イ、国民の祝日に関する法律(昭和23年7月20日法律第178号)に定める祝日及び休日
ウ、年末年始の日(12月29日から1月3日まで)
エ、週休二日制に伴う土曜日又はその振替日

(3) 補助金の申請等にかかる休日夜間急患センターの運営事業については他の経理と明確に区別され得るものとする。

II、体日等歯科診療所

1. 目的

この事業は,都道府県又は都道府県知事の要請を受けた市(以下「都道府県等」という。)が行う休日及び休日の夜間における歯科診療並びに心身障害者(児)歯科診療を実施する歯科診療所(以下「休日等歯科診療所」という)の設備整備及び運営に要する経費を補助することにより,休日,休日夜間及び心身障害者(児)の歯科診療体制を確保することを目的とする。

2. 補助対象

実施主体は,都道府県等とする。ただし,運営費については,都道府県等の委託により実施する休日等歯科診療所の運営及び当該歯科診療所へ派遣する歯科医師の連絡調整を行う事業を交付の対象とする。

また,設備整備費については,都道府県等が賃借契約に基づき,前記委託休日等歯科診療所において無償で使用させるために行う事業を交付の対象とすることができる。

3. 整備基準

(1)休日の歯科診療とは,次のアからエに掲げる日の牛前8時から牛前6時までの間に歯科診療を行うことをいう。

ア、 日曜日
イ、 国民の祝日に関する法律(昭和23年7月20日法律第178号)に定める祝日及び休日
ウ、年末年始の日(12月29日から1月3日まで)
エ、週休二日制に伴う土曜日又はその振替日

(2) 休日夜間の歯科診療とは,次のアから工に掲げる日の午前6時から翌日午前8時までの間に歯科診療を行うことをいう。

ア、日曜日
イ、国民の祝日に関する法律(昭和23年7月20日法律第178号)に定める祝日及び休日
ウ、年末年始の日(12月29日から1月3日まで)
エ、週休二日制に伴う土曜日又はその振替日

(3)心身障害者(児)歯科診療とは,障害者基本法(昭和45年法律第84号)第2条に定める者(以下「心身障害者(児)という。)を対象に原則として77日以上の診療日を定め,牛前8時から午前6時までの間に歯科診療を行うことをいう。

III、在宅当番医制

1、目的

この事業は,地区医師会が実施する在宅当番医制の定着化を図るとともに,さらに末実施地区への普及を図ることにより,休日又は夜間における地域住民の急病患者の医療を確保することを目的とする。

2、 補助対象

 地区医師会(郡巾i医師会,指定都市の区医師会)が,当該地区医師会の区域において,地方公共団体の委託等により実施する下記事業とする。ただし,これによりがたい場合は,都道府県知事が設定する区域において,厚生大臣が適当と認める者が地方公共団体の委託等により実施する下記事業とすることができる。

(1)休日又は夜間の診療を行う在宅当番医の当番日の調整事業及び在宅当番医の実施事業

(2)休日夜問急患センターヘの派遣する医師の調整を行う事業

(3)地域住民に対する救急医療知識の普及啓豪を行う事業

IV、第二次救急医療体制

l. 目的

(l)病院群輪番制病院等運営事業は,地方公共団体が地域の実情に応じて病院群輪番制方式,共同利用型病院方式等による第二次救急医療施設を整備し,休日夜間急患センター,在宅当番医制等の初期救急医療施設及び救急患者の搬送機関との円滑な連携体制のもとに,休日又は夜間における入院治療を必要とする重症救急患者の医療を確保することを目的とする。

(2)ヘリコプター等添乗医師等確保事業は,離島,山村にお いて,発生した重症救急患者をヘリコプター等により搬送する際,地方公共団体の要請により,機内において早期に必要な救急処置を行うため,添乗する医師を確保することを目的とする。

2. 補助対象

(l)病院群輪番制病院等運営事業

ア、 地域設定地域設定は,原則として二次医療圏単位とする。ただし,二次医療圏単位によりがたい地域については都道府県知事が設定する地域で厚生大臣が適当と認めたものとする。

