自然毒中毒(7月13日 10:30-11:00 司会:黒岩幸雄)


65  CPAにて搬入され,後日フグ中毒と判明した完全社会復帰例 

                  近畿大学医学部救命救急センター 大澤英寿

CPA状態で搬入されるも心肺蘇生術により救命し得,完全社会複帰した症例を経験
した。後日家族の証言で飲食物よりフグ毒が検出され,フグ申毒による心肺停止と判
明した。症例は45歳の男性で,1995牛12月I0日夕食後午前0時に就寝する
も午前5時に日り声をあげているのに妻が気付いた。救急搬送を要請するも車申で心
肺停止状態となり,CPRをされながら当センターに緊急入院となった。来院時CP
A状態であるも当センター医師によるCPRにて救命し得た。当初,脳血管障害や心
疾患が疑われ,頭部CT検査・脳血管造影検査・心電図を施行するも異常を認めなか
った。入院6時問後より意識の改善がみられ,第3病日に抜管を行い,会話が可能と
なった。妻との詳細な問診の結果,タ食の鍋料理にフグをいれていたことが判明し,
残存していた食物より,27MU/gの毒素が検出され,フグ申毒によるCPA例と
診断した。


66 群馬県における毒蛇咬症調査  (財)日木蛇族学術研究所 堺 淳 1962年以来マムシ咬症調査は行われておらず、1年間にマムシによる咬症がど のくらい発生しているか全く把握されていない。しかしながら毒蛇による死亡者数は 現在ても10名前後あり(人日動態統計より)、ハブ咬症における死亡例が年間0な いしlであることから、毒蛇による死亡のほとんどがマムシによるものであるという ことになる。毒蛇咬症の全国的な調査は困難であるため、先ず群馬県における調査を 行い、発生時の状況や咬症の程度、血清使用状況などについて検討した。平成5〜7 年の3年問について毒蛇咬症患者を取り扱ったのは20病院で、患者数は47であっ た。咬症は5〜9月に発生しており、7、8月に高い発生頻度を示した。重症例は4 例で、血清使用症例数は27であった。群馬県ては山も多く、きのこや山菜採りの時 にマムシと出会う機会が多いと思われるが、その割には意外と発生率は低かった。


67 アマニタ中毒犬におけるAucubinおよびSilibininの効果  長野県がん検診・救急センター 山浦由郎 [目的]アマニタ中毒に対する治療効果をアオキ(Åucuba japonica )から単離したAucubinおよびオオヒレアザミ〈Silybullj mar ianum)からのSilibininを用いて検討した.[方法]ドクッルタケ( Amanita virosa)をピーグル犬に経口投与後,中毒犬は無処置,処置 犬には各々AucubinおよびSilibininを静注した.[結果及び考察] 臨床徴候は中毒犬及び処置犬は1日目に嘔吐,軟便がみられ,前者は粘液便,血便へ と進行し,死の転帰をとったが,後者は症状が軽く3日目には回復した.血夜生化学 検査では中毒犬は血糖の減少,G0T,GPT,LDHの増加が顕著であったが,処 置犬ではそれらの程度が比較的低く,2週間後には元の値まで戻った.剖検では中毒 犬は終末回腸部に出血巣が認められ,肝臓は腫大して暗赤色を呈していた.病理組織 学的検査では肝細胞に頴粒状変性,またグリコゲーンナょど多糖類の消失が観察され た.一方,処置犬ではこれらの異常はみられなかった.今回の実験ではAucubi nおよびSilibininの治療効果の差はほと認められなった。


第18回日本中毒学会総会・抄録集(目次)
第18回日本中毒学会総会・会告