イ、 病院地方公共団体又は地方公共団体の長の要請を受けた病院の開設者が整備,運営する病院で相当数の病床を有し,医師等の医療従事者の確保及び救急尊用病床の確保等,第二次病院としての診療機能を有する病院とする。

(2) ヘリコプター等添乗医師等確保事業

救急息者の搬送にヘリコプター等を使用し,これに医師等を添乗させる事業を行っている地方公共団体とする。

3. 運営方針

(1)病院群輪番制病院等運営事業

地域の実情に応じた次の方式により休日夜間の診療体制を整えるものとし,原則として,初期救急医療施設からの転送患者を受け入れるものとする。

ア、 病院詳輪番制方式

地域内の病院詳が共同連帯して,輪番制方式により実施するものとする。

イ、 共同利用型病院

医師会立病院等が休日夜間に病院の一部を解放し,地域医師会の協力により実施するものとする。

(2) ヘリコプター等添乗医師等確保事業

地方公共団体は,ヘリコプター等による救急患者の搬送に当たっては,次により添乗医師等を確保するものとする。救急息者1人の搬送に対し,原則として医師1人の添乗とする

ただし,救急患者の症状に応じて看護婦等1人の添乗を追加できるものとする。

4. 整備基準

(1)病院群輪番制方式

ア、 当番日における第二次救急医療施設として必要な診療機能及び専用病床を確保するものとする。

イ、 当番日における病院の診療体制は,通常の当直体制の外に重症救急患者の受け入れに対応できる医師等医療従事者を確保するものとする。

(2) 共同利用型病院方式

ア、 第二次救急医療施設として必要な診療機能及び専用病床を確保するものとする。

イ、 病院の診療体制は,通常の当直体制の外に重症救急患者の受け入れに対応できる医師等医療従事者を確保するものとする。

(3) へリコプター等添乗医師等確保事業

地方公共団体は,へリコプター等へ容易に添乗できる体制を確保するものとする。

(4) 施設及び設備

ア、施設

第二次救急医療施設として必要な診療部門(診療室,処置室,手術室,薬剤室,X線室,検査室等)及び専用病室等を設けるものとする。

イ、設備

第二次救急医療施設の診療機能として必要な医療機械を備えるものとする。また,搬送途上の患者の様態を正確に把握し,医師の具体的指示を搬送途上に送るため,地域の中心的な第二次救急医療施設に心電図受信装置を備えるものとする。

V、救命救急センター

l. 目的

この事業は,都道府県が救命救急センターを整備し,休日夜問急患センター,在宅当番医制等の初期救急医療施設,病院群輪番制等の第二次救急医療施設及び救急患者の搬送機関との円滑な連携体制のもとに,重篤救急患者の医療を確保することを目的とする。

2. 捕助対象

都道府県の医療計画等に基づき,都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備,運営する救命救急センターで厚生大臣が適当と認めるものを対象とする

3. 運営方針

(1) 救命救急センターは,初期救急医療施設及ぴ第二次救急医療施設の後方病院であり,原則として,初期救急医療施設及ぴ第二次救急医療施設からの転送患者を受け入れるものとする。

(2) 救命救急センターは,臨床研修医,レジデント等に対する救急医療の臨床教育の場とする。

4. 整備基準

(1) 救命救急センターは,相当数の病床を有し,心筋梗塞,脳卒中,頭部損傷等の重篤救急患者の救急医療を行うために必要な高度の診療機能を有するものである。

(2)救命救急センターには,24時問診療体制を確保するために,必要な職員を配置するものとする。

ア、 医師

 循環器科,脳神経外科等の各診療科の組合せを考慮して,常時救命医療に対応できる体制をとるものとする。特に麻酔科等の手術に必要な要員を待機させておくものとする。

イ、 看護婦等医療従事者

 重篤救急患者の診療体制に必要な要員を常時確保すること。特に手術に必要な動員体制をあらかじめ考慮しておくものとする。

(3) 施設及び設備

ア、 施設

病棟(病室,ICU,CCU病室等),診療棟(診療室,検査室,X線室,手術室等)等救命救急センターとして必要な部門を設けるものとする。また,ヘリコプターでの搬送患者を受け入れるため,必要に応じてヘリポートを整備するものとする。

イ、 設備

救命救急センターとして必要な医療機械及び重症熱傷患者用備品を備えるものとする。また,原則として医師の管理のもとに救急現場・搬送途上(以下「搬送途上」という。)ヘ出動し,重篤救急患者を搬送するドクターカー及び搬送途上の患者の容態を正確に把握し,医師の具体的指示を搬送途上に送るため心電図受信装置を整備し,消防官署等の応援を得て運用するものとする。

(注)ドクターカーとは,患者監視装置等の医療機械を搭載し,医師,看護婦等が同乗し,搬送途上へ出動する救急車である。

VI、高度救命救急センター

1. 目的

この事業は,都道府県が高度救命救急センターを整備し,救急医療の円滑な連携体制のもとに,特殊疾病患者に対する医療を確保することを目的とする。

2. 補助対象

都道府県の医療計画に基づき,都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備,運営し,厚生大臣が認めた救命救急センターのうち,特に高度な診療機能を有するものとして厚生大臣が適当と認めるものを対象とする

3. 運営方針

高度救命救急センターは,救命救急センターに収容される患者のうち,特に広範囲熱傷,指肢切断,急性中毒等の特殊疾病患者を受け人れるものとする。

4. 整備基準

(1)高度救命救急センターは,広範囲熱傷,指肢切断,急性中毒等の特殊疾病患者に対する救命医療を行うために必要な相当高度な診療機能を有するものである。

(2) 高度救命救急センターには,24時間診療体制を確保するために,必要な職員を配置するものとする。

ア、 医師

常時高度救命救急医療に対応できる体制をとるものとする。特に麻酔科等の手術に必要な要員を待機させておくものとする。

イ、 看護婦等医療従事者

特殊疾病患者の診療体制に必要な要員を常時確保すること。特に手術に必要な動員体制をあらかじめ考慮しておくものとする。

(3) 設備

高度救命救急センターとして必要な医療機器を備えるものとする。

VII、救急現場医療確保事業

(救急自動車医師,看護婦同乗及びホットラインシステム事業)
1. 目的

都道府県の整備した救命救急センターのドクターカー及び消防機関の救急自動車を活用し,地域の救急医療施設等及び消防機関との円滑な連携体制のもとに,医師・看護婦等が救急現場・搬送途上(以下「搬送途上」という。)に出動し,高度の応急処置を行うことにより,救急患者の救命率の向土を図ることを目的とする。

2. 補助対象

 都道府県の救急医療に関する計画に基づき,都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備,運営する救命救急センターで厚生大臣が適当と認めるものを対象とする。

3. 運営方針

(1) 救命救急センターに「救急自動車医師,看護婦同乗及びホットラインシステム運営委員会」(以下「ドクターカー運営委員会」という。)を設置し,本事業の実施,運営に関する必要事項を定める。

(2) ドクターカー運営委員会の委員は,救命救急センター,地区医師会,協力医療機関,消防機関,警察機関等に所属する者から構成するものとする。

(3) ドクターカー運営委員会は,都道府県に設置されている協議組織と密接な連携をとり,都道府県の救急医療体制と整合性のある運営を行うものとする。

4. 整備基準

(1) 救命救急センターに専用回線(電話)を設置するものとする。

(2) 医師,看護婦等の搬送途上への出動は原則として,消防機関の要請を受けて,医師が判断するものとする。

(3) 救命救急センター,協力医療機関等は搬送途上に出動する医師,看護婦等を確保するものとする。

(4) 救命救急センターは原則として,ドクターカーを整備するものとする。

VIII、救急医療情報センター

(広域災害・救急医療情報システム)
l. 目的

この事業は,都道府県が県全域を対象とした救急医療情報センター(広域災害・救急医療情報システム)を整備するとともに,都道府県センター間のネットワークの運営,バックアップセンターの運営を行い,通常時は救急医療施設から的確に情報を収集し,医療施設,消防本部等へ必要な情報の提供を行い,円滑な連携体制の基に,救急息者の医療を確保し,また,災害時には医療機関の稼働状況,医師・看護婦等スタッフの状況,ライフラインの確保,医薬品等の備蓄状況等,災害医療に係る総合的な情報収集及び提供を行うことを目的とする。

2. 補助対象

都道府県又は都道府県知事の委託を受けた法人が整備,運営する救急医療情報センター(広域災害・救急医療情報システム)を補助対象とする。

3. 運営方針

(l) 通常時は,各都道府県の状況に応じた都道府県完結型の救急医療情報システムとする。すなわち,休日夜問急患センター,第二次救急施設及び救命救急センター,その他救急医療に必要な体制に関する情報を収集し,医療施設及び消防本部等に必要な情報を提供するものとする。

(2) 災害時に迅速かつ的確に救援・救助を行うため,全国の医療施設の状況を全国の医療施設,消防機関,保健所その他の行政機関等が把握可能な情報システムとする。

(3) 災害時に交換する情報は,全国共通化するものとする。

(4) 都道府県センターは,災害時において災害・救急医療情報を広域的に利用するためにパックアップ機能を保持するパックアップセンターと結ぶものとする。また,災害時において都道府県センターが機能しなくなった場合においては,都道府県センターの役割をパックアップセンターが直接行えるようにするものとする。

(5)災害時に登録した情報は,国民が有効に利用できるよう 必要な情報をインターネットを通じ公開するものとする。

4. 事業内容

(1) 通常時の事業

ア、 毎日定時の情報収集事業

(ァ)診療科別医師の在否

(ィ)診療科別の手術及び処置の可否

(ウ)病室の空床状況(診療科別,男女別,ICU,CCU室等の特殊病室及びその他)

イ、 情報提供,相談事業

医療施設,消防本部及び地域住民からの間い合わせに対して適切な受入れ施設の選定,確認又は回答を行うものとする。

(2) 災害時の情報収集及び提供事業

ア、 医療施設状況

イ、 患者転送要請

ウ、 医薬品等備蓄状況

エ、 ライフライン等状況

オ、 受人患者状況

カ、 ボランティアの提供及び要請状況

5. 整備基準

(1) パックアップセンター

ア、 全国の災害・救急医療情報をバックアップするために全国に1か所バックアップセンターを置くものとする。

イ、 運用は24時間体制で行うものとする。

ウ、 耐震性の建物に設置するものとする。

(2) 都道府県センター

ア、 各都道府県には,広域災害・救急医療情報システムを運用,登録するための都道府県センターを設けるものとする。

イ、 運用は24時問体制で行うものとする。

ウ、 耐震性の建物に設置するよう配慮するものとする。

(3) 端末機器

医療施設,保健所その他の行政機関等に広域災害・救急医療情報システムの情報交換のための端末機器を置くものとする。

6.上記によりがたい場含は,あらかじめ厚生大臣に協議の上適当と認めたものとする。

IX、中毒情報センターデータベース整備事業

1. 目的

この事業は,財団法人日本中毒情報センターが化学物質等による急性中毒の治療方法等に関する情報を迅速に提供するため,それらの情報に関するデータベースを整備し,急性申毒対策の充実を図ることを目的とする。

2. 補助対象

財団法人日本中毒情報センターとする。

3. 事業内容

(l) 化学物質等によって起こる急性中毒に関する次のような情報の収集

ア、 急性中毒の原因となる物質の名称,成分,組成等に関する情報

イ、 アの物質を含有する商品の名称,含有量等に関する情報

ウ、 急性中毒の症状及び治療方法等に関する情報

(2) (1)により収集した情報の整理集積

(3) 急性中毒に関する情報提供に必要な基礎資料の作成


医療施設近代化施設整備事業実施要網

健政発第786号 平成5年12月15日

改正健政発第434号 平成8年5月10日


1. 目的

この事業は,医療資源の効率的な再編及ぴ地域医療の確保に配慮しつつ,病院における患者の療養環境,医療従事者の職場環境,衛生環境等の改善を進めるとともに,ヘき地や都市部の診療所の円滑な承継のための整備等を促進し,もって医療施設の経営の確保を図ることを目的とする。

2. 捕助対象

次に掲げる者が開設する医療施設の患者療養環境,医療従事者職場環境,衛生環境等の改善のための施設整備事業都道府県,市町村,日本赤十字社,全国厚生農業協同組合連合会,社会福祉法人,健康保険組合及びその連合会,その他厚生大臣が適当と認める者

3. 補助条件

(1) 病院

【絶対条件】

次の1)から10)をすべて満たすこと。ただし,下成7年度に医療施設近代化施設整備事業の国庫補助を受けた病院及び阪神・淡路大震災により被災を受けた病院については,なお従前の絶対条件を適用する。

1) 建替整備を伴う場合は,整備区域は築後概ね30年以上経過又は阪神・淡路大震災により被災していること。

2) 整備後の整備区域の病棟の一床ごとの病室面積を6.4m2以土(改修の場合は5.8m2以上),かつ一床当たりの病棟面積を18m2以上(改修の場合は16m2以土)確保すること。

3) 直近の医療監視等における医師・看護婦の現員の職員数の標準に対する比率が,原則として,いずれか一方が医療法上の標準を満たしており,かつ,他方が80%以上であること。

4) 付添看護を行っていない病院(付添看護解消計画を届け出て,解消に取り組んでいる病院を含む。)であること。

5) 精神病院にあっては,精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第18条に基づく常勤の精神保健指定医が2名以上配置されている病院であること。ただし,病床数がl00床末満の病院にあっては,常勤の精神保健指定医が1名以土配置されている病院であること。

6) 次のいずれかに掲げる病院であること。ただし,整備区域の病棟の病l末数を20%以土削減する場合はこの限りではない。

ア、 平成8年5月10日健政発第441号健康政策局長通知「ヘき地保健医療対策事業について」に基づくへき地中核病院

イ、 昭和52年7月6日医発第692号‐医務局長通知「救急医療対策の整備事業について」に基づく次の病院

(ア)病院群輪番制等に参加している病院
(イ) 共同利用型病院
(ウ) 救命救急センター又は救急救急センターを設置している病院

ウ、 昭和55年11月5日医発第1116号厚生省医務局長通知「地域医療研修センターの整備について」に基づく地域医療研修センターを設置している病院

エ、 昭和55年11月4日医発第1105号厚生省医務局長通知「腎移植施設の整備事業について」に基づく腎移植施設

オ、 昭和57年1月22日医発第85号厚生省医務局長通知「老人デイケア施設の整備事業について」に基づく老人デイケア施設

カ、 昭和59年10月25日健政発第263号健康政策局長通知「共同利用施設の整備について」に基づく共同利用施設

キ、 平成4年12月18日健政発第812号健康政策局長通知「患者環境改善施設整備事業の実施について」に基づく患者環境改善施設整備事業実施病院

ク、 昭和54年7月27日厚生省発医第137号厚生事務次官通知「医療施設等施設整備費の国庫補助について」に基づく次の病院

(ア) 教育病院
(イ)不採算地区病院(ただし,辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律(昭和37年法律第88号)第2条第1項に基づき指定を受けた地域を有する市町村の区域に所在する病院を除く。)
(ウ)周産期医療施設

ケ、 平成6年6月23日健政発第495号健康政策局長通知「研修医のための研修施設の整備について」に基づく研修医のための研修施設を整備する病院

コ、 訪間看護ステーション実施病院

サ、 在宅介護支援センター実施病院

シ、 平成6年3月16日保険発第25号に基づく緩和ケア病棟届出施設

ス、 外来患者の院外処方箸率が30%を超える病院

セ、 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第19条の8に基づく指定病院

ソ、 平成6年3月16日厚生省告示第61号「厚生大臣の定める施設基準jに定める基準を満たす精神科デイケアを実施している精神病院

タ、 平成4年7月27日健医発第902号保健医療局長通知「精神障害者地域生活援助事業(精神障害者グループホーム)の実施についてに基づく精神障害者地域生活援助事業を実施している精神病院

チ、 昭和63年2月17日健医発第143号保健医療局長通知「精神障害者社会復帰施設の設置及び運営について]に基づく精神障害者社会復帰施設を運営している精神病院

ツ、 昭和57年4月16日衛発第360号公衆衛生局長通知「通院患者リハビリテーション事業の実施についてlに基づく精神障害者社会適応訓練事業を実施している精神病院

テ、 平成8年1月19日健医発第58号保健医療局長通知「保健所及び市町村における精神保健福祉業務についてに 基づき実施される地域精神保健活動に協力支援している精神病院

7) 整備区域の病棟の病床数を10%以上削減し,そのまま病院全体の医療法の許可病床数を削減すること。ただし,都道府県の医療計画上病床非過剰地域において,日本赤十字社,全国厚生農業協同組合連合会,社会福祉法人,健康保険組合及びその連合会,その他厚生大臣が適当と認める者が開設する病院については,病床削減を必要としないが,増床を伴う整備計画を伴わないこと。

8) 整備後の病棟には患者食堂又は談話室を整備するとともに,スロープを設置する等,高齢者・身体障害者に配慮した整備をすること。

9) 整備区域の病棟は,最低20床以上の病棟とすること。

10) 精神病院及び精神病棟にあっては,整備後の整備区域の病棟には畳部屋,6床を超える病室及び原則として鉄格子を設けないこと。

【加算条件】

11) 病棟のほか,患者サービスの向上等を図るため,次の事業を併せて整備する場合は,補助対象基準面積の加算をする。

ア、 患者の療養環境改善の整備
イ、 医療従事者の職場環境改善の整備
ウ、 衛生環境改善の整備エインテリジェント化及びアメニティ環境の整備
エ、 乳幼児を抱える母親の通院等のための環境の整備(授乳コーナー,ベビールーム等)

(2) 診療所

次のいずれかを満たすこと。

1) 承継に伴う診療所の施設整備次のアからオのすべてを満たすこと。

ア、 以下のいずれかの条件に該当し,かつ,事業実施年度の前年度,当該年度,又は翌年度の承継に伴う施設整備であること。

(ア) 次のいずれかの地域に所在する診療所

  • 山村振興法(昭和40年法律第64号)第7条第1項の規定に基づく指定地域

  • 過疎地域活性化特別措置法(平成2年法律第15号)第2条第1項に規定する地域

  • 離島振興法(昭和28年法律第72号)第2条第1項の規定に基づく指定地域

  • 沖縄振興開発特別措置法(昭和46年法律第131号)第2条第2項に規定する地域

  • 奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)第1条に規定する地域

  • 小笠原諸島振興開発特別措置法(昭和44年法律第79号)第2条第1項に規定する地域

  • 半島振興法(昭和60年法律第63号)第2条第1項の規定に基づく指定地域

  • 豪雪地帯対策特別措置法(昭和37年法律第73号)第2条第2項の規定に基づく指定地域

(イ) 社会福祉・医療事業団が実施する開業医承継支援事業の取扱対象となった診療所

イ、 救急患者の搬入口の整備をすること。

ウ、 ウ高齢者・身体障害者等に配慮したスロープの整備をすること。

エ、 療養指導室の整備をすること。

オ、 小児科を標傍するものについては,乳幼児を抱える母親の通院等のための環境整備(授乳コーナー,ベビールーム等)をすること。

2) 在宅当番医制等診療所の施設整備阪神・淡路大震災により被災した昭和52年7月6日医発第692号医務局長通知「救急医療対策の整備事業について」に基づく在宅当番医制又は休日夜間急患センターの事業を行っている診療所であること。


災害拠点病院整備事業実施要網

健政発第435号 平成8年5月10日


1、 目的

 この事業は,次の災害医療支援機能を有し,24時問対応可能な緊急体制を確保する災害拠点病院を整備することにより,災害時の医療を確保することを目的とする。

(1)多発外傷,挫滅症候詳,広範囲熱傷等の災害時に多発する重篤救急患者の救命医療を行うための高度の診療機能

(2) 患者等の受入れ及び搬出を行う広域搬送への対応機能

(3)自己完結型の医療救護チームの派遣機能

(4) 地域の医療機関への応急用資器材の貸出し機能

2、 補助対象

都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備,運営する災害拠点病院で厚生大臣が適当と認めるものを対象とする。

3、 設置方針

(1) 基幹災害医療センター

原則として各都道府県に1か所設置するものとする。

(2) 地域災害医療センター

原則として二次医療圏に1か所設置するものとする。

4、 整備基準

(1) 災害拠点病院として,必要な施設を有するものとする。

ア、病棟(病室,ICU等),救急診療に必要な診療棟(診察 室,検査室,レントゲン室,手術室,人工透析室等),災害時における患者の多数発生時に対応可能なスペース及ぴ簡易ベッド等の備蓄スペース

イ、 救急診療に必要な診療棟は耐震構造であること。

ウ、 電気等のライフラインの維持機能 エ、 基幹災害医療センターにおいては,災害医療の研修に必要な研修室 オ、 原則として,病院敷地内にヘリコプターの離発着場を有すること。やむなく病院敷地内に離発着場の確保が困難な場合は,病院近接地に非常時にも使用可能な離発着場を確保すること。

(2) 災害拠点病院として,必要な診療設備等を有するものとする。

ア、 広域災害・救急医療情報システムの端末

イ、 多発外傷,控滅症候群,広範囲熱傷等の災害時に多発する重篤救急患者の救命医療を行うために必要な診療設備

ウ、 患者の多数発土時用の簡易ベッド工被災地における自己完結型の医療救護に対応できる携行式の応急用医療資器材,応急用医薬晶,テント,発電機等


総理府及び厚生省所管補助施設災害復旧費実地調査要領

蔵計第2150号 昭和59年9月7日

改正平成7年3月3日 (平成7年1月17日から適用)


第1、 調査の目的

この調査は,総理府及ぴ厚生省所管補助施設(水道施設を除く。)災害復旧事業について,適正な事業費を算出し,予備費使用額等の算定の資料とすることを目的とする。

第2、 調査の方法

(1) 主務省の調査に対して財務局(福岡財務支局及び沖縄総合事務局を含む。以下同じ。)が立会するものとする。

(2) 調査は,原則として実地にて行うものとするが,申請額(社会福祉施設等(調査要領別表1に掲げる施設をいう。以下同じ。)は建物,建物以外の工作物及び土地と設備を合計した額)が百万円末満の箇所又は止むを得ない埋由により実地調査が困難である箇所については,現地福祉事務所等において机上にて調査を行うことができる。この場合には,写真,設計書等により被災の事実,被災の程度等を十分に検討のうえ慎重に採否を決定するものとする。

第3、 調査の対象

(l) 調査の対象は暴風,洪水,高潮,地震,その他の異常な大然現象により被害を受けた別表1の施設等であって,その内容は,建物,建物以外のl作物,土地,設備に係る復旧及び災害廃棄物処理事業とする。

(2) 土地が施設整備の補助金の対象とならない施設にあっては,土地は調査対象外とする。(3)工作物が施設整備の補助金の対象とならない施設にあっては,工作物は調査対象外とする。

(3) 設備については,次に掲げる施設に係るものを対象とする。

ア, 医療機関施設建物と同時に設備が被災した場合において,当該建物と一体として復旧を行う必要のある医療用設備で,次のいずれかに該亥当するものに限る。

(ア) 設置に当たり,放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の適用を受ける放射線発生装置であって,建物と機能的に一体であるもので,リニアック,ベータトロン,コバルト60照射装置及ぴこれらと同等の機能を有するもの

(イ) 設置に当たり,専用の施設を必要とするエックス線装置であって,コンピューターにより画像処埋するもので,CTスキャン(全身用,頭部用)及びこれらと同等の機能を有するもの

(ウ) 設置に当たり,専用の施設を必要とするMR(核磁気共鳴)を利用する画像診断装置

(エ) その他当該建物と一体として復旧を行う必要のある医療用設備

イ, 社会福祉施設等

(ア)社会福祉施設等の設備にあっては,別表2に定める施設の設備(当該施設の所有に係るもので,当該施設の業務の遂行上必要な消耗品以外の物品をいう。)に限る。

(イ)前項の調査の対象とする設備は,当該施設の設備の台 帳に登載されているものでなければならない。ただし,設備の台帳の滅失等のため,登載の有無が確認できない場合又はやむを得ず登載できなかった場合は,この限りではない。

ウ, 廃棄物処理施設廃棄物処理施設の設備にあっては,別表1に定める施設の設備(当該施設の所有に係るもので,当該施設の業務の遂行土必要なものをいう)。とする。

(5) 第1項の「異常な天然現象についての調査及び災害復旧事業採択の範囲については,公共土木施設災害復旧事業査定方針(昭和40年8月5日付蔵計第1967号)第2(災害原因の調査)及び第3(採択の範囲等)の第1項に準じて取り扱う。

第4、 1簡所の定義

(l) 各施設ごとに同一敷地内及び機能的に同一敷地内とみなされる位置に所在するものを1箇所(社会福祉施設等の設備を調査対象とする場合には,建物,建物以外の工作物および土地と設備に区介してそれぞれl箇所)として取扱うものとする。

(2)国立公園等施設の道路にあっては,百メートルをこえる位置に所在する簡所は別簡所とする。なお標識については道路の被害延長外のものは別箇所とする。

第5、 適用除外

次の各号に掲げるものは適用除外とする。

(1) 1箇所の調査額が別表1又は別表2(社会福祉施設等の設備)の限度額末満のもの。

(2)明らかに設計の不備又は工事施行の粗漏に基因して生じたものと認められる災害に係るもの。

(3)著しく維持管理の義務を怠ったことに基因して生じたものと認められる災害に係るもの。

(4)緊急に復旧しなければ執務上著しく支障があると認め難いもの。

イ,被災した建物,建物以外の工作物又は設備と同種のものに余裕のあるもの。

ロ,当該年度に設備計画のあるもの。

ハ,建物の補修の必要性はあるが緊張性に乏しいもの。

(5)工作物及び土地で,当該施設を復旧しなくても,他の施設等に被害を及ぼすおそれのないもの又は業務上,治安土放置しても支障がないと認められるもの。

(6)調査前着工を行ったもののうち写真等の資料により被災の事実の確認できないもの。

(7)1品目の復旧額が13千円末満の社会福祉施設等の設備。

第6、 諸経費率

本調査の対象となる復旧事業にかかる諸経費率は別表3のとおりとする。

第7、 復旧費の算出等

(1) 医療機関施設のうち政策医療実施機関施設(公的医療機関施設を除く),研修施設,看護婦宿舎及び救急医療情報センターの復旧に要する経費は,復旧調査額又は基準額(「医療施設等災害復旧費の国庫補助について」(平成7年厚生省発健政第22号)の別表の基準額をいう。)のいずれか低い額とする。

(2)社会福祉施設等の設備の復旧に要する経費は,復旧調査額又は基準額(「社会福祉施設等施設整備費及び社会福祉施設等設備整備費の国庫負担(補助)について」(平成3年厚生省社第409号)の別表6の基準額をいう。)のいずれか低い額とする。

(3)前項に規定する復旧に要する経費が,1都道府県又は1指定都市において500万円に満たない場合は復旧費の対象としない。

第8、その他

調査に当たり,本要領に規定のない事項は,官庁建物等災害復旧実地調査要領の取扱いに準じて処埋する。

第9、 報告

調査終丁後1週間以内に本省あて別紙様式1及び様式2(社会福祉施設等の設備)により報告書を提出すること。ただし,次の各号に該当する場合は別紙様式3により報告書を提出すること。

(l) 主務省と財務局との意見が一致しない場合。

(2)調査額が,5000万円以上(社会福祉施設等の設備を調査対象とする場合にあっては,建物,建物以外の工作物及び土地と設備にそれぞれ区分する。)の場合。


